- outside -
「果南……これ、何の冗談?」
「冗談だなんて……あっくんは、本気だよ?」
「ふふっ……くくくくくっ……」
「る、瑠華ちゃん?」
「“あっくん”って、瀬戸君のことよね」
「うん」
「今も好きなの? 瀬戸君のこと」
「……」
「答えなさいよ。好きなんでしょ? 今も」
「……うん……好き」
「なのに、腹が立たないの? 私宛のラブレターなんか、預けられて」
「だ、だって……あっくんは、幼なじみだもん……」
「ふぅん……その“あっくん”は、どう思うかしらね? 幼なじみの果南ちゃんが、こんなにイヤらしいコだって知ったら……」
「あっ、やぁン……瑠華ちゃん、やめて……」
「ん? 本当にやめていいの?」
「……」
「ねえ……瀬戸君に見せてあげましょうよ。私達のこと……」
「えっ? どういうこと? ……ああン!」
「果南だって、瀬戸君のこと、本当は憎んでるんじゃないの? 今の果南、まるでピエロじゃない」
「そ、そんな……こと……ない……あぁン!」
「私に……何も知らないくせに、こんなモノよこして……ふざけてるわ」
「そんな……あっくんは、本当に瑠華ちゃんのコト……ふわぁッ!」
「だからよ。瀬戸君には、本当のこと、教えてあげるの。……果南のことも含めてね」
「だっ、だめだよ、瑠華ちゃん……そんなこと……」
「何よ? 果南ってば、私に逆らえるの?」
「でも、でもっ……それに、瑠華ちゃんだって、あっくんのコト……」
「――うるさいわねっ!」
「きゃっ! やぁーッ! そこダメ〜っ!」
「果南は、私の言う通りにすればいいのよ! 分かった?」
「あうっ……ハ、ハイ……ごめんなさい……ッ!」
「ココを、こんなふうにして、やらしいコねっ!」
「ああッ! あン! あン! ああああああああああああああああああああァ〜ッ!」
「あっくん」
「あ、果南」
水上果南が、廊下で僕を呼び止めた。
僕の名は、瀬戸公。“公”って書いて“あきら”と読む。幼なじみの果南は、そんな僕を、高校1年生になった今でも“あっくん”って呼ぶんだけど、さすがにこれはちょっと恥ずかしい。
近所に住んでる果南とは、小さいころ、一緒にお風呂に入ったこともあるくらいの間柄だ。そのことを話すと、果南は、その童顔を真っ赤にして怒るんだけど。
その果南の丸顔が、今は、なんだか緊張してる。大きな目も潤んでるみたいだ。
果南がこういう顔をするのは珍しい。小学校のころからの付き合いだけど、こっちが心配になるくらいにぽわ〜んとした顔、というのが、普段の果南なのだ。
「なに?」
「あのね……瑠華ちゃんが、放課後、話があるんだって」
どきん、と心臓が跳ねる。
弓永瑠華。
白い肌と、ストレートの黒髪。切れ長の目に、濡れたような大きな瞳。
その、人を寄せ付けないような態度に、逆に僕は惹かれてしまったのだ。
時折見せる、奇妙に寂しそうな彼女の横顔。
そして……。
「いつかの、手紙の返事だよ」
「あ、うん」
今年、同じクラスになってから、果南と弓永さんは友人同士だ。もしかすると、果南は弓永さんの唯一の友達かもしれない。
そんな果南に、僕は、弓永さんへの手紙を託したのだ。
「どこ?」
「果南が、案内するよ」
「うん、わかった」
素直に、僕は小柄な果南の後について行った。
旧校舎の空き教室に、僕は案内された。
期末試験が終わり、もうすぐ夏休み。辺りに人影はない。
「この中なの?」
「うん」
僕の問いに、果南がうなずく。
僕は、空き教室の扉に手をかけた。
白いカーテンが窓を覆っているせいで、中は薄暗い。
「……弓永さん」
教室の真ん中に、弓永さんがいた。
通った鼻筋が印象的な整った顔立ちと、ストレートの長い髪。滑らかなその頬は、あくまで白い。
どきん、とまた心臓が跳ねる。
弓永さんは、あの手紙を、どんな気持ちで読んだんだろう?
