万能無敵
ミルク・エンジェル



第9話
『激突! 親子対決』





 しゅばっ! という鋭い音とともに、基地の一室で、光が弾けた。
「状況オール・グリーン……エーテル波動確認。ミルク・エンジンに対する割り込み実験は成功です!」
 斜め後で、ココナが報告する。僕は、満足げに肯いた。
「あ、あのう……ご主人様?」
 と、舞川瑠実が、途惑ったような顔で、僕に言った。
「これは、その……ちょっと、露出度が高いような」
 舞川瑠実の言葉通り、彼女の女性らしいプロポーションを包む衣装は、確かに大胆なものだった。
 黒い艶やかな材質でできたビキニに、編みタイツ。ヒールの高いブーツや長手袋もエナメルのような感じだ。そして、夜のような漆黒の長マント。さらには、要所要所には銀色の細いチェーンが施されていて、ますます妖しい雰囲気をかもし出している。
 もともと彼女がこういう格好をしていたわけではない。舞川瑠実は、この姿に“変身”したのだ。
「よくお似合いですよ、瑠実さん♪」
 ココナが、能天気にいう。実際、このコスチュームをまとった舞川瑠実は、妖艶な魅力に満ちていた。もしこの格好で流し目などされたら、それだけで牡の部分がいきり立ちそうだ。
「で、でも……おへそとか出てて……ちょっと寒そうです」
 が、舞川瑠実は、困ったような顔をするばかりだ。そういう表情が、衣装とはミスマッチで、ヘンに可愛い。
「体感温度は、ミルク・エンジンの力でどうにでもなるはずですよ。何て言ったって、“万能無敵”なんですから」
「はあ……」
 ココナの説明に、舞川瑠実ははっきりしない返事を返す。
「それじゃあ、名前を決めないとね」
 僕は、口元に笑みを浮かべながら言った。
「名前?」
「うん。……せっかくだから、『ミルク・ヴァンプ』なんてのはどうかな?」
 胸元でビキニからこぼれ落ちんばかりになってるたわわな白い胸を見ながら、僕はそんなことを言った。



《オープニング・テーマ》
『飛びこえてミルキー・ウェイ』



 銀河帝国から、懲罰艦隊が来る。
 つまり僕は、畏くも銀河皇帝から預かり受けた地球侵略のための兵権を濫用し帝国皇室及び忠烈なる臣民たちに弓を引いた大逆人と見なされたわけだ。
 全く身に覚えのないこととは言い難いが、それにしたって帝国軍の反応はあまりに過激だと思う。
 つまり、それだけの価値が、この地球にあるということなのだろう。
 覚悟していたこと、と言えば嘘になる。正直なところ、ここまで急激に事態が悪化するとは思っていなかった。何しろ懲罰艦隊は、侵略官の擁する竜機兵大隊に対抗するために編成されるものなのだ。その力は、今の僕の手持ちの兵力とは比較にならないほど強力なはずである。
 しかし、僕にも切り札がある。
 それはミルク・エンジンだ。
 どうやってその存在を知ったのかはまだ分からないが、帝国の真の目的は、ミルク・エンジンだと見て間違いはないだろう。しかし、当のミルク・エンジンは、僕のすぐ手元にある。もし、その力を引き出すことができれば、充分、懲罰艦隊に対抗することができるわけだ。
 ミルク・エンジンの、“万能無敵”の力を引き出す。
 口で言うのは簡単だが、もちろん、そう簡単にできることではない。
 だが、不可能ではない。ミルク・エンジンは、舞川美玖の精神と同調し、その力を発揮しているわけなのだが、その精神波長はすでに解析できている。
 ミルク・エンジンの位置も押さえた。
 あとは、舞川美玖と近しい精神波長を持つ誰かの心で、その回線にハッキングをかませばいいわけだ。
 幸い、おあつらえ向きの「人材」が、僕の陣営にはいる。
