「あの、これ……」
 そう言いながら友美ちゃんは、ボクに、淡いピンクの封筒を、そのちっちゃな手で差し出した。
「あたしの、気持ち、です……」
「気持ちって?」
「だから……ラブレター、です」
 ちろっ、とおっきな茶色の目で、ボクの顔を見る。可愛い顔をうつむかせたままの、上目遣い。
「ちょ、ちょっと待ってよ! それって、何の冗談?」
「ひどい! 冗談なんかじゃありません!」
 ぱっ、と顔を上げた拍子に、左右で結ばれたカールした髪の毛が、ふるん、と揺れた。その目が、涙でうるうるしてる。
「あたし、真面目です」
「で、でも、ボク……付き合ってるヤツが……」
「知ってます。でも、あたし聞きました。センパイ、最近その人と別れたって」
 それは、本当のことだ。全く、あんなヤツだとは思わなかった。
「あたし、ずっとセンパイのこと、好きで……」
「だ、だけど、おかしいよ……そんな、女同士で……」
 そう言いかけるボクに、友美ちゃんはいきなり抱きついた。そして、ボクのささやかな胸の谷間に、ぎゅっと顔を押しつけてくる。
 ボクは、寮の部屋の真ん中で、小さくため息をついた。
 窓の外で、夏の終わりの夕暮れの中、セミが、鳴いている。



 ボクの名前は、香坂晶。全寮制のお嬢さま学校なんかになぜか籍を置く、高校二年生。
 で、ボクの胸の中にいるのが、高月友美ちゃん。一年下のルームメイトで、なんだか幼くて頼りない感じだけど、こっちはきちんとしたお嬢さまだ。
 ちょっとした山の中にあるこの学校は、ミッション系ってことで、まるで教会みたいな造りになってる。ボクは、そんな学校の中で、ちょっと浮いた存在だった。
 ショートにまとめた髪に、やや高めの身長。凹凸に乏しいボディライン。がさつな言動。
 周りの、いかにも女のコ女のコした生徒たちから、どこか違う、って思われてるのが伝わってくる。
 でも、ボクだって女である。麓の街にはBFだっていた。
 過去形、だけど。
 あいつのことを考えると、ホントに頭にくる。あいつ自身より、あいつの本性を見ぬけなかった自分自身に。
“なんで髪切っちゃったんだよ。ただでさえ、男みたいなカッコしてるくせに”
 別れるきっかけ自体、がっかりするほどバカバカしい。ボクが髪を短くしてるのも、ジーンズを愛用してるのも、動きやすいから、それだけなのに。
 学校では、ボクは失恋して髪切ったことになってるけど、順序は逆なわけだ。
 しっかし、「失恋」なんて綺麗な言葉で言えるようなものじゃなかったけどね。
“フェラもしてくれなかったくせによ”
 それが、今まさに別れる女に言うセリフか? 他にどんな女ができたか知らないけどさ。
 ま、いい。別れることができて、ホントによかったと思う。一夏の想い出と言うには、かなり苦々しいモンだったけど、一夏で済んだのはむしろ幸いだった。
 そういうわけで、ボクは、しばらく男はこりごり、という状態ではあった。
 さて。
 そんなボクの胸に、友美ちゃんが、顔をうずめてる。小柄な友美ちゃんとは身長差があるんで、そんな感じになっちゃうのだ。
「友美ちゃん……」
 どうしていいか分からなくて、とりあえずその頭なんかを撫でながら、ボクは言った。
「センパイ……」
 友美ちゃんが、顔を上げる。
「あたしじゃ、ダメですか……?」
「だって、その……友美ちゃんは可愛いし、妹みたいに思ってるけど……やっぱり、ボクだって、女だからね」
「じゃあ……あたしのこと、嫌いじゃ、ないんですね?」
「う、うん……。友美ちゃんのことは、好きだよ……。その、ヘンな意味じゃなくてね」
「わかり、ました……」
 友美ちゃんは、悲しそうに、それでもにっこりと微笑んだ。その拍子に、ぽろっ、と大粒の涙がこぼれる。
「あたし、あきらめます……。でも……一つだけ、おねがい、聞いてください……」
 何だか舌足らずな、友美ちゃんの声。
「なに?」
「キスして……」
 柔らかそうなほっぺを赤く染めながら、友美ちゃんが言う。
 キス……女のコに、キス……?