まるで、強いお酒を飲んだように、かーっと頭に血が昇るのが、分かる。
一方、弓永さんは、いつもの冷たいような無表情だ。
取り澄ました、とも見えるその顔が、笑みほころぶところを、見たい。
そんな想いにかられて、あんな恥ずかしい手紙を書いてしまったのだ。
弓永さんが、しばし、僕の方を見つめてから、僕の斜め後ろに立ったままの果南に視線を移す。
「弓永さん……」
僕が、口を開きかける。
まるで、それが合図であったかのように、果南が、後ろから僕に抱きついてきた。
「果南?」
声をあげる僕の口元を、濡れた布がふさぐ。
つん、と鼻に刺さる刺激臭。
「……!」
一気に、視界が暗転する。
何を言う間もなく、ぐにゃりと膝が曲がる。
「ふふふふふふふ……」
閉じていく視界の端で、弓永さんが、妖しい笑顔を浮かべていた。
ぼんやりと霞む頭が、ようやく意識を取り戻した。
「ん……」
思わず、声を漏らす。なんだか息苦しい。
「!」
パニックになりそうになりながら、自分の今の状態を確認する。
「……!」
僕は、椅子に座らされていた。
しかも、両手は後ろに回されて、手錠をかけられている。
手錠の鎖が、背もたれのバーにからまってるらしい。身動きが取れない。
これは……?
まだ、頭がはっきりしない。現状をきちんと把握できない。
「ん、ん、ん……」
僕の声は、くぐもったうめきにしかならない。
タオルを、猿轡にして噛まされているのだ。
次第に、視界が明るさを取り戻していく。
「お目覚めね。瀬戸君」
思いのほか近くから、声が聞こえた。
視線を斜め上に上げる。
弓永さん……!
弓永さんが、氷みたいな笑みを浮かべながら、僕を見下ろしている。
こんな……彼女が、こんな顔をするなんて……。
ぞくん、と背筋に、冷たいものが走る。
「ふふふっ。いい格好ね」
「!」
言われて、僕は、自分がズボンを足首まで下ろされていることに気付いた。
下半身は、ほとんどトランクス一枚という状態だ。
羞恥心が、内側から僕の体を灼く。
まさか……まさかこんな……。
「あんまり、騒がない方がいいわよ。人が来たら、恥をかくのはあなたと果南なんだから」
果南?
言われて、目で果南の姿を探す。
「!」
いた……!
果南は、全裸だった。
胸の丸い膨らみと股間を両手で隠し、僕の視線から逃れようとするかのように、顔を逸らしている。
その頬は真っ赤で、目には涙が浮かんでいた。
「どうしてこんなことするか、分かる?」
弓永さんが、僕の顔を覗き込むようにして、聞いた。
もちろん、僕は、答えられない。ただ、予想外の展開に目を丸くするばかりだ。
「……」
弓永さんは、無言で、制服のポケットから封筒を取り出した。
「こんなもの送られて、私がどんなに傷付いたか分かる?」
言いながら、弓永さんは、その白く細い指で、封筒を二つに引き裂いた。
「分からないわよね。あなたみたいに、いつも呑気そうにしてる人には」
「……」
「あなたの、その軽薄な笑顔を見るたびに、すごくイライラしたわ。まるで、世の中には楽しいことしかないって言ってるみたいで」
「……」
「あなたはいいわよね。男子にも女子にも好かれてるし、先生の受けもいいみたいだし……こんな可愛い幼なじみと、いつも一緒だしね!」
「きゃっ!」
華南が、短い悲鳴をあげる。
弓永さんが、いきなり果南の腕をつかんで、引き寄せたのだ。
よろけた果南が、ぺたん、と弓永さんのを足元に座り込む。
「なに、その目は? 幼なじみに乱暴されて、頭に来た?」
「う……」
猿轡のせいで、僕は、何も言えない。
「おあいにくさま。果南はね、もうとっくに私のペットなのよ」
「やっ……! 瑠華ちゃん、そんなこと言うのやめて!」
果南が、聞いたことのないような悲痛な声で叫ぶ。
「なあに? 本当のことじゃない」
