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2−3



 愛美は、霧子の診療所で、解毒作用のある点滴を受けている。
 鎮静剤を打たれて眠っているその顔は、どこか悪い夢を見ているような様子だ。
「かなり危ない状態だったわ」
 愛美の様子を、傍らのパイプ椅子に腰掛けて心配そうに見つめる円に、腕組みをしながら霧子は言った。
「でも、峠は越したから、心配しないで。若いからすぐ回復するわ」
「うん……」
 そう返事しながらも、円は鎮静剤を打たれて眠っている愛美の顔から目を離さない。
「……もう、遅いけど、どうするの?」
「できれば、ずっとこのコの傍にいたいんですけど」
 いつになく神妙な口調で、円が言った。
「そうねえ……。確かに、この子が目を覚ましたとき、あたしだけだと、びっくりしちゃうかもしれないし……」
 そう言いながら、霧子は、その形のいい唇をかすかにほころばせた。
「いいわよ。でも、着替えとかはどうするの?」
「えへ……実は、持って来てあるんです」
 円は、初めてにっこりと微笑みながら、霧子の方を見る。
 そう言われて、霧子はさすがにちょっと呆れたような顔になった。
 と、その時、霧子の携帯電話が鳴った。着信ボタンを押して耳に当てた霧子の顔が、かすかに緊張する。
「……お仕事が、入っちゃったわ」
「往診?」
「まあね。組織同士の抗争だって。全く、お客とは言え、いいかげんにしてほしいわ」
 霧子は、まともな医者にかかれないような患者専門の無免許医である。犯罪者や不法就労の外国人などの他に、裏の組織の怪我人なども、得意先に含まれる。
「鍵はかけておくから、留守番お願いね。お風呂や台所は、好きに使っていいから」
「はーい」
 円はにっこりと笑って返事をした。

 閑静な住宅街の端にある霧子の診療所は、夜になるとひどく静かになる。
 月と星の明かりが照らす愛美の青白い顔を見ながら、円は、何か考えている様子だった。
 その顔には、これまで誰にも見せたことがないような、複雑な表情が浮かんでいる。
 いつもの、どこか壊れた感じの明るい顔からは考えられないような、影のある表情である。
 診療所の寝巻きを着て、薄い毛布だけを羽織っている愛美の薄い胸が、規則正しく上下している。
「まるで、眠り姫みたい……」
 円は、かすかに囁いた。
 そして、目を閉じて、愛美の可憐な桜色の唇に、そっと唇を寄せる。
 しかし円は、唇が触れる寸前に、ゆっくりと顔を離した。そして、どこか寂しそうに微笑む。
「いけないな……。パパのこと、恨んじゃいそう……」
 さきほどよりももっと小さな声でそう言って、円は、椅子に座りなおした。



 いつのまにか、椅子に座ったまま眠っていた円は、朝の光の中、目を覚ました。
「ン……」
 太陽の光のまぶしさに、思わずその大きな目をしばし閉じる。
「……さん……」
 かすかな声が、円の耳に届いた。
「しずか、さん……?」
「えっ……? あ、起きてたの?」
 ようやく明るさに目がなれた円は、ちょっとうろたえた声をあげてしまった。
 そんな円の顔を、愛美の、まだちょっと空ろな目が、ぼんやりと見ている。
「静さん……ですよね……。ここ、どこですか……?」
「心配しないで。あたしの知り合いのお医者さんよ」
 円は、架空の双子の姉になりきって、答えた。
「お医者……?」
「そう。えーっと、もう帰ってるかな……?」
 円がそう言ったとき、ちょうどよく、霧子が病室に現れた。どうやら、すでに帰宅後の一風呂を浴びたらしく、その長い黒髪がしっとりと濡れている。
「あ、お帰りなさい」
「ただいま、まど……じゃなくて、静ちゃん」
