妻を、犯す。



第四章



 私の目の前に、次第に、妻の裸身が露わになっていく。
 見慣れている、と言えるはずのその肢体は、私の興奮を異様なほどに煽った。
 ひいき目かもしれないが、香織は、いいプロポーションをしていると思う。すらりと伸びた四肢に、女らしい熟れた曲線を描くヒップ。そして、くびれた腰と、高級な果実を思わせるたわわな両の乳房。それらが演出するなまめかしさが、今、ラブホテルの室内という状況によって、何倍にも強調されているのだ。
 香織が、下着姿になった。
 白く、飾り気の少ないブラとショーツは、彼女が、日常の中からこの非日常の場に連れてこられたのだということを示している。
「相変わらず、いい体してるな……」
 そう言いながら、私は、香織の白く滑らかな肌を舐めるように視姦した。
 香織が、下着の上から、自らの胸と股間を手で隠す。
「手をどかせ。それから、そこでゆっくり一回転しろ」
「ど、どうしてそんなこと……!」
「俺がそうさせたいからだよ。さっさとしろ!」
「くっ……」
 屈辱に唇を噛み締めながら、香織が、私に言わるとおりにする。
 その頬は、怒りのためか、燃えるように紅潮していた。
「よし、いいぞ……」
 私に――いや、羽黒に言われるままに、半裸の体を晒す香織の姿が、肉棒を痛いほどに勃起させる。
「こっちに来て、ここにひざまずけ」
 私は、浅ましく膨らんだズボンの股間を隠す事なく、香織を呼び寄せた。
「な……何をさせるつもり……?」
「薄々は感づいてるんだろ? オマエの手と口で、たっぷりと俺のモノに奉仕するんだよ」
「ほ、奉仕って……そんな……」
「高坊の時にさんざ教えてやったろ? ほら、さっさとしねえと、亭主にぜんぶバラしちまうぞ!」
「羽黒さん……なんて人なの……」
「うるせえな。やるのか、やらないのか、どっちなんだ?」
「…………」
 香織が、ソファーに座る私の足元に膝を付く。
 そして、しばし逡巡した後、その震える指を、ゆっくりと股間に近付けてきた。
 ファスナーを下ろし、おずおずと、肉棒を外に取り出す。
「あ……」
 反り返るほどに勃起したペニスを前にして、香織は息を飲んだ。
「ククク……オマエを女にしてやったチンポだぜ」
「い、いや……あの時のことは言わないで……」
「何言ってやがる。コイツをブチ込まれてヒイヒイ嬉し泣きしてやがったくせに!」
 私は、激情にかられ、思わず香織の髪を右手で鷲掴みにした。
「あうっ、い、痛い……っ!」
「おら、さっさとしゃぶれよ! グズグズすんなっ!」
 声を荒げながら、香織の顔をペニスに押し付ける。
「う、ううっ……ひどいわ……こんなのひどすぎる……」
 涙声でそう言ってから……妻は、目の前のペニスに向かって、震える舌を伸ばした。
 舌先が、赤黒く張り詰めた亀頭に触れる。
 その時、私は、まるで電流にでも触れたような快感を覚えていた。
「んぁ……あ、んっ、ちゅぷ……れる……れるっ……れろ……んふぅ……ちゅ、ちゅぷぷ……」
 香織の舌が、亀頭の表面を這い回る。
 ゾクゾクするような感触が、肉棒をさらに固く、大きくさせた。
「ちゅ、ちゅぶ、ぺちゅっ、ちゅぷ……れる、れるる、んむぅ……ちゅっ、ちゅぷっ、んむむ……」
 いきり立った肉幹を、舌と唇が愛撫する。
 妻は、夫婦の営みの中で積極的にフェラチオをするようなタイプではなかったし、私も、妻にそれを求めることは滅多になかった。
 それゆえに、香織による口唇愛撫の快感が、ますます新鮮に感じられる。
「はぷっ、ちゅぶ、んちゅ、ちゅぶぶ……レロレロ……ちゅぷ、ちゅぷぷ、んちゅ、ちゅぶっ……ちゅぱ、ちゅぱっ、ちゅぶ……」
 羽黒に教え込まれた当時のことを思い出したのか、香織の奉仕が、次第に巧みなものになっていく。
