「おじ様、まだ起きてる?」
 そう言って部屋の中に入ってきたあたしを、おじ様はちょっと驚いたような顔で見つめた。
「ああ……奈緒こそ、今日はもう寝たほうがいいぞ。疲れただろう」
 バスローブ姿で、三人掛けの大きなソファーに座ってお酒を飲んでたおじ様が、言う。
 おじ様の名前は、馳倉礼次。十七歳のあたしの、ちょうど二倍の三十四歳。だから、本当は“おじ様”ってほどの年じゃないかもしれないんだけど、あたしはそう呼んでる。
 で、あたしは、馳倉奈緒。おじ様の、兄の娘。要するに、姪にあたる。
「一周忌か……すぐだな、一年なんて」
 おじ様が、喪服代わりのセーラー服をまだ着ているあたしを見ながら、つぶやく。
 今日は、ホームへの転落事故で亡くなったパパの一周忌だった。おじ様は、そのお手伝いに来てくれたのだ。
 あたしには、もはや、パパも、そしてママもいない。ママは、あたしが中学生のときに、病気で死んでしまった。親戚で頼りにできるのは、おじ様だけだ。
 おじ様は、パパと、あんまりうまくいってないみたいだった。だから、この家にはあまり来てくれなかった。だけど、たまに来ると、あたしにはいつも優しかった。
「奈緒も、このでかいお屋敷に一人きりじゃ、寂しいだろ」
「うん、寂しい」
 素直にそう返事をして、あたしは、おじ様の隣に座る。
「……ソレって、おいしいの?」
 グラスに入った琥珀色の液体をのぞきこみながら、あたしが訊く。
「特に、うまくはないなあ。睡眠薬代わりかな」
「そうなの? ……飲んでみて、いい?」
「おい、奈緒は、未成年だろ」
「いいじゃない。ちょっとだけ」
 これからしようとすることを考えると、お酒の力くらい、借りたくなっちゃう。
「少しだけだぞ……」
 パパによく似た目元で笑いながら、おじ様が、新しいグラスに、ほんの少し、お酒を注いでくれた。パパのことを思い出すと、今でも胸がきゅんと苦しくなる。
「これだけ?」
「けっこう強い酒なんだ。これで充分だよ」
「ふーん」
 あたしは、厚いグラスの中のお酒をちょっとにらんで、くい、と一息に空けてしまった。
「んくっ……けほっ、けへへっ」
「おいおい、そんな一気に飲むから……」
 軽く咳き込むあたしに、呆れたようにおじ様が言う。
 確かに、喉が灼けるみたいに熱い。それから、少し遅れて、おなかがだんだんぽかぽかしてくる。
「へえぇ、こんな味なんだ……なんか、おいしい♪」
「そうかあ?」
 おじ様の、不審げな顔。
「うん。ね、もう一杯ちょうだい」
「これ以上は、毒だぞ」
「いーじゃない。そもそも、コレ、パパのお酒なんでしょお」
 頭がふわふわして、気持ちイイ。なんだか、言葉の調子がおかしくなってきた。
「だったら、あたしがそーぞくすべきものじゃない」
「奈緒がウィスキーなんか相続しても、しょうがないだろう」
「しょうがなくないもん。あたしだって、お酒飲めるもん」
「……いけないコだな、奈緒は」
 おじ様は、苦笑いしながら、グラスにお酒を注いでくれた。でも、なんだか、言い方がパパそっくり。
 パパ……。
 パパが死んで、一年。
 お酒で体があったかくなったせいか、忘れていたはずの感覚が、蘇ってくる。体の一番深いところが、うずうずと甘くうずくような感じ。
「ふに……」
 あたしは、ことん、とおじ様の肩に頭を預けた。
「ほら、酔っ払って……」
「おじ様あ……」
 あたしは、体をねじって、おじ様の胸元に顔を寄せるようにして、下からおじ様の顔を上目遣いで見つめた。困ったような、おじ様の顔。
(甘えたい……ネコみたいに、男の人に、甘ったれたい……)