 まだ少し眠そうな様子の霧子が、危うく名前を呼び間違えそうになり、円は内心大いに慌てた。
 ちら、と愛美の様子を見る。しかし、彼女は特段気にしてはいない様子だ。
「じゃ、じゃあ、先生、あとはよろしく」
 円は、いつになく上ずった感じの声でそう言って、立ちあがった。霧子が、そんな円に肯きながら、先ほどの失敗を詫びるように目配せする。
 病室を出て、ドアを閉めた後、円は大きく息をはいた。
「ふーっ……霧子センセってば、あれだけ言っといたのにィ」
 事前の打ち合わせが足りなかったかな、などと思いながら、円はおでこの汗をぬぐった。
「汗かいちゃったよ……おフロ、借りちゃおうかな?」
 一人そう言いながら、円は、バスルームへと歩き出した。昨夜は、愛美の顔を見ているうちに眠ってしまったため、風呂を使えなかったのだ。

 霧子との知り合ってまだ二年ほどだが、この診療所へは毎月数回は通っている。風呂を借りたり、留守番したりするのも初めてではない。まさに、勝手知ったる他人の家だ。
 脱衣場には、霧子が無造作に脱ぎ捨てた衣服が、カゴに入っていた。見るとはなしに見ると、昨日霧子が着ていた白衣が、乾いた血でべっとりと汚れている。
「あー、修羅場だったんだァ」
 いつものペースを取り戻した円は、ちょっと考えて、自分の服は別のところに分けておいた。
 股間以外は、少女そのままの裸体となった円が、かなり大きなバスルームに入る。
「ここのおフロ、広いから好きだな♪」
 自宅のマンションのユニットバスを思い浮かべながらそう言い、円は、ぬるめのお湯が張られた湯船に入った。
 ほっ、と息をついた後、ぼんやりと天井を見上げる。
(愛美ちゃん……これから、どうするんだろう……)
 そう考えると、自然と、心臓の動悸が速くなる。
(ドキドキしてる……なんか、ふしぎ……)
 円は、自分の左の乳房の下を、そっと右手で押さえた。
 そのまま、とりとめのないことを考えながら、しばらくお湯につかる。
 と、突然、からからとバスルームの扉が開く音が響いた。
「きゃっ!」
 可愛らしい悲鳴をあげて、円はびくっと体を震わせる。
「あ、静さん、入ってたんですか……ごめんなさい……」
 そこには、長い髪をまとめてアップにした愛美が、立っていた。
「愛美ちゃん……」
 円は、思わず愛美の体を見つめてしまい、慌てて目をそらした。
「もう、体はいいの……?」
「はい。先生が、お風呂に入ってもだいじょぶだって……」
「ふーん。先生は?」
「ゆうべ、徹夜だったからって、寝ちゃいました。あの……お風呂、ご一緒していいですか?」
「あ……どうぞ」
 円の言葉に、愛美は軽く頭を下げた。

 円は、完全に風呂から出るタイミングを逸してしまった。
 二人並んで座っても、まだ少し余裕のあるバスタブに、愛美と円が入っている。
「静さん……」
 さっきからずっと風呂に入りっぱなしで、ややのぼせ気味の円に、愛美が声をかけた。
「え、あ、なに?」
 ややぎこちない微笑みを浮かべながら、円が返事をする。
「静さんって、けっこう胸あるんですね」
「そんな……」
 円は、火照った顔をさらに赤くした。
 その言葉通り、全体に肉付きの薄い感じの愛美より、円の方が、体の線はまるく、柔らかい。
「静さん、顔真っ赤ですよ……。可愛い」
 ふふっ、と愛美が淡く微笑む。
 円は、答えることができなかった。
 さらに悪いことに、触れるか触れないかの距離に、愛美の華奢な肢体があることを意識すると、タオルで隠したその部分に、熱く血液が集まってしまう。
 しばらく、沈黙が続いた。
「静さん……」
「な、なに?」
「どこまで、知ってるんですか?」
「どこまでって……」
 愛美の問いに、円はうろたえていた。
 あの兄や姉ですら時に翻弄して見せた円が、この大人しい同い年の少女に、完全にペースを乱されてしまっている。
