アマイクスリ



第十章



「毒原先生……」
 男は、切羽詰まった表情で、毒原に詰め寄った。
「頼む……。危険は承知の上だ。けして、先生に迷惑はかけない」
「――私が言いたいのはですね、あなた達には、そもそもそんなものは必要無いのではないかということですよ」
 そう言う毒原の顔に、嘲るような笑みが浮かんでいるように、男には見える。
「君にはこの悩みは分からん……!」
 吐き捨てるように、男は言った。
「妻は、私に満足していない……。私には分かるのだ。あれを……あの体を、夫として満足させられない屈辱……君のような男に分かるものか……!」
「しかし、そのようなことで奥さんの気持ちがあなたから離れることはないでしょう」
「そんなことを言っているのではないっ!」
 男が、血走った目を剥き、唾を飛ばす。
「私は、夫として、男として、あれを満足させねばならないのだ。気持ちだの心だのというものは、何の価値も無い! それは、君が常日頃言っていることじゃないか!」
「そこまで過激なことを主張しているつもりはないのですがねぇ……」
 言葉の後の毒原の溜め息が、男には、ひどくわざとらしいもののように感じられた。
「なあ、頼む……! 金なら惜しまない! 仕事上の便宜だっていくらでも図る! 私がこの地方でどれだけの地位にあるかは君も知っているだろう?」
「分かってますよ。ただ、富も名誉も得たあなたがそれほど必死になるだけの価値が、私の薬にありますかねぇ」
 今度ははっきりと皮肉を込めて、毒原は笑った。
「つ……つまらぬ自慢めいたことを言ったのは謝る」
「いえ、それには及びませんよ」
 毒原が、どこか面白がっているような口調で言う。
「なあ……私は知ってるんだよ……君の薬が、どれほど素晴らしい力を持っているか……どれほどの快楽を女に与えるのか……それを見せつけながら私に我慢しろというのは、酷じゃないか……!」
 男の幼稚な物言いに、毒原は、再び溜め息をついた。
「そこまでおっしゃるなら、処方しないでもないですがね……」
「本当か!?」
 男が、喜悦と言うにはいささか歪んだ表情を、その顔に浮かべる。
「しかしですね……私の薬は、用法用量を誤れば致命的なことになる。もし、奥さんが薬の効果で快楽の虜になった後、あなたの身に何かあったらどうされます? あの美しい奥さんは、今は気付いていない不満を抱えて余生を過ごすようになりますよ」
 毒原の無礼な物言いに、男は、怒るどころか、不気味な笑みを口元に浮かべた。
「その時は……君がいるじゃないか」
「私が?」
 毒原が、さすがに驚愕の表情を浮かべる。
 そのような顔をこの中年医師にさせたことがよほど嬉しかったのか、男は、しばし、声を上げて笑った。
「ククク……ククククク……クヒヒヒヒヒ……」
「錦小路さん……?」
「ヒヒヒヒヒ……知っているんだぞ……誰だってそうだ……あれを前にして、あれに恋をしない男はいない……ヒハハ……ハハハハハハ……!」
「…………」
「そして、私も、妻を――静音を、愛しているんだ」
 男が、病んだ獣のように喘ぎながら、歯を剥き出しにして笑う。
「静音が、あの素晴らしい体を満足させるのなら、相手などどうでもいい。君に任せるよ。それだけじゃない。あの館にいる女全員て――そう、全員だ――君に、進呈しようじゃないか。私が死んだらな!」
「……用法用量は必ず守ってくださいよ」
 毒原は、自らの言葉がけして守られないであろうことを予感しながら、そう言った。



 それが、もはや数年前のことである。



 小暗い部屋の中に、汗と、体液と、淫靡な香の匂いが漂っている。
 大きな部屋の中央の、天蓋付きのベッド――毒原は、その上で、仰向けになっていた。
 毒原の下腹部では、その巨根が、年齢を感じさせない急角度で屹立している。