 そして、実験は成功だったわけだ。
 僕は、部分的にではあれ、ミルク・エンジンの力を我が物とすることができたのである。



「ミルク・エンジェル、勝利っ!」
 囮の竜機兵を倒した舞川美玖――いや、ミルク・エンジェルが、この行政区の首都上空で、元気よく勝ち名乗りをあげた。
 竜機兵は機能を停止し、哀れ、その残骸を長々と地面に横たえている。
 もちろん、これは計算の上だ。
「そこまでよ、ミルク・エンジェル!」
 と、やや浮かれ気味だったミルク・エンジェルに、背後から鋭い声がかかった。
「え……?」
「“万能無敵”ミルク・ヴァンプ!」
 黒いマントをはためかせ、妖しいコスチュームに身を包んだ舞川瑠実――ミルク・ヴァンプが、蒼い初冬の空を背景に声をあげる。
「ガイモスの女かんぶね!」
 ミルク・エンジェルは、ミルク・ヴァンプの服装から、そう決めつけた。ミルク・ヴァンプが目元をマスクで隠しているためか、その正体には気付いていない様子だ。
「レニウス少佐に仇なすミルク・エンジェル! その活躍も今日までよ! おとなしくあたしのムチの餌食になりなさい!」
 そう言いながらミルク・ヴァンプが両腕を振ると、その左右の手に、それぞれ赤い鞭が現れる。
「ブラッディローズ・ウィップ!」
 びしっと見得を切りながら、ミルク・ヴァンプが叫んだ。
「スピア・オブ・ロンギヌス!」
 ミルク・エンジェルも、その手に細身の槍を出現させる。
「いくわよ!」
「来なさい!」
 ミルク・エンジェルとミルク・ヴァンプが、互いに向かって宙を飛ぶ。
 そして、東京上空で、2つの“万能無敵”が交差した。



 それを、僕は、衛星からの映像として眺めている。
「何だかんだ言って、瑠実さんもノリノリですねえ……」
 ココナが、ちょっと呆れたような口調で、そう言った。
「ミルク・エンジンの力を引き出しているのは、あくまで舞川瑠実だからね。その彼女が、ああいう格好をイメージした以上、やっぱ心の中ではああいうのにあこがれていたんだと思うよ」
 2本の鞭を巧みに操り、ミルク・エンジェルの槍をいなすミルク・ヴァンプを見ながら、僕は言った。
「で、あたしたちは高見の見物ですか……」
「そう。悪役らしいでしょ」
 斜め後のココナに振り返り、僕は言った。
「もともとは、同じミルク・エンジンを動力源にする2人……きちんと勝負はつくんですか?」
 ココナの問いに、僕は少し考え込んだ。
 そもそも、舞川瑠実がミルク・エンジンから引き出す力は、非常に限定されている。
 具体的には、今までミルク・エンジェルが引き出した以上の力は出せないはずだ。なぜなら、僕たちにできることは、ミルク・エンジェルこと舞川美玖の精神波動をトレースし、コピーすることだけだからだ。
 だからこそ、舞川瑠実がミルク・エンジンの力を導くことができるとはいえ、やはり舞川美玖も、僕の手の内に入れなければならないわけである。
 けど、変身前の舞川美玖を捕えても、何にもならない。ミルク・エンジェルに変身されて逃げられるのがオチだ。変身後のミルク・エンジェルに勝利し、捕えてこそ、彼女を真に敗北させ、従わせることができるのだ。
 そのために、舞川瑠実を使うのは、確かに危険な賭けだ。もし、これで舞川瑠実まで失ってしまったら、僕はミルク・エンジンにアプローチする手段をみすみす失ってしまうことになる。
 しかし――
「勝負は、つくよ」
 僕は、簡潔にそう答え、そして続けた。
「条件は同じように見えるかもしれないけど、ミルク・ヴァンプの方が絶対に有利だもん」