 もはや円は完全にのぼせてしまっており、頭の中で、熱い血液がぐるぐると巡る音が聞こえそうだ。
「あの……」
 と、愛美が、意を決したように、言った。
「円くん、なんでしょ」
「!」
 円が、ざばっ、と音をたてて、思わず体ごと向き直る。
 円の褐色の瞳と、愛美の黒い瞳が、正面から向き合った。
「愛美ちゃん……」
「円くん……でしょ? 正直に言って……。愛美、もう、騙されるのはヤなの……」
 そう言われて、円は、一つ息をついた後、ゆっくりと立ちあがった。
 そして、その部分を隠していたタオルを、外す。
 丸みを帯びた腰には似合わない、立派すぎるほど立派な半ば勃起したペニスが、そこにあった。
 さすがに、愛美が目を見開く。
「これが、ボクだよ……愛美ちゃん」
 声の調子を元に戻して、円は言った。戻したといっても、声変わりしていないその声は中性的で、男のコとも女のコとも判別がつきがたい。
「円くん……」
 そう言いながら、愛美が円の顔を見つめる。円は、いつになく辛そうな表情で、目を閉じていた。
 と、がまんできなくなった様に、ぺたん、とバスタブの縁に腰掛けてしまう。
「あは……立ちくらみしちゃった」
 そう言って、円は照れたように笑った。
 つられたように、愛美もくすくすと笑い出す。
 そして愛美は、円の脚の間へと、体を動かしていった。
「あ……」
 閉じようとする円の膝を、その小さな両手で持って、そっと開く。
「愛美ちゃん……」
「円くんが、助けてくれたんでしょ?」
 上目遣いで円の顔を見ながら、愛美は言った。その瞳が、濡れて光っている。
「ちょっとだけど、憶えてるの……」
 そう囁きながら、円のペニスに視線を下ろす。
「ごめんなさい、円くん……愛美、すごくいやらしいの……こんなふうにしか、お礼できないの……」
 愛美は、その可憐な桜色の唇を円のペニスに寄せ、ちゅっ、とキスをした。
「あ……っ」
 円が、声をあげる。
 それだけの刺激で、細身ながら充分な長さを誇る円のペニスは、きりきりと急角度で立ち上がってしまっていた。
「あはっ……すごい……」
 どこかうっとりしたような口調でそう言って、愛美は、ちろりとシャフトの表面を舐め上げた。
「ああ……あたし、イヤらしい……ごめんなさい……」
 そして、心底恥ずかしそうにそう言いながら、円のペニスの根元に両手を添え、ちろちろと舌を這わせ始める。
「んン……」
 円は、ピンク色の舌を一杯に伸ばしてフェラチオをする愛美の顔を見つめながら、小さく喘いだ。
 年相応にあどけない顔で、反り返った竿に舌を絡めるその様子に、ぞくぞくと背筋が震える。
 愛美は、円のペニスを一通りしゃぶった後、ぱっくりとその小さな口に咥え込んだ。
 熱い血液ではちきれそうになっているペニスには、柔らかな口腔の中が、奇妙に生温かく感じられる。
 愛美は、その幼い容姿からは考えられないような大胆さで、口の中の牡器官を刺激し始めた。
 ゆるゆると頭を動かし、静脈の浮いたシャフトを唇でしごきながら、舌で亀頭を舐めまわす。
 かと思うと、舌先で裏筋や雁首、先端の鈴口の部分を、優しくえぐったりするのだ。
 愛美の動きに合わせて、たぷん、たぷん、と、湯船のお湯が波打つ音が響く。
 円は、バスタブの縁に両手を突っ張り、心持ち腰を突き出すような姿勢で、愛美のフェラチオにその身を任せた。
 ちゅうっ、ちゅうっ、と、愛美が情熱的に円のペニスを、口腔にたまった唾液ごと吸い上げる。
「ああ……ッ」
 ひりつくような性感に、円は切なげな声をあげた。
 その声が聞こえたのか、愛美は、嬉しそうに目だけで微笑み、ますます熱を入れてフェラチオに没頭する。
「あ……愛美ちゃん……そんなにしたら……もう……ッ!」
