万能無敵
ミルク・エンジェル



第8話
『爛熟! 淫未亡人』




 僕は、慣れた手つきで、舞川美玖の緊縛を完成させた。
「は……ふぅン……」
 とても年端もいかない少女とは思えないような艶めいたため息を、彼女がつく。
 休日の昼。まだ、日は高い。
 窓から差し込む晩秋の日差しに照らされて、舞川美玖の色白な体は、かすかに輝いているように見えた。
 赤いロープが、彼女の大きな胸を上下から絞り上げ、幼い股間に食い込んでいる。
 胴を締め上げるその縄は、輪になった部分が左右から2箇所ずつ引っ張られ、むだな肉の無いお腹に六角形を形作っていた。“亀甲縛り”と言われる縛り方である。
 舞川美玖は、大きな姿見に自分自身を移し、淫らに戒められたその体をうっとりと見つめた。
「すごくエッチな格好だね、美玖ちゃん」
 僕は、彼女の背後に立ち、その丸い双乳をすくいあげるようにしながら、言った。
「うん……だって、美玖、先生のドレイだもん……」
 とろけそうに甘い声で、舞川美玖が言う。
「奴隷は、僕の言うことを、何でも聞かなくちゃいけないんだよ?」
「……何でも言うこと聞くから……先生、美玖にメイレイして」
 そんな、幼い奴隷宣言に思わず口元をほころばせてから、僕は、彼女の耳元で囁いた。
「じゃあ、このままおでかけするよ」



《オープニング・テーマ》
『飛びこえてミルキー・ウェイ』



 査察が終了し、オーグルトが帰還したからといって、油断はできない。
 何しろ、僕は、ことによったら銀河帝国そのものの陰謀を暴こうとしているのだ。
 “敵”がどれだけ強大かは分からない。けど、こちらには切り札がある。
 ミルク・エンジン。これを、手に入れれば――
 この地球を侵略し、支配下に置きたいという気持ちは、あまりない。けど、その“万能無敵”の力を手にすることができれば、何も恐れることはなくなるのだ。
 そういうわけで、僕は、舞川美玖の調教を続けている。
 経過は、すこぶる順調――なはずだった。



 ごとんごとん、ごとんごとん、と、列車が規則的なリズムを刻んでいる。
 天気がいいので、外出している人が多い。席は全て埋まり、僕と舞川美玖は、窓際に立っている。
 舞川美玖が着ているのは、淡い褐色の、ふわふわした布地でできた膝上までのコートだ。 それに、ニーソックスとパンプスという格好である。
 舞川美玖は、それ以外、衣服のたぐいは身に着けていなかった。コートの下には、ロープで無残に緊縛された幼い裸体を隠している。
「せ、せんせえ……」
 羞恥と、それ以外の何かに頬を染めながら、舞川美玖が、僕の顔をうかがう。
「どうしたの? 美玖ちゃん」
 僕は、彼女の細い肩に手を回し、こちらに引き寄せながら、意地悪く訊いた。
「ひゃぅ……」
 縄がよじれ、感じる部分に食い込んだのだろうか。舞川美玖が、押し殺した声をあげる。
 次第に、電車が混んできた。
 ぎゅうぎゅう詰めというわけではないが、満員と表現していいだろう。そんな中、舞川美玖は、おどおどとした視線を周囲にめぐらせながらも、熱い喘ぎを密やかに漏らしている。
 僕は、彼女の体を、ドアに向かいあう形になるよう誘導した。そして、僕自身のジャケットで、彼女の体を周りから隠すようにする。
 一瞬、ほっとしかけた舞川美玖の胸元に、僕はするりと右手を滑りこませた。
「っ!」
 舞川美玖は、声をあげかけ、あわてて口をつぐんだ。
 そして、怯えるような、恨むような目で、僕を見上げる。その瞳は、涙で潤んでいた。
 構わず、他の客の目に止まらないように、コートの上のボタンを外していく。
「は……い、いやァ……」
 びくびくとおののく舞川美玖の、規格外に大きなおっぱいを、外に晒した。
 そのまま、ドアに向かって追い詰め、、窓ガラスにぴったりと押しつけるような姿勢にする。
「ひゃン……あ、あぁァ……ン」
 体とドアに挟まれた双乳が淫靡に形を変えているのを眺めながら、僕は、舞川美玖のか細い悲鳴を愉しんだ。
 その声には、しかし、どこか媚びるような、甘い響きがある。
 このシチュエーションに、僕のペニスは、ぐんぐんと膨張していった。
 もう、このまま彼女の小さな膣口に挿入したいくらいに昂ぶっている。けど、人目もあるし、この態勢では身長差からも挿入は不可能だ。
 代わりに、僕は、舞川美玖の手を、自分の股間に導いた。
「あ……」
 ズボンのこわばりの熱さに驚いたように、舞川美玖は、その大きな目をちょっと見開いた。
 が、すぐに僕の意図を察したように、ジッパーを下ろし、僕のペニスを外に出す。
 そして、後手の不自由な姿勢で、自らの腰の上辺りに位置している僕の勃起を、くにくにと刺激した。
 左手でシャフトをしごき、右の手の平で、亀頭を撫でさする。
 僕は、さらなる愛撫を促すように、彼女の剥き出しになった胸に手を這わせ、指先でころころと乳首を刺激した。
「ン、あぁ……っ」
 舞川美玖は、吐息で窓ガラスを曇らせながら、手の動きを速めた。
 彼女は、僕の感じる部分をきちんと心得ている。
 この異様なシチュエーションによる興奮も相俟って、早くも放出の欲求がこみ上げてきた。
 僕は、特に我慢することなく、そのまま欲望に身を任せた。
「!」
 彼女の小さな手の中に、精を放つ。
 舞川美玖は、驚きながらも、僕の迸りを両手で受けとめた。
 そして、どうしていいか分からない、といった表情のまま、手を前にもってくる。
 ゆるく握られた白い拳から、とろり、と僕の放った液がこぼれかけた。
「……」
 舞川美玖は、しばらく考え込んでから、口元でそっと手を開き、ぺちゃぺちゃとその白濁液を舐め取り始めた。
 幼い少女が、この人込みの中、僕の精液を無心な表情で舐め啜っている。
 そうしてから、舞川美玖は僕の方に上気した顔を向け、これでいい? とでも言いたげに、小首を傾げた。
 僕は、感動に近い気持ちを覚えて、ぎゅっ、と彼女の体を後から抱き締めてしまったのだった。