 何だか、頭の中がぐるぐるした。ずっと遠くで、それはいけないことだって、誰かが叫んでるみたいな感じ。
 でも、ボクは、真剣な顔の友美ちゃんに、肯いてしまっていた。
「センパイ……」
 友美ちゃんが、目を閉じて、キスをおねだりする。
 ボクは、その桜色の唇に、そおっと、唇を重ねた。
 初めてじゃないけど、初めてのときよりドキドキする。
「ン……!」
 その顔からは考えられないくらいダイタンに、友美ちゃんの舌が、ボクの口の中に入ってくる。それは、ちろちろと動いて、ボクの舌や口の中を刺激した。
「ん、ん、んン……」
 脚の力が抜けちゃいそうな、エッチで激しいキス。多分、こういうのを、上手なキスだって言うんだろう。
 と、その友美ちゃんのよく動く舌が、ボクの口の中に、なにか小さくてつるつるするものを差し入れた。
「んンッ!」
 びっくりしたボクは、一緒に送り込まれた友美ちゃんの唾液とともに、それを思わず飲みこんでしまっていた。
「な、なにコレ……っ?」
 目をぱちぱちさせるボクに、友美ちゃんは悪戯っぽく笑いかける。
「魔法のオクスリです♪」
 クスリ……くすり……薬?
「あたし、センパイと普通にするの、あきらめます……」
「え? す、するって……?」
 友美ちゃんの言ってることが、よく分からない。
「だから、あたし、センパイのこと、犯しちゃいますね」
 楽しそうにそう言う友美ちゃんの声に、うわーンという耳鳴りが重なった。
 まるで、貧血を起こしたみたいに、目の前が暗くなって、体中から力が抜けていく。
 ボクは、ぺたん、とベッドに尻もちをついて、そのままくたくたと体を横たえてしまった。



 どれくらい眠ってたんだろう。
 ボクが意識を取り戻すと、窓の外は、すっかり暗くなっていた。部屋の明かりは抑えられてて、辺りがあんまりよく見えない。
「え……?」
 ボクは、なんだかすごく不自然な格好で、ベッドに横向きに寝ていた。
 次第にぼんやりしていた記憶がよみがえってくる。
 ボクは、友美ちゃんとキスして、その時に、何かあやしげな薬をのまされて……。
「ともみ、ちゃん……? いたッ!」
 体を起こそうとして、ボクは、悲鳴をあげた。
「え、え、ええっ?」
 ボクは、混乱した声をあげる。
 ボクの両手には、後手に手錠がはめられてた。それも、刑事ドラマに出てくるような、金属のじゃない。きちんと見えないんでよく分からないけど、革か何かでできた小さなベルトを、鎖でつないだヤツみたい。
 その上、ひそかに自慢の脚にまで、ベルトがはめられてる。膝を折った状態で、腿とふくらはぎをきつく固定されているのだ。
 それどころじゃない……。ボクが身につけてるのは、その拘束具だけだったのだ。ブラもショーツも、この体を隠してくれるあらゆるものが、脱がされてる。
「ダメですよぉ、センパイ……」
 両手を背中に回し、折った膝を立てた不自然な姿勢のままで仰向けになったボクの視界に、友美ちゃんが現れた。
「ムリしたら、体いたくしちゃいますよ」
 友美ちゃんも、裸だった。その、綺麗な白い体を隠そうともせず、両腕をベッドについて、逆さまにボクの顔をのぞきこんでる。