 そう言って、僕は、にやりと笑って見せる。
「……マスター、もしかしてムリしてません?」
 と、ココナは、全然関係ないことを言い出した。
「ムリ?」
「なんだか、ムリして悪く振る舞ってるように見えますよ?」
「……」
 僕は、ちょっと黙ってから、ココナを手招きした。
「?」
 素直に寄って来るココナの細い腕を、ぎゅっ、と握る。
「え? あ、きゃあン!」
 僕は、乱暴にココナを足元に引きずり倒し、その頭を抱えて、自分の股間に押しつけた。
「あ……ン」
「僕は、もともとこういうヤツだよ」
 驚きに目を見開くココナに、僕は言った。
「マ、マスター……」
「あんまり分かったような口をきいてほしくないな」
「も……申し訳、ありません……」
 ココナがそう言って、その吊り気味の目を伏せる。
 そんな彼女の頬を、僕はぴたぴたと軽く叩いて催促した。
 ココナが、ジッパーの金具を前歯で噛んで、下ろしていく。
「んぅ……ふ……ンあむ……」
 はむはむと僕の股間で口を動かしながら、ココナは、手を使わずにペニスを外に出そうとする。
 そんなココナの態度に、熱い血液がペニスへと集まってきた。
 ココナの口によって半ば外に現れていたペニスが、むくむくと隆起していく。
 ココナは、その小さな口を大きく開き、僕のペニスをぱっくりと咥えた。
 その生温かい口腔と、ちろちろと動く舌の感触に、半勃ちの状態だった僕のそれが、次第に固くなっていく。
 ふぅン、ふぅン、と僕の支配欲を煽るような鼻声を漏らしながら、ココナは、僕のシャフトに舌を絡めるようにした。
 ぴちゃぴちゃという唾液の弾ける音に、ますます興奮が高まっていく。
 僕は、画面と、そしてだんだんと上気していくココナの顔を交互に眺めながら、彼女の頭を撫でてやった。
 キツネのそれを模した耳を引っ掻くように刺激すると、くすぐったそうに、きゅっ、と身を縮こまらせる。
 僕は、さらに手を下にもっていき、首筋や頬を指先で愛撫した。
「んっ……んむ……ンぐ……ン、んん〜ン」
 媚びるような声を漏らしながら、ココナが小さく身をよじる。
 僕のをしゃぶりながら、興奮が高まっているのだろう。ココナは、もじもじとそのお尻を動かし、尻尾をゆっくりと左右に揺らしていた。
 僕は、さらに手を下にやり、そのスレンダーな体にはアンバランスなくらいの巨乳に、手を置いた。
 まろやかな感触を確かめるように、ふにふにと軽く揉むと、それだけで、ココナは体をひくつかせる。
 僕は、いきなり両手に力を込めた。
「んうッ!」
 ココナが、僕のペニスを咥えたまま、驚きの声をあげる。
 構わず、僕はココナの服のボタンを弾き飛ばしながら、乱暴に胸元を開けた。
 布が裂ける音ともに、ぽろん、と、ココナの白い双乳が外に出る。
 僕は、ブラのフロントホックも外し、剥き出しになった乳房を、ぐにぐにと揉みしだいた。
「んうッ! んぷ! ンあああッ! マ、マスター、らめれすぅ!」
 ココナが、僕のを口に含んだまま、声をあげる。
「まだ、僕に逆らうの?」
 僕は嬲るように言いながら、彼女のスカートの中に右足を差し入れた。
「も、申し訳……あぁ……っ」
 そして、靴を履いたままの足の甲で、ショーツに包まれたココナの秘部を、ぐにぐにと弄ぶ。
「あうっ……ひ、ああぁ……あひッ! マスター、ら、乱暴にしないでェ……ひあああああッ!」
 眉をたわめ、吊り気味の目に涙を溜めながら、ココナが哀願する。
「そんなこと言って、乱暴にされて感じてるんでしょ」
 すっかり口がお留守になったココナの髪を掴み、ぐらぐらとゆすりながら、僕は言った。