 海辺の、港近くの公園に、僕たちはやってきた。
 僕たちは、腕を組んで、レンガ色の歩道を歩いていく。
 冬が近付いているとはいえ、まだ日差しは暖かく、海から吹いてくる風は柔らかだ。気候の穏やかな地方なのである。
「寒くない? 美玖ちゃん」
 コートの下には何も着ていない彼女に、そう訊いてみる。
「だいじょうぶだよ、先生」
 舞川美玖は、にっこりと微笑みながら、答えた。
 無邪気な笑みとは、言えない。目許が妖しく染まり、瞳は潤んでいる。その表情も、無意識のうちに僕に媚びているかのようだ。
 幼い少女が浮かべるにしては、淫らであるとさえ言えるその微笑に、僕の股間は浅ましく疼いてしまう。
 隣を歩く舞川美玖も、その体を火照らせているのだろう。唇を半開きにして小さく喘ぎながら、僕の腕にしがみついた両手に、時折、きゅっ、と力を込める。
 ごくまれに、僕と舞川美玖の関係をいぶかしむような視線を向ける通行人もいるが、大部分の人は無関心だ。
 その一方で、縄で強調されているがゆえに、コートの上からでも目立ってしまう彼女の胸に、驚きと好奇の目を向ける男たちもいる。
 そんな視線にさらされるたびに、舞川美玖は、きゅうっ、と母親譲りの形のいい眉を切なげにたわめ、僕の腕で顔を隠すようにするのだ。
 そんな仕草に、今すぐここで彼女を犯してしまいたくなるような衝動を覚えながら、僕は、公園の奥を目指して歩いていった。
 歩を進めているうちに、股縄が、その役割を着実に果たしたのだろう。舞川美玖の表情はますます淫らになり、その視線はどこを見ているのか定かでなくなってきた。
 と、公園の外れの小さな広場で、僕は立ち止まった。
 子供たちが遊ぶための、大きな遊具の類いが幾つかある場所だ。そのうちの一つ、まるで作りかけの丸太小屋のような遊具の影に、舞川美玖を引っ張り込む。
「ほら、見てごらん」
 そして、ぽやあんとした顔の彼女に、注意を促した。
「ほぇ……?」
 舞川美玖が、僕に示されたベンチに、視線を向ける。
 そこに、ひとりの女性が座っていた。
 長い髪をアップにまとめ、顔には大きなサングラスをかけた、落ち着いた雰囲気の女性だ。身にまとった、いささか無愛想なデザインのトレンチコートの上からでも、彼女が類い稀なプロポーションの持ち主であることが分かる。
「あれ、あの人……?」
 舞川美玖は、かすかな不審の念を抱いたようだ。
 それはそうだろう。あのベンチに座っているのは、彼女の母親である、舞川瑠実なのだ。
 が、舞川美玖は、自らの感じた違和感の正体が分からない様子だ。いつもと髪型が違うし、そもそもこんな所に一人で母親が来ているということ自体、考えられないらしい。
 ばれたらばれたで構わない、と思っていたが、分からないのならそれでもいい。
 僕は、そう思いながら、ポケットの中のリモコンスイッチを、舞川美玖に分からないように操作した。
 びくん! と舞川瑠実が、体に電気を流されたように震える。
 今、彼女の体内に挿入されたバイブレーターが、僕の合図によって動き出したはずだ。
「え? なに? なんなの?」
 舞川美玖が、かすかに不安の入り混じった声をあげる。
 が、僕はわざと何も言わなかった。
 ベンチでは、舞川瑠実が、もじもじと両脚の太ももをこすりあわせている。
 この距離だと、舞川瑠実の表情の変化が、どうにか見て取れた。
 頬を赤く染めながら、何かに耐えるように、唇を噛んでいる。
 僕は、更なる合図を、舞川瑠実に送りこんだ。
 のろのろと、舞川瑠実が、両手を動かす。
「あ……!」
 舞川美玖が驚きの声をあげた。
 舞川瑠実が、コートの前ボタンを外し、自らの襟元に右手を差し込んだのだ。
 舞川瑠実も、その娘同様に、コートの下には何も身にまとっておらず、その上、その豊かな双乳を絞り上げるように緊縛されている。
 舞川瑠実は、そんな自らの乳房に、ゆるゆると手を這わせ始めた。
 もちろん、事前に僕が命じていた通りの行動だ。
 コートに隠れて全てが見えるわけではないが、開いた襟元からうかがえるだけでも、舞川瑠実の手の動きの淫猥さは伝わってくる。
 快感が羞恥を次第に凌駕しつつあるのだろう。舞川瑠実は、きつく閉じていた唇を半ば開き、白い歯をのぞかせながら、自らの豊かな胸を揉みしだいた。
 美しい母親が、娘に見られていることを意識しながら、その娘に授乳した乳房を自ら陵辱している。
 僕は、自分の口元に、歪んだ笑みがにじみ出るのを、止める事ができなかった。
 結局、僕は、舞川美玖を攻略することを大義名分にして、この母娘を汚す暗い喜びに取りつかれているのだ。
 そんな自分を意識しながらも、かすかに湧き起こる罪悪感をねじ伏せていく。
「あ……すごいよ……あの人……お外で、おなにーしてる……」
 舞川美玖は、滑り台を支える目の前の太い柱を抱くような姿勢で、目の前で展開される光景に見入っていた。
 見ると、小さなお尻を誘うように小さく動かしている。
「すごいね……」
 そう言いながら、僕は、後から舞川美玖の両肩に触れた。ぴくん、と彼女の小さな体に緊張が走る。
「あの人も、誰かの奴隷なんだよ」
