ママははサキュバス

-2-


「――あの、大樹さん」
 その夜、夕食を終えた僕に、沙希子さんは、思い切ったように呼びかけた。
「えっと……大樹さん、確か、レポートの方は、今日、提出されたんですよね」
「ええ」
 半ば、沙希子さんが何を言いたがっているのか察しながら、僕は、わざと平静な口調で言った。
「おかげさまで、何とか期限に間に合いましたよ」
「そうですか……よかったです」
 にっこりと、沙希子さんが微笑む。
 その、普段は白磁のような頬が、今、ほんのりと桜色に染まっているように見えるのは、けして僕の思い込みなんかではないだろう。
「だったら、大樹さん、その……えっと……」
「何か?」
「…………」
 沙希子さんが、その口元から笑みを消し、視線を逸らす。
「どうしたんです?」
「だ、大樹さん……イジワルです……」
 かすかに唇を尖らせて、沙希子さんが、拗ねたような口調で言う。
 そんな彼女の表情を見ているだけで、僕はたまらない気持ちになった。
「もしかして――」
 立ち上がり、僕は、座布団の上に正座している沙希子さんの真横――目を逸らしているのと反対側に立つ。
「沙希子さんの言いたいのは、これのことですか?」
 そう言って、僕は、浅ましく膨らんだ自らのズボンの股間に手を伸ばした。
 ジジジ……というファスナーの下りる音に、沙希子さんは、その瞳を、すぐ側の僕の下半身へと向けた。
「ああっ……」
 すでに半勃ち以上になっている僕のモノを、まさに目の前にして、沙希子さんが、ハートマークが付きそうな吐息を漏らす。
 沙希子さんの双眸が放つ視線に刺激されたかのように、僕のペニスは、さらにむくむくと大きくなった。
「んく、ゴクッ……ふぅ、ふぅ、んあ、大樹さん……あの……」
 思わずといった感じで生唾を飲み込んでから、沙希子さんが、僕の肉棒に顔を近付けてくる。
「お願いです……まだ、こんな時間ですけど……大樹さんの、お、おちんぽ……おしゃぶりさせてください……」
 そう懇願する沙希子さんの黒い瞳はキラキラと濡れ光り、上品な形の小鼻は、微かに膨らんでいる。
「いいですけど……僕、まだ、風呂に入ってないですよ」
「いいんです、その方が……すんすん……んむっ、ぷはあっ……」
 僕のペニスの匂いを嗅いだ沙希子さんが、うっとりとその表情をとろけさせる。
 恥ずかしながら僕は仮性包茎なので、今、赤く張り詰めている亀頭は、ついさっきまで包皮の中に収まっていた。だが、汗と腺液で蒸れているはずのその部分の匂いを、沙希子さんは、鼻先を押し付けるようにして、まるで子犬のように嗅いでいる。
「すんすんすん……うぶっ、んあああっ……んふぅ、んふぅ、す、すごい匂いです……んく、大樹さんのおちんぽの匂いです……くんくん……んぷっ、んふー、んふー、んああっ、こ、興奮しちゃいます……クンクン、クンクン……はああぁぁ……」
 沙希子さんの淫らな言葉に反応し、まだ指一本触れられてないのに、ペニスの先端からタラタラと先汁が溢れてくる。
 この反応も無理はない。実は、僕と沙希子さんは、ここ三日間ほど、体を重ねていなかったのだ。
 お互いにとって初体験だったあの夜から一ヶ月の間、僕と沙希子さんは、毎晩のように愛し合った。いや、昼間であっても、もし時間があれば、セックスをしまくった。
 だが、そのせいで学校の課題がいろいろとピンチになり、僕は、三日間だけ時間をもらい、レポート作成に専念したのである。
 そして、今――正直、朝から、この時間が待ち遠しくてしかたなかった。
 そんな僕の思い、というか煩悩がパンパンになるまで詰まった肉棒を前にして、沙希子さんは、もうすっかり欲情している様子だ。
 それでも、持ち前の上品さを完全には失わない沙希子さんの様子に、僕は、かえって限界までペニスをたぎらせてしまう。
「沙希子さん……」