「あうぅっ……そ、そんな、そんなァ……」
「ほら、僕の足に当ってるところ、膨らんできたよ?」
「えっ? あ、こ、これは……あひッ! マスター、そんなにグリグリしちゃだめですゥ!」
「何言ってるの。自分から腰を動かしてるくせに」
 そう言いながら、僕は、足による乱暴な愛撫で、ココナを追い詰めていく。
「あ、ああッ! だめ、だめェ!」
 ぐいん! と僕の足を押しのけるようにして、彼女の股間から、何かが飛び出てきた。
 それが、急な角度で上を向き、ココナのスカートを内側から押し上げる。
 言うまでもなく、彼女の秘部から生えでたペニスである。
「あ、あああ……あ……」
 ココナは、自らの意思に反して現れてしまった牡器官が形作るテントを、茫然とした顔で見つめていた。
「ココナは、足でいじられて勃起しちゃうんだ?」
 意地悪くそう言うと、ココナは、かーっとその秀麗な顔を赤く染めた。
 そんなココナの髪を掴んでいた手を離し、あやすように頭を撫でてやる。
「ほら、きちんと続けて」
「は、はい……」
 素直にそう返事をして、ココナは、唾液に濡れた僕のペニスに、すりすりと頬ずりをした。
 その顔には、マゾヒスティックな陶酔がにじんでいる。
 そしてココナは舌を突き出し、僕の裏筋をてろてろと舐め上げ始めた。
 時折、ちゅっ、ちゅっ、とシャフトの表面に愛しげにキスをする。
 僕は、子供を褒める父親のように、彼女の頭をいいコいいコしてあげながら、その股間を再び足でまさぐり始めた。
 ココナが、フェラチオを続けながら、切なげに眉を八の字にたわめる。どうやらペニスが直接刺激されないのが辛いらしい。
「んっ……んむ……んちゅっ……ぴちゅ、ちゅ、ちゅうっ……」
 ココナは、体の底から涌き出るもどかしい快感を忘れようとするかのように、いっそう口唇奉仕に没頭した。
 静脈の浮いたシャフトにぴったりと唇を寄せ、ぬめぬめと滑らしたり、鈴口から溢れた腺液をちゅるちゅると啜ったりする。
 かと思うと、小さな口一杯に僕の勃起を頬張り、唇や舌だけでなく、喉奥まで動員して刺激したりするのだ。
 だが、そんなことでは、ココナは自らを苛む性感から逃れられない。
「ん、んん、んン〜ン」
 ココナは、目尻から珠のような涙をこぼしながら、視線で僕に懇願した。
「どうしたの? きちんと、言葉で言ってごらん」
 僕は、残酷なくらい優しい声で、ココナに言う。
「ぷぁっ……マ、マスター、あの……」
「……」
「あの……ご奉仕しながら……し、しても、いいですか?」
「何を?」
「じ……自分の、オチンチンを、しごきながら……ご奉仕、したいんです……」
 その言葉を聞き、僕は、にやっと笑って見せた。
「ココナは、フェラチオしながら、自分のチンポをオナニーしたいの?」
「そ、そうです……あたし、ガマンできなくて……ごめんなさい……っ」
 羞恥と、屈辱と、そして間違いなく被虐の悦びにぷるぷると震えながら、ココナが言う。
「――いいよ。してごらん」
 僕は、わざと一拍置いてから、そう言った。
「あ、ありがとうございます……うれしいですっ」
 そう言って、ココナは、僕のペニスにむしゃぶりついた。
 そして、切羽詰ったようにスカートを捲り上げ、自らのペニスを握り締める。
「ンっ、んンーっ、ンんん〜ん」
 しゅちゅっ、しゅちゅっ、しゅちゅっ、しゅちゅっ、と卑猥な水音をたてながら、ココナは激しく手淫を始めた。
 先端から溢れる液がココナの右手を汚していく。
 ココナは、その液を自らのシャフトに塗りこめるように、くにくにと手を動かした。
 そうしながらも、先ほど以上に情熱的に舌を使い、僕のペニスに奉仕する。