 僕は、舞川美玖の可愛らしい耳たぶを息でくすぐるように、そう囁いた。
「ドレイ……」
 ぞくぞくと体をおののかせながら、舞川美玖が熱に浮かされたような声で言う。
「そうだよ……。主人の命令通りに、ああやってエッチなことをしてるんだね」
 そう言いながら、僕も、舞川瑠実を見つめる。
 舞川瑠実は、すっかりはだけた胸元に、今度は左手を差しこんでいた。
 そして、その巨乳がこぼれおちそうになるのにも構わず、くにくにと乳房を揉みしだく。
 そうしながら、舞川瑠実は、右手でコートの裾を割った。
「あ、すごい……」
 舞川美玖が、声をあげた。
 舞川瑠実が、右手で、自らの股間をまさぐっている。
 そこには、僕が手渡した凶暴な淫具が挿入されているはずだ。
 舞川瑠実が、その弓型の眉をたわめながら、右手を動かし始める。
 おそらくあの手は、リモコンバイブの持ち手の部分を握り、ピストンさせているのだ。
 その、ためらいがちだった動きが、次第に大胆になっていく。甘い喘ぎや、卑猥な水音までこちらに聞こえてきそうな感じだ。
 白い喉を反らし、豊満なその体をくねらせながら、舞川瑠実が、浅ましく快楽を貪っている。
 恐らく、僕が、そして娘である舞川美玖が、自分をどこかで見ているのだということを意識しながらの自慰行為。
 今や舞川瑠実は、その長い脚を半ば開きながら、バイブを握る手を忙しく動かしていた。
 左の脚がトレンチコートのすそからまろびでて、まるで一度も日に当たったことのないような白い太ももまでが剥き出しになっている。
 ちょっと目を凝らせば、その秘部に、毒々しい紫色のバイブが出入りしているところまで見えそうだ。
 もちろん、左手でみずからの乳房を嬲ったり、乳首を引っ張るように弄ぶことも続けている。
 誰か男が通りかかったら、そのまま問答無用で犯されてしまいそうな、それほどの痴態だ。
 それでいながら、舞川瑠実は、羞恥に眉をたわめ、目には涙すら浮かんでいる。
 実は、この近辺にはココナに対心理バリアーを張らせているので、通行人が近付く心配はないのだが、舞川瑠実にはそのことを知らせていなかった。
 恐らく、自らの淫らさに対する羞恥や、誰かに見られることへの恐怖に責めさいなまされながら、野外露出の変態的な快楽に抗えないでいるのだろう。
 そんな舞川瑠実を物陰で見ることに、異様なまでの興奮を覚えてしまう。
 事情を知らないとはいえ、直感でそのことを悟っているのだろう。舞川美玖も、ぷるぷると体を小刻みに震わすほどに、興奮している。
「せ、せんせえ……」
 舞川美玖が、後ろを向き、僕に訴えかけるような流し目を寄越した。
「美玖……なんかヘン……なんでか分かんないけど……あの人みたいに、なりたいの……」
 そういいながら、自らコートをめくりあげ、赤いロープがしっかりと食い込んだ幼い秘唇をさらす。
 そこは、まるで失禁したかのように透明な愛液を溢れさせ、太ももの内側をしとどに濡らしていた。
「先生、美玖をおかして……先生のオチンチンで、美玖の、ぐちゃぐちゃになったエッチなオマンコ、い、いっぱいかきまわしてェ……っ」
 舞川美玖が、一応は抑えた声で、そう訴えかける。
 その瞳は、貪欲な牝の欲望に燃え、きらきらと輝いているように見えた。
「うん、わかったよ……入れてあげる……」
 そう、いささか上ずった声でいいながら、僕は、すっかり勃起してしまったペニスを、苦労して外に出した。
「あ、ああ……せんせえのオチンチン……っ!」
 外気に触れ、陽光に照らされたそれに、舞川美玖が後手に手を伸ばそうとする。
「ほら、まだダメだよ、縄をどかさないと」
 そうたしなめて、僕は、二重になった股縄を左右にどかした。
「早く、早くゥ……!」
 待ちきれない、といった様子で、舞川美玖が、後に丸いお尻を突き出す。
 僕は、そのお尻をしっかりと抱え、ぎんぎんに堅くなったペニスを、熱いぬかるみに触れさせた。
 先端を浅く潜らせただけで、ひくっ、ひくっ、と舞川美玖の体が歓喜に震える。
 僕は、挿入の快感を一瞬でも長く感じようと、ゆっくり、ゆっくり、腰を前に突き出した。
「はひっ、ひぁ、あ、ンあ、あああぁああああぁあァー……」
 ずるるるるるっ、と膣内の粘膜を雁首がこすっていくのに合わせ、舞川美玖が声をあげつづける。
 暖かく、きつい舞川美玖の膣内に、僕は、ペニスを根元まで挿入した。
「ひぁっ」
 先端が強く子宮口を小突いたのか、舞川美玖が、少し苦しそうな声をあげた。
 小さな膣口が限界近くまで押し広げられているのが、痛々しい。
 しかし、舞川美玖は、すでにすっかりセックスの快楽の虜だ。なかなか動かない僕に焦れたように、上下左右に、その幼い腰を動かして、どうにか快感を得ようとする。
 僕は、苦笑い――と言うにはいささか凶暴な笑みを浮かべてから、ぐん、と腰を動かした。
「はひっ!」
 舞川美玖が、辺りをはばからない鋭い声を漏らす。
 一瞬、舞川瑠実の動きが止まったように見えた。僕たちに気付いたのかもしれない。
 僕は、ベンチの上の舞川瑠実に、片頬だけで笑って見せた。