 沙希子さんの息遣いにくすぐられてヒクついている肉棒を、僕は、僅かに突き出す。
 それだけで僕の意図を心得たのか、沙希子さんは、大きく口を開いて、浅ましく膨れ上がった一物を、その口内に迎え入れてくれた。
「んちゅ……ちゅむむむむむ……」
「うっ……ああっ……」
 シャフトの表面を唇が滑り、温かな口腔粘膜がペニス全体を包み込んでいく感覚に、僕は、思わず吐息をついてしまう。
 沙希子さんは、眉を悩ましくたわめ、頬を淫らにすぼめながら、さらに僕の肉棒を飲み込んでいった。
「んむ、む、んむ……んん、んんんっ……」
 ほぼ根元まで口の中に収めてから、沙希子さんが、ゆっくり、ゆっくりと、首を後退させる。
「んむむむむむ……ちゅぱっ」
 いったん口を離してから、沙希子さんは、長く伸ばした舌で、唾液に濡れた僕の肉棒を舐め始める。
「ちゅぱっ、ちゅぷぷっ、んちゅ……へぷっ、んはぁ……レロレロレロ……ぬぷ、ぬぷぷっ、ちゅぱ、ちゅぱぁ……」
 まるで味わうように、あるいは唾液を塗り込めるように、沙希子さんが、僕の肉棒を丹念に舐めしゃぶる。
 その間も、沙希子さんの両手は、行儀よく膝の上に置かれたままだ。
 いや、そうじゃない……沙希子さんは、スカートの上から、自らの股間をギュッと押さえているのだ。
「はぷっ、へぷぅ……んあああっ、ちゅばっ、ちゅばっ、ちゅばっ……はぁ、はぁ、んむむむ、んむむっ……レロレロ、ねぶっ、ねぶっ、ねぶっ……」
 正座の姿勢のまま、もじもじと大きなヒップをくねらせながら、沙希子さんは、口だけで僕の一物を追いかけ、愛しげにキスを繰り返し、その舌を肉茎に絡ませてくる。
 その過程で、沙希子さんの綺麗な顔には、まるでナメクジが這った跡ように、僕のカウパー氏腺液が付着した。
 たまらない快楽に誘導されて、僕は、いつしか、下に履いているものを全て脱ぎ捨て、正座したままの沙希子さんの正面に仁王立ちしていた。
「んっ、んはあぁぁ……大樹さぁん……んむむっ、んちゅ、んちゅっ……」
 沙希子さんが、僕の足の付け根に唇を押し付け、陰嚢を舌で転がすように愛撫する。
 唇の端に僕の陰毛をへばり付かせながら、沙希子さんは、僕の男性器全体を、唾液まみれにしていく。
「はぷ、はぷ、んむむっ……ちゅっ、ちゅばっ、ねぶぶぶぶ……はぁ、はぁ、はぁ……あむっ!」
 舌と唇での愛撫をたっぷりと施した後、沙希子さんは、我慢できなくなったように、再び僕の肉棒を口内深くまで咥え込む。
「あむむ、はむむむむむっ……! んっ、んむ、むぐ……ふーっ、ふーっ、ふーっ、う、うぐ、うぐぐっ……」
 鼻先を僕の陰毛の茂みに潜らせるようにして、まさにえずく寸前まで、沙希子さんが、僕のペニスを喉奥まで飲み込む。
 やや苦しげな表情になりながらも、沙希子さんは、その舌先で僕の肉棒の根元をくすぐった。
「んう、うぐぐっ、ふぐ……んふぅ、んふぅ、んふぅ……んむむむ、うぶぶぶっ……」
 沙希子さんが、ゆっくりと首を前後に振り、艶やかな唇とヌメヌメとした口腔で、ボコボコと血管の浮いた肉幹を扱き出す。
 慎ましく上品な沙希子さんの口元に、グロテスクな褐色の肉の棒が出入りする。
「んむっ、ふぶぶっ、うぐ……ぐぽっ、ぐぽっ、ぐぽっ……ふぅ、ふぅ、ふぅ……ぐぷぷぷ、ぐぽぽっ……!」
 信じられないほど下品な音をたてながら、沙希子さんが、首の動きを激しくしていく。
「ぐっぽ、ぐっぽ、ぐっぽ、ぐっぽ……んは、へはぁ……ひゅ、ひゅごい……大樹さんのおひんぽ……おっひくて、たくまひくてぇ……ぐぽぐぽぐぽぐぽ……!」
 上目使いで崇拝に近い視線を寄越しながら、沙希子さんは、フェラチオ奉仕を続けた。
 首の動きに合わせて、その豊かなバストが、重たげにゆさっゆさっと揺れている。
「んふぅー、んふぅー、んむむ……ちゅぶぶ、ちゅぶぶぶっ、じゅぷっ、じゅるるるるっ……!」
