万能無敵
ミルク・エンジェル



特別編
『倒錯! 愛犬遊戯』
(前編)




「美玖ちゃん、お散歩に行こうか」
「うん……」
 こくん、と素直に肯いた美玖に、レニウスは、にっこりと笑いかけた。
 父の残した超文明の遺産の力を手にした正義の少女と、地球征服を企む悪の侵略宇宙人が、東京上空で初めて出会ってから、すでに1年。
 “万能無敵”ミルク・エンジェルこと舞川美玖は、今や、すっかりレニウスの愛奴だった。
 美玖の部屋の中。窓の外の夜空を背景に、レニウスの端正な顔が、美玖の姿態を見つめている。
「じゃあ、服を脱いで」
「うん」
 美玖は、言われるままに、その幼い体を包んでいた薄手の衣服を脱いでいった。



《オープニング・テーマ》
『飛びこえてミルキー・ウェイ』



 美玖は、夏らしい色彩のホットパンツとタンクトップはもちろん、可愛らしいデザインのブラとショーツをも脱ぎ捨てた。
 その、白い裸身が露わになる。
 年相応の、控え目な曲線で構成された小さな体の中、胸だけが、大きく膨らみ、自己主張していた。
 どこかアンバランスで、危うい魅力に溢れた、美玖の体。
 その胸元に、美玖と、ミルク・エンジェルの動力源であるミルク・エンジンとをリンクさせるペンダントが、光っている。
「……」
 美玖は、柔らかそうな頬を赤く染めながら、そっと小さな両手で自らの胸を隠した。
 が、隠そうにも、その魅力的な乳房は、隠しきれるものではない。
「可愛いよ、美玖ちゃん」
 レニウスは、今まで座っていたベッドから立ち上がり、美玖の肩に手を置いて、ちゅ、と彼女の額にキスをした。
 そして、ポケットから、赤い首輪を取り出す。
 美玖は、んくっ、と唾を飲み込んでから、その白い喉を反らし、目を閉じた。
 レニウスが、慣れた手つきで美玖の首に首輪を巻きつけ、留め金を留める。
 再び開かれた美玖の目は、とろん、と潤んでいた。
「しっぽはどうしようか?」
 レニウスが、答えの分かりきったことを、訊く。
「つ、付けて……」
 美玖が、まだ少し舌足らずな声で、言った。
「だったら、おねだりしてごらん」
「……」
 美玖が、さらに顔を赤く染めながら、後を振り返る。
 そして、上体を大きく前に倒しながら、後ろに回した両手で、自らのヒップを割り開いた。
 可憐なココア色のアヌスが、露わになる。
「せ、先生……美玖に……し、しっぽ、付けてください……」
「うん」
 そう返事をして、レニウスは、その指先を美玖の細い脚の間に伸ばした。
「あン」
 レニウスの指がスリットに触れた感触に、美玖が声をあげる。
 レニウスの指が、早くも綻びかけてる少女のその部分を、優しく、そして執拗に撫でる。
 たちまちレニウスの指先は美玖が溢れさせた蜜で濡れていった。
 レニウスが、その愛液を、美玖のアヌスに塗り込めていく。
「あぅっ……」
 すでにその部分も開発済みの美玖は、排泄器官への愛撫に、他愛無く声を漏らしてしまった。
 ほどなく、美玖のアヌスがほぐれていく。
 レニウスは、ポケットからまた別のものを取り出した。
 中央にくびれのある形状のアナルプラグに、犬の尻尾状の房がついたものだ。
 それを、塗りこめた少女の蜜を潤滑液にして、美玖のアヌスに挿入する。
「あうン」
 淫らな器具を難なく肛門で咥え込み、美玖は、甘い声をあげた。
 体を起こし、自分の方に向き直る美玖に、再び、レニウスがキスをする。
 今度は、ピンク色の唇に。
 恋人そのままのキスを交わしながら、レニウスは、最後の仕上げとばかりに、美玖の首輪に鎖をつないだ。
 かちり、という小さな金属音に、美玖がぶるっとその体を震わせる。
 レニウスが口を離すと、美玖の目許は、明らかな情欲でぽおっと染まっていた。
「さ、行こうか」
「わん♪」
 決められたルールどおり、美玖は、嬉しそうに犬の鳴き声で答えた。