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《アイキャッチ》



 腰の高さを合わせるために、舞川美玖のパンプスを履いた足を、僕の足の上に乗せる。
 そうしながら、僕は、両手で掴めてしまいそうなくらいきゃしゃな彼女のウェストを抱え、速いペースで腰を動かした。
 舞川美玖のちっちゃな性器が壊れてしまうんじゃないかと心配になるくらい、激しい動き。それを、彼女の器官はしっかりと受けとめ、おびただしい量の愛液をしぶかせた。
 一度電車の中で出しているとはいえ、いつ射精してもおかしくないくらいの快感が、びりびりと腰椎を痺れさせている。
「ひあッ! はッ! ンいっ! きっ! きもちイイっ!」
 抽送に合わせ、舞川美玖が、悲鳴のような声をあげる。
「いっ! イイのッ! せんせいの、すごく――すごくきもちイイっ!」
 目の前の柱を抱き締めるように抱える舞川美玖の声は、ますます大きくなっていく。
「美玖ちゃん……そんなに大きな声を出したら、誰かに聞かれちゃうよ……」
 今はいいとしても、あとあとのこともある。僕は、犬のように喘ぎながら、彼女をたしなめた。
「イイのお! 見られてもイイのおッ!」
 が、舞川美玖は、聞き分けなくそう叫びながら、射精をねだるようにきゅんきゅんと僕のシャフトを絞めつけてきた。
「見られたい……美玖、見られたいの……先生におかされてるエッチなドレイの美玖を、みんなに見てほしいのぉっ!」
 舞川美玖は、すっかり淫楽に浸りきり、もはや舞川瑠実の姿さえ見えていない様子だ。
 そんな娘の声を聞いているのかいないのか、ベンチの舞川瑠実も、片膝を立てながら、自らのヴァギナを壊しそうなほどの勢いで、咥えこんだバイブを動かしている。
 僕は、そんな母娘の姿に圧倒されそうになりながら、ひたすらに腰を使った。
 あんまり夢中でピストンをしたためか、舞川美玖の軽い体が、半ば宙に浮いてしまう。
「あああッ! スゴい! スゴいよお! 美玖、イっちゃう! おそとでイっちゃうううッ!」
 深々と幼い膣内を貫かれて、舞川美玖は、涎をこぼしながら絶叫した。
「ほしい、ほしいィ……っ! センセイのミルク、ほしいのォ! 美玖の中に、いっぱい、いっぱいかけてえええッ!」
 そして、そのいたいけな体の全身を使って、僕の精液を渇望する。
 限界は、とっくに超えていた。
 ここが野外であるということによる緊張すら忘れ、何かの爆発のような射精欲求に身を委ねる。
 ぶびゅっ! びゅうっ! びゅるるっるるっ! ぶびゅうーっ!
 そんな音が聞こえそうなほど、激しい射精。
 迸る粘度の高い精液で、繊細な彼女の膣壁を傷つけてしまうんじゃないかと心配になるような、そんな感覚だ。
「ひアああン! イク! イクっ! イっちゃううううううううううううううゥーっ!」
 舞川美玖は、体を弓なりに反らせて、絶叫した。
 僕のペニスの律動に合わせ、何度も何度もイキ続けているのが分かる。
 そんな彼女のおののきを感じながら、僕は、大量の熱い精液を彼女の未成熟な体の中に流し込んだ。
 狭い膣内に収まりきらなかった精液が、ぶびゅっ、ぶびゅっ、と卑猥な音を立てながら、隙間から漏れ出る。
 あまりの快感に霞む僕の視界の中、舞川瑠実が、大量の小水を失禁しながら、やはり絶頂を迎えていた。



