第十章
「あ、はふ……あんっ……ひいんっ……」
部屋に、幼い喘ぎ声が響いている。
夏希の声だ。
夏希は、椅子に座った巳洞に後ろから抱きすくめられ、その豊かな乳房をやわやわと揉まれていた。
「よ、よせぇ……やめろよぉ……」
夏希が、弱々しく身をよじりながら言う。だが、抵抗はそれまでだ。
銀色の手錠が、夏希の両手首を後手に戒めている。しかし、真に夏希の夏希の心を折れさせてしまったのは、別のことだった。
姫乃が排便とともに達してしまったのを見ながら、自らも浅ましく射精してしまったことで、夏希は、巳洞に最後まで抵抗する気力を失ってしまっていた。
姫乃は、そんな夏希が巳洞に愛撫されているのを、床に座り込んで見つめている。
すでに、姫乃が排便したバケツと、夏希が床に放った精液は、姫乃と夏希によって掃除されている。シャワーを浴びさせられてから、巳洞の命令で二人がそうしたのだ。
時折しゃくり上げながらも、二人は、巳洞の命令に唯々として従った。
先程の場面を、巳洞は、テーブルの上に固定されていたデジタルビデオで撮影していた。が、二人は、そのことを告げられる前から、激しく抵抗する素振りを見せなくなっていた。
「ククッ……お前のチンポ、勃起してるぜ」
くりくりと巧みな手つきで夏希の乳首を玩びながら、巳洞が言う。
その指摘どおり、夏希のペニスは、まだ触れられてもいないと言うのに、完全に屹立していた。
先端をくるんでいた包皮が後退し、赤い亀頭が痛々しく剥き出しになっている。
その鈴口からは透明な液が溢れ、糸を引いて滴っていた。
「乳首もこんなに固くなってるしな……本当に、スケベなやつだ」
「ちっ、違うゥ……それは、お前がいじるから……あうっ、あっ、あ……くうっ……」
反論を遮るように漏れてしまう喘ぎを、夏希は、必死になって噛み殺した。
「素直じゃねえな。本当は、ここでたっぷりと射精したいんだろ? チンポから精液溢れさせたいんじゃないのか?」
巳洞が、下品な口調に反した優しい手つきで、そっと、夏希のペニスを撫でるように扱く。
「あふっ……! そ、そんなこと、ないっ……この、ヘンタイ……あうっ、くううっ……!」
「ククククク……」
笑いながら、巳洞は、短く細い、ミニチュアのベルトのようなものを取り出した。
「なら、こうされても平気だよな」
そして、しゅるっ、と夏希のペニスの根元を縛り付ける。
「あくうっ! な、何すんだよォ……!」
「お前が射精したくないって言うから、縛ってやったんだよ」
言いながら、巳洞が、パチン、とストッパーの金具を留める。
「うっ、くううっ……ち、ちくしょうっ……」
夏希の声は、屈辱と、そして不安におののいている。
「ふふっ……こっちの方はもうドロドロだぞ……射精はしたくなくとも、俺のチンポは咥え込みたいみたいだな」
そう言って、巳洞は、夏希のペニスのさらに奥へと、指を伸ばした。
「そ、そんな、ちが……あくうっ!」
胸に対する執拗な愛撫に、夏希の意思に反してたっぷりと蜜を分泌してしまった秘唇を、巳洞の指先が捏ねるように刺激する。
「や、やめ……さわるなァ……あうっ、あっ、あああぁぁ……」
快楽の源泉を巧みな指遣いで玩ばれ、夏希が、ひくひくと体を震わせる。
巳洞は、右手の指でくちゅくちゅと音をたてながら、夏希の幼い雌芯をまさぐった。
そうしながら、左手で、たぷたぷと夏希の乳房を揉む。
「乳首が、ますます立ってきたぞ……興奮してるんだな、お前……」
「ち、ちがうゥ……そんなこと、ない……あうっ! やっ、やだァ! もうやだァ!」