ぐっ、と弓永さんが、果南の前髪をつかむ。
「忘れたの? 昨夜だって、“果南はあなたのペットです”って何度も何度も言ってたじゃない。証拠のビデオだってあるのよ?」
「や、やめて……瑠華ちゃん、ひどい……」
「初恋の人の前だからって、しおらしいこと言うのはやめなさいよ」
弓永さんは、果南から、僕に視線を転じた。
受け止めるだけで内臓が冷えそうな、烈しく冷たい視線。
「果南はね、あなたが好きだったのよ」
「……」
「いつ、バージンをあげたらいいかなんて、私に相談してきたのよ。可愛いじゃない?」
「ぐ……」
果南の気持ちを踏みにじるような弓永さんのを言葉に、さすがに声が漏れる。
だけど……どうすることもできない。
「私、焦っちゃったわ。友達になってすぐ、果南を失うなんてイヤだった。だから……」
「瑠華ちゃん、やめて! もうやめてよ!」
「だからね、レイプしたのよ。コレでね」
弓永さんは、右手で果南の髪をつかんだまま、左手で自らのスカートをたくしあげた。
「……!」
衝撃に、息を忘れる。
肉の薄い、それでも女の子らしい曲線を描いた、弓永さんの腰。
そこを包み込むシルクらしきショーツから、それは、はみ出していた。
「どう? 初めて見るでしょ?」
弓永さんのを声が、かすかに震えている。
「不気味? 気持ち悪い? でもね、あなたの大事な果南は、コレで、数え切れないくらい何度も何度も犯されてるのよ!」
それは――ペニスだった。
包皮に半ば亀頭を覆われた、男のそれと全く遜色無い大きさの、ペニス。
それが、半ば勃起し、先端から透明な液をにじませながら、震えている。
半陰陽って言葉だけは知ってたけど……それには、どんな想像もはるかに越えたインパクトがあった。
なまじ弓永さんが均整の取れたプロポーションをしてるだけに、凄まじい違和感がある。
「果南はね、最初から感じてたわ」
弓永さんが、笑みを含んだ声で言った。
「さすがに、入れた時は血も出たし、痛そうだったけど……でも、すぐに気持ちよさそうな声を出してたわよ」
「やめて……言わないでェ……」
「最後には、私に必死にしがみついてきて、何度も何度もイってたわ。すごく可愛かったわよ」
僕は、言葉も出ない。
ただ、猿轡の隙間から、荒い息を漏らすだけだ。
あまりのことに、脳が飽和状態になってしまったように感じられる。
「さ、果南。いつもみたいにして」
「んっ……」
弓永さんが、股間のモノに、果南の顔を押し付けるようにした。
「ゆる……して……」
「ダメよ」
弓永さんが、冷たい声で言う。
「あんまりワガママ言うんなら、もうしてあげないわよ?」
「そんな……」
しばし、ためらう果南。
その、濡れた褐色の瞳が、ちら、と僕の方を見る。
「うぅ……」
僕は、猿轡の噛まされた口で、ただ惨めに喘ぐだけだ。
そして……
「ん……ちゅっ……」
観念したように両目を閉じて、果南は、ひくつく肉棒の先端に口付けた。
そして、ショーツの端を歯で咥え、手を使わずにずり下ろす。
多分、何度もさせられているのだろう。その惨めな仕草が、なんだか板についている。
僕は、そんな華南の姿から、目を逸らすことができなかった。
弓永さんのペニスが、股間から、反り返るように勃起している。
その下側には、睾丸はない。綻びかけた秘裂が、透明な液で濡れているように見える。
「瀬戸君。あなたのと比べてどう?」
弓永さんの声に、どこか歪んだ誇らしさのようなものが滲む。
「果南はね、コレが大好きなのよ。そうでしょ?」
「……」
果南は、返事をしない。だけど、どこか濡れたような目で、弓永さんのそれを見つめている。
「っ……!」
僕は、奥歯を噛んだ。
嫉妬と言うもおろかしい感情が、胸の奥から突き上げてくる。
そんな……今さら、こんな気持ちになるなんて……!