 こちらが何も言わないのに、その舌先が、尿道口やカリ首のくびれ、竿の裏側の縫い目などを、丹念に刺激してくるのだ。
 ペニスは、今や唾液と腺液にまみれ、テラテラと濡れ光っていた。
「ふっ……ずいぶんと熱がはいってるな」
「あっ……そ、そんなこと、ないわ……思い過ごしです……」
「それはどうかな……まあいい。それより、いつまでも舐めるだけじゃなくて、口の中に咥えてジュポジュポしろ」
「うっ……は……はい……」
 私の卑猥な命令に、香織が、悔しげに肯く。
「歯を立てるなよ……もし噛み付きでもしたら……」
「わ、分かってます……だから……あ、あの人のことは、もう……」
 香織が、声を震わせて、哀願する。
 私は、複雑な感慨を抱きながら、無言で彼女の頭を引き寄せた。
「あ、あむ……うぶ……んああ……あぶ……おぶぶっ……」
 私の体に付属するそれと比べ、明らかに一回り以上大きなペニスが、妻の口内に入り込んでいく。
 ヌメヌメとした生温かな感触に包まれ、肉棒が、さらに膨張した。
「あむ……んぐぐっ……うぐ……んふっ、んふっ、ふうぅ……ふぐ……ンンン……ンムムム……」
 香織が、血管を浅ましく浮かせたペニスを咥え込んだまま、頭を前後に動かし始めた。
 ヌルリ、ヌルリと、柔らかく艶やかな唇が、肉竿の表面をスライドする。
「んふっ、っふうっ、んむ……んぐっ、んぐうっ……ふうふうふう……ふむむ……んむっ、ちゅぶぶ、じゅぶ……ちゅぶぶっ、ちゅぷ、ちゅぶっ……」
 ピストンの速度が増していき、口腔粘膜全体が、ペニスを扱きたてる。
 私は、湧き起こる快感に流されまいと、丹田に力を込めながら、香織のフェラチオを堪能した。
「んふっ、ふうっ、んむむ……うん、うぅん……ちゅぶ、ちゅぶぶっ、ちゅぷ……ちゅぶぶ、ちゅぶぶ、ちゅぶぶぶ……」
 香織が体を動かすたびに、くぐもった声と湿った音が、香織の口元から漏れる。
 私は、体を前に倒し、ブラの肩紐を外した。
「んあっ……あぁ、は、羽黒さん……」
「いいからそのまま続けろ……!」
 声で脅してから、ブラと乳房のはざまに手を差し込み、柔らかな感触に指を食い込ませる。
「あ、あぁっ!」
「くくく……いい感触だぜ……」
 私は、羽黒の手でも包みきれないほどの香織の胸を、まさぐった。
 手の平に当たる彼女の乳首が、次第に堅くしこっていく。
「あ、あうっ……う、ううっ……あふ……うあぁ……」
 香織が、ペニスを口からこぼしそうにしながら、喘ぎ声を漏らす。
「自分ばっか感じてないで、おしゃぶりを続けるんだよ」
「ううっ……か、感じてなんかいません……あむっ、んぶぶ、ちゅぶっ……」
 一度、私の方を睨みつけてから、香織が再び亀頭を咥え込む。
「ちゅぶ、ちゅぶぶっ……んぶっ……ちゅっ、ちゅぐ……んふ……ちゅむむ……ちゅばっ、ちゅばっ……うん、んふぅ……うん……うぅん……」
 唇で肉竿を扱く妻の鼻から、甘えるような息が漏れる。
 私は、香織のブラを完全に外し、両手でその双乳を揉みしだいた。
「ううぅっ……んっ、んくう……ちゅ、ちゅぶ……う、うんっ……ふぅふぅ……うぅんっ、んむ、んむむ……ちゅ、ちゅぶぶ、ちゅぷぅ……」
 香織が、口唇奉仕を続けながら、悩ましげに眉をたわめる。
 私は、香織の乳房をたぷたぷと揺らし、そのずっしりとした感触を楽しんでから、さらに乱暴に捏ね回した。
「ううぅん! うっ、んむう、ふぶぶ……うっ、ううっ、んく……うぅん、ううぅん、んふぅ……ううぅ〜ん」
 香織が、くぐもった声を上げながら、クネクネと身をよじる。
 それは、どうにか私の愛撫から逃れようとしているようにも見えたし、湧き起こる快楽に悶えているようにも見えた。
「んふぅ、んふぅん……ちゅぶ、ちゅぶぶ、んぶ……ちゅばちゅば……うっ、うぐぐ……んふ……ちゅぶぶ……」
 媚びるように鼻を鳴らしながら、香織が、シャフトにねっとりと舌を絡み付かせる。