 ココナがこうやって快楽を貪っている姿は、僕を否応なく興奮させた。
 その興奮に比例して、心の中にしまっていたはずの嗜虐心も高まっていく。
「ココナは、ほんとにチンポが好きだね。他人のも、自分のも」
 愛液を溢れさせている秘部に靴の甲をこすりつけながら、僕はココナをそう辱める。
「そ、そうれす……ココナは、オチンポ大好きなんれす……」
 舌足らずな声で、ココナがそう答える。
「そんなにはしたなく腰を振って、おっきなおっぱいを揺らして……どうしようもない変態だよ、ココナは」
「ご、ごめんらさい、ごめんらさい……っ」
 僕のを一生懸命にしゃぶりながら、ココナが涙をこぼして謝る。
「捨てないれ……マスター、インランでヘンタイのココナを捨てないれくらふぁいィ……っ」
 なんて淫らで可愛らしい泣き顔なんだろう。
 胸に満ちていく愛しさが、なぜかサディスティックな欲望に変換される。
 僕は、ココナの頭を両手でつかんで、むちゃくちゃにゆすぶった。
「んッ! んぶッ! んぐ! ン! んんンーッ!」
 涙と涎を飛び散らせながら、それでも、ココナは僕のペニスに歯を立てまいと必死になる。
 口内を陵辱されて感じているのか、ココナは、失禁したように愛液を溢れさせながら、ますます激しく自らの勃起をしごき上げていた。
「んッ……!」
 僕は、ココナの可憐な顔を強く自分の股間に押しつけながら、欲望を解放した。
 ぶびゅっ! ぶびゅっ! ぶびゅうぅっ! とココナの喉の奥で、断続的にスペルマを発射する。
「ん、んんんんんンッ! んンーッ!」
 ココナは、苦しげな歓喜の声をあげながら、全身を痙攣させた。
 びゅるっ! びゅっ! びゅるるっ! ぶびゅびゅうぅぅー……っ!
 そして、床に大量のスペルマをぶちまける。
 快感にかすむ視界を画面に戻すと、ミルク・エンジェルとミルク・ヴァンプが、まだ戦っていた。



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 ココナが、まるで本物のキツネになったように、僕の足元でぴちゃぴちゃと床を舐めている。
 僕が何も言わないのに、自分がこぼしたスペルマを舌で舐め取っているのだ。
 ちょっと脅かしすぎたかな、と反省しつつも、そんなココナの姿にそそられていることも事実だ。
「ココナ、立って」
「はい……」
 僕に引き裂かれた服の前を恥ずかしそうに隠しながら、ココナが立ちあがった。
 もちろん、その細い腕では、たわわな乳房の全てを隠すことはできない。
「そこに手をついて」
 目の前のコンソールを指し示しながら言うと、ココナは言われるままに両手をついた。
 そんなココナのスカートを下ろし、ショーツを剥ぎ取る。
 白いお尻を撫でると、彼女の尻尾が、ひくん、と動いた。
 脚の間に手を差し入れると、今までさんざんに僕の足に弄ばれた部分が、熱く潤んでいる。
「すごい濡れ方だね」
 笑いながらそう言うと、ココナは、恥ずかしそうにうつむいた。
 くちゅくちゅと音を立てながら、ココナのクレヴァスを指でまさぐる。
「あ、うゥン……はぁ……ああぁア……っ」
 情感たっぷりの吐息を漏らしながら、ココナは、ふりふりとその丸いお尻を揺すった。
 ふぁさっ、ふぁさっ、とくねるように振られている尻尾も、まるで僕を誘っているようだ。
 中指を、ほころんだ秘裂の奥に差し入れると、ぬるりと呆気なく侵入する。
 それでいながら、ココナの中は、まるで離すまいとするかのように、きゅんきゅんと僕の指を絞め付けた。
「ン……ンあっ! マ、マスターっ……マスター……っ!」