夏希が、どうしようもなく湧き起こる快感にぶるぶると震えながら、悲鳴のような声をあげる。
「バカ、これからだよ……フフフフフフッ……」
巳洞は、神経を逆撫でするような笑いを漏らしてから、ちゅっ、ちゅっ、と夏希の首筋や背中にキスをした。
「きゃうっ!」
予想外の刺激に、夏希が、高い悲鳴をあげる。
「クク……そういう可愛い声も出せるんじゃねえか」
からかうようにそう言いながら、巳洞は、なおも夏希の秘処を指で嬲った。
淫裂をなぞるように指を前後に動かし、まだ一度しか男を迎え入れていない膣口に、指を浅く出し入れする。
「あっ、はふ……あううっ……や、やめろォ……やめて……やめてよォ……」
自らが、快楽に屈服しそうになっているという事実に恐怖を覚えながら、夏希はそう訴えた。
根元を拘束された夏希のペニスが、痛々しく膨れ上がり、先端から腺液をたらたらと溢れさせている。
「じゃあ、そろそろこっちをくれてやるか」
そう言って、巳洞が、夏希の腰を浮かして、勃起した肉棒を潤んだ秘唇にあてがう。
「やっ、やだァ……! しないで……しないでよォ!」
「そう口で言えば許してもらえると思ってんのか?」
そう言いながら、巳洞は、背後から夏希の秘裂を貫いた。
「あっ……あああああああっ!」
巳洞によって入念に愛撫された秘肉は、呆気なく肉棒を迎え入れてしまう。
巳洞は、夏希の脚を開き、自分の太腿を跨ぐような格好にさせた。
背面座位の体勢のため、夏希の可憐な秘唇が無残に割り広げられ、剛直をぐっぷりと咥え込んでいる様が、あらわになる。
姫乃は、そんな二人の様子を見つめながら、いつしかはぁはぁと小さく喘いでいた。
「姫乃」
巳洞に、呼びかけられ、姫乃が、悪戯の見つかった子供のようにびくっと体を震わせる。
「こっちに来て、繋がってるところをよく見るんだ。遠慮しなくていいぜ」
「あ、ああ……いやァ……見ないで……姫ちゃん、見ないでェ……あううっ!」
巳洞の固い肉棒に下から突き上げられ、夏希の弱々しい訴えが悲鳴に変わる。
「ほらっ! 夏希の汁が顔にかかるくらい近くに来るんだよ!」
そう言いながら、巳洞は、夏希の体を乱暴に揺すった。
「あぐっ! あううっ! やっ! やああっ! キ、キツい……んぐっ、ひいいっ……!」
まだ経験の浅い膣壁を乱暴に擦られ、夏希がイヤイヤとかぶりを振る。
姫乃は、そんな夏希の声に引き寄せられるように、四つん這いでのろのろと二人に近付いてきた。
「見えるか? 姫乃」
「は……はい……」
自分の言葉が、夏希を傷つけることが分かっていながら、姫乃はそう返事をせざるをえない。
「ふふっ……夏希のここは、どうなってる?」
「ど、どうって……」
「夏希のマンコが、俺のをどんなふうに咥え込んでるか、お前が説明すんだよ!」
「そ、そんな……言えません、そんなこと……」
「キャアアアアアアアアアーッ!」
姫乃の言葉に、夏希の高い悲鳴が重なった。
巳洞が、夏希の敏感な乳首に爪を立て、乳房が円錐形になるまで引っ張っている。
「キヒイイイッ! 痛いっ! 痛いィ! や、やめ……あくうっ! イヤアアアアアアアアアーッ!」
「ああっ、なっちゃん……! やめてっ! なっちゃんにひどいことしないでくださいっ!」
姫乃が、巳洞の脚にすがりながら言う。
「だったら、俺の命令どおりにするんだよ。辛いのは夏希の方だぞ」
夏希の乳房に対する暴虐を中断し、巳洞が言う。
「ううっ……わ、分かりました……」
姫乃は、自分でも涸れ果てたと思っていた涙を溢れさせながら、言った。