 円の若いペニスは、とうとう、限界を迎えた。
「ダメ……ボク、もう、出ちゃうよ……ッ!」
「出して、円くん……愛美のお口に、ザーメンいっぱいだしてェ!」
 おとなしい愛美が言ったとは信じられないような卑猥な言葉を聞き、円はとうとう己の欲望を弾けさせてしまった。
「ああああーッ!」
 高い、少女のような悲鳴をあげて、再びペニスを咥え込んだ愛美の口内に射精する。
 精液が勢いよく喉奥を叩く感触に、辛そうに眉をたわめながらも、愛美は、さらに深く円のペニスを咥えていく。
「あッ……ああッ……ンあ……あぅ……」
 びくン、びくン、とそのしなやかな体を何度も震わせながら、円は大量の精を愛美の小さな口の中に放ってしまった。
 愛美は、こくん、こくんと小さく音をたてながら、口内にたまった青臭い粘液を美味しそうに飲み干していく。
「ひゃううッ!」
 ちゅるるん、と輸精管の中に残った精液まで吸い取られ、円は思わず悲鳴をあげてしまった。
 愛美が、ようやくペニスから口を離し、ふーっ、と息をつく。その顔が上気しているのは、けして、湯につかっていたためだけではなさそうだ。
「愛美ちゃん……」
 憑き物が落ちたように、恥ずかしそうにうつむいている愛美の肩に、円はそっと手を添えた。
 そして、優しく立ちあがらせる。
「ごめんなさい……あたしの顔、見ないで……」
 顔を背けるようにして、愛美が言う。
「どうして?」
「だって……きっと、すごいエッチな顔してる……」
 そう言われて、円はにっこりと微笑んだ。そして、優しく愛美の顔を自分の方に向ける。
「や……」
「だいじょうぶ……ボクの方が、もっとエッチだよ……」
「?」
 不思議そうな顔をする愛美の唇に、円はそっと唇を重ねた。
「んんっ!」
 愛美は、驚いた声をあげて、体を離し、両手で口を覆った。
「ダメ……あ、あたし、したばかりだから……」
「ボクの味がする」
 くすっ、と円は笑って、愛美の両方の手首を、それぞれ握った。
「きれいにしてあげる……」
 そう言って、口元を隠す手をやや強引に外して、再び口付けする。
「あむ……」
 円は、宣言通り、愛美の口の中の自らの残滓を舐め取るように、舌を這わせた。
「ん……ん……んうン……」
 次第に、愛美の細い体から力が抜けてゆく。
 いつしか、まだ十五歳になったばかりの少年と少女は、互いの体をしっかりと抱き締めていた。濡れた肌がぴったりと重なる。
 ちゅば、と音をたてて、二人はようやくキスを中断した。
 円と愛美の胸の膨らみが、互いに互いの形を、エロチックに歪めている。
 円は、ひどく真剣な表情で、愛美の黒い瞳をじっと見つめた。
「愛美ちゃん……」
 円が、囁くような声で愛美に言う。
「やじゃない? ボクみたいなの……ヘンでしょ?」
 円の口調は、いつになく臆病な感じだ。
「ヘンじゃないよ。すごく、きれいだと思う……」
 愛美が、ひどく素直な調子でそう言う。
「きれい?」
「うん」
 愛美は、邪気のない顔で肯き、続けた。
「ホントは、いろいろ聞きたいこととかあるけど……それは、あとでもいいの……」
「……」
「ごめんなさい……愛美、お礼のつもりだったのに……してほしくなっちゃった」
 そう言って、愛美は、恥ずかしそうに円の胸にその顔をうずめた。
「愛美ちゃん……」
「もう、男のヒトはイヤなんだけど……円くんは別……。愛美、円くんに、イヤらしいこと、してほしいの……」
 消え入りたげな声で、それでも淫らなおねだりをする同い年の少女に、円はこっくりと肯いた。

 円は、愛美の小さな体を、バスマットの上に横たえた。
「恥ずかしい……」
 柔らかそうな頬を赤く染めながら、愛美が顔を横に向ける。