 半ば放心状態の舞川美玖の肩を抱きながら、公園を出て、駅までの道を戻った。舞川瑠実の方は、ココナに任せている。
 舞川美玖は、先ほどの行為で、かなり消耗した様子だ。呼吸が荒く、足元も覚束ない。
 傍から見れば、熱を出した親戚の少女を病院に連れていく図、といったふうに見えるはずだ。
 まあ、あれだけ立て続けに絶頂を迎えたのだから、無理はない。早く帰って、寝かせておいた方がいいだろう。下手をしたら本当に風邪をひきかねない。
 そう思いながら、切符を買おうとしたときだった。
 キイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ……ン、という、すでに一度聞いたことのある音が、駅前の雑踏に響いたのだ。
 はっ、と一瞬にして真顔に戻った舞川美玖が、僕の方に向き直る。
「ど、どうしたの?」
「ママが……分からないけど、ママがピンチだって!」
 彼女の精神とリンクしているミルク・エンジンが、そう告げているのだろう。舞川美玖は、顔を青ざめさせながら言った。
「それって、一体――?」
 言いかけた僕の言葉を、爆音が掻き消した。
「キャアーッ!」
「おい! あ、あれは!」
「怪獣だ! 怪獣が現れたぞーっ!」
 道行く人々が、宙の一点を指し示しながら、大声で喚く。
「なっ――!」
 僕は、絶句していた。
 ここから程近いビジネス街の上空に、翼のある巨大な影が飛来し、次々とプラズマ炎を地上に浴びせかけていたのだ。
 老舗トールキン社製の竜機兵、モルゴスA1型――僕がミヒロー大佐から引き継いだ大隊の中でも、最重量級の竜機兵である。
(しかし、なんで、こんな時に……?)
「ど、どうしよう? どうしたらいいのッ! こんなときにかいじゅーなんて!」
 叫び声をあげながら逃げ惑う人々の中、パニックに陥った舞川美玖が、悲鳴のような声をあげる。
「美玖ちゃん!」
 僕の声に、ようやく、舞川美玖が自分を取り戻す。
「今は、悩んでる時じゃない! 早く変身して、アレをやっつけなきゃ!」
「わ、分かってる――でも――!」
「瑠実さんのことは僕に任せて!」
 彼女の細い肩に手を置き、僕は言った。
「せ、先生に……? だって……だってママが、どこにいるかも……」
「大丈夫。僕を信じて……!」
 最初から裏切るために近付いた少女への、なんて空しい言葉。
 でも、今はそんな感傷に浸っている場合じゃない。この瞬間にも、モルゴスの放った炎は街を焼き、人を殺めているのだ。
 そのことに思い至ったのだろう。舞川美玖は目尻に浮かんだ涙をぬぐい、大きく肯いた。
 そして、手近な電話ボックスに入る。
 何度も聞いたBGMが焦げ臭い街の空気を震わせた。
「ばんのーむてき! みるく・えんじぇるっ!」
 今日に限って、奇妙なほど悲痛に聞こえるその声を聞きながら、僕は、公園へと取って返した。