 体の奥のほうのうずうずが、そんな気持ちになって、溢れてくる。
 自分でも、ちょっとおかしいと思う。でも、あたしはパパに、こんな女のコにされちゃった。そのパパがいなくなって、もう一年。
 もう、あたしは限界だった。



 いつしか、あたしは、そっとおじ様の脚の付け根に手を這わせていた。
「奈緒……?」
 さすがに、おじ様の声に驚きの色が見える。でも、もう止められない。
「おじ様……」
 あたしはおじ様のバスローブを左右に開いて、トランクスを露わにした。おじ様は、止めようとしない。あたしは、少し堅くなったそれを、トランクスから解放する。
「あ……!」
 赤黒いそれは、思ったよりずっと大きかった。怖いくらいに。
 でも、ためらったのは少しだけ。
「ん……」
 そっと、裏のくびれのところに、キスをする。男の人の匂いが、鼻孔をくすぐった。
 そうするともう、わずかに残っていた心の中の抑止の声が、全て消えてしまう。
(ごめんなさい、パパ……しかたないのよ……パパが、奈緒をこんなにしちゃったんだもん……)
 あたしはそれに両手を添え、ゆっくりと裏側を唇でなぞり、舌を這わせた。はしたなくあふれる唾液で、それはぬるぬるになってくる。
「……あぁ」
 おじ様が声を漏らす。満足げな、パパと同じ声。
(そうよね、だってパパとは兄弟だもん)
 あたしはその声に励まされるように、それを大きく口に含んだ。
「んん、ん……」
 声が、でちゃう。
 やっぱり、それは大きかった。あたしがリードしてるはずなのに、何か圧倒するような感じで、あたしの口の中をこすってく。
「んっ、んっ、んっ……」
 裏側に舌を滑らせるように、上下運動をすると、それはますます堅さと大きさを増していった。ちゅばちゅばという音がして、自分で動いているのに、まるで口を犯されているような錯覚をおぼえる。
(でも……きもちいい……)
 次第に熱くなってくそれが、唇をこすり、口腔を出入りする感覚は、間違いなく快感だった。一年ぶりの、忘れてたはずの感覚。
「ぷはっ」
 どきどきして、息が苦しくなって、思わず口を離す。でも、そうすると急に惜しくなったような感じがして、すぐに舌をそれにからめ、先端や茎の部分を刺激する。
(あたし、多分いま、すごくエッチな顔してる……)
 気がつくと、おじ様はゆっくりとあたしの髪を撫でてくれていた。
(パパと同じ……)
 泣きたいような気持ちになって、あたしはまたそれを口に含んだ。まるで、エサにありつく小犬みたいに。
 そのまま、舌を動かしながら、できるだけ奥まで飲み込む。喉の奥が突かれる苦しさも平気なくらい、あたしは感じてた。
(あ、下着、濡れちゃう……)
 濡れる、なんてものじゃない。多分、ショーツは恥ずかしくなるくらいびしょびしょのはず。
(やらしい……何てエッチなの……)
 でも、止まらない。ディープスロートって言うんだって、パパは教えてくれた。それを、ただ熱っぽく繰り返す。
 おじ様の荒い息の音が聞こえる。自分のせいであげてるんだって思うと、体の中が熱く興奮してくる。
 気がつくと、あたしは、ソファーに腰掛けたおじ様の膝に、胸をこすりつけるように、体を動かしていた。乳首がブラのカップにこすれて、痛いくらい立っている。
「うっ。な、奈緒!」
 おじ様が、短い悲鳴みたいな声をあげる。
 同時に、熱い塊が、あたしの口の中で弾けた。強い男の人の匂いが、口の中いっぱいに広がる。
 イヤじゃない。むしろ、媚薬のように、その匂いはあたしの理性を狂わせてく。
(パパ……!)