「や、やだッ!」
 ボクは、あわてて体を横向きに戻して、体を丸めた。体の下になった左腕が、ちょっと痛い。できれば両手で大事なトコを隠したいけど、それはかなわないことだ。
「んふ、センパイ、照れ屋さんですね。女同士なのに」
 くすくすと、友美ちゃんが笑う。
「でも、そういうトコも、すてきです……」
 そう言う友美ちゃんの気配が、ベッドの周りを動いていく。
 きし、とかすかにベッドがきしんだかと思うと、友美ちゃんの体が、ボクの背中にぴったりと身を寄せた。
「な、なに……? どういう、ことなの……」
 ボクの頭は、まだ混乱してる。
「だからぁ……これから友美が、センパイのこと、犯しちゃうんです」
 その内容に似合わない、あくまで可愛げな、友美ちゃんの口調と声。
 でも、その響きは、なんだかいやらしく濡れてるみたいな感じがした。
「ッ!」
 びくっ、とボクの体がかってに跳ねちゃう。友美ちゃんが、ボクの首筋に、そっと息を吹きかけたのだ。
「ビンカンなんですね、センパイって……」
 うっとりしたような声でそう言いながら、友美ちゃんはボクのうなじにキスをした。
 そのまま、唇を動かして、右の耳たぶに口を寄せていく。友美ちゃんのカールした髪の毛が、ボクの肩の辺りをさわさわとくすぐった。
「あ……やだ……やめてよっ……」
 なんだかぞくぞくしながら、ボクはそう訴える。
「イ・ヤ♪」
 ふうっ、と熱い息を、友美ちゃんがボクの耳に送りこんだ。
 そして、友美ちゃんはボクの耳を口に含む。ちゅっ、ちゅっというかすかな音をたてながら、唇が優しく耳たぶをはさむ。
 と、意識が耳にいってる間に、友美ちゃんの右手が、ボクの胸に触れた。
「あッ!」
 細い指が、ピアノの鍵盤を叩くように、ボクの胸の頂点を刺激する。
 ボクは、身をよじってそれを避けようとした。でも、まだ薬の効果が残ってるのか、何だか体が重くて、思うように動かない。
 友美ちゃんは、ボクの耳や首筋を舐めしゃぶりながら、左右の胸を交互に愛撫する。
「ンンん……ヤ……いやァ……」
「あはっ、センパイ、ちくび立ってる〜」
「ヤぁーッ!」
 まだ子どもっぽい声で残酷にそう指摘されて、ボクの頬はかぁーっと熱くなった。
「センパイ、感じてるんですね……うれしい……」
 そう言いながら、友美ちゃんはボクのおっぱいをやわやわと揉んだ。友美ちゃんの小さな手に収まるくらいの、小ぶりな胸。
「んうっ……あ……イヤ……」
 湧き起こる恥ずかしさと競争するみたいに、ボクの体の奥がじんじんとうずいてく。ボクの体は、同性の後輩の巧みな愛撫で、イヤらしく感じ始めていた。
「センパイ……友美の体、見て……」
 そう言いながら、ボクの肩に手を置き、強引に仰向けの姿勢にする。
 友美ちゃんのちっちゃな体が、ボクの力の抜けた体におおいかぶさった。
 思わず、ボクの腰のあたりをまたぐ友美ちゃんの両足の付け根に、目がいってしまう。そこは、赤ちゃんみたいにつるつるだった。
 そのくせ、胸は、意外とボリュームがある。Cカップくらいかな?