 指をさらに一本増やし、人差し指と中指をなかでぐにぐにと動かすと、ココナの声が高くなった。
 熱い愛液がとろとろと溢れ、僕の手の平を濡らしていく。
「ひゃうン!」
 指を引き抜くと、ココナは、鼻にかかったような声をあげた。
 そんなココナの細いウェストに手をかけ、一気に引き寄せる。
「あ……っあああああっ♪」
 ずるううぅっ、と一気に挿入されて、ココナがちょっと苦しげな歓喜の声をあげた。
 ココナの熱く濡れた膣肉が、ぴったりと僕のペニスを包み込む。
 その感触に陶然としながら、僕は、ココナの腰を小刻みにゆすぶった。
「ンっ! あうン! あッ! ひあン!」
 ココナが、膣壁をこすられる快感に、甘い悲鳴を断続的にあげる。
 見ると、その股間では、すっかり力を取り戻したココナの勃起がびたびたと暴れまわり、先端から我慢汁を撒き散らしていた。
 そんな彼女の浅ましい姿に、僕はなぜか昂ぶってしまう。
 僕は、左手でココナの胸を揉みしだきながら、右手でココナの勃起をしごきあげた。
「ひゃううううッ! だめエ! それ、それはあああッ!」
 そんなココナの抗議には耳を貸さず、亀頭の先端を手の平で撫でまわし、シャフトをぐにぐにと刺激する。
「アアーッ! 出ます! 出ちゃう! 出ちゃううーッ!」
 腰をえぐるように突き出すと、ココナは、呆気なく射精してしまった。
 どぷどぷと手の中で溢れるココナの白濁液を、両手で彼女の乳房に塗りたくる。
 彼女自身の精液でぬらぬらと濡れ光るその白い双乳は、淫らな美しさに満ちていた。
「ほら、一緒に、2人の様子を見よう」
「は、はひぃ……」
 僕の言葉に、ココナがはっきりしない声で答える。
 僕は、ぐいっ、ぐいっとココナの腰を動かしながら、モニターに目をやった。
 ココナも、コンソールに突っ伏しそうになりながら、顔を上げる。
 が、その吊り気味の目に、きちんとモニターの奥の様子が写っているかどうかは怪しかった。



 最初は互角に見えたミルク・エンジェルとミルク・ヴァンプの空中戦だが、次第に、ミルク・エンジェルの方が優勢になってきた。
 ミルク・ヴァンプが両手で繰り出す鞭を紙一重で避けながら、その死角に回り込もうとする。
 そもそも、人間は地上を歩く生き物だ。よほど訓練を積まないと、相手の3次元の動きについていくこと自体に困難が伴う。
 ミルク・ヴァンプも、ミルク・エンジンの助けを得ているがゆえに、余計なGや上下感覚の喪失に悩まされないで済んでいるが、それでも、経験の差は現れつつあった。
 それとも、これは、大人と子供の発想の差だったのだろうか。
「ええーいっ!」
 ミルク・ヴァンプが、毒蛇のように鋭くしなう鞭を、ミルク・エンジェルに繰り出す。
 2つの鞭による連続攻撃の制空権から脱すべく、ミルク・エンジェルは大きく後退した。
 その状態で、ミルク・エンジェルが槍を構える。
「!」
 ミルク・ヴァンプが、大きく顔をのけぞらせた。
 ミルク・エンジェルの槍が、ぐうん! と、すごい速さで伸びたのだ。
 光り輝く槍の穂先がミルク・ヴァンプの顔をかすめ、彼女を防護する力場が、ぴしゃあン! という激しい破裂音を立てて弾ける。
「あっ……!」
 さすがにひるんだミルク・ヴァンプに、ミルク・エンジェルが肉迫した。
「かくごォ!」
 元の長さに戻った槍を大きく振りかぶりながら、ミルク・エンジェルが声をあげる。
 と、その動きが、凍りついたように止まった。
 ミルク・ヴァンプのマスクが弾け飛び、その美麗な素顔が露わになっている。
「ママ?」