 深夜の街を全裸で歩きながら、美玖は、まだ無毛のスリットから、淫らな蜜を溢れさせていた。
 サンダルをはき、2本の足で歩いてはいるが、首輪につながった細い鎖を引かれて歩く様は、従順な犬を思わせる。
 左右で2つの房になった栗色の髪の毛まで、まるで犬の耳のようだ。
 歩を進めるたびに、ふるふるとそのヒップで尻尾が揺れる様が、どこか微笑ましい。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
 静かな夜の街路に、美玖の呼吸の音だけが、響く。
 道は、美玖が小学校に通うためにいつも歩いている通学路だ。
 昼間、赤いランドセルを背負って友達と歩く道を、雌犬のような格好で歩くことに、美玖は、異様な興奮を覚えていた。
(誰かに……誰かに見られちゃったら……)
 美玖は、そのことに、不安よりもむしろ妖しい期待さえ抱いてしまっている。
 レニウスが肩にかけているカバンには、非常用に、美玖の衣服が一式入っている。が、咄嗟の時に、それを一瞬で着替えられる訳ではない。
 もし、生命に危険が及べば、彼女の精神とリンクしているミルク・エンジンが、事態の収拾のために“万能無敵”の力を発揮するのだろう。が、美玖はミルク・エンジンを直感で操っているだけであって、そこまでこの前銀河文明のオーバーテクノロジーに精通しているわけではない。
 そもそも、ミルク・エンジンが、その登録者の変態プレイの後始末にまで、その力を発揮するか否かについては、レニウスでさえ、きちんと分かっているわけではないのだ。
 しかし、その綱渡りのように危うい行為にこそ、この2人の恋人たちは、甘い禁断の愉悦を感じているのである。
「あっちの公園まで、行こうか?」
「わぅん」
 自らをここまで淫らに開発した年上の想い人に、美玖は、嬉しげに答えた。
 レニウスが、優しい笑みを浮かべながら、美玖の頭を撫で、そして、鎖を引く。
 ちゃら、ちゃら、と鎖が鳴る音さえも、下腹部に響いてくるように、美玖には思えた。
 と、レニウスが足を止めた。
「?」
 レニウスの視線の先を見て、美玖が目を見開く。
 一匹の、痩せた野良犬が、じっとこちらを見ていた。
 舌をだらりと下げながら自分を見つめる、無遠慮な犬の視線。それから逃れるように、美玖が、レニウスの陰に隠れる。
 犬が、こちらに近付いてきた。
 すぐ足元にまで近付いたその犬が、長い鼻面を、レニウスの後の美玖に寄せる。
 レニウスは、まるで面白がってるような顔で、そんな犬の仕草と、そして怯える美玖を見つめている。
「きゃん!」
 美玖が、悲鳴をあげた。
 犬が、ふんふんと無遠慮に鼻を鳴らしながら、美玖の股間に顔を寄せてきたのだ。
(やッ! やだ! あっち行って!)
 美玖が、レニウスのワイシャツの背中にしがみつく。
 が、その白いお尻でぱたぱたと動く尻尾に興味を持ったのか、犬はなかなか美玖から離れようとしない。
 はっはっはっはっはっはっ……
 犬特有のせわしない呼吸音に、美玖は背筋を震わせた。
「その犬、美玖ちゃんが気に入ったみたいだね?」
 その、女のように優しげな顔に、ひどく意地悪な笑みを浮かべながら、レニウスが言った。
(やだやだっ……先生、早く行こうよォ!)
 そう、言葉にして叫びたい気持ちをぐっとこらえながら、美玖は、どうにか犬を追い払おうと、足で蹴るまねをする。
 野良犬は、しばらく美玖につきまとっていたが、急に興味を失ったように、つい、と視線を逸らした。
 そのまま、ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ……と爪を鳴らしながら、去っていく。
 美玖は、ほーっ、と安堵の溜息をついた。
 そして、大きな目に涙をため、レニウスの顔を睨みつける。
「ごめんごめん」
 レニウスは、美玖の頭を撫でながら、言った。
「うぅ〜」
 美玖は、恨みっぽい声で唸りながら、レニウスを上目遣いで見つめる。
 レニウスは、くすっ、と頭に来るほど楽しそうに笑って、そして、軽い力で鎖を引っ張った。
「きゅうぅん」
 首輪に力がかかり、美玖は、歩き出さざるをえなくなる。
「さ、気を取り直して、散歩の続きだよ」
 レニウスはそう言って、すたすたと歩みを進めた。
 その背中を追いかけながら、美玖は、犬扱いされる被虐の快感に、さらなる愛液を溢れさせてしまっている自分に気付いていた。