夏希は、先ほどの激痛の余韻にはぁはぁと息を荒げながら、やはり涙に濡れた目で姫乃を見つめている。
「夏希のそこは、どうなってる?」
「あ、あの……み、巳洞さんのが……ご主人様のが、入って、ます……」
「もっと下品な言葉で言えよ。いつも自分から言ってるだろ?」
そう言って、巳洞が、きゅっ、と夏希の乳首を捻りあげる。夏希は、怯えたように体を震わせた。
「ああっ……なっちゃん、ごめんね……」
そう謝ってから、姫乃は、サクランボを連想させる愛らしい唇を震わせながら、淫らな言葉を紡ぎ始めた。
「な、なっちゃんの……オ、オマンコに……ご主人様の……オ、オ……オチンチン、根元まで、入ってます……」
「それで?」
「なっちゃんのは……なっちゃんのオマンコは……濡れてて……ぴくぴく動いてて……」
姫乃の言葉に、夏希が、たまらなくなったように顔を背ける。
巳洞は、そんな夏希の胸をやわやわと優しく揉みしだき、強制的に性感を煽った。
「ああ……なっちゃんのオマンコから、また、おつゆが出てきて……ご主人様のオチンチンを、ぬるぬるに、して……ます……ううっ、なっちゃん、許して……」
「夏希のチンポはどうなってる?」
巳洞は、ゆったりとした動きで腰を使いながら、姫乃を促した。
「あ、あの……な、なっちゃんのオチンチンは……お、大きくなっていて……ボッキ、してて……あうっ……先から……その……おつゆが……」
「うくっ……ひぐ……ううっ……うううっ……」
とうとう夏希は、必死に堪えていた嗚咽を漏らしてしまった。
「ああ、なっちゃん……」
姫乃が、それ以上何も言えずに、唇を震わせる。
「クク……お友達を泣かせちゃうなんて、悪い奴だな」
巳洞が、さらに膨張した肉棒で夏希を責めたてながら、言う。
「お詫びに、夏希のことを口で気持ちよくしてやれよ」
「は……はい……」
姫乃は、逆らうこともできず、根元を無残に戒められた夏希のペニスに顔を寄せた。
「ああ……姫ちゃん、だめェ……」
「ごめんね、なっちゃん……もう、こうするしかないの……あとで、姫乃のこと、思い切りぶって……」
そう言いながら、姫乃は、夏希のペニスをぱっくりと咥えこんだ。
「あうううっ!」
柔らかく温かな快感が、夏希のペニスを優しく包み込む。
が、それは、夏希にとって拷問にも等しいフェラチオだった。
「んっ、んちゅっ、んぐ、んんっ……んむ、んふぅっ……」
姫乃は、自分達の惨めな境遇を忘れようとするかのように、熱心に舌と唇を使った。
節くれだち、静脈を浮かしたシャフトに唇を滑らせ、肉色に充血した亀頭部をぺちょぺちょと舐め回す。
敏感な雁首のくびれを舌先でなぞると、夏希のペニスは、ヒクヒクと震えながら新たな腺液を溢れさせた。
「あむっ、ちゅっ、ちゅぶぶ……あうん……なっちゃん……なっちゃん……んむむっ……」
夏希の漏らす先汁に酔ってしまったかのように、姫乃が、頬を染め、ますます情熱的にペニスを舐めしゃぶる。
「あくっ、あううっ……や、やめ……あんっ! あうっ! きゃふうっ……!」
夏希は、もはや泣くことすら忘れたかのように、鋭い快感に喘いでいた。
そんな夏希をさらに追い込むように、巳洞が、膣内を肉棒で陵辱し、乳房を揉みしだく。
どうしようもなく高まる快感に、夏希は、いつしか自らも腰を揺すっていた。
「あうっ、ひっ、あひいっ……そ、そんな……ダメぇ……そんなふうにされたら……あううっ! あっ! あああああああっ!」
夏希の声が、快楽に濡れ、次第に甘い響きを帯びていく。