 沙希子さんが、口の中に溜まった唾液や腺液ごと、僕のペニスを啜り上げる。
「じゅるるる、んく、んくっ、……ふぅふぅふぅ……じゅるるるるる……! じゅるるるっ! じゅぽっ! じゅぽっ! じゅぽぽっ! じゅぽ! じゅぽぽっ!」
 沙希子さんが、口全体を使って、僕の肉棒を吸い上げ、扱きたてる。
 バキュームフェラとディープスロートがもたらす、激しすぎるほどに甘美な快感に、僕の我慢の砦はとっくに陥落寸前だった。
「んぐ……で、出る……沙希子さん、口開けて……」
「じゅぷぷ、ぷはっ……分かりました……えあああぁぁぁ〜」
 言われるままに、沙希子さんが、大きく口を開ける。
 そして、沙希子さんは、上に向けて揃えた両方の手の平を受け皿にして顎の下に置き、長く伸ばした舌の先で、チロチロチロチロ……と、僕のペニスの先端をくすぐった。
「う、ううううっ!」
 最後の催促に、僕は、ビュウゥーッ! と思い切り精液を放ってしまう。
「あぷっ! へ、へはああっ、んあ、あはああああっ……!」
 歓喜の表情を浮かべながら、沙希子さんが、開いたままの口で、僕の迸りを受け止める。
 ドピュッ! ドピュッ! ドピュッ! ドピュッ! とさらに射精は続き、沙希子さんの口元や、鼻、頬、額、そして白い手の平や艶やかな黒髪にまで、自分でも呆れるほど大量の精液が飛び散った。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……へはああぁぁぁ……」
 沙希子さんが、自らの口内を僕に見せつける。
 ねっとりとした白濁液の池と化したそこで、ピンク色の舌が、淫らに蠢き、泳いでいる。
「はぁ、はぁ……飲んでください、沙希子さん……」
「んうっ……ん、んぐ……ゴキュ、ゴキュッ……んぐ、んぐぐ、んぐ……はふぅ……喉に絡み付いて……ンはあああっ……」
 音をたてて喉を上下させながら、沙希子さんが、僕のスペルマを飲み干し、甘い吐息をつく。
「大樹さんのザーメン……ぷりぷりして、とっても濃くて……美味しかったです……」
 そう言って、沙希子さんが、まだ萎えきっていない僕の肉棒の先端に、口付けする。
「ん……んちゅ、ちゅるるっ……んく……ゴクッ……」
 そのまま、沙希子さんは、尿道に残った精液を吸い上げ、さらには、ペニス全体をねっとりと舐め清めた。
 そして、顔や手の平にべっとりと付着したままだった黄ばんだ精液を指で集め、もったいないとばかりに啜り飲む。
「沙希子さん……」
 僕は、あまりにも淫らな沙希子さんの姿に、再び股間のモノを硬化させながら、その場に膝をついた。
 そして、沙希子さんの肩に手をかけ、粘液に濡れたままの唇に、キスをする。
「んむっ……ちゅ、ちゅぶ、んふぅ……んむむ……ちゅぶぶ、ちゅぶっ……」
 舌と舌を互いにくるくると回して絡め合い、そして、唇を吸い合う。
「んちゅ、ちゅぶぶっ、んーっ、ちゅばっ……ハァ、ハァ、ハァ……」
 唇を離すと、沙希子さんが、足を崩し、僕にしどけなく身を寄せてきた。
「沙希子さんの息……僕のザーメンの匂いがしますよ……」
「やあん、恥ずかしいです……あ、あの……ザーメンの匂いがするようないやらしい女は、き、嫌い、ですか……?」
「ううん……何だかすごく興奮しちゃって……もっともっと沙希子さんの体に、僕のザーメンを染み込ませたいですよ」
「う、嬉しい……私も、大樹さんのおちんぽで、ザーメン臭くしてほしいです……」
 まるで、恋の告白をする女の子のように恥ずかしがりながら、沙希子さんがそんなことを言う。
「でも、これ以上、服に付いちゃうと後がやっかいだし……風呂場、行きましょうか?」
「ハイ……」
 沙希子さんが、含羞の表情のまま、頷く。
 そして、僕たちは、身を寄せ合いながら、風呂場へと向かった……。



 浴槽の縁に座る僕の肉棒を、沙希子さんが、その豊かな胸の谷間に挟んだ。