 あたしは、おじ様のそれにむしゃぶりつき、精液を一滴もこぼすまいとしながら、軽い絶頂を迎えていた。

 あたしは、はァはァと熱い息をついていた。コレはもう、お酒のせいじゃない。
 それよりももっと強い何かが、あたしの体を熱くしてる。
「いけないコだ、奈緒……」
 おじ様は、そう言いながら、あたしの顔を見てる。
「はい……奈緒は、いけないコです……だから、お仕置きしてください……」
 思わず、ずっとパパに言っていたセリフを口にする。でも、おじ様はもう驚かなかった。なぜか、すべて分かってるといった感じで、小さくうなずく。
「お尻を出しなさい」
「……はい」
 言われて、あたしは素直にフレアスカートを脱いだ。
 くい、と軽く手を引かれて、座ったままのおじ様の脚に、うつぶせになる。
 期待に、あたしの胸がざわめいてる。
「こんなに濡らして……」
 そう、おじ様が言う。やっぱりそうだった。あたし、フェラしながら、下着を濡らしてたんだ……。
 恥ずかしい。こんな恥ずかしいコは、お仕置きされなきゃダメ。
「ああ……おじ様、早くお仕置きして……」
 思わず、そう言ってしまう。
「どうすればいいんだい?」
「お尻を、お尻を叩いて、お仕置きして」
「ここかい?」
 そう言って、おじ様はあたしのお尻に手を這わせた。じゅわ、とまたあそこが濡れてきちゃう。
(早く、早くぅ……っ!)
 淫らなお仕置きを心の中でねだる。
 おじ様が、あたしのショーツを下にずらして、お尻を剥き出しにした。アルコールのせいじゃなくて、期待と恥ずかしさで、頬が燃えてるみたいに熱い。
「いくよ」
 短く宣告し、おじ様はあたしのお尻を叩く。
 ぴしゃ!
「あン!」
 痛い。痛いけど、お尻がじーンと痺れて、その痛みが分からなくなる。
 そんなあたしのお尻を、またおじ様が叩く。
 ぴしゃ!
「んんッ!」
 ぴしゃ!
「んあッ!」
 ぴしゃ!
「はあぁン!」
 あたしの声は、どんどんエッチになってく。もう、このスパンキングで感じてるってこと、おじ様には分かってるはず。
 痛みが理性を消し、もっと熱くて気持ちのいいものが、頭を満たしていく。
(パパ……パパ……!)
 それは、パパとの想い出だった。
 許されないことだと知る前から、この体に刻まれてきた、背徳の行為。
 パパはあたしを愛してくれた。それは歪んだ愛だったし、方法も間違ってたかもしれない。もしかしたら、ただ欲望をぶつけてただけなのかもしれない。
 でも、あたしはパパなしには生きてられなくなった。
 ううん、欲望をぶつけてただけなのは、あたしの方だったのかもしれない。その証拠に、あたしは今、おじ様の膝の上で、エッチなお仕置きに声を上げてる……。
 おじ様のスパンキングを、パパのそれと同じように感じながら、あたしは何もわからなくなっていた。
「パパ……パパ……!」
 叩かれるたびに、許しを請うよりも、むしろおねだりするように、そう繰り返す。
 はだけたままのバスローブの間から、おじ様のそれが、また堅くそそり立っているのが、ちらと視界の端に映った。
(ああ、もうダメ……)
 あたしは、左手で、脈打つそれをそっと握った。
 おじ様が手を止める。
「ああ……パパ……奈緒、いいコになるから……」
 涙でにじんで、おじ様の顔がぼやけてる。
「お願い……奈緒のアソコに、パパのをちょうだい……」
「何を、だい?」
 意地悪く訊き返す。
「おちんちん……パパのおちんちんを、奈緒のアソコに入れて欲しいの……ああン、お願い」
 半身を起こし、両手をペニスにからめながら、あたしは懇願した。
「お願い……奈緒のココ、もうぐちゃぐちゃなのぉ……」
「……じゃあ、自分で入れてごらん」
 そう言いながら、おじ様はさっきまでお尻を叩いていたあったかい手の平で、そっとあたしの頬を撫でた。