「ん、ちゅっ……」
果南が、愛しいものにそうするように、弓永さんのそれに優しく口付けた。
ひくん、と弓永さんのしなやかな体に、快楽の震えが走る。
「んむ……ちゅっ、ちゅっ、ちゅ……んんン……」
果南のピンク色の唇が触れるたびに、弓永さんのペニスは大きさを増していくようだ。
その先端から、とろとろと透明な液があふれている。
弓永さんは、その白い顔を次第に赤く染めながら、果南と、そして僕の顔を見比べた。
その黒い瞳に、何かに酔っているような光が宿っている。
「そろそろ咥えて」
いかにも命令しなれたような口調で、弓永さんが言う。
「うん……」
果南は、僕の方を見ないようにしながら、小さな声で返事をした。
僕は、そんな果南から目が離せないでいる。
「ん、んむ……う……」
その柔らかそうな唇で、果南が、弓永さんの肉茎をためらいながらも咥えた。
表面に静脈を浮かせたペニスが、可愛らしい果南の口を犯している。
僕の、大切な果南を……!
今まできちんと意識していなかった想いが、うめき声となって、僕の口から漏れる。
僕は……こんなに果南のことを……。
「あっ……あァん……果南のおしゃぶり、気持ちいいわ……」
僕にわざと聞かせようとするかのように、弓永さんが言う。
濃い肌色のシャフトの表面は、すでに果南の唾液でぬるぬるだ。
そのぬめりのなかには、弓永さん自身が漏らした腺液もたくさん混じってるはずだ。
濡れ光るペニスの表面を、果南の唇が滑る。
「んんっ、んんっ、んんっ、んんっ……」
果南が、幼い顔に似合わない慣れた調子で、深く、浅く、口腔でペニスを刺激する。
時折、果南は、頭を動かすのをやめて口をもごもごと動かした。
その時は、果南の口内で舌がペニスに絡み付いているらしい。
「ううン……す、すごいわ、果南……すてき……っ」
弓永さんが、喘ぎながら白い喉を反らす。
そんな弓永さんの反応に、果南は、明らかに興奮しているようだ。
「んっ……ふぅん……んぐ、んんっ、んむ……うン……」
悩ましい鼻声を漏らしながら、弓永さんのペニスに奉仕し続ける果南。
その動きに、どんどん熱がこもっていく。
まるで、何かに裏切られたような気持ちになる。
これは……罰、なんだろうか?
「あっ……で、出そう……出ちゃう……!」
弓永さんが、切羽詰まった声をあげる。
「ね、飲んで……いつもみたいに、私の汚い精液、全部飲んで……っ!」
言いながら、弓永さんが、スカートをまくり上げながら、腰を動かす。
「んっ! ううン! んんんーッ!」
苦しげな、果南の声。
そして……。
「ああァっ! イクっ! イっちゃうっ!」
びくびくびくびくっ!
弓永さんの体に、痙攣が走った。
「んっ! んぐっ……んぐ……んくっ……んくっ……んくっ……」
果南が、喉を鳴らしながら、口の中に溢れている何かを飲み干していく。
名状し難い激情が、視界を赤く染めた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
弓永さんが、息を整えてから、言う。
「どうだった? 私のザーメン……ぜんぶ飲んじゃったんでしょ?」
「うん……おいしかったよ……瑠華ちゃん……」
ぽおっと目許を染めながら、果南が答える。
まるで、僕がここにいることなど忘れてしまったような顔だ。
弓永さんが、果南の前に膝をつき、まだ自分の精液に濡れたままの唇にキスをする。
「あン……」
わずかにためらった後、果南が、キスに応える。
柔らかそうな舌同士が絡み合う、淫らなキス。
それを続けながら、弓永さんは、剥き出しの果南の股間に右手を差し入れた。
「あぁン……瑠華ちゃん……」
「可愛いわ、果南……」
全裸の果南と、制服姿の弓永さんが、二人とも膝立ちのまま、お互いの体に擦り寄るようにして、指と唇で愛撫しあう。
「んうっ……んちゅ、んっ……あぁン」
たまらなくなったように、果南が唇を離した。
「ふふ、すごいわ、果南……びちょびちょよ」
「いやぁん……言わないでェ……」
そんな果南の声には、甘えるような響きがある。
「果南は、おしゃぶりするといつもこうなっちゃうのよね?」
優しい声で果南の羞恥をあおりながら、弓永さんが、右手の動きを早くする。
くちゅくちゅという湿った音が、僕にまで聞こえてきた。
「ね、どうされたいの? このまま、指でイっちゃいたい?」
「ああン……イヤ……イヤぁ……」
「イヤなの? じゃあ、やめてあげるね」