 たっぷりとした乳房の柔らかな感触と、その視覚的なインパクトに、ペニスが、完全に勢いを取り戻す。
「大樹さんのおちんぽ、とっても元気です……」
 そう言いながら微笑む沙希子さんの背中には手の平サイズのコウモリのような翼があり、お尻には、ぴょこんと突き出たスペード型の尻尾がある。それは、沙希子さんがサキュバス――夢を操る淫魔であることの証しだ。
「うふふっ……」
、笑みを漏らしながら、沙希子さんが、まるで肉幹を押し潰そうとするかのように、自らの双乳を真ん中にぎゅーっと寄せる。
 そして、沙希子さんは、見せつけるように舌を出して口を開き、透明な唾液を、とろ〜っと胸元に垂らした。
「じゃあ、いきますね……」
 そう言って、沙希子さんは、二つの胸の膨らみで、僕のシャフトを扱き始めた。
 唾液が潤滑液となり、沙希子さんの白い肌が、肉竿の表面をぬるぬると滑る。
「あぁ……」
 僕は、思わず声を漏らしながら、しばしの間、沙希子さんのパイズリ奉仕に身を委ねた。
「ハァ、ハァ、ハァ……んあぁン、大樹さんの、どんどん大きくなって……ふぅふぅ、す、素敵です……んんんっ……」
 嬉しそうに言いながら、沙希子さんは、両手で支えた双乳を、さらに激しく上下に動かした。
 さらには、乳房を互い違いに動かしてペニス全体を揉みくちゃにしたり、乳首に亀頭を擦り付ける。
 僕は、たまらなくなって、沙希子さんのたわわな乳房を、ぎゅっと鷲掴みにした。
「きゃうン!」
 沙希子さんが、ぴょこんと翼と尻尾を動かし、可愛らしい悲鳴を上げる。
 僕は、そんな沙希子さんの双乳を捏ね回し、ぷっくりと勃起した乳首を、親指でクリクリと刺激した。
「あっ、あひっ、あ、ああぁン……ああっ、ダメです、大樹さんっ……んくっ、そんなふうにされたら……ハァ、ハァ、お、おっぱいでご奉仕できなくなっちゃいますぅ……ああ、あああっ……!」
 沙希子さんの抗議を無視して、僕は、執拗に乳首を愛撫し続ける。
 指先でしこしこと扱くと、乳首が、ますます堅くしこった。
「ひあ、ああああああン! ダメッ! 出ちゃう、出ちゃうぅ! んんんんん! ミルク出ちゃうぅ〜!」
 ぴゅーっ! と生温かな母乳が迸り、僕の下腹部を濡らす。
 その、甘たるく懐かしい匂いに、なぜか僕は、頭がくらくらするほど興奮した。
「んは、あはぁン……だ、大樹さんのおちんぽ、私のおっぱいまみれでぇ……んく、い、いやらしすぎです……はぁはぁ……」
 サキュバスである沙希子さんのミルクは、練乳みたいにねっとりとしている。
 それを天然のローションにしながら、僕は、自らのペニスを沙希子さんの巨乳にヌルヌルと擦り付け、その感触を楽しんだ。
「ああっ、あっ、あああっ……あううっ、うくぅン……!」
 甘い喘ぎ声を上げる沙希子さんの右の乳房に肉棒を食い込ませながら、空いた左の乳房を、右手で揉みしだく。
「はあっ、はあっ、あふ……大樹さん……お、おっぱいの中に、おちんぽ、入れちゃいますか?」
「……えっ? な、中って……」
 沙希子さんの言うことがよく分からなくて、僕は、思わず聞き返す。
 沙希子さんは、恥ずかしげに目を伏せながら、右手の指を、自らの右の乳首に押し当てた。
 指先が、乳首の中央に、ずぶりと入り込む。
 沙希子さんは、切なげに眉を寄せながら、二本の指で、くぱぁ、とその部分を押し広げた。
 真っ白い粘液に濡れた赤い淫らな肉穴が、そこに出現する。
「わ、私、淫魔ですから……体中、どこでも、おまんこになっちゃうんです……それとも、こんな場所でするなんて……き、気持ち悪い、ですか……?」
「いえ……僕、沙希子さんのおっぱいに、入れたいです……!」
 倒錯的な欲望に突き動かされて、そう口走る。
 そして、僕は、だらだらと母乳を溢れさせながらおののく沙希子さんの乳首穴に、肉棒の先端を押し当てた。