「奈緒は何でも自分でできるいい子だろう?」
「はい……」
 あたしはもどかしい思いでショーツから片足を引き抜き、おじ様の腰をまたいだ。両手を熱いペニスに添える。
 脚がふらふらして、なかなか狙いが定まんない。
「どうしたんだい、奈緒?」
 そう言いながら、おじ様がゆらゆらと自分の腰をゆすった。せっかく入りそうになってたのに、アソコの入口が軽くこすられて、ますます力が抜けちゃう。
「ああン、い、いじわるしないでぇ」
 倒れないように、ペニスからおじ様の両肩に手を移し、抗議の声をあげる。
「自分でできるんじゃないのかい?」
「だってェ……ふあっ! あ、ああン!」
 おじ様が、自分のペニスに手を添え、浅く潜らせて上下させる。いやらしい液があふれて、おじ様のそれを濡らしているのが、自分でも分かるくらい。
 あたしはおじ様の胸に顔を押し付けるようにして、なんとか倒れないようにするのがやっとだ。
「……しょうがないな、奈緒は」
 そう言うと、おじ様はあたしの腰を両手で持って、ゆっくりと下ろしていった。
「ンあああああぁっ!」
 あたしは思わず背を反らした。
(ああ……おっきい……おっきくて、あつくて……)
 まるで熱い肉の杭に串刺しにされるような感じで、あたしはちょっと息がつけなくなる。
 おじ様が、制服の上を着たままのあたしの体を、そっと引き寄せる。
「あぁン……」
 それだけの動きで、あたしの中に入ってるそれが、たまらない気持ちよさをくれる。
 おじ様は両手であたしの服をたくし上げ、ブラを半分上にずらした。
 とがった乳首を中心に、包み込むように、胸を愛撫する。
「ふあぁ……」
 まるで電流みたいなびりびりが、乳首の先から、アソコに響いてく。
 親指で乳首を押し潰すみたいにしたり、つまんで軽く引っ張ったり……。
「ああン、ダメ……んン……くぅん」
 痛くて、切なくて、それでいてすごくキモチイイ。
「可愛い声で鳴くね、奈緒……」
「んん……っ」
 おじ様の唇が、あたしの口を塞いだ。
 荒い息をつきながら、狂おしく舌をからめる。
「んん……んああ……んむ……」
 口を半分開いたまま唇をはなすと、唾液が下向きのアーチをつくる。
 あたしは両手をおじ様の首に回し、思い切り抱き付いた。
 パパのそれより、明らかに一回りは大きい、おじ様のペニスを感じる。
 でもあたしは、そんなことはお構いなしに、自分からはしたなく腰を動かしていた。
「ンン……ッあっ……はぁあン」
 どんどん恥ずかしい声が大きくなっちゃう。
「どうだい?」
 おじ様の息が、耳をくすぐった。
「いいの……パパのおちんちん……イイ……奈緒、きもちいいの……」
「僕も気持ちいいよ……。奈緒の柔らかいアソコが、からみついてくるみたいだ」
「んんんッ、う、うれしいっ」
 褒められて、ますます腰の動きを速くする。
「……奈緒は、いやらしい子だね」
「そうなの……奈緒、いやらしいコなんです……だから、だからパパも動いてぇ」
 自分の動きだけでは足りなくなって、頬を頬にこすり付けながら、おねだりする。
 ぐい、とおじ様の腰が跳ねた。
「はああああ……ッ!」
 あたしは悲鳴をあげるけど、おじ様は止まらない。そのまま、ぐんぐんと腰を動かしてくる。
「ひあッ! はッ! はッ! ああッ!」
 ぐちゅぐちゅという音が聞こえてくる。あたしのアソコが、おもらししたみたいに愛液をたらしながらよろこんでる音。
(キモチイイ……パパの、いつもよりおっきくて……きつくて、キモチイイの……)
 あまりの快感に、あたしは自分で動くこともできない。もう、されるがままだ。
 自然に、アソコがきゅんきゅんしちゃう。
「くっ……!」
 そのあたしの中の動きを感じたのか、おじ様が驚きの声をあげた。