「ココナ? ココナ、聞こえてる?」
 腕時計に内蔵した通信機に向かって叫びながら、僕は、公園に入った。
 すでに、敷地の中は無人だ。
 その中を、全速力で走る。
「!」
 奥の、舞川瑠実が座っていたベンチの前に、ココナが倒れていた。
 外出用の服はボロボロになり、体のあちこちから、薄く白い煙がたなびいている。
「……ます……たー……」
 僕の姿をみとめたのか、ココナが、かすかな声をあげた。
「ココナ! どうしたんだ? しっかりして!」
「ごめ……なさい……やられました……」
 抱き起こす僕の腕の中で、ココナが言う。
「るみさんには……発信機が……早く……追いかけないと……」
「分かった」
 僕は、ココナが言う周波数を腕時計にセットしてから、彼女の体を抱えあげた。
「だめ、マスター……あたし……あしで、まとい……おいてって……」
「バカなことを言うなっ!」
 そう叫びながら、まだ熱を持ってる彼女の体を抱きかかえ、駐車場へと走る。
 そして、うまいこと乗り捨てられた地上車のイグニッションをつなぎ、後部座席にココナを乗せて、発進させた。
 発信機は、今まさにミルク・エンジェルと竜機兵が戦っているオフィス街とは反対方向に、移動していた。どうやら、相手も地上車らしい。
「こんちくしょうっ!」
 半ば恐慌状態に陥り、右往左往しながら逃げ惑っている他の地上車をギリギリで避けながら、強引に速度を上げる。
 他の地上車と接触したこと4回。ガードレールに車体をこすらせたこと7回。歩道の看板やゴミ箱を跳ね散らした数に至っては、数え切れない。
 人身事故を起こさなかったのは、単に幸運だったからだろう。
 とはいえ、その甲斐あって、発信機との距離は着実に縮まっている。
「!」
 と、発信機が、狭い路地裏に入った。
 腕時計が示す路地裏に、車を突っ込ませる。
 前方に、黄色いスポーツタイプの地上車が見えた。
 間違いない。あの中に、舞川瑠実はいる。
 そして、ココナをこんな目に遭わせたやつも――
 僕は、アクセルを踏み抜くような勢いで吹かし、そして窓を開けた。
「……」
 懐からジャイロジェット・ピストルを取りだし、右手だけを車外に出して、狙いをつける。
 一つ深呼吸をして、引き金を絞る。
 リコイルも発射音も、ごくわずかだった。
 と、前方の地上車が、大きくスピンをした。
「よし!」
 狙い通り、後輪を撃ち抜くことができたのだ。僕は一気に距離を詰めた。
 僕がすぐ手前で地上車を停めるのと、その男が出てくるのは、ほとんど同時だった。
 身長2メートル近い、逞しい体。その精悍な顔には、今まで見たことのないくらい歪んだ笑みがへばりついている。
「オーグルトっ!」
 僕は、銃を構えたまま地上車から出て、叫んだ。
「お前……あの生首は――ロケットに乗ってたアレは、ダミーだったのか」
「そうだ」
 オーグルトが、銀河標準語で答える。
「念のために持ってきた、予備のサイバーウェアさ。重力波通信で動くリモコン玩具だな」
 僕が構える銃を面白そうに眺めながら、オーグルトは続けた。
「何しろ、こっちに来たらいきなりお前に撃たれる、ってシナリオも考えられたからな」
「オーグルト、お前……」
 銃口がかすかに震えるのを、止める事ができない。
 僕とオーグルトの間の距離は、約5メートル。僕だったら、絶対に外さない距離だ。なのに、それを知っているはずのオーグルトは、平然としている。