 円は、そんな愛美の頬に、ちゅっと軽く口付けして、そのまま、唇を首筋に這わせた。
「ひゃうン……」
 くすぐったそうに、愛美が体を縮めた。
 円は、そんな愛美の体を優しく抱き締めながら、うなじから鎖骨のくぼみ、そして胸の膨らみへと、唇と舌をゆっくりと這わせていく。
 まだ発達途上の乳房を、そっと手で包む。それは、円の小さな手の中に収まってしまうくらいの大きさだった。
 やや固い感触の乳房をゆるゆると揉みながら、その頂点の桜色の乳首を、ぺろぺろと舐めまわす。
「ふア……」
 初めて経験するような繊細で優しい愛撫に、愛美はうっとりと声をあげた。
「気持ちいい?」
 ちゅぽん、ちゅぽんと乳首をついばむように吸う合間に、円が訊く。
「ご、ごめんなさい……きもち、イイの……」
「あやまることなんてないよ」
 ふっと微笑みながら、円は言った。
「愛美ちゃんに感じてもらって、ボク、すごく嬉しい……」
 そう言いながら、円は愛美に覆い被さるように重なった。
 そして、自身の乳首を、愛美の乳首に触れ合わせ、くりくりとこすりあわせる。
「あッ……」
 想像もしなかったような刺激に、愛美は小さく声をあげていた。
「ふふふっ……」
 悪戯っぽく微笑みながら、円は、次第に尖っていく自らの乳首で、愛美の乳首を責め続ける。愛美のそこも、円の唾液に濡れながら、すでに硬く尖っていた。
「あ、あン……んく……ふぅン……」
 円の細い腕の中で、愛美が、もどかしそうに喘ぎながら、より強い刺激を求めるかのように、胸を反り返らせる。
 円は、ひとしきり乳頭による相互愛撫を楽しんだ後、再び愛美の乳房を両手に包んだ。
 そして、左右の乳首を、それぞれ同時に指でしごくようにする。
「ひゃうううう……ッ!」
 まるで体に電流が走ったみたいに、愛美がびくびくと体を震わせる。
「あ……あッ……あう……はあア……ッ」
 円は、切なそうに眉を寄せながら喘ぐ愛美の白い脚の間に、そっと体を割りこませた。
 そして、両手を胸から脇、腰へと動かしながら、愛美のすべすべのお腹や腰にキスを繰り返す。
 ぷっくりとした無毛の恥丘に円の唇が到達したとき、愛美ははっと顔を上げた。
「だ、だめ、そんなトコ……」
 慌てたように、愛美が言う。
 しかし円は、そんな愛美の言葉を無視して、さらに顔を下にずらした。
「あア……恥ずかしい……」
 愛美が、両手で顔を覆う。
 愛美のその部分は、すでに淫猥にめくれ上がり、とろとろと大量の愛液を溢れさせていた。
「すっごく濡れてる……」
「ご、ごめんなさい、ごめんなさい……っ」
 円の指摘に、愛美はつい、あやまってしまう。
「もっともっと濡らしてあげる」
 そう言いながら、円は、熱い蜜を湛えた肉の花弁に、唇を押しつけた。
「ひああッ!」
 敏感な粘膜を吸引され、愛美は思わず悲鳴をあげてしまう。
 構わず、円は愛美のクレヴァスを舌でえぐり、口の中で小陰唇を甘噛みした。
「あ、ンあああ……きゃうっ……は、あ、あア〜ッ……」
 鋭い快感に翻弄されるように、愛美の小さな体がバスマットの上でのたうつ。
 円は、ひくひくと震える恥丘の下方に手を添え、そのままクリトリスを保護する包皮を、そっとめくり上げた。
 つるんとした小さな肉色の真珠が、恥ずかしそうに顔を出す。
 円は、そっとその部分を唇で挟んだ。
「ひあああああーッ!」
 それだけで、愛美は高い声をあげた。
 円は、刺激しすぎて痛くしないように注意しながら、唇と舌で、そろそろとその敏感な肉の突起を愛撫する。
「きゃあッ! あッ! あうッ! ひ、ひああああアッ!」
 愛美は、自分でも意識しないうちに、円の頭を自分の股間に押しつけていた。
 迫り来る絶頂の予感に、その細い腰ががくがくと震える。
「あああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアーっ!」
 ひときわ高い声をあげて、愛美が腰を跳ね上げる。
 まるで見えない手に弄ばれるように、愛美の幼い腰は空中で踊り、アクメを貪った。
「あ……ア……アあアア……ァ……」
 そして、糸の切れた人形のように、その華奢な体がぐったりと弛緩する。
 円は、しぶいた愛液で濡れた口元をぬぐいながら、顔をずらして、愛美の顔を覗きこんだ。
「イっちゃった?」
「ご……ごめん、なさい……イっちゃった……」
 はァはァという荒い息の合間に、ようやく愛美が答える。
「あやまることないってば」
「でも……あたしだけ……」
 申し訳なさそうに言う愛美に、円がにっこりと微笑みかける。あどけない少女そのままの、無邪気な笑顔だ。
「じゃ、今度はいっしょに気持ちよくなろうね」
「で、でも……」
「なに?」
「ごめんなさい……あたし、はじめてじゃないし……」
「ボクだってそうだよ」
 微笑みながらそう言って、円は、愛美の脚の間に腰を進ませる。
「あ……」
 すでに力を取り戻しているペニスを、絶頂を迎えたばかりで敏感になっている箇所に押し当てられ、愛美は小さく声を上げた。
 一方、ぷにゅぷにゅと柔らかなその部分は、貪欲に円のペニスにまとわりついてく。
「んふっ……愛美ちゃんのココ……ボクのに絡みついてる……」
「ああ……あたし、イヤらしい……」
 愛美は、目に涙をにじませながら、言う。
「泣かないで、愛美ちゃん……ボク、エッチな愛美ちゃんが好きなんだから……」
「――ホント?」
 童女のような表情で、愛美が聞き返す。
「ホントだよ、愛美ちゃん……好き……」
 そう、愛美の耳元で囁きながら、円はゆっくりと腰を進ませた。
「ああああア……ッ!」
 鋭い角度で上を向いたペニスに膣壁をこすられる快感に、愛美が歓喜の声をあげる。
「あぁ……愛美ちゃんのアソコ、ボクのをどんどん吸いこんでく……」
 円の言葉通り、愛美の膣内粘膜は、ざわざわと蠕動しながら、熱い牡器官を奥へ奥へと引きこんでいった。
 その動きに導かれるように、円のペニスの先端が、一番奥まで届く。
「あは……っ」
 二人は、ほぼ同時に甘い声をあげた。
 官能でとろけそうになっている幼い顔が、ごく自然に互いを求め、口付けを交わす。
 愛美の舌を舌で絡めとりながら、円は、ゆっくりと抽送を始めた。
「んン〜っ」
 互いの粘膜の摩擦によって生じる熱と快美感に、愛美は、くぐもった声を漏らした。
 ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ、と湿った音をたてながら、円のペニスが愛美の幼い膣口を出入りする。
 その度に、愛美はふンふンと媚びるような鼻声を漏らし、円の背中に回した手に力を込めた。
 円は、こみあげる快感にたまらなくなったように唇を離し、そのままちろちろと愛美の顔を舐め上げる。
「ああ〜ン、く、くすぐったい……」
 しかし、そのくすぐったさも、すぐに性感に変わっているのだろう。愛美の声は、ひどく甘たるい。
 円は、そんな愛美の耳たぶや首筋に舌を這わせながら、夢中になって腰を使う。
 円の股間のものが愛美の体内に隠れているため、二人の交わりは、どうかすると、レズビアンの少女同士が淫らに戯れているようにも見えた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
 しばらくして、円は、こみあげる射精感をやり過ごすように、腰の動きを緩めた。
 そして、その丸いお尻を回すようにして、愛美の柔らかな蜜壷をこね回す。
「はうう……っ!」
 今まで刺激されていなかった部分を刺激され、愛美は甘い悲鳴をあげた。