「ともみ、ちゃん……」
 ボクは、自分でも頼りなくなるような声をあげていた。
 窓から差しこむ月の光に照らされた友美ちゃんの体は、可愛くて、エッチで、そしてすごくきれいだった。
「ん……」
 友美ちゃんが、ボクの唇に唇を重ねる。
 ボクは、体をねじって、それを逃れようとする。でも、その力は弱くって、小柄な友美ちゃんでも押さえきれるくらいだ。
 さらには、その形ばかりの抵抗も、舌で舌を絡め取られ、唇で唇を吸われてるうちに、できなくなってしまう。
 その間も、友美ちゃんの両手は、ボクの肩や胸、脇やお尻なんかを、そろそろと撫でていった。感じるポイントを優しく的確に刺激する、繊細で残酷な愛撫。
 いつしか、友美ちゃんの唇はボクの唇を離れ、ボクの乳首をくわえていた。くりくりと舌で優しく転がされたかと思うと、ちゅぽん、ちゅぽんとついばまれる。
「んはぁ……ン……うン……ああァ……」
 ボクをまたいでたはずの友美ちゃんの体は、今は、ボクの膝の間にあった。ボクは体を反らし、まるでおねだりするみたいに、友美ちゃんに胸を突き出してしまう。
 なのに、友美ちゃんの顔はボクのおっぱいを離れて、もっと下の方に動いていった。おなかやおへそを友美ちゃんのピンクの舌がくすぐり、両手が、ボクの太腿やお尻を撫で撫でする。
「あ……」
 ボクは、まるでおしめを替えられる赤ちゃんみたいな恥ずかしいカッコで、アソコを、友美ちゃんのすぐ目の前にさらしていた。
「えへっ、とーちゃくゥ♪」
 友美ちゃんの息を、ボクの恥ずかしいトコが感じる。
「……センパイのココ、きらきら濡れて光ってて、すごくきれいですよォ」
「ヘ、ヘンなこと言わないで……」
 言われなくても、自分のそこが、恥ずかしい汁でびしょびしょになってることは、分かってた。
「センパイ、かわいい……」
 そう言いながら、友美ちゃんは、まるで焦らすみたいに、ボクの恥ずかしい部分の周りに、ちゅっ、ちゅっと口付けした。そのたびに、アソコがひくひくしちゃう。
「あン……も、もう……」
 ボクは、あやうく、イヤらしいおねだりをしてしまうところだった。わずかに残った自制心が、それを食い止める。
「こんなに可愛いのに……センパイのココ、もうヴァージンじゃないんですよね……」
 意外なくらい悲しそうな声で、友美ちゃんはそう言った。
「え……? きゃあああああああアッ!」
 ボクは、高い声で悲鳴をあげていた。
 友美ちゃんが、ボクのアソコを、すごくキツく吸い上げたのだ。
「い、いたい、いたい、いた、いたいぃッ!」
 敏感になったそこを乱暴にされて、ボクは大きく首を振った。目尻から、涙がこぼれる。
 と、一転、友美ちゃんは優しくボクの大事なトコロを舐めしゃぶり始めた。
「ぅあ……ああア……ン……んくう……」
 じんじんと痛みで痺れるようになったそこに、お詫びするみたいに、友美ちゃんがキスを繰り返す。
「はあァ……ンあ……ヤあぁ……うぅン……」
 甘い感覚が、じわじわとボクの拘束された体に広がっていく。
 ボクは、いつしか主人に媚びる子犬みたいな声を上げていた。
「ううン……あ、ああ、ア……んくっ……くゥ〜ん……」
「気持ちイイですか、センパイ……」
 友美ちゃんが、愛撫の合間に、そんなことを訊いてくる。
「ヤっ……は、はずかしい……よぉ……」
「言わないと、やめちゃいますよ♪」
 そして、意地悪くアソコの周りだけを責めて、かんじんなトコをほったらかしにする。
「や……やめ、ないでェ……っ」
 ボクは、まだあどけない顔の後輩に、懇願していた。
「きもちイイんですね、センパイ」
「うん……きもちイイの……だから、お願い……」
「はぁい♪」
 そう返事をして、友美ちゃんは不思議なことを始めた。
 ボクの体を、右側が下になるように横向きにして、拘束されたボクの右足にまたがるようにしながら、左足を抱えあげたのだ。
 そうして、ボクの恥ずかしいトコに、自分の股間を押しつける。