「うぐっ……あ、あああっ、おっきいっ……!」
 乳房の中に侵入する僕のペニスの感触に、沙希子さんが悲鳴のような声を上げる。
 僕は、沙希子さんの両肩に手を置き、さらに腰を進ませた。
「あぐぐっ! う、あああン……あっ、あっ、すごい……! おっぱいに、大樹さんのが刺さってるぅ……! うっ、うぐうっ……!」
 口やアソコとはまた違う、とろけるような快感が、僕の肉棒を包み込む。
 僕は、バスタブからすっかり腰を浮かし、がに股のまま、ピストン運動を開始した。
「ひうっ、う、うあああン! あは、あはぁ! ああ、すごいっ! うぐぅ! こ、こ、こんなにすごいなんてぇ……あっ、あああン、あはぁ!」
 僕に乳房の内側まで犯され、沙希子さんが嬌声を上げながら悶える。
「んひっ、ひぃーっ! あ、あああ、あはぁ、んああああああっ! あン、あはぁン!」
 母乳まみれになった僕のペニスが狭隘な肉穴をずぼずぼと出入りし、その動きに合わせて、沙希子さんの乳房が、杵に搗かれている餅のように形を変える。
「ハァ、ハァ……親父とは、こんなことしなかったんですか?」
 抽送のピッチを上げながら、僕は、そんなふうに訊いた。
「あうっ、あううっ……! あ、あの人は、結婚式を挙げてからのお楽しみだからって……私に精液をかけて焦らすばっかりで……うっ、うぐっ! ゆ、指一本、触れてくれませんでした……あん、ああん!」
 すでに何度も聞いている沙希子さんの答えに、僕は満足を覚える。
「あっ、あああっ! 大樹さん……お願い、もう、あの人のことは聞かないでください……んっ、んひいン!」
「そんなこと言って、沙希子さん、少し前までは、今でも親父の妻だって言ってたじゃないですか」
「あ、あの時は……私、大樹さんのお母様になりたかったから……あン! ああン! あああン! でも、でも……今は……ああああああああッ!」
 どぴゅっ、どぴゅっ、と空いている左の乳首から射精するみたいに母乳を溢れさせながら、沙希子さんが、白い喉を反らして声を上げた。
 ぎゅーっ、と僕のペニスを包む肉穴が収縮し、貪欲に射精をねだる。
「ンああああっ! い、今は、今は大樹さんだけですっ! 大樹さんだけの女ですうっ! あっあっあっあっあっあっあっ! イク! おっぱいイっちゃうううううううううううううぅーッ!」
「さ――沙希子さんっ!」
 どびゅっ! と、僕は、沙希子さんの乳房の中に、ザーメンを放つ。
「んひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! 熱いっ! ザーメン熱くてヤケドしちゃうぅ! イクぅうううううううううううううううううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ〜ッ!」
 浴室に絶叫を響かせながら、沙希子さんが全身を痙攣させる。
 僕は、二度、三度と、沙希子さんの乳房の中に、精を注ぎ込んだ。



 布団の上に仰向けになった僕の上に、沙希子さんが、逆さまに覆いかぶさる。
 いわゆるシックスナインの形で、僕と沙希子さんは、ほとんど同時に、互いの性器に口元を寄せた。
「はむっ、ん、んちゅ……んんん、ちゅむむむっ……」
 沙希子さんがペニスを咥え込む音を聞きながら、目の前にある沙希子さんの白く大きなお尻を抱え、かすかに肉襞をのぞかせるクレヴァスに、口付けする。
 そして、僕は、沙希子さんのその部分にむしゃぶりつきながら、堅く尖らせた舌先を秘裂の内側に食い込ませた。
「んむっ、んんんっ、ぷあっ……あ、あぁン、そんな……あくぅン!」
 甘い悲鳴を上げる沙希子さんの割れ目を、舌で抉るように繰り返し刺激する。
 たちまち溢れてくる淫らな蜜が、僕の口の周りをベタベタにする。
「あああっ、あふ、んううン……はぁ、はぁ、わ、私も、お返ししちゃいます……ちゅむ、ちゅぷぷ、ちゅぶっ……れろ、れろ、れろぉ……!」