 私は、ひとしきり香織の巨乳を弄んでから、ダークローズの乳首を指で摘まんだ。
「んんンっ!」
 ビクン、と体を震わせた香織の乳首を、指先で転がし、刺激する。
 左右の乳首がさらに充血し、完全に勃起する。
「うぶっ、んあぁ……ダ、ダメ……そこはやめて……」
 ペニスから口を離し、香織が弱々しい声を上げる。
「そんなに気持ちいいのか?」
 私は、そう訊きながら、香織の乳首をクリクリと嬲り続けた。
「んううっ……ち、違います……はぁはぁ……そんなの、痛いだけで……あっ、あうっ、んくぅ……」
「ふん、それくらい我慢しろ。俺をイかせるまでこのままいじってやるぜ」
「ううっ……ひ、ひどい……」
 そう言ってから、香織は、諦めたようにフェラチオを再開した。
「ちゅぶ、ちゅぶぶっ、んぶ……ちゅぶぶぶっ……ちゅ、ちゅばっ、んむ……ふぅふぅ……んふぅ……ちゅぶぶぶっ……!」
 まるで、自らの快感を忘れようとするかのように、積極的に肉棒を責める。
 私は、今まで知らなかった妻のテクニックに驚きながら、彼女の胸を嬲り続けた。
 指の痕が残るほどに荒々しく乳房を揉み、ギリギリと乳首を引っ張ってやる。
 香織は、その滑らかな頬を紅潮させながら、肉棒を舐めしゃぶり、吸いたてた。
「ちゅぶぶぶっ、じゅずっ、じゅぶぶっ……! んふっ、んふうぅ……ちゅぶ、ちゅぶぶっ……ふンふン、ふぐ、んむむっ、じゅずず……うぅ、うぅ〜ん……じゅぞぞぞぞっ!」
 信じられないほど下品な音をたてながら、香織がペニスを吸引する。
 バキューム責めとディープスロートの合間に、フンフンと鼻息を漏らしながら、いつしか、香織はそのヒップをもどかしげに揺らしていた。
「んふぅン、んふぅうぅ……ちゅぶぶ、じゅずずずずっ……ちゅばっ、ちゅばば、ちゅぶぶぶ……ふう、ふう、ふぐぐ、んむうっ……ちゅぼっ、ちゅぼぼっ、ちゅば……じゅずっ、じゅるるっ、じゅばばばばばっ!」
「くっ、で、出るぞ……飲めっ!」
 私は、今まで乳房を揉んでいた両手で妻の頭を固定し、そのまま射精した。
「ふぐっ! ううううううっ! んんんっ! んぐっ、うぐぐっ……うぐぅ! うぶうっ!」
 ドピュッ、ドピュッ、と精液を迸らせるたびに、妻がくぐもった悲鳴を上げる。
「う、うぐう……んっ、んむむっ、ふぐ……う、うううっ、うぶ……ゴクッ……」
 口内に容赦なく溜まっていくザーメンを、香織は、やむなく白い喉を上下させて飲み込んだ。
 そんな妻の様子にますます興奮し、私はさらに射精し続けてしまう。
「んぐっ、んぐぐっ、うぅ……ゴク、ゴクッ……うぐぐ、ううぅ……んっ、んぐぐっ……ゴク、ゴク……ゴキュ……」
 精液を少しずつ飲み込む香織の口の中の動きを、まだ咥えさせたままのペニスで感じる。
 私は、深い満足感を覚えながら、まだ萎えていない男根をゆっくりと彼女の唇から引き抜いた。
「ぷはっ……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
 どこか惚けたような表情を浮かべた香織の半開きの唇と、赤黒い亀頭の間を、粘液の糸がつなぐ。
 そして、香織の口元から、トロリと白濁したザーメンが垂れ落ちた。
「ククク……ずいぶんと気分を出してるようだな」
 私は、そう言いながら、靴下を履いたままの右足を、香織のムッチリとした太腿の間に潜り込ませた。
「キャッ!」
 ショーツの中心部に足指を押し当てられ、香織が、可愛い悲鳴を上げる。
「だいぶ火照ってるぞ……俺のチンポしゃぶりながら興奮したか?」
「あうっ、んくうっ……そ、そんなこと……ありません……んううっ……」
 香織が目尻に涙を滲ませながら、体を震わせる。
「脱がせろ」
 私は、いったん香織の股間から足を離し、それを彼女の目の前に突き出した。