 驚愕の叫びをあげる娘に、その母は、薄く笑った。
 ミルク・ヴァンプに、動揺はない。あらかじめ、マスクが外れた時こそ勝機である、ということを僕は言い含めておいたのだ。
 ひゅるるるるるっ! と唸りをあげて、2本の鞭がミルク・エンジェルの体に絡みついた。
「きゃああああああッ!」
 一瞬にして自由を奪われ、ミルク・エンジェルが悲鳴をあげる。
「い、いたァい! ママ、どうして? ホ、ホントにママなのっ?」
 きりきりとその体に食いこむ鞭の感触に空中で身をよじりながら、ミルク・エンジェル――舞川美玖が叫ぶ。
「そうよ、美玖ちゃん……まさか自分のお母さんの顔は見間違えないでしょう」
 彼女でもこんな顔ができるのか、と思うほどに妖しい笑みを浮かべ、ミルク・ヴァンプ――舞川瑠実が言う。
「ど、どうして? ねえっ、ママあ! わ……悪いヤツに、あやつられてるの?」
「……言いつけはされてるけど、あなたをこうしているのは、あたし自身の意思よ」
 静かな声でそう言いながら、舞川瑠実は、舞川美玖を戒める鞭を手繰った。
「あ、あうッ! や、やああああッ!」
 舞川美玖が、先ほどとは違う感じの声をあげる。
「鞭で縛られて、感じてるの? 美玖はいけないコねぇ」
「やっ! イヤああっ! 美玖、そんなんじゃないよおっ!」
「嘘をついても、ママにはちゃんと分かるのよ、美玖ちゃん……」
 その大きな黒い瞳に妖しい炎を点らせながら、舞川瑠実は言った。
「美玖ちゃん、あの先生とうんとイヤらしいことをして……それで、縛られて感じるようになっちゃったんでしょう?」
「イヤっ! イヤ! イヤ! イヤああーッ!」
 母親に恥ずかしい秘密を指摘され、舞川美玖が半狂乱になって叫ぶ。
 もはや、彼女の幼い頭は、事態をきちんと理解することなどできない状態だろう。
「あんなに……あんなにイヤらしいことを……まだ子供なのに……」
 言ってるうちに、舞川瑠実も、普通でない状態になってきたらしい。その声には、疑いようもなく暗い嫉妬の色がにじんでいる。
 舞川美玖を戒める2本の鞭は、いつしか、彼女の双乳を淫らに絞り上げ、きつく股間に食い込んでいた。
「どう? 美玖ちゃん……こういうのが、感じるんでしょう……?」
「ああああああァ、や、やめて……やめてええええェ……ママ、ゆるして、ゆるしてよォ……っ!」
 激しくかぶりを振りながら、舞川美玖が悲痛な声をあげる。
 が、アブノーマルな快美感に慣らされてしまったその体は、この状況でも浅ましく快感を感じていた。
 乳首が立ち、股間が濡れているのが、乳白色のコスチュームの上からでも分かる。
「おねがい、やめてェ……ママ……目を覚ましてよォ……っ」
「美玖ちゃん……ママはね、もう、レニウスさまの奴隷なの……レニウス様の言うことには逆らえないのよ」
「イヤぁ……こんなの……っ、ンうううっ……! あ、ああっ? アッ! ああアっ!」
 舞川美玖が、驚きの声をあげる。
 どうやら、鞭が、生あるもののように――いや、それ以上の動きでもって、彼女の性感を容赦なく刺激しているらしい。
「美玖ちゃんだって、感じてるんでしょう? ふふ……羨ましいくらい」
「た、たすけて……! な、なわが、ふるえて……くいこんで……もう、もう、美玖、ダメぇー……!」
 舞川美玖が、弱々しく身をよじりながら、ひくひくとその脚をおののかせる。
 そのコスチュームの股間の部分は、すっかり愛液で濡れ、まるでお漏らしをしてしまったような状態だ。
 一方、舞川瑠実は、その唇をちろりと舌で舐めながら、快感に屈服しつつある娘の姿を潤んだ瞳で見つめていた。