弓永さんが、右手を引く。
「あぁん、違うの! そうじゃなくて……」
「ふふっ……はっきり言いなさいよ。瀬戸君にも聞こえるようにね」
「う……」
ちら、と果南の濡れた瞳が、僕に向けられる。
が、果南は、すぐに目を伏せてしまった。
「あ、あのね……してほしい……入れてほしいの……」
覚悟を決めたように、果南が言う。
「入れてほしいって、指を?」
「あうっ!」
いきなり指をあそこに挿入され、果南が声をあげる。
「ちっ、ちがうの……指じゃなくて……ああぁっ!」
「どうして? 果南のアソコ、嬉しそうに私の指を咥えて離さないわよ?」
「でもっ、でもやなの! 指じゃなくて……瑠華ちゃんのオチンチンでイキたいのっ!」
そのくせっ毛のショートカットを振り乱しながら、果南が叫ぶ。
「ふうん……果南は、私のコレが好きなんだ?」
言いながら、弓永さんは、果南の右手を自らのスカートの中に導いた。
「ああン、好きっ。好きぃ……。瑠華ちゃんのオチンチン大好き……っ!」
言いながら、果南が、弓永さんのペニスをしごく。
その動きでスカートがまくれ上がり、すでに再び力を取り戻した弓永さんのそれが露わになった。
「ああン……そんなにしたら……。もう、いけない子ね」
呆けたような顔でペニスをしごく果南の額に、ちゅ、と弓永さんが、キスをする。
そして弓永さんは、スカートと、辛うじて足首にまとわりついていたショーツを脱ぎ捨てた。
「果南、入れてあげる……」
「瑠華ちゃん……」
「四つん這いになって。ワンちゃんみたいに、ね?」
こくん、とうなずき、果南が、弓永さんにお尻を向けて、両手を床につく。
「ふふ……ダメよ。顔はこっち」
「きゃんっ!」
弓永さんが、果南の体の向きを変える。
「こうすれば、瀬戸君の顔がよく見えるでしょ」
「あ……あぁ……」
弓永さんの言葉に顔をあげた果南と、目が合う。
「ま、待って、瑠華ちゃん……」
「今さら何を言ってるの? 恥ずかしがっても遅いわよ」
「で、でも」
体をくねらせよる果南の腰を、後ろから弓永さんが、両手で捕まえる。
「感じてる果南の可愛い顔を、瀬戸くんにうんと見てもらいなさいよ」
「そ、そんな……」
果南が、身をよじる。
だけど、その動きはひどく弱々しい。
「入れるわよ」
「ああン、そ、そんな……きゃううううっ!」
弓永さんが、腰を進ませた。
びくぅん、と果南の背中が震える。
一気に根元まで挿入したようだ。
果南の中の感触を堪能するかのように、弓永さんが、しばし動きを止める。
「はぁん……あっ、あああぁぁぁ……」
果南は、背後から侵入したペニスの量感に圧倒されたかのように、かくん、と四つん這いのまま肘を折った。
まるで礼拝でもするような格好のまま、はぁはぁと甘く喘いでいる。
「動くわよ、果南」
「ふぅン……う、動いてェ……」
媚びるような声で果南がおねだりする。
弓永さんが、腰を動かしだした。
慣れた動きだ。一度や二度の関係じゃないんだろう。
果南も、顔を真っ赤に染めながら、背後からの快感をしっかり受け止めている。
「あぁん、あん、あん、あん、あんん、あん……」
弓永さんの抽送に合わせて、果南が喘ぐ。
「どう? 気持ちいい?」
「いい……いいのォ……瑠華ちゃんのおチンチン、きもちいひぃ……ン」
果南の声は、すっかり蕩けている。
「私も、いいわ……ねえ、いつもみたいに、もっと締め付けて」
「ウ、ウン……こ、こう?」
「うっ、んふん……そ、そうよ……あっ……果南のアソコ、気持ちいいわ」
弓永さんが、自分自身の唇をなめながら言う。
「嬉しいっ……瑠華ちゃん、もっと、もっと感じてェ」
果南の言葉に応えるように、弓永さんが、動きを大きくする。
「あっ、ああっ、あっ、あっ」
その激しい動きに押されるように、果南が、前に動く。
前方に伸ばされた果南の手が、僕の足に触れた。
「あ……」
果南が顔を上げ、僕を見る。
僕も、果南の顔から目を離せない。
「ご……ごめんね……ごめんね、あっくん……」
可愛らしい喘ぎの合間に、果南が言葉を紡ぐ。
「果南、あっくんのこと、好きなの……今でも、好き……好きだよ……」
その果南の口調は、まるでうわ言のようだ。
「でも、でも、瑠華ちゃんのオチンチンきもちよくて……ダメなの……さ、さからえないのォ……きゃうん!」
心臓がひりつき、胃が裏返るようなカンカク。
激情が、リアルな内臓の痛みになって顕在化しているようだ。
果南……僕は……僕は……!