「……はい」
 仕方なげに肯き、香織が、私の靴下を脱がす。
 私は、剥き出しになった足の指を、再び香織の秘苑に食い込ませた。
「ああっ……」
「やっぱり熱くなってるじゃねえか……感じてるんだろ? スケベな奥さんだな」
 じっとりとした熱い湿り気を感じながら、足の親指でショーツ越しに秘唇を刺激する。
「うっ、あううぅ……嘘……嘘よ……んっ、んんっ……こ、こんなひどいことされて、感じたりなんか……あうぅっ……」
 香織が、その女らしい体をクネらせながら、声を上げる。
「嘘つきはオマエの方だろ!」
 私は、足の指で、ギュッと香織の秘部をつねった。
「きゃうっ!」
 香織が、股間を両手で押さえてうずくまる。
 私は、そんな妻の目の前で、仁王立ちになった。
「さあ、俺の服を全部脱がせるんだ」
「うぅ……」
 上目遣いで恨みっぽく私を見つめた後、妻が立ち上がり、震える指を私の着ている服に伸ばす。
 スーツを脱がし、それを丁寧に畳み、ワイシャツのボタンを外し、そして、ベルトのバックルに手をかける香織――
 私は、そんな妻の肢体を、無遠慮な手つきでまさぐった。
 髪に触れ、首筋をなぞり、脇腹を撫で、乳房を揉み、乳首を指で摘まむ。
「んっ……んくぅ……はぁ、はぁ……あうぅ……ん……んんっ……」
 喘ぎと、嗚咽をこらえるような声を漏らしながら、香織が私を裸にしていく。
 そして、香織は、再びひざまずき、トランクスを下ろした。
「立て」
「はい……」
 全裸の私の前に、ショーツのみをまとった香織が立ち上がる。
 目を涙で潤ませ、頬を赤く上気させた妻は、これまで見たどんな姿よりもなまめかしい。
 私は、たまらず香織を抱き寄せ、その唇を奪った。
「うっ、んむむっ……う、うっ……んぷ……ちゅ、ちゅぶ……ちゅぷ……んふぅ……うん、うぅん……ふぅふぅ……ちゅぶぶ……」
 荒々しく唇を吸うと、香織が、私の腕の中で、弱々しく抵抗する。
 私は、たっぷりと口付けを楽しんだ後、唇を離した。
「ぷは……ハァ、ハァ、ハァ……」
「へへへ……香織の息、俺のザーメンの匂いがするぜ」
「ンっ……!」
 妻が、顔を真っ赤にして、両手で口元を押さえる。
 私は、左腕で香織の体を抱いたまま、右手を彼女の股間に滑り込ませた。
「あっ! い、いやぁ!」
 そこは、ショーツの上からでもはっきりと分かるほどに、熱く潤んでいた。
「下着がビチョビチョだぜ……よっぽど俺のを咥え込みたいんだな」
「ううっ……ち、違うわ……違います……! あっ、あううっ、やめて、さわらないでっ!」
 香織の悲鳴を聞きながら、ショーツの布地を横にずらし、クレヴァスを露わにする。
「ンあっ! ああぁン!」
 すでに愛液にまみれているそこに指を潜らせると、香織は、ビクリと体を震わせた。
「すげえな……ドロドロだぜ……」
 香織に耳元に口を寄せ、そう囁きながら、さらに秘唇を愛撫する。
「あううっ……し、知りません……あ、あっ……そんなの知らないっ……んっ、んくっ、んうう……やめて……やめてぇ……」
 妻の声が、次第に甘く蕩けていく。
 私は、香織の膣口に、右手の中指をズボズボと浅く抽送させた。
「んああっ、やっ、やあっ……やめてください……! あ、あっ、あう……いや、いやっ、いやぁ〜っ!」
「嫌じゃねえだろ? ここはこんなにヨダレ垂らして喜んでるじゃねえか」
「ひあぁっ、よ、喜んでなんかっ……あうっ、んっ、ああぁん! も、もうやめてぇ……あうっ、あん、ああぁぁぁぁ……」
 香織が、必死に私を押しのけようとする。
 私は、そんな彼女の首筋に唇を這わせ、赤く染まった耳たぶを舐め回した。
「あううぅ……い、いや……いやあぁ……ハァハァ……やめて……お願い、許してぇ……ああぁ……」
 耳の穴に舌をこじ入れるようにすると、香織の体から力が抜けていった。