 普段の彼女からは考えられないような、壮絶なまでに妖艶な顔である。
 僕は、そんな2人の様子を、ココナを後ろから犯しながら、見つめていた。
 ぞくぞくするような倒錯的な快感が背筋を這い回り、脳を痺れさせる。
「だれか、助けて……パパあ……せ、せんせえ、せんせえ……っ」
 そう、舞川美玖が、弱々しい声で言った時――
 舞川瑠実が、物も言わずに、手の中の鞭を引き絞った。
「あ、あああああッ! イヤ! イヤあああああああああああああアアアアアアアアアーッ!」
 びくっ! びくっ! びくっ! と、まるで釣り上げられた魚のように、舞川美玖が激しく身悶える。
 どこか拷問じみた、激しい絶頂。それに、舞川美玖の未成熟な体が、断続的にさらされている。
「イヤ……イヤぁ……あ、あ、ああァ……」
 硬直していた舞川美玖の体が、かくん、と弛緩する。
 そして――舞川美玖の顔を隠していたバイザーが、するりと脱げ落ちた。



「っ……!」
 その瞬間、僕は、大量の精を、ココナの中にはなっていた。
 どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、と、僕のペニスが、ココナの体内に熱いスペルマを流しこむ。
「あ、あああああっ! イ、イクっ! イきますっ!」
 僕のペニスの律動と、体の中を満ちていくスペルマの温度に、ココナもまた絶頂を迎えた。
 こらえ性のないココナのペニスが、びゅるびゅるとスペルマを撒き散らす。
 むせ返るような淫臭が部屋に満ちていく中で、僕は、ココナの胸のふくらみに指を食い込ませながら、どす黒い悦楽を貪っていた。



 画面の中では、快楽に呆けた少女の顔が、露わになっている。
 それを、大きく目を見開いた彼女の母親が、見つめていた。
「……あ、ああ、あぁ……ぁ……」
 まるで憑き物が落ちたように、いつもの顔に戻った舞川瑠実が、娘の体に手を伸ばす。
 そして、鞭に緊縛されたままぐったりとなった舞川美玖の体を、ぎゅっと抱き締める。
「ご……ごめんなさい、美玖ちゃん……ごめんなさい……ごめんなさい……」
 今更、何をどう謝っても無駄であることを知っていながら、舞川瑠実がそう繰り返した。
「ママは……ママも、もうあの人の奴隷なの……あの方には逆らえないのよ……ごめんね……ごめんなさいね、美玖ちゃん……」
 そう、涙をこぼして訴えながら、自ら絶頂に追い込み、意識を失わせた娘の体をかき抱く。
 幼い頃に両親に捨てられた僕には、どこか不思議な光景だ。
 もちろん、不思議だと思う以上の感情など、感じたりなんかしない。
 ただ、不思議な、だけだ。
 と、まるで、自分の体を空中で支えることすら忘れたように、すうっ、と2人の体が落下し始めた。
 舞川美玖の体を抱き締めたまま、舞川瑠実が、頭を下にして落下し続けていく。
 ミルク・エンジンの力があるから、危険なことはないだろうけど――回収の準備は、しなきゃならない。
 僕は、いささか慌てながら、目の前でぐったりしているココナを起こしにかかったのだった。



《エンディング・テーマ》
『白い天使のうた』



《次回予告》

ここは、どこ……?
 そうだ、美玖、ママと戦って、ムチで、体をしばられて、それで……
やだ、思い出したら、アソコがきゅんとしてきちゃった。って、そんなこと言ってる場合じゃない!
あ、あれ? 先生、なんでここに?
次回、『無残! 隷従淑女』
えーと、気付いてなかったのって、あたしだけ?

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