 沙希子さんが、僕のペニスに、たっぷりと唾液を乗せた舌を這い回らせる。
 フェラチオをすることで興奮しているのか、沙希子さんの牝の部分の匂いが、さらに濃厚になった。
 そのことに、頭がくらくらするほどの興奮を覚えながら、僕は、沙希子さんの秘唇を舐めしゃぶり、ちゅばちゅばと音をたてて吸った。
「へはっ、あ、あはぁ……れろれろ……んあああっ、は、はぷ、んはああっ……! あああン、き、気持ちいいぃ……ちゅぶぶぶ、ちゅぶっ、ちゅば、ちゅばばっ……!」
 沙希子さんが、喘ぎ声を漏らしながら、僕の肉棒にむしゃぶりつき、その唇と口腔粘膜で扱き上げる。
 すでに二度射精していなければ、それだけで僕は追い詰められていたかもしれない。
 だが、僕は、なおも沙希子さんのその部分を攻め続けることができた。
「んむむむっ、ちゅぶ、ちゅぶぶぶっ……! ぷはあっ! は、はひ、んひいン……! あああ、ダメ、ダメです……うっ、うくっ、うあああン……!」
 僕の体の上で、沙希子さんの豊満な体がおののく。
 僕は、じゅるじゅると卑猥な音を響かせながら、愛液ごと沙希子さんの肉襞を啜った。
「あっ、あああっ、あひ……んひいン! ハァ、ハァ、ハァ……あああっ、も、もう、ガマンできないぃ……あっ、あううン……!」
 すでにさっきから完全に勃起している僕の肉棒をシコシコと扱きながら、沙希子さんが声を上げる。
「お、お、お願いします……んく、ください……! 大樹さんの男らしいおちんぽ、沙希子のおまんこに入れさせてください……!」
「そんなに僕のが欲しいんですか?」
 沙希子さんの口調に嗜虐心を刺激され、僕は、意地悪く訊いてしまう。
「ハイ、ハイ、欲しいです……! 大樹さんのおちんぽが欲しいんですぅ……! はぁ、はぁ、おまんこで……し、子宮で、大樹さんのザーメンをごっくんして……んく、で、できたら、赤ちゃんを授けてほしいんです……」
 僕の方に顔を向けながら、沙希子さんが、耳まで赤くして、そんなことを言う。
 その沙希子さんの言葉を証明するように、今やぱっくりと淫らに開いたクレヴァスの奥で、膣口が、パクパクと物欲しげに開閉していた。
「ぼ、僕も……沙希子さんに、妊娠してほしいです……」
 僕は、本気で、そう言った。
 これまで何度も何度も沙希子さんの中に精液を注いできたが、沙希子さんは、全く避妊については触れなかった。たぶん、沙希子さんは、サキュバスとしての能力で、自分の妊娠をコントロールできるんだろう。
 その沙希子さんが、赤ちゃんが欲しいと言っている以上、それに同意すれば、確実に妊娠するということだと思う。
 僕の子供を宿してぽっこりとお腹を膨らませた沙希子さんの姿を想像し、僕は、頭の中が煮えてしまいそうなほどに興奮してしまう。
「い……いいんですか? 私、本当に、大樹さんの赤ちゃん産んでもいいんですか?」
 沙希子さんが、声を震わせ、目尻に涙を滲ませながら、言う。
「ええ、もちろんです……僕の子供を妊娠してください。沙希子さんの全てを……これからの人生ぜんぶを、僕のものにしたいです!」
「あぁ〜ん、う、嬉しいっ……! はぁ、はぁ、あ、ありがとうございます……!」
 沙希子さんが、四つん這いで前進し、自らのヒップを、僕の腰の位置に合わせる。
 そして、沙希子さんは、上半身を起こし、僕の肉棒に手を添えながら、ゆっくりと腰を落としていった。
 沙希子さんの秘唇がペニスを先端から咥え込み、徐々に飲み込んでいく。
「んううううううっ……! あっ、あっ、す、すごく堅いィ……! あうううううっ、うぐ、うああああああああッ……!」
 膣奥にまで僕のペニスを迎え入れた沙希子さんが、こらえきれなくなったように、再び上半身を前に倒してしまう。
 そして、沙希子さんは、揃えた僕の両脚にしがみつくような格好で、ぷりぷりとお尻を動かし始めた。