 絢華と静音は、そんな毒原のペニスに、大きく張り詰めた腹部を左右から押し当て、擦り付けていた。
 その体形を見れば、二人が、すでに妊娠していることは明らかだ。
 毒原は全裸で、絢華は白の、静音は黒のガーターストッキングのみを身に纏っている。
「んくっ、あ、あふぅン……ご主人様のオチンポ……す、素敵ですわぁ……んんっ、んふぅ……」
「ハァ、ハァ、んく、わ、私……お腹でこするだけでイってしまいそうですぅ……あううン……」
 静音と絢華が、甘い声を上げながら、毒原の肉棒に奉仕する。
 それを、ベッドを囲む十人以上のメイド達が、頬を赤らめ、瞳を潤ませながら、見つめていた。
 メイド達は、両手に持った銀の盆の上に、ある者は飲み物を、ある者はタオルを、ある者はバイブやローターなどの性具を乗せている。
 メイド達のうちの何人かは、絢華や静音同様に、ぽっこりと腹部を膨らませている者もいる。もちろん、腹の中の子供の父親は、ベッドの上で美しい妊婦母娘の腹ズリを堪能している醜い肥満漢だ。
「あっ、あううっ、んく、はふぅ……ああ、ご主人様ぁ……好き、大好きです……愛してますわぁ……はふ、はふぅ……!」
「私も、私もぉ……ハァ、ハァ、お母様に負けないくらい、愛してますのぉ……! んくっ、んふうっ、んふうぅン……!」
 静音と絢華が、媚びるように言いながら、息を合わせてペニスを擦り上げる。
 肉棒の先端からは、ドプドプと大量の腺液が溢れ続け、天然の潤滑液となって母娘の腹部をヌラつかせていた。
「むふふっ、も、もう出そうですよ」
 はちきれそうな腹をペニスに擦り付ける美しい母娘のヒップを両手で撫で回しながら、毒原が口元をだらしなく緩める。
「あふぅン、出して、出してください、ご主人様……ハァハァ、あ、絢華に、ご主人様のミルクかけてください……! んくっ、んふぅ〜ん」
「んあっ、あはぁン、ああ、ダメぇ……わたくしも、もうイキそうですのぉ……! んふぅ、ご主人様のザーメンミルクでイかせてください!」
 絢華と静音が、体の動きを大きくして、毒原の肉棒を追い詰めていく。
「うぐぐ……い、いきますよ……二人とも、しっかり受け止めてくださいね……うぐっ!」
「あううっ!」
「きゃううン!」
 ドビュッ! ドビュッ! と迸る精液を浴びて、母娘が嬌声を上げる。
「あああっ、イキます、イキますわぁ! ああああっ、イクぅっ!」
「あっ、あああっ、絢華も、絢華もイキますう! あっ、ああぁーっ!」
 静音と絢華が、互いの手をしっかりと握って、ヒクヒクと体を痙攣させる。
 それを、周囲のメイド達は、憧憬と羨望の瞳で見つめていた。
「ふう、ふう、ふう……とっても良かったですよ、二人とも……」
 そう言いながら、毒原は、絢華と静音の尻を、しつこく撫で続けた。
「あはぁン……赤ちゃんのお部屋まで、ご主人様のザーメン、染み込んでいきそうですわ……」
 腹に大量にへばり付いた白濁液を指先で塗り伸ばしながら、静音が、うっとりとした口調で言う。
「おやおや、それじゃあ、生まれる前から母親みたいにザーメン中毒になってしまうかもしれないですねぇ」
「ああン、ひどいですわ、ご主人様ったら……」
 そう言いながらも、静音は、淫蕩な笑みを浮かべた唇を、毒原の唇に重ねた。
「んむっ、ちゅぶ、ちゅぶぶ……んふ、んふぅ……んちゅ、ご主人様ぁ……ちゅぶぶ……」
「あ、あの、ご主人様ぁ……私の赤ちゃんは、ご主人様のミルク、直に飲みたがってるみたいですのぉ」
 濃厚なキスを続ける母親に対抗するように、絢華が、そんなことを言いながら毒原の肉棒を扱く。
「んむむ、ぷはっ……ふふふ、今イったばかりなのにもうチンポが欲しいんですか?」
 そう言う毒原のペニスは、すでに勃起を回復させている。