《アイキャッチ》


《CM》



《アイキャッチ》



 やや大きめの児童公園に、二人は来た。
 もっと小さい頃には、美玖も、この公園のブランコや滑り台で游んだことがある。
 もちろん、街灯に照らされた今のこの公園には、誰もいない。
 木々が繁り、それなりに目隠しになっているとはいえ、住宅地の中だ。
 そこで美玖は、剥き出しの可愛らしいヒップを、レニウスに向けていた。
 木製のベンチのシート部分に両手を付き、濡れた流し目を、後方のレニウスに寄越している。
 媚びるような、恨むような、そんな、その年齢からは考えられないほど複雑な情感を湛えた視線だ。
 それが、幼い顔立ちの中で、異様な淫らさをかもし出している。
 そんな彼女の様子に、レニウスが、ぞくりと背中を震わせたことに、美玖は気付いていない。
「もうぐっしょりだよ、美玖ちゃん」
 知らぬ間に奪われそうになった主導権が、まだ自らの手にあるのを確認するかのように、レニウスが、美玖の股間に手を伸ばした。
 プラグを咥えこんだアヌスの下にあるスリットが、その可憐な見かけを裏切るように、大量の蜜を溢れさせている。
 その透明な粘液は白い太腿を伝い、膝にまで達しているほどだ。
「きゃううン!」
 ぷちゅっ、と湿った音を立てて、指が、その幼い割れ目に浅く潜り込む。
「あうン! きゃっ! きゃうん!」
 長い指で熱く湿ったクレヴァスの入口近くを掻き回され、美玖は他愛無く声をあげてしまった。
 ここが、野外――しかもすぐそばに民家があるということを、忘れそうになる。
 そんな美玖の様子に満足そうな笑みを浮かべながら、レニウスは、プラグにつながった尻尾を左手で掴んだ。
 そのまま、ゆらゆらと尻尾を揺らす。
「きゅうううン!」
 プラグに括約筋を刺激され、美玖は、ベンチに突っ伏した。
 すでにペニスを受け入れるまでに開発されたアヌスに刺激を受け、まるで本物の犬のように、可愛らしい舌を出しながら、美玖は喘いでしまう。
 レニウスは、前と後の肉の門に対する動きを、ある時は同期させ、ある時はわざとずらしながら、幼い体に快楽を入力していった。
 美玖の体が、無意識のうちに前後に動き、重たげな乳房がゆさゆさと揺れる。
(ああァ……すごい……すごいよォ……アソコも……オシリもきもちイイのォ……好きィ……♪)
 その小さな口元からだらしなく涎をこぼしながら、美玖は、快楽に身を委ねた。
 すっかり柔らかく綻びた陰唇に、指を深く埋め込みながら、陰核も同時に刺激する。
 すでに、美玖の幼いクレヴァスは、レニウスのものを迎え入れる準備を充分に整えていた。いや、すでに、この公園に連れてこられた時から、美玖のそこは年不相応に用意を完了させていたのだ。
 ただ、レニウスは、この犬の格好をした愛しい少女が、快楽に乱れる姿を見たくて、愛撫を施している。
 そして、美玖はそんなレニウスの気持に、もちろん気付いていた。
(あぁン……見たいの? 先生……美玖が、オマンコやオシリいじられながら、イっちゃうとこ、見たいの?)
 自分の卑猥な姿を最愛の人に晒しているということに、ますます性感を煽られながら、美玖はその白い背中をうねらせ、悶えた。
(いいの……見て……先生……美玖の、エッチなとこ……イヤらしいとこ……ぜんぶ見てェ……っ!)
「はっ……はぅン……あう……わぅン……わン、わン……っ!」
 言葉にできない淫らな思いを表そうとするかのように、浅ましい声をあげ、甘く喘ぎながら、美玖がレニウスを見つめる。
 レニウスは、隠しようのない興奮に渇いた唇を舌で舐めながら、ますます手の動きを早めた。
 その指先が、今やすっかり勃起したクリトリスに、激しいバイブレーションを与える。
「きゃっ……きゃうううううううううン!」
 美玖は、あたりをはばからない声をあげながら、ぐうっと背中を反らした。
 ひくッ、ひくッ、ひくッ、ひくッ……と美玖のいたいけな姿態が、断続的に痙攣する。