「……ベッドに両手をつけてケツをこっちに向けろ」
 私は、そう言って、妻の体を軽く突き飛ばした。
「あうぅ……ひ、ひっく……うっ……ううぅ……」
 妻が、ぽろぽろと涙をこぼしながら、私の命令に従う。
 私は、香織の女らしい曲線を描くヒップから、ショーツを太腿のところまで引き摺り下ろした。
 左右に伸びた薄い布地が、今、妻を犯しているのだという実感を与えてくれる。
「あぁ……お願い……許して……もう許して……」
 弱々しく声を上げる香織の秘唇に、肉棒の先端を押し当てる。
「さあ、入れてやる……いい声で鳴けよ」
「ううっ……ひ、人でなしっ……!」
 私は、妻の叫びにゾクゾクと背中を震わせながら、ことさらゆっくりとペニスを挿入させた。
「うっ、うううっ……あっ、ああぁ……いや……いやぁ……は、入ってくる……あううぅぅ……」
 程よく熟れた肉壷の中に、ズブズブと剛直を埋めていく。
 熱くとろけるような快楽が、肉棒全体を包み込んでいく。
「香織、いくぞっ……」
 私は、ほとんど余裕を失い、そのまま腰を前後させた。
「うぐっ! あっ、あううっ……んっ、んっ、んく……うっ、うううっ、うく……んぐうっ……!」
 香織が、嬌声を上げまいと歯を食い縛りながら、その白い手でシーツを握り締めている。
 だが、その肉襞は、まるで歓迎しているかのように、肉竿に絡みついてきた。
「あ、あううっ、うっ、うくぅ……んっ、んんっ、んふ……んぐぐぐ……」
 香織は、意地になったように、声を上げない。
 しかし、私と妻との結合部からは大量の愛液が溢れ、彼女の白い太腿の内側を濡らしている。
 私は、抽送のストロークを大きくして、ペニスの先端で膣奥を突いた。
「うっ、うあっ! あっ、ああ、あく……んああ、ああぁン!」
 香織の唇から、悲鳴のような声が漏れる。
 私は、なおも彼女の子宮口に亀頭を叩きつけ続けた。
「あぐうっ、い、いやぁ……あうっ、ああぁ、あひ、あひぃ……やめてぇ……それだめ、だめっ、だめ……ああああああああ!」
 香織が、堰を切ったように激しい声を上げる。
 粘膜同士の摩擦がもたらす快楽に急き立てられながら、私は夢中で腰を使った。
 腰とヒップのぶつかるパンパンという小気味のいい音が、部屋に響く。
「あっ、ああっ、あん、あぁん! だめ、だめぇ……ああぁ、あふ、あふぅ、んっ……んああぁ……ああぁ〜ん!」
 喘ぎ混じりの香織の声が、次第に甘くとろけていく。
「ククク……いいヨガリ声だぜ……そうとう感じてるな?」
 私は、一時ピストンを中断し、腰を回転させて、蜜壷をペニスでかき回した。
「あううっ……違う……違います……私っ……はぁはぁ、か、感じてなんかぁ……あっ、ああぁ……あひ……」
「まだそんなこと言ってるのか? オマエがこのチンポに夢中なのはバレバレなんだよ!」
 そう言いながら、強烈な嫉妬を込めて、羽黒のペニスで妻の膣内を抉る。
「はひぃいいぃ〜!」
 叫び声とともに、香織の膣内が、きゅーっと収縮する。
 それは、与えられた快感に歓喜しているようであり、また、激しいピストンの再開をねだっているようでもあった。
「この淫売めっ……!」
 獣のように息を荒げ、豊満なヒップに指を食い込ませて、再び肉棒を抽送させる。
「あうっ! あん! あううっ! あひ! あひい! ひい! あひいん!」
 香織が、シーツをかきむしるようにしながら、快楽の悲鳴を連続して上げる。
「ひあああ……やめてぇ……もうやめてえ〜! ああぁっ! あん! あぁんっ! あうっ、うぐう……あひ、あひい……ひいっ、ンひいいぃ〜!」
 幾重にも重なった肉襞がザワザワと蠢き、限界まで膨れ上がった肉竿を刺激する。
 それは、まるで無数の舌に舐め上げられているような快感だった。
 ――香織は、これほどの名器の持ち主だったのか?