「ハ、ハイ、欲しいんですの……絢華の、どうしようもなく淫乱な妊娠マンコに、ご主人様の男らしいオチンポを突っ込んで、あ、赤ちゃんのいる子宮に、ドロドロザーメンミルクを注いでください……!」
 興奮に声を上ずらせながら、絢華が、毒原におねだりする。
「ああ、ずるいわ、絢華ったら……私もオマンコしてほしいのに……!」
 静音が、その熟れた美貌に似合わない幼い嫉妬の表情を浮かべ、毒原の体にたわわな乳房を擦り付ける。
「お、お願いです、先に、わたくしにセックスしてください……! ハァ、ハァ、わたくし、ご主人様のオチンポに、オマンコで精一杯ご奉仕致しますわ……!」
「ああっ、そんな、駄目よ、お母様! 私が先にお願いしましたのよ……!」
 絢華が、毒原の巨根を、ギュッと握り締める。
「くっ……わたくしの方が、ご主人様には先に奴隷としてお仕えしてるのよ、絢華……娘なら少しは遠慮なさい!」
「そんな……! ず、ずるいですわ! 昨夜だってお母様の方が先に――!」
「まあまあ、ケンカはやめてください」
 毒原が、ニヤニヤと笑いながら、二人に言う。
「静音さん、今回は絢華さんに譲ってあげたらどうです? その後で、失神するまでイかせてあげますから……」
「えっ……? し、失神って、そんな……んっ、ゴクッ……」
 静音が、顔を赤くしながら、はしたなく生唾を飲み込む。
「わ、分かりましたわ、ご主人様……。絢華、ひどいことを言ってごめんなさいね」
 静音が、しばし、母親の顔に戻って絢華に言う。
「いえ……私こそ……大きな声を出して申し訳ありませんでした……お母様……」
「ククク……では、仲直りのキスをしてください」
 毒原が、さも当然のように二人に告げる。
「えっ……?」
「お、お母様と……?」
「そうですよ。さあ……」
「…………」
「…………」
 これまで、絢華と静音は、互いを含めて、同性と唇を触れ合わせたことなどない。
 二人は、しばし戸惑っていたが、先に絢華の方が、瞳を閉じて唇を差し出した。
 静音が、上体を起こし、絢華の唇に唇を寄せる。
「ん……んちゅ……ちゅぷっ……」
「ちゅぶ……んむむ、んちゅっ……んふ、んふン……」
 二人がその唇を重ねた時、メイド達が甘い溜め息をつく。
 最初はためらいがちだった二人だが、すぐに、舌を絡め、官能的なキスに移行した。
「ああ、素晴らしいですよ……では、絢華さん、お母様とキスをしたままオマンコにチンポを入れてみてください」
「んちゅっ……わ、分かりましたわ……んちゅ、ちゅぶっ……ん、んんんっ……」
 絢華が、静音とキスを続けながら、その身重な体で毒原の腰を跨ぐ。
 そして、すでにたっぷりと蜜を含んでいる秘唇に肉棒の先端を宛てがい、ゆっくりとヒップを落としていった。
「んむっ、んふ、んふぅ……んん、んんんっ……んちゅ、ちゅぶぶ、んふ、んふぅ……!」
 悩ましげな息が、重なった唇と唇の間から漏れる。
「おおお……相変わらず吸い付くようなオマンコですね……。ふひひ、では、静音さんは、クンニしてあげますから、私の顔に跨がってください」
「んちゅ、ちゅぱっ……ああン、ご主人様にオマンコなめなめしていただけるなんて……んふ、う、嬉しいですわ……!」
 静音が、満面に喜色を浮かべながら、いそいそと毒原の顔を左右の膝の間に挟む。
「あ、あの、重いと思いますけど、堪忍してくださいね……」
「大丈夫ですよ。さあ、その素晴らしいデカ尻を私の顔に押し付けてください……むぐっ!」
 言われるまま、静音が、その股間を毒原の口元に落とす。
「んっ、んほっ、ぶふふ、ぶほっ……じゅるる、じゅぶぶっ! ぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅ!」
 静音の尻を下から抱えながら、毒原が、餌にありついた豚のようにクンニリングスを始める。
「あっ、あううっ、あぁン……! あああ、すごい……んふぅ、か、感じますわぁ……あああン!」