そのことに救いを求めるように、姫乃は、よりいっそう情熱的に夏希のペニスを口淫した。
姫乃は、その行為が、夏希をさらなる恥辱に追い詰めていることに、気付いていない。
「あひっ、はひいいっ……! ボク、もうダメっ……! あああっ! あくううっ! ひっ! ひいいっ!」
「イキそうなのか?」
「わ、わかんない……そんなのわかんないよォ……あくううっ! あうっ! ボク、ボクぅ……ひぎいいいいいっ!」
愛しい親友の口唇と、憎むべき男の肉棒によって前後から攻められ、夏希の体内で強い圧力が育っていく。
燃え盛る火の玉のようなそれは、夏希の神経を灼き切りながら、出口を求めて暴れ狂った。
「もう、もうダメーっ! あああっ! だ、誰か……誰か助けて……あああああああっ!」
熱い圧力が、股間に集中し、肉棒から外に溢れ出ようともがく。
だが、拘束具によって輸精管を圧迫された夏希は、射精に至ることができない。
そんな夏希の狂おしいまでの欲望を、巳洞の抽送と、姫乃の口唇愛撫が、ますます膨れ上がらせる。
「もうっ! もうダメえっ! ほんとにダメーっ! どうにかしてェ! ボク、おかしくなるう! あくうっ! あっ! き、気が狂っちゃうゥーッ!」
がきっ、がきっ! と手錠の鎖を鳴らしながら、夏希は叫んだ。
「射精したいのか?」
巳洞が、後ろから夏希の体を抱き締めるようにしながら、その耳元に囁きかける。
「あうっ! そ、それはァ……あぐうっ! ひっ! ひきいいいいいいっ!」
「素直に答えないと、ずっとこのままだぞ?」
「し――したいっ! したいィっ! 射精したいのっ! 精液出したいィ!」
「なら、きちんとお願いしなきゃな」
「あ、あう……っ! させてっ! させてェ! 射精させて……もう、精液出させてよォ!」
「ふん……もっと、それなりの口調があるんじゃないか? ん?」
「ああうっ、あっ……な、何て言えばいいの……? お、教えてェ……! ンああああああっ! あーツ!」
もはや、射精欲求のみに脳内を支配され、巳洞への憎悪すら忘れてしまった夏希が、必死に訊く。
巳洞はそんな夏希の耳を舐めるようにしながら、卑猥な言葉を流し込んだ。
「だっ……出させてェ! チンポ汁出させてください! ザーメン出したい! ボク、ザーメン出したいですっ! ああっ、お、お願い、ザーメン射精させてくださいィ〜っ!」
夏希が、巳洞に教えられるまま、叫ぶ。
巳洞が、ペニスを拘束するベルトの留め金を外した。
「ああうっ! ザ、ザーメン出ます……イクうううううううううううううううううううううううううううううううううううーっ!」
どばっ! どぶっ! びゅる! どびゅうっ!
溜まりに溜まった濃厚な精液が、夏希のペニスの先端から迸り、姫乃の喉奥を直撃する。
「ああーっ! あはあっ! ひゃうっ! ひぐ……ひいいいいいいいっ!」
夏希は、射精の快感に無意識のうちに腰を揺すり、ペニスの先端で姫乃の喉を小突き、口内をかき回した。
「んぐっ、んううっ、んぐ……んんんンンン……」
姫乃は、まるでそれが贖罪であるかのように、夏希の精液を一滴も零すまいと唇を締め、口の中に溢れる生臭い液を飲み干していく。
びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ!
夏希のペニスはさらに律動し、新たな精液を放ち続けた。
その動きが、強烈な膣肉の締め付けとなり、巳洞の肉棒を搾り上げる。
「くっ……!」
巳洞は、最後の一撃を夏希の最深部に突き込みながら、欲望を解放した。
びゅるるるるるるるるるる!