「あっ、あああン、あふうぅン……はぁ、はぁ、あぁ〜ン、感じるぅ……んふううぅ……」
 甘い声を漏らす沙希子さんの腰が、僕の腰の上で踊る。
 僕は、沙希子さんのお尻に手を伸ばし、滑らかな白い肌を撫で回した。
「あっ、あううっ、んふ……んふぅ、んふぅ、ふあ、あああっ……ああっ、ああン、あン、あぁン……」
「気持ちいい……沙希子さん、もっと動いて……」
 そう言いながら、僕は、ピコピコと可愛く揺れている沙希子さんの尻尾を、右手の指で、キュッ、と摘まんだ。
「きゃうううン!」
 驚いた子犬みたいな声を上げながら、沙希子さんが、びくん、と体を震わせる。
「駄目ですよ、止まっちゃ……ほら、もっといやらしく腰を振って……」
 僕は、左手でお尻を撫でながら、右手の指先で尻尾を扱いて、沙希子さんを催促した。
「あっ、あああっ、や、やりますぅ……ふぅふぅ、お尻、いっぱい動かします……んく、は、恥ずかしいですけど、いやらしく動かしちゃいますぅ……んんんんんっ……」
 沙希子さんが、僕の膝に手を置いて上半身を起こし、回すように腰を動かし始める。
「んうっ、んあ、あああっ……! 大樹さんのおちんぽ、中でぐりぐりってしてぇ……! ンあああっ、あ、あは、あはぁ……気持ち良すぎるぅ……!」
 くねっ、くねっ、くねっ、くねっ、とお尻を動かしながら、沙希子さんが、快楽の声を上げる。
 その扇情的な眺めと、愛液まみれの肉襞がシャフトに絡み付く感触が、僕の肉棒をさらに膨らませる。
「んぐっ、んうううっ! うあ、あはあっ! おちんぽ、な、中で、中で、おっきくなってっ……! あっ、あひっ、んひいいいいっ! ああああ、す、すごすぎですぅ〜!」
 沙希子さんの腰の動きが、さらに激しくなる。
 肉棒全体が熱い快感に熔け、下半身で沙希子さんとくっついてしまったような錯覚を覚える。
「あっ、あああっ、あふ、あふうっ! あああっ、いい、いいですぅ! うあああン! おちんぽいい! おちんぽいいですぅ〜! あぁ〜ん、いいぃ〜!」
 いつしか沙希子さんは、はしたなく膝を立てて脚をMの字にした姿勢で、腰を上下に動かしていた。
 沙希子さんの腰が大きくバウンドするたびに、愛液にまみれたペニスが秘唇に出入りするのが分かる。
「うぐ……さ、沙希子さん……そんなにしたら、出ちゃう……!」
「ああああっ、出して! 出してっ! んくう! お、おまんこの中に、大樹さんのザーメン注ぎ込んでください! はぁ、はぁ、欲しいぃ! おちんぽザーメン欲しいのぉ〜!」
 卑猥な言葉を繰り返しながら、沙希子さんが、さらに腰を振り立てる。
 蜜壷が肉幹を扱きたて、貪欲に精液を搾り取ろうとする。
「う、うあああっ……!」
 僕は、あまりの快感に声を上げながら、ビュウウウウーッ! と激しい勢いで精を放った。
「ひあああああああああ! 子宮に、子宮にザーメン来てるううううううううう! イク! イク! イク! イク! 子宮ッ! イ、イ、イックぅううううううううううううううううううッ!」
 沙希子さんが、小さな翼を一杯に広げ、背筋を弓なりに反らしながら、天井に向かって絶叫する。
 キュウキュウと収縮しながら絶頂を極める膣壷に、僕は、さらに射精を続けた。
「うああああっ、あ、あは、あはぁっ! し、しちゃう、しちゃうっ! こんなに出されたらホントに妊娠しちゃいますう! ひ、ひ、ひいいいいいいいン! ひああああああああああ!」
 ビクッ、ビクッ、ビクッ、と痙攣してから、沙希子さんが、ゆっくりと後方に倒れた。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
 沙希子さんと僕の荒い息の音が、混じり合う。
 二人して仰向けのまま体を重ねながら――僕の肉棒はまだ勃起を維持し、沙希子さんの膣内になおも突き刺さったままだった。