「驚いたな、兄貴は、お前をこんな風にしつけてたのか……」
(ああ、パパ……何いってるの……? パパがあたしをこんなにしたのよ……ああ、おちんちんキモチイイ……何もわかんなくなっちゃう……もっと、もっとムチャクチャにして……)
「イクのかい?」
 あたしの様子を見て、おじ様が訊いてくる。
「イク……イきます……ふあああっ! 奈緒、イっちゃいますぅ」
「可愛いよ、奈緒……」
 おじ様が、あたしの首筋にキスしてくれる。そのまま、キスは頬をなぞって、耳たぶをなめしゃぶる。パパしか知らないはずの、あたしの一番よわいトコ。
「あああっ! イク! イクーっ!」
「いいよ。イけ! イくんだ!」
「いやあ! ミルク、ミルクちょうだい! いっしょに、いっしょにっ!」
「僕の精液がほしいのかい?」
「ほしいの! パパのミルクほしいのォ! おねがい、いっしょにキてえぇッ!」
「いいとも、奈緒のココに、注いであげる」
 あたしのはしたないおねだりにそう答えて、おじ様はあたしの体を抱えるようにして、ひときわ動きを速めた。
 どっ! と何かがあふれる感触。
「んああああーっ! イ、イク、イクーっ!」
 あたしは、ほぼ一年ぶりの激しい絶頂を、パパに教えられた通りの言葉で告げた。
 それでも、しばらくはおじ様の動きは止まらない。どくどくと溢れた白い液体が、あたしの中に満ち、溢れていく。
(ああっ……ミルク、パパのミルクぅ……!)
 何度も何度も絶頂に押し上げられながら、あたしの意識は暗い闇の中へ落ちていった。

 ふと、我に返ると、あたしは、おじ様の腰にまたがったまま、その厚い胸に半身をあずけていた。
「えへ……」
 照れ隠しに笑いながら、少し、その身を離す。
「奈緒……」
 なんだか茫然とした表情のおじ様が、あたしの顔を見つめてる。
「すまない、奈緒……だが、酒が入っていたとは言え、けしていいかげんな気持ちだったわけじゃない……」
 真面目そうな、おじ様の声。何でだろ、なんか、ちょっと可愛い感じ。
「うん……。あたしもそうだよ、おじ様」
「ああ、分かってるよ」
 そう言って微笑むおじ様の口元は、あんまり、パパに似てなかった。



 パパは、なんで死んじゃったんだろう。
 世間では、事故死ってことになってるけど……本当は、自殺なんじゃないかって、あたしは疑ってる。
 パパの歪んだ欲望は、幼い子どもしか、対象としていなかった。
 日々、当然のように成長していくあたし、どんどんママに似てくるあたしは、いつしかパパの愛するあたしではなくなっていたのかもしれない。
 もしかして、パパは、あたしとの関係に悩んで……。
 あたしがパパを受けとめていなければ、この家で、パパを受けとめられる人はいなかった。
 パパは、ママを愛していなかった。ママは、自分を愛さないパパを恨みながら死んでいったんだと思う。そして、おじ様は、そんなママをいつも慰めていた。多分、あたしが生まれる前から……。
 あたしは、小さな体をパパに抱かれながら、そんなママとおじ様のことが不思議だった。どう考えても、パパよりもおじ様の方が、ママのことを愛していた。子どものころの記憶だけど、あたしはそれをよく憶えてる。
 もしかすると……
 もしかすると、あたしの本当のお父さんは、パパじゃないかもしれない。
 でも、それでもいい。もし、今、自分の本当の父親と関係しているんだとしても、あたしは後悔なんかしない。
 違う。後悔とかそういうことじゃない。
(あたし、もう、一人では生きていけない……)
 おじ様の腕に抱かれ、優しいキスに身をゆだねながら、あたしはそんなコトを考えてた。
あとがき

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