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
どばあっ、と自分の体内を男の熱い精液が占領していく感覚に、夏希が絶叫する。
それが、女としての絶頂なのだということを、夏希は、かすかな敗北感とともに、本能的に覚ってしまっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……んっ、ちゅぶ……んむむ……んふぅん……」
「あふ……はあぁ……ちゅっ、ちゅじゅじゅ、んちゅ……」
姫乃と夏希は、椅子に座ったままの巳洞の足元にひざまずき、並んでその股間に顔を埋めていた。
そして、舌をいっぱいに伸ばして巳洞のペニスを舐め、言われるままに口付けを繰り返す。
夏希の膣内にたっぷりと精液を放ったばかりのそれは、生臭い粘液にまみれ、ヌラヌラと光っていた。
姫乃は、どこかうっとりとした顔で、夏希は、まるで魂が抜けてしまったような顔で、それぞれ、自分を“女”にした肉棒を舐めしゃぶっている。
「そうだ……もっと裏筋を舐め上げるんだ……ネチっこくな」
「はい……れるっ、ちゅっ、ちゅぶ……てろっ……」
巳洞の指示に、姫乃が従順に従う。
夏希も、姫乃の動きを追いかけるように、同じように舌による愛撫を行った。
少し前までなら、巳洞のペニスを噛み千切ってやりたいと思うくらいの気持ちがあったはずなのだが、今はそれが無くなっている。
(そんなことしたら、姫ちゃんが一生懸命ガマンしてたことが、全部無駄になっちゃう……)
夏希のその思いは、しかし、自分自身にも、なぜか言い訳じみているように感じられた。
「れろっ、れろっ、れろっ、れろっ……」
「ちゅっ、ちゅるるっ、んちゅ……ちゅぶっ、んっ、ちゅうっ……」
姫乃は、まるで愛しいものにそうするように、巳洞のペニスに細い指を添え、熱心に口付けを繰り返し、舌で愛撫している。
その幼い顔には、おそらく姫乃自身も気付いていないであろう、妖しい色気のようなものが滲んでいた。
(姫ちゃん……)
姫乃と、頬と頬を寄せ合って巳洞のペニスに奉仕しているうちに、時折、舌や唇が触れる。
その感触が、夏希の汚辱感を忘れさせ、切ないような悦びをその胸に刻んだ。
(ボクたち……どうなっちゃうんだろう……?)
いつの間にか、姫乃がするように、熱心に巳洞のペニスを舐めあげ、唇で吸いながら、夏希は思った。
と、巳洞が、姫乃と夏希の頭に手を置き、その髪を撫でる。
巳洞の、六本指のあるその手を、夏希は気味が悪いとは思わない。それどころか、何か歪んだ親近感のようなものすら感じてしまう。
(やっ、やだ……ボク、どうしてこんな気持ちになっちゃってるの……?)
舌や唇に触れる巳洞の逞しい剛直の感触と、耳をくすぐる姫乃の悩ましい吐息。
それが、夏希の幼い心を、着実に犯していっている。
(こんな……こんなイヤらしいことさせられて……姫ちゃんを汚されて……なのに、ボク……)
股間のモノに、血液が集まっていくのを、夏希は感じる。
そんな自分の浅ましい反応を蔑むと、どういうわけか余計にペニスは敏感になり、愛撫を求めるように屹立していってしまう。
(ヤダ……ヤダよォ……こんなのイヤなのに……どうしてボクのこれ、こんなふうになっちゃうの……?)