 きゅうん、きゅうん、と美玖の膣肉がうごめくのを感じてから、レニウスは、ゆっくりと指を抜いた。
「はゎうぅぅぅ……」
 美玖は、ベンチに手を置いたまま、その場にしゃがみこんだ。
 はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、と荒くなった息の音が、その場に響く。
 その顔は快楽で呆け、褐色の瞳はとろんと潤んでいる。
 しょおおおおお……
 そして、美玖は、その場で失禁してしまった。
 剥き出しの地面が美玖の小水で黒く濡れ、飛沫がサンダル履きの足にまでかかっている。
 そんな、無残ともいえる幼い恋人の姿を、レニウスが、熱っぽい目でじっと見つめていた。
「美玖ちゃん……」
 レニウスは、耐え切れなくなったように、すでにいきりたち、先端から恥液を滲ませた男根を、外にさらした。
 肉色の逞しいペニスを目にし、美玖が、白痴じみた笑みを浮かべる。
 そして、微塵のためらいも見せず、少女はそのグロテスクな肉の凶器をピンク色の唇で咥えこんだ。
 サンダルを履き、脚を開くようにしゃがみこんでいるため、その姿勢は、主人の命令で「チンチン」の姿勢をする犬そのままだ。
「んっ、んっ、んっ、んっ……」
 まるで、好物を前にした仔犬のような余裕のない勢いで、美玖がペニスを吸引する。
 もちろん、これまでたっぷりとレニウスに性技を仕込まれた美玖は、そこに歯を立てるような真似はしない。
 その小さな口内にペニスを迎え入れ、喉奥に亀頭を感じながら、美玖は、ねっとりと舌を動かして幹の部分にからめた。
(すっごい……先生の、ぴくぴくして……先っぽから、苦いお汁が、ぴゅるぴゅるって出てる……)
 腺液の、独特の味と臭いに、頭をクラクラさせながら、美玖は、熱心にレニウスのペニスに奉仕した。
 舌と唇と口蓋が、熱い血液をぱんぱんに充填させたペニスを擦り上げ、唾液で濡らしていく。
「美玖ちゃん……こんなにおしゃぶりが上手になって……」
 奇妙な感動のようなものを声に滲ませながら、レニウスは美玖の頭を撫でた。
 その引き締まった腰が、ゆるゆると勝手に動いてしまっている。
(おしゃぶりされてるときの先生って、カワイイ……大好き……♪)
 その気持を態度であらわそうとするかのように、美玖は、その幼い顔に似合わない濃厚な口唇愛撫で、レニウスを追い詰めていった。
 今度は、レニウスの方が、犬のように喘いでいる。
 くうン、くうン、と美玖の鼻から漏れる息も、まるで仔犬の鳴き声のようだ。
「出そう……ごめん、美玖ちゃん、もう出る……っ!」
 柄にもなく、美玖の口や顔を汚すまい、と考えたのか、レニウスが慌てて腰を引く。
「あン」
 美玖が、逃げようとするレニウスのペニスを、口で追いかける。
 びゅるるるるるるるッ!
 美玖の口元で、レニウスのペニスが、熱い体液を迸らせた。
 美玖が、両手をお皿の形にして、口から溢れてしまった大量の精液を受け止める。
「あっ……ああぁ……」
 びゅるーっ、びゅるーっ、と、美玖の顔や手の中に粘つく白い体液を放ちながら、レニウスが声をあげる。
 ようやく、射精がおさまった。
 未だ喘いでいるレニウスににっこりと微笑んでから、美玖は、まるで見せつけるように舌を長く突き出し、両手の中の体液を、ぴちゃぴちゃと舐め取り始めた。
 いつもやっているように、唇で啜ることをしないのは、自分が犬であるという取り決めに忠実であろうとしてのことらしい。
 ぺろん、ぺろん、と、まるで甘いクリームでも舐めているような顔で、生臭いスペルマを舐める美玖。
 そんな幼い彼女が、何を求めているのか、レニウスにはすぐに理解できた。
「おりこうさんだね、美玖ちゃんは……」
 そう言いながら、まるでペットにするように、頭をくしゃくしゃと撫でる。
「わん♪」
 そう言って、嬉しそうに目を細める美玖の顔を見るうちに、レニウスのペニスは、早くも力を取り戻しつつあった。