 どうやら、円のペニスは、愛美の弱いところを捕らえることに成功したらしい。腰を小刻みに動かし、亀頭でその部分をこすりあげると、愛美の膣壁がぴくぴくと反応する。
「ここがいいの?」
 頬を上気させながら訊く円に、愛美は恥ずかしそうに肯いた。
「じゃあ、もっとしてあげる……っ」
 そう言って、円は両手で愛美の丸い肩を持ち、さらに腰の動きを速くした。
「あ、あいいッ! ンはあアッ!」
 愛美の小さな体が、円の体の下で弓なりにそり返る。
 その幼い肢体で受けとめるには強すぎる性感に、愛美はイヤイヤをしながら、体をよじった。
 そんな愛美を逃すまいとするように、円はしっかりと両手に力を込める。
「イ、イイ……イイの……すごくイイのぉ……か、感じちゃう……っ!」
 そう叫ぶように言う愛美の靡肉は、ざわざわと蠕動しながらも、円のペニスを柔らかく締めつける。
 円は、再び高まってくる射精感に突き動かされるように、さらに激しく腰を動かした。
 円のシャフトと、愛美の膣口の隙間から、愛液がしぶくように溢れ出る。
「円くん……円くん……ッ」
 愛美は、円の名前を呼びながら、その細い腰にいつのまにかしっかりと脚を絡みつかせていた。
「円くん……ごめんなさい……愛美、愛美もう……ッ」
 愛美は、切羽詰った声で、絶頂が近いことを訴えた。
「おねがい……円くんもイって……愛美だけイクの、イヤぁ……」
 その言葉だけでなく、幼い膣肉までが、円のシャフトに絡みつき、射精をおねだりする。
「まなみちゃん……ボ、ボク……イっちゃうよォ……」
「う、うれしい……まなみのなかで、いっぱい、いっぱいシャセイしてェ……ッ!」
「あああアアアッ!」
 舌足らずな声で叫ばれる猥語を聞きながら、円は、熱くたぎる精液を同い年の少女の膣内に解放してしまった。
「あッ! あうッ! きゃううううッ! イク、イっちゃうウーッ!」
 時分の体の中で、ペニスが何度も何度もしゃくりあげ、大量のスペルマを迸らせる感触に、愛美は立て続けに絶頂に舞い上げられる。
「スゴい……こんなの、こんなのはじめて……あ、あああ、あああああァー……ッ!」
 愛美は、円の体をぎゅっと抱き締めながら、ぴくぴくと小刻みに痙攣した。
 そんな愛美の細い腕の中で、円も絶頂に体を震わせている。
 今まで感じたことの無いような、奇妙に安らかな官能の中で、愛美は、しばし意識を失ってしまった。
 闇が、愛美を包みこむ。
 しかしそれは、いつもの冷たい闇ではなく、懐かしいような温かさに満ちていた。



「ふぁ……」
 意識を取り戻したとき、愛美は、脱衣場の中で、円の腕の中にいた。
 円が、愛美を膝の上に乗せるようにして抱きながら、その体を丁寧に乾いたタオルでぬぐっている。
「あ……ごめんなさい……」
 どうしてもまずあやまってしまう愛美に、円は優しく笑いかける。
 顔を赤くしながら、愛美は立ちあがった。ちょっとよろけて、壁に手をついてしまう。
「だいじょうぶ?」
「う、うん……」
 並んで立ちあがる円にそう返事をして、愛美は顔を上げた。
 目の前に、男根を備えた少女が、無邪気と言ってもいいような表情で、そこに立っている。それは、どこか幻想的な風景だった。
「円くん……」
 愛美は、円の肩に、そっと手を伸ばした。
 肌に、指先が触れる。その体は、幻のように消えたりはしない。
 胸に、様々な想いが込み上げてくる。ともすれば混乱しそうな頭で、愛美は、ようやく言うべき言葉を見つけ出した。
「円くん……好き……それから……ありがとう……」
 いつもの控えめな口調でそう言う愛美に、円は、嬉しそうに肯きかけた。



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