「うふふっ……センパイのヘアって、柔らかいんですね……ちょっぴり、くすぐったい……」
 そんなことを言いながら、エッチな粘膜同士を、ぴったりと重ね合わせた。
「ど、どうするの……?」
「そんなおびえた声出さないでくださいよォ。これから、きもちイイこと、するんだから……」
 そして、友美ちゃんは、くいっ、と腰を動かした。
「ふわぁッ!」
 予想していたどんな感覚とも違う柔らかな刺激が、ボクのそこをこすりあげる。
 友美ちゃんの腰は、止まらなかった。
「あァっ、あァっ、あァっ、あァっ……!」
 互いにイヤらしいお汁を分泌しながら、それを潤滑液にして、アソコをこすりあわせる。
「な、なにコレっ……こんなの……こんなのって……!」
 男のコとするときも、あんまり感じなかったボクにとって、それは初めての感覚だった。
 アソコとアソコが、とろけてくっついちゃうような感じ。
 もう、自分が感じてる快感も、ボクの快感なのか、友美ちゃんの快感なのか、区別がつかない。
「セ……センパイっ……きもちイイ……でしょ……?」
 友美ちゃんが、何だか泣きそうな声で訊いてくる。
「きもちイイ……感じる、感じるぅ……んあああッ!」
 その時、ひときわ鋭い快感が、ボクの体を貫いた。
 すでに固く尖ってフードから顔を出したクリトリスが、互いに触れ合ったのだ。
「ココでしょ、ココでしょっ、センパイっ……」
 友美ちゃんは、ボクのその部分を逃すまいとするみたいに、敏感なトコロ同士をこすりつけるように腰を動かす。
「そ、そう、そこォ……あ、んああ! そこが……ンくうッ! ンあああああああああッ!」
「センパイ……あたし、もうダメ……あ、ンああああああッ! んくうううううううう!」
 もう、ボクも友美ちゃんも、意味のある言葉をしゃべれなくなってる。
「あ、もう、もう……ッ!」
 ボクの頭の中で、何か、白い光がはじけた。
「イクううううううううううううううううううううううううううううううううウッ!」
 光があんまり強烈だったんで、この声がどっちの声だったかは、よく分からなかった。



 目を覚ますと、拘束は解かれてた。
「えへっ、センパイのこと、犯しちゃった♪」
 まだ裸のままで、やっぱり裸のボクの腕に両腕をからめながら、友美ちゃんが言う。
「……センパイ、怒ってます?」
「ちょっと、ね……」
 そう言いながら、ボクは、友美ちゃんの方に向き直る。
「ちょっとだけ、だけど」
 怒ろうにもなぜか怒りきれないボクの顔を見て、友美ちゃんは妙に色っぽい笑みを浮かべた。
「お返しに、あとで友美のこと、犯してもいいですよ」
 ぞくぞくっ、と背中に何かが走った。
 悪寒に似てる。けど、それは甘美な悪寒だった。
「ほ、本気に、するよ」
「いいですよ。あたしまだ、ヴァージンだし」
「……」
「フェラは、したことありますけど」
「えっ?」
 あっけらかんとスゴいこと言う友美ちゃんに、ボクは目を丸くした。
 そして、あいつのあの言葉が、脳裏によみがえってくる。
“フェラもしてくれなかったくせによ”
 え?
 あ……。
 ――まさか
「まさか……」
「なんですか?」
「まさか……友美ちゃん、あいつと……?」
「……センパイを奪うためだったら、あたし、なんでもしました」
 ニコニコと、友美ちゃんは邪気のない顔で微笑んでる。
 この、可愛いらしい顔が、あいつの、あの汚らしいモノを……
「そんな……」
 ボクの胸に、むらむらと、暗い情動が湧き起こってくる。
「友美、ちゃん……」
「ふえ?」
「望み通り、あとで、キミのこと、犯してあげるからね」
「……うれしい」
 うっとりとそう言う友美ちゃんの体を、ボクは、胸に灯った嫉妬の炎とともに、ぎゅうっと抱きしめた。
あとがき

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