 再び美玖は、ベンチに両手をついていた。
 レニウスが、足を開き、腰の高さを調節しながら、狙いを定める。
 かつて敵だった男のペニスを咥えてるうちに、美玖のその部分は新たな愛液を分泌し、蜜を湛える南洋の花のように綻んでいた。
 その部分に、レニウスの赤黒い亀頭が触れる。
「きゃう……ン」
 美玖が、期待に満ちた鳴き声をあげる。
 レニウスは、ゆっくりと腰を進めていった。
 ぬぬぬぬぬぬ……っ。
 数え切れないほど何度もレニウスの牡の部分を迎え入れていながらも、美玖のそこは、相変わらずきつい締め付けでペニスを包み込んでいく。
 それでも、美玖の膣は、レニウスのペニスを根元まで咥えこんだ。
 ぴったりと、美玖の白いヒップと、レニウスの腰が密着する。
「あはぁぅ……」
 美玖が、濡れた唇から、満足げな吐息を漏らす。
 レニウスは、美玖の細いウェストをしっかりと掴み、抽送を開始した。
 亀頭が抜けるすれすれまで肉竿を引き抜き、そしてゆっくりとまた肉孔に埋め込んでいく。
 たっぷりと分泌された愛液を、ペニスの表面に馴染ませるように、レニウスは、丁寧に腰を前後させた。
「あう……あうン……うン……ンあう……」
 うっとりとした美玖の喘ぎ声と、レニウスの息の音が、重なる。
(きもちイイ……きもちイイ……先生のオチンチン……すっごく、こすれてるよォ……)
 大きな快感の波が、背筋に沿って寄せてくるのを感じながら、美玖は、その幼い体をくねらせた。
 次第に、レニウスの抽送が速く、そして力強くなっていくのを、感じる。
「わっ……わぅン……わん……わん……わぁん……っ!」
 自分が、レニウスと、彼がもたらす快楽の忠実なペットであることを示すように、少女は、犬の泣き声で喘いだ。
 アナル・プラグと、レニウスのシャフトが、薄い肉の壁越しに擦れ合い、セックスの快楽に絶妙のスパイスを加えている。
「気持ちいいかい、美玖ちゃん……」
「わんっ! わっ、わぅん! わんわんっ!」
 レニウスの問いに、美玖がせわしなく答える。
「美玖ちゃん、本当にエッチだね……さすが、瑠実さんの子だよ」
(先生……そんな、ママのこと言うなんて、ひどいよォ!)
 一瞬、自らの肩越しにレニウスを睨みつけるが、すぐに背後から与えられる快楽に屈服し、顔を伏せてしまう。
「さっきの犬のこと、憶えてる?」
 次第に美玖の幼い腰を持ち上げるようにしながら、レニウスが言った。
「わうっ?」
「さっきの犬、ぜったいに、美玖ちゃんとエッチしたいって思ってたよ」
(やぁっ! 先生、ヘンなこと言わないでェ!)
 美玖の脳裏に、あの、犬の息遣いが、甦る。
 半ばレニウスによって宙に持ち上げられた美玖の下半身に、なぜか、甘く危険な疼きが走った。
「犬は、鼻がいいからね……美玖ちゃんのイヤらしい匂いに反応しちゃったんだね」
「わ……わううン! わううン!」
 美玖が、そのツインテールの髪を振り乱しながら、イヤイヤとかぶりを振る。
 レニウスは、ますます美玖の腰をしっかりと掴み、激しく前後に揺すりながら、言葉を続けた。
「犬と女の人がセックスしてるビデオ、いっしょに観たことあったでしょ? やろうと思えば、犬とセックスだってできるんだよ?」
(ヤダヤダヤダぁ! そんなこわいこと言っちゃヤダよォ!)
 宙に浮いた細い足をばたつかせる美玖に、レニウスは、さらに強い動きを送り込んだ。
「どう? 美玖ちゃん、あんなふうにしてみたくない? 犬とセックスしたいって思わない?」
「きゃうッ! きゃん! わううン! きゃうーッ!」
 ぶちゅっ、ぶちゅっ、ぶちゅっ、ぶちゅっ……!
 自らの股間から響く、驚くほど卑猥な音を聞きながら、美玖は、禁断のイメージを脳裏に浮かばせていた。