 ほとんど感動すら覚えながら、私は、ひたすら腰を前後に動かした。
「ああああっ! あうっ! うああああっ! おっ、おおおっ、おああああ! あひっ、あひいいぃ……ひああああああ〜!」
 今まで聞いたこともないような獣じみた声を上げながら、香織が悶える。
 膣内が、まるで独立した生き物のように、ギュッ、ギュッ、と肉幹を搾り上げる。
「イキそうになってるな……マンコがザーメン欲しがってるぞ!」
「あううっ、ち、違いますっ! そんなのいらない、いらないいっ! あっ、あううっ……ハァハァ、わ、私、イったりなんか……ああああああっ!」
 妻の悲痛な叫びが、切羽詰った喘ぎ声の中に埋没する。
「くううっ……出すぞ、出すぞっ……中に出してやる……!」
「あああっ、や、やめ……やめてぇ……羽黒さん、お、お願いですっ……あうっ、ううう……な、中はぁ……中だけはぁ……あああああ!」
 なけなしの理性を振り絞るように、香織が懇願する。
 私は、目の前が真っ赤になるほどの興奮に全身を震わせながら、香織の膣内にザーメンをぶちまけた。
「ああああああああ! い、いやああっ! あううっ! あっ、あああっ、あっあっあっあっああああああぁ〜!」
 ドブッ、ドブッ、と香織の胎内に精液を注ぎ込む。
 子宮の入り口で射精を受け止めながら、妻は、ビクビクと体を痙攣させた。
「あうううっ……あうっ、うく……あううっ……はぁあっ、はぁあっ、はぁあっ、はぁあっ……」
 ベッドに突っ伏すような格好で、香織が、熱い吐息を漏らす。
 ズルリと男根を抜くと、妻は、ヘナヘナとその場にしゃがみこんでしまった。
「……まだ終わりじゃないぜ」
 私は、茫然とした表情を浮かべる妻の顔に、白濁した粘液にまみれたペニスを突きつけた。
「オマエをイかせたチンポだ。感謝の心を込めてしゃぶるんだぞ」
「うぅ……イってない……イってないわ……私、イってなんかいません……あううぅ……」
 そう言いながら、香織は、未だ萎えてない肉棒に、だらしなく半開きになった唇を寄せた……。



 そして、私は、その日から、欲望の赴くままに、妻の肉体を犯すようになった。
 朝、いつもどおりに出勤し、適当に外回りをこなして、羽黒の体に乗り換え、香織を凌辱する。
 その合間に、私は、羽黒の手掛けていた“事業”について、データを収集し、知識を深めていった。
 羽黒のしていたことは、表の社会と裏の社会のパイプ役である。私は、それに関するコネクションを、宮倉皓一としての営業に大いに活かした。
 羽黒が口利きをして、私が受注する。文字どおり、二つの顔を使い分けることで、私の営業成績は飛躍的に高まった。
 営業は、受注さえ稼ぐことができれば、多くの時間を自由にすることができる。
 そういうわけで、私は、妻の体を羽黒として犯しながら、なおも空いた時間を自分自身のために使うことができたのである。
 そして、私は、羽黒が関わっていた闇の世界に、どっぷりと深入りしていったのだった。



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