「基地のセキュリティも甘かったぜ。こんなに簡単に竜機兵のコントロールを奪われるなんてな」
 僕が、ココナを探しに外に出たときに仕掛けたのだろうか。屈辱で、視界が赤く染まった。
「本当は、もっと落ち着いてから交渉したかったんだけどな……」
 そう言いながら、オーグルトは、助手席のドアを開けた。
「動くなっ!」
「おせえよ」
 そう、僕を嘲弄しながら、シートに座っていた舞川瑠実を引っ張り出す。
 薬でも打たれたのか、ぐったりとした舞川瑠実の体を抱え、オーグルトはその大きな右手を彼女の細い喉に回した。
「こんな原住民の女が人質になるんだからな――お前、本当に甘いよ」
「くそ……」
 僕は、ぎりぎりと奥歯を噛む。
「本星から、懲罰艦隊がやってくる」
 一転して無表情になったオーグルトが、静かな口調で言った。
「なに……?」
「表向きは、俺の報告を受けての派遣だが、実際はそうじゃない。もともとそういう筋書きだったのさ」
「……」
「軍の……いや、帝国上層部の書いた、下らん茶番劇だ。体を吹っ飛ばされて、ようやく復帰したと思ったら、割り当てられた役割がこれさ。全く、情けない話だぜ」
「……」
「一方お前は、お偉いさんに睨まれるくらいの大事を、こんな田舎でしでかしてる。俺も侵略官を志望すればよかったよ」
「それで……お前はどうしたいんだ? わざわざあんなマネをしてこの地球に残って、何が望みなんだ?」
「そうだな……」
 つい、とオーグルトが目を逸らした。
 一瞬だけオーグルトの視線の先に目をやると、ミルク・エンジェルが、いつも通り竜機兵を圧倒している。
「あの娘を、いただきたいな」
「なに……?」
「銀河帝国の科学の粋を極めた機動兵器を、あっさりと倒してのけるほどの力だ。男だったら、それを欲しがらないやつはいないだろ?」
「お前、軍を裏切るのか? 帝国相手に戦争でもしかける気かよ?」
「本当は、それは俺の質問だったんだぜ」
 オーグルトは、再び、口元を笑みの形に歪めた。
「……僕は、戦争をするつもりはない。ただ、僕のすることを邪魔されたくなかっただけだ」
「そんな話、どこにも通じやしないよ。――俺にもな」
「オーグルト……」
 僕は、自分の声が震えていることに気付いた。
「なんだ? そんな顔しやがって。友達だったのに、とか思ってるのか?」
 オーグルトが、僕を揶揄するように言う。
「お前、何も分かっていないな。一人だけ、あの糞溜めのような孤児院から出ていったお前を、残された俺達がどう思っていたのか、考えたことがあるか?」
 声に、滴るような憎悪を込め、オーグルトが言った。
「オーグルト……」
「お笑いぐさだな! 一人だけ感傷に浸って、友情ごっこを演じやがって……。俺は、お前を妬んでいた。俺を置いてけぼりにしたお前を、心の底から憎んでいたんだよ! だから仕官学校まで追いかけてきたんだ。復讐の機会を狙ってな!」
「オーグルトっ!」
「そうだ、その目だよ。敵を睨む目で俺を見ろ!」
 その一言で、震えが止まった。
「甘い考えを起こすなよ。一撃で仕留めろ。俺はサイボーグなんだ。他のどこを撃ったって、次の瞬間にはこの美人の首をへし折るぜ!」
「……ッ!」
 僕は、引き金を絞った。
 オーグルトの眼帯を貫いた赤いレーザー光線が、僕の右肩をかすめる。
 そして、僕が放った銃弾は、狙い通り、オーグルトの右目を貫き、脳を攪拌した。
「これで、やっと戦死だ……」
 倒れながら、オーグルトは、歓喜に満ちた声で、そう言った。