(い、犬と……ワンちゃんとせっくすなんて……そんな……そんなの……)
「ね、したいんでしょ? 美玖ちゃん、犬だもんね」
(イジワル……せんせいのイジワルぅ……こんなときに、そんなこと言われたら……)
 四つん這いになり、はしたなくお尻を振る自分にのしかかる、大きな犬。
 人の言葉の通じない獣に背後から刺し貫かれる自らをイメージして、美玖は、無意識のうちに、強烈にレニウスのシャフトを締め付けてしまっていた。
「あう……っ、み、美玖ちゃん……」
(ヤダ、ヤダもん……! 美玖、先生や、ママや、ココナおねえちゃん以外と、セックスなんて、したくないもん……!)
 自らの締め付けによって強くなった摩擦が、強烈な快感の波となって、美玖の性感を沸騰させる。
(あッ……でも、でも……犬と……ワンちゃんと……せっくす……)
 被虐の快感の味を覚えてしまった美玖の脳が、とうとう、また一つ倒錯の神経回路を接続させた。
(されたい……されたい……っ! 美玖、犬にセックスされたいの……!)
「あうううッ! わぅン! わんわんわァんッ! きゃううううううン!」
 ぐうううっ、と美玖の体内で、レニウスのペニスが膨張する。
 その生々しい圧力に、美玖は、神経の灼き切れるような絶頂に追い込まれた。
「きゃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!」
(したいッ! したいのォ! 美玖、ワンちゃんとセックスしたぁい!)
 びゅうううううううううううううッ!
 熱い、大量の精液が、美玖の膣内に溢れ、子宮口を叩く。
「あッ! きゃうううッ! わぅッ! あう! あァー……っ!」
 次々と、より高い絶頂に舞い上げられ、美玖は、断続的に意識を失ってしまった。
 強すぎる快感が意識を途切れさせ、それを上回る快感が無理矢理に意識を覚醒させる。
 ちかちかと、ミルク色の光が目蓋の裏で舞い、回転した。
「あああああぁぁぁ……」
 気が付くと、美玖は、再び地面にしゃがみこんでいた。
 ぽっかりと開いた膣口から、粘つく白い液体がとろとろと溢れ、地面にこぼれている。
 ぼんやりと余韻にひたりながら、美玖は、レニウスの言葉を待った。
 が、いつまでたっても、レニウスの声は無い。
「……」
 美玖は、レニウスの姿を求め、振り向いた。
「……ふえっ?」
 あまりのことに、美玖が、人の声で悲鳴をあげる。
 レニウスの着ていた服が、一塊になって地面に落ち、しかも、もぞもぞと動いているのだ。
 すぽん、とその布の重なりから頭を抜いたそれが、円らな黒い瞳を、美玖に向けた。
「な、ななな……まさか……」
 ぱくぱくと口を開閉させる美玖の顔を、きょとん、と見つめているのは――毛並みのいい1匹の犬だった。
 長い鼻面が特徴の、どこか貴族的な顔に、しなやかな体を包む白く長い毛。頭の部分の毛皮は黒で、小さな耳は後に倒れている。
 大きい。その肩の高さは、立ちあがった美玖の腰くらいまである。体重も、美玖と同じくらいありそうだ。
 美玖にその知識はないが、ボルゾイという種類の犬に似てる。革命前のロシアで飼われた、オオカミ猟のための犬種だ。
 その犬が、穏やかそうな表情で、美玖の驚いた顔を無邪気に見つめている。
「せ、先生……変身しちゃったの?」
 ミルク・エンジンにリンクしたペンダントを小さなこぶしで無意識に握り締めながら、美玖が訊く。
 その犬は、まるで肯定の返事のように、わん、と元気に鳴いた。



《おしらせ》

 今回の『万能無敵/ミルク・エンジェル』特別編は時間を延長してお送りしています。
 引き続き『倒錯! 愛犬遊戯』(中編)をお楽しみください。

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