「はぁ、はぁ、はぁ……ああああン……あ……あんなに出したのに、まだ元気なんてぇ……あううン、大樹さんのおちんぽ、なんてすごいのぉ……」
「沙希子さんのここが気持ち良すぎるからですよ……」
 僕は、そう言って、下から腰を動かし始めた。
「ひうっ! うあ、あああっ……ま、待ってください……! あううっ! そこ、そこ、イったばかりですごく敏感なのお……あっ、あうううっ!」
 悲鳴を上げながらも、沙希子さんは、きちんと体が動かず、逃げることもできない様子だ。
「沙希子さん……沙希子さんっ……!」
 全身に沙希子さんのしっかりとした重さを――存在を感じながら、僕は、さらにペニスを突き上げる。
 結合部から、僕の精液と沙希子さんの愛液が混じり合った液が溢れ出ているのを、感じる。
「ひうっ、うあ、うあああああっ! ダ、ダメ、ダメぇ〜! ああああああ! またイク! イキますうっ! あっあっあっあっあっあっ! いいいいい、イクぅうううううううううううううううッ!」
 ギューッと沙希子さんの蜜壷が締まり、絶頂にビクビクと震える。
 それを、ペニス全体で感じながら、僕はなおも抽送を続けた。
「んひっ! ひ、ひいいいいいいン! お、おか、おかしくなっちゃううっ! ひいっ、ひいいいっ、んひ! イ、イ、イキすぎておかしくなっちゃうのぉ〜! あああああ、イっちゃうううううううううーッ!」
 沙希子さんが、さらなる絶頂を迎え、僕の上で体をくねらせる。
 僕は、しっかりと沙希子さんの腰を抱え、なおもペニスを出し入れした。
「あああああー! あぁイク! あぁイクゥ! あぁイクううッ! お、おまんこ、おまんこイキっぱなしですう! んひッ! ひーッ! いひいいいいいいぃぃー!」
 仰向けになっても豊かな張りを誇るその巨乳をゆさゆさと揺らし、髪を振り乱して、沙希子さんが悶える。
 僕は、込み上げてくる激しい快感に歯を食い縛りながら、最後のスパートをかけた。
「おあああああああ! ひ、ひいいっ、ひぎいいいいい! ひ、ひぐ、ひぐうううううッ! お、おおお、おああああ! あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
 ぶびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅ!
 断末魔を思わせる絶叫を上げる沙希子さんの体内に、僕は、スペルマを迸らせた。
「い、いいいいいい、いぐううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううーッ!」
 がくんがくんがくんがくん、と、沙希子さんの体が、まるで電流でも流されたみたいに震える。
「あ、あああ……はへ……はへぇ……あ、あ、あっ……ンあああぁぁぁ……ン」
 そして、沙希子さんは、気を失ったのか、がっくりと体を弛緩させた。
 それとほぼ同時に、僕も、最後の体力を使い果たしたかのように、気を遠くしてしまう。
 僕は、沙希子さんの体を抱き締めたまま、ねっとりとした淫らな眠りの闇の中に、身を沈ませていった……。



 呆れたことに、目を覚ました時、僕は、まだ沙希子さんの膣内に肉棒を収めたままだった。
 最後の体位のまま、横向きになって、沙希子さんと繋がっていたのだ。いわゆる背面側位の形である。
 要するに、僕は、沙希子さんの体を抱き枕にして、眠りこけていたらしい。
 そして――これは、沙希子さんがサキュバスだからなのか、それとも、僕が親父の血を引く底抜けのスケベだからなのか、判断がつかないのだが――夢の中でなおも沙希子さんと体を重ねた僕は、彼女の膣内に、何度か夢精をしてしまったのである。




あとがき

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