夏希にとっては未知のものである被虐の快感が、ぞくぞくとその背中を震わせる。
「夏希……お前、チンポ舐めながらボッキさせてるぞ」
そう指摘しながら、巳洞は、素足で夏希のペニスを、むにゅっ、と軽く踏んだ。
「う……」
その刺激にすら、びくん、と夏希はペニスを反応させてしまう。
「姫乃。夏希のチンポ扱いてやれよ」
「ふゎい……」
姫乃は、巳洞のペニスの先端を口に含んだまま、夏希の股間に手を伸ばした。
「ああ……姫ちゃぁん……」
姫乃の細い指で、しゅにしゅにとペニスを優しく扱き上げられ、夏希は甘い声を漏らしてしまった。
八割ほど血液を充填させていた肉幹が、完全に勃起してしまう。
姫乃は、ぴちゃぴちゃと舌を使いながら、巧みな手の動きで夏希のペニスを手淫した。
すでに、この一週間、数え切れないほど夏希のペニスを射精に導いている。夏希の弱いところは、姫乃の手が覚えているようだ。
かちかちに固くなったペニスを、やや強い力で扱き、腺液に濡れた亀頭部分を親指の腹で柔らかく撫でる。
「ああっ、んっ、んくっ……あーっ……!」
一日に何度も射精させられることに慣れてしまった夏希のペニスは、早くも新たな精を放つ準備を始めていた。
「夏希、自分のチンポのことばっかり考えてないで、もっと気合入れてフェラするんだ」
そう言って、巳洞が夏希の頭を自分の股間に押し付ける。
「うううっ……」
屈辱の呻き声をあげながら、夏希は、姫乃がそうしていたのを真似るように、巳洞のペニスを口に咥え、ちゅうちゅうと吸い上げた。
口の中に広がる苦く臭い巳洞の体液が、夏希の汚辱感をいっそう煽る。
が、それは、姫乃によってもたらされるペニスの快楽と混じり合い、胸の中の奇妙な切なさをますます昂ぶらせていった。
「んんっ、んぐっ、んむ、んっ、ちゅむ……んんっ……!」
「ちゅぶっ、れる、ぴちゃ……ちゅぶぶっ……んむっ、んっんふぅン……」
夏希が陰茎を吸引し、姫乃が、余った竿の根元や陰嚢を舐めしゃぶる。
二人の少女の顔は、すでに、巳洞が分泌した腺液と、それぞれの唾液で、見るも無残な有様になっていた。
「んっ、いいぞ……顔にかけてやるからな……」
かすかに息を乱している巳洞の言葉に、夏希と姫乃は、びくっ、と体を震わせた。
「んっ……姫乃……夏希をイかせてやれ……」
「んぶっ、は、はい……はぁ、はぁ、はぁ……」
姫乃が、手淫の動きを速める。
「あ、あく……姫ちゃん……ボク、もう……」
「なっちゃん、イって……ご主人様の言う通りに、オチンチンの先からびゅびゅって精液出して……」
姫乃が、淫らな言葉で夏希の射精を促す。
「あっ、ああっ、あっ……!」
夏希は、かくかくと腰を振りながら、射精の体制に入った。姫乃が、そんな夏希のペニスを激しく扱く。
「んっ……!」
巳洞は、そんな二人の少女の様子を凝視しながら、自らのペニスを扱きあげ、射精した。
「ああっ……イ、イヤぁ……!」
「あんっ、あうっ、あああっ……!」
高い声をあげる夏希と姫乃の顔に、びゅるっ、びゅるっ、と精液がぶちまけられる。
「あああああああっ!」
びゅううううっ!