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……瀬戸君、興奮してるの?」
普段のクールな彼女からは考えられないような上ずった声で、弓永さんが言う。
「アレが勃起してるわよ。果南も分かるでしょ?」
「ウン……わ、わかる……」
弓永さんが言うように、トランクスの布地は、文字どおりテントのように盛り上がっていた。
果南と弓永さんが、こんな場面でも浅ましく勃起してしまっている僕の股間に、視線を注ぐ。
そんな屈辱的な状況の中、僕のペニスは、なぜかますます力を漲らせてしまった。
弓永さんの漆黒の瞳と、果南の褐色の眸が、妖しく濡れ光っている。
「苦しそうね、瀬戸君」
弓永さんが、嘲弄の混ざった声で言う。
「果南。瀬戸君のアレ、外に出してあげなさいよ」
「ウン……」
素直に返事をする果南の体を、弓永さんが、腰で小突くようにして前進させる。
「あん、あぁん」
果南が、どこか嬉しげな声をあげながら、さらに僕ににじり寄った。
そして、僕の足をよじ登るように上体を起こす。まるで赤ちゃんがつかまり立ちをしてるみたいだ。
「うぅ……」
僕のうめき声が聞こえているのかいないのか、果南が、どこか無垢な表情で僕の股間に顔を寄せる。
「ふふっ……瀬戸君、パンツがお漏らししたみたいに染みになってるわよ」
「……っ!」
屈辱と羞恥で、視界が真っ赤になる。
「さ、果南」
弓永さんにうながされ、果南が、僕のその部分に唇を寄せた。
手は僕の剥き出しの膝に置いたまま、器用に口だけで僕のペニスを外に出していく。
「うわ……すごいのね……」
露わになった僕のペニスを見て、思わず、といった感じで弓永さんが言う。
「おとなしい顔してるくせに、そんなにして……やっぱり、瀬戸君も男の子だってこと?」
「う……」
「ふふ、どう? 幼なじみに、こんなに間近からオチンチン見られて……」
弓永さんが、僕の神経を逆撫でするように、微笑む。
僕は、何も言うことができない。
それどころか、弓永さんの言葉と、そして果南の熱い視線に、ますますペニスを反り返らせてしまう。
「ふふっ、どうしたの、果南。瀬戸君のアレを見て、ますます発情しちゃった?」
「きゃうううん!」
弓永さんに奥の方を突かれたのか、果南が声をあげる。
「果南のココ、きゅんきゅんしてるわよ? どうしちゃったの?」
「あっ、ああん、あんっ! る、瑠華ちゃあん、そんなに突いたら、果南こわれちゃうよォ……!」
「正直に言いなさいよ。瀬戸君のオチンチン、どうかしたいんじゃないの?」
腰の動きを再び本格的なものにしながら、弓永さんが果南を責める。
「あっ、ふゎあン! したいの……! おしゃぶりしたいの……!」
果南が、叫ぶように言う。
「あ、あっくんのオチンチン、なめたい……フェラチオしたいよォ……!」
「果南てば、本当に口でするのが好きなのね」
「そうなのっ! おしゃぶり好き……大好きィ! お口でオチンチンぺろぺろするの大好きなのっ!」
狂ったような、果南の声。
ダメだ……ダメだ果南……そんなことしちゃ……。
「ねえ、瑠華ちゃん。していい? あっくんのオチンチン、おしゃぶりしていい?」
僕にフェラチオする許可を、果南が、弓永さんに求める。
「しょうがないわね……いいわよ」
歪んだ、それなのにすごくキレイな笑みを浮かべ、弓永さんが言った。
「う、うれひい……あむっ」
果南が、僕のペニスにむしゃぶりつく。
ああっ……そんな……そんなにしたら……!