 基地に戻り、ココナをメンテナンスベッドに横たえた。
 幸い、致命的な損傷はなかった。これなら僕にも修理できる。
 オーグルトの左目にやられた右肩の火傷も、大したことはなかった。
 舞川美玖も、無事だった。自宅に戻っていた彼女に、僕は、少ししたら舞川瑠実を送り届けると電話をした。
 そして、安堵のため息をつきながら、司令室に戻ると、舞川瑠実が意識を取り戻していた。
「ご主人様……」
 いつもと変わらぬ、優しく柔らかな声で、呼びかけてくる。
「瑠実さん……どこか、痛いところないですか?」
「え? あ、いえ、平気です」
「ごめんなさい。巻き込んじゃって……」
「そんな……お気になさらないでください」
 気にしないでいられるわけはない。
 でも、そう言ってくれる舞川瑠実の気持ちが、本当に嬉しかった。
「瑠実さん……」
 僕は、ソファーに座る舞川瑠実の足元に、膝をついた。
「ご、ご主人様?」
 そして、慌てたような声をあげる彼女の膝に、小さな子供のようにすがりつく。
「友達を、殺した……」
 僕は、絞り出すような声で、そう言った。
「本当に、友達だった……小さい頃からの……いい奴だったんだ……あんなふうな……あんな死に方をするような奴じゃなかったんだ……!」
 止めどもなく溢れ出る涙で彼女の脚を濡らしながら、僕は言い続けた。
「ご主人様……」
 舞川瑠実の手が、僕の髪を撫でる。
 僕の名を呼ぶその声も、涙に濡れているようだった。
「でも、ご主人様は、あたしを助けてくださった……そうなんでしょう?」
 彼女の問いに、涙を流しながら、僕は肯く。
 そう、僕は、舞川瑠実を助けるために、オーグルトを殺した。
 他にもオーグルトを止める方法はあったかもしれない。けど、彼女を助けるには、あいつを殺すしかなかった。
 人生にはつきものの、残酷な選択。
 その積み重ねのやり切れなさに、僕は声をあげて慟哭し、いつまでも舞川瑠実の脚をかき抱いていた。
 そして、舞川瑠実は、まるで許しを乞う子供にそうするように、僕の髪をやさしく撫で続けたのだった。



《エンディング・テーマ》
『白い天使のうた』



《次回予告》

とうとうミルク・エンジェルとの対決の時が来ました。
これまでのマスターの努力が実を結ぶときです。
東京上空で、壮絶な空中戦!
 でも、ドッグファイトならぬキャットファイトなんですね〜。
次回、『激突! 親子対決』。ちなみにマスターとあたしは……うふふ♪

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