夏希は、顔に精液を浴びながら、自らも精を放ってしまっていた。
射精の快感で硬直している夏希の顔に、さらに巳洞の精液が浴びせ掛けられる。
「ああ……なっちゃん……」
自らも顔や髪の毛を精液で汚されながら、姫乃が、夏希の様子に悲しげな声をあげる。
「なっちゃん……」
「ひ、姫ちゃん……あ、んむっ……」
二人の少女が、互いに引き寄せられるように、白濁した液にまみれた顔を寄せ、唇を重ねる。
姫乃は、仔猫を慈しむ母猫のように、夏希の顔を舐め上げ、その肌を汚す精液を舌で綺麗にした。
「ああん……」
夏希が、うっとりとした声を上げながら、同じように姫乃の顔に舌を這わす。
姫乃の顔に付着していた巳洞の精液を、夏希は、ほとんど抵抗無く、啜り上げ、飲み込んでいった。
そして、ようやく今日の陵辱は終わった。
「……」
「……」
初夏の、遅い夕暮の中、二人は駅に向かって歩いていた。
姫乃も、夏希も、無言である。
姫乃の腰には、いつものように、残酷な拘束具が装着され、肛門にはプラグが挿入されている。
そして、夏希もまた、その性器を貞操帯によって塞がれてしまっていた。
夏希のそこを戒めているのは、当然のことながら、姫乃のそれとは構造的に全く違うものだ。
まず、夏希は、ペニスを円筒型の専用チューブに収められてしまった。
そのチューブを、上から覆うように、T字帯型の貞操帯が押さえている。チューブと本体は連結用の金具で接続されており、鍵が無いと外せない構造になっていた。
ペニスを包むチューブは、女陰を覆うような形で貞操帯本体に固定されているため、夏希は二重に少女の部分を封じられていることになる。
夏希の尿道は、輸精管と合流してペニスの海綿体を貫いているため、排尿はペニスから行う。それゆえ、夏希は、チューブに押さえられて無理矢理に下向きにさせられたペニスから放尿し、貞操帯本体の底に開いた細かな排尿用の穴から尿を排出せざるをえなくなっていた。
もちろん、夏希のペニスは勃起することができず、夏希自身も、自らのその部分や、さらに奥にある秘裂に触れることはできない。
その上、夏希の肛門にも、姫乃同様、あの凶悪なアナルプラグが差し込まれていた。
人の体の中で最もパーソナルな部分を封じられているという屈辱が、酸のように、夏希の自尊心を蝕み、ボロボロにしている。
「どうして……」
沈みつつある夕日に対し、顔を伏せるようにしながら、夏希は呟いた。
「どうして、こんなことに……」
もちろん、姫乃を責めるための言葉ではない。心の中で言っているはずの言葉が、つい、唇から漏れ出てしまったのだ。
その言葉を聞いて、姫乃は、何も答えることができない。
性器と排泄器官を封印された二人の少女は、緩く手と手をつなぎ、駅への道を力ない足取りで歩いていった。
「……」
そんな二人の後姿を窓から見送ってから、巳洞は携帯電話を取り出した。
その顔には、いかなる表情も浮かんでいない。
薄暗くなった部屋の中、電灯を点けることもなく、じっと佇んでいる。
その、異様な光を湛えた瞳は、ただ部屋の隅にわだかまる闇を睨んでいるようだ。
相手が、電話を取った。
「巳洞だ」
短く、巳洞が名前を名乗る。
「ああ、順調だ。予想外の侵入者もきちんと飼い慣らしてる」
巳洞の声には、何の感情も無い。ただ、そのような声で話をするということこそが、電話の相手に対する秘められた感情を表しているようだ。
「そっちは、満足してんのか……? ああ、それは結構だね。これだけのリスクを背負ってるんだ。喜んでもらわないと立場が無えよ」
そう口にした時に――巳洞の特徴の無い顔に、かすかに侮蔑の表情が浮かぶ。
それは、誰に対する感情だったのか――
「もちろん、俺は楽しんでるさ。楽しみでもしなくちゃ、こんなことはやってられねえだろ?」
そう言いながらも、巳洞の顔に浮かんだ表情は、消えることは無い。
「ああ……注文どおり、画像を送る。……扱いには気を付けろよ」
そう言って、巳洞は、電話を切ろうとした。
と、電話の向こうで相手が言った言葉に、ぴくりと反応する。
その顔に、初めて、動揺らしきものが浮かんだ。
「あ、ああ……そうか……分かった」
かすかに感情を滲ませた声でそう言い、今度こそ、巳洞が電話を切る。
巳洞は、すっかり暗くなった部屋の中、しばらく立ち尽くしていた。
「琴乃……」
ぽつり、とそう呟く。
そして巳洞は、脳裏に浮かんだ映像を追い払うように軽く頭を振り、部屋の隅に置きっ放しになっていたノートパソコンをテーブルに置いて、幾つかのケーブルを繋いでから起動させた。