想像をはるかに超えた快感が、ペニスの先端から根元まで包み込む。
果南の口の中は、温かくて、ぬるぬるしていた。
「う……うぅ……う、うっ……」
猿轡の透き間から、声が漏れる。
そんな僕の反応にますます興奮したみたいに、果南は、顔中をベトベトにしながらフェラチオを続けた。
唇で強く吸引し、舌先で雁首を刺激し、舌の裏側で敏感な先端をくすぐって、顔全体でほお擦りする。
ぴゅる、ぴゅる、と鈴口から漏れ出る透明な液を、果南は、恍惚の表情を浮かべた顔で受け止め、陶酔の表情でちゅうちゅと啜った。
「すごい、すごいわ、果南……」
弓永さんが、うわずった声で言いながら、ますます激しく腰を動かす。
その形のいい眉が、今は切なげにたわめられている。
「ああン! はぁっ、あむ、んぐっ……んふう〜♪」
果南は、全身に歓喜の震えを走らせながら、前と後の口で、ひたすらに二本のペニスをむさぼった。
「う、うぅ……う……ンう……」
惨めな声が、猿轡から漏れる。
「ね、あっくん……早く、早くミルク出してェ……」
突き出した舌でシャフトをなめあげながら、果南が言う。
「瑠華ちゃんのオチンチンすごいから……果南、もうすぐイっちゃうの……ああン!」
果南の唾液が僕のペニスを濡らし、僕の腺液が果南の顔を汚す。
「その前に、あっくんの飲みたい……あっくんのザーメンミルク飲みたいよォ……!」
あどけない口調で紡がれる、淫らなおねだり。
それが、僕の射精欲求を耐えられないほどに高めていく。
もはや僕は、ただただ、この狂った快感を一秒でも長く味わうために、射精を我慢しているに過ぎない。
けど……もう……っ!
「イって! イヤらしい果南の顔に、あっくんのミルク、びゅびゅうってかけてえッ!」
絶頂が近いのか、果南の声が切羽詰まってる。
「果南……なんてエッチなの……っ」
弓永さんは、最後のスパートとばかりに、むちゃくちゃに腰を使っていた。
そして、僕も……。
「ひあンっ! 出ちゃう! 出ちゃう! 出ちゃう! 出ちゃうっ!」
不意に、弓永さんが、高い声をあげた。
「出ちゃう……果南の中に、出しちゃうッ!」
「あっ! きゃあああああっ! あううううううううっ!」
果南が、絶叫をあげた。
弓永さんは、果南の背中に突っ伏すようにして、びくびくと痙攣してる。
「出てるっ! 出てるゥ! 果南の中で、瑠華ちゃんがミルク出してるゥ〜ッ!」
「すごい……果南のアソコ、締め付けて……射精、止まらないィ……ひああああああああッ!」
果南と、弓永さんが、絶頂に身を震わせ、声をあげ続けている。
そして――僕も、射精した。
自分でも驚くほど大量の白濁液が、びゅるびゅると迸り、あたりに撒き散らされる。
ゼリー状の、饐えた匂いを放つ濃厚な精液の飛沫。
それは、果南の顔をどろどろに汚し、そして、僕や弓永さんの体にまで降りかかった。
魂をそのまま射精してしまったかのような、凄まじい快感。
そして、僕達は、しばらくの間、等しく忘我の極みを漂ったのだった……。