 静音が、唇を半開きにしながら喘ぎ声を漏らす。
 その悩ましい声に誘われたように、毒原は、下から腰を使いだした。
「あうっ! ん、んあっ、あはぁ……! あああっ、あふぅ……! き、気持ちいいぃ……っ!」
 肉棒で膣奥を突き上げられ、絢華が、あからさまな快楽の声を上げる。
「あっ、あうっ、、んく、あふぅ! あああ、すごいぃ! んぐ、し、子宮に響いてますのぉ! あン! あああン! あン!」
「あうっ、んく、あ、あはぁ! だめぇ……オ、オマンコ、とろけちゃいそうですわぁ〜! あ、あああ、あひ、あはぁ〜ン!」
 部屋の中に、絢華と静音の嬌声が響く。
 そのあまりの悩ましさと、目の前に繰り広げられている光景の卑猥さに、メイド達は、もじもじと太腿の内側を擦り合わせた。
「ハァ、ハァ、あああン……! あ、絢華さん、感じてばかりでは駄目よ……んっ、んくぅ……きちんと、オマンコでご主人様にご奉仕なさらないと……あっ、あくぅ……!」
 喘ぎ声の合間に、静音が、牝奴隷としての心得を説く。
「んふぅ、ハ、ハイ、お母様……んっ、んくっ……ああ、ご主人様……絢華の淫乱妊婦マンコで感じてください……! んくっ、んふ、んふぅ……!」
 絢華が、クネクネといやらしく腰を動かし始める。
「ぶぷっ! うほ、うほほっ、すごいですよ、絢華さんっ……! うほおおおっ……!」
 絢華の巧みな腰使いに、毒原は驚嘆の声を上げた。
「ぶふ、ぶふう、こ、これは負けてられませんね……んじゅじゅっ、じゅるるる、じゅばじゅばじゅばじゅば……!」
 毒原が、腰を突き上げながら、中断していたクンニを再開する。
「ひうっ! うっ、うああああああッ! あひ、あひぃ〜! すごいぃいいいいぃ〜!」
 肉襞を舐めしゃぶられ、勃起した陰核を吸われ、さらには膣口を分厚い舌でほじくられて、静音が歓喜の声を上げる。
「うぶぶっ、ちゅぶ、じゅぶぶぶっ、ぐびぐびっ……ぶふふふふ、静音さんのマン汁、とてもスケベな味がしますよ……じゅるるるっ! チンポがますます元気になってしまいますねえ」
 その言葉を証明するように、絢華の膣内の肉棒に、さらなる熱い血液が集まっていく。
「うぐうっ! う、あああっ! す、すご、すごぉ……! ふ、膨らんでる! 膨らんでるうっ! あへ、あへえっ!」
 内側から蜜壷を圧迫され、絢華が、白い喉を反らして悶える。
 毒原は、そんな絢華を、下から容赦なく責め続けた。
「うぐっ! お、おあああっ! 響くぅ! ひ、響きますのぉ! おっ、おほおおおお! し、子宮に響くうぅ〜!」
「あああっ、絢華さん、しっかりなさって! ハァ、ハァ、んぐ、ご奉仕を忘れてはいけませんわ! あっ、あうううっ!」
 自らも快感で我を忘れそうになりながら、静音が絢華を励ます。
「んひ、んひぃ! ああ、お母様ぁ……! あっ、あううっ、うぐ……んあっ、あはぁっ!」
 絢華が、口元から涎を垂らしながら、前に倒れかかる。
 そんな娘の体を、静音は、しっかりと抱きとめた。
 絢華と静音が、まるでチークダンスでも踊っているかのように、毒原の上で上体を寄せ合う。
「んああああ、あひ、あひぃ! イ、イキそうっ! イキそうですわぁ! あ、あああっ! イク、イクう! んぐぐ、妊娠マンコイキますうっ!」
「ふひひ……イってもいいですが、その後も奉仕が続けられますかねぇ」
 意地悪くそう言いながら、毒原は腰を使い続ける。
「んううっ、そ、そんな……! あぅ、あうっ、んひぃ! あああ、私、ど、どうしたらいいのぉ……? んぐっ、んひいいい!」
 今、絶頂を迎えたら意識を飛ばしてしまうであろうことを自覚している絢華が、懸命に腰を使いながら、美しい髪を振り乱して身悶える。
「あっ、あああっ、あひ、あひぃ……! お、お母様ぁ……あ、絢華、もうダメぇ……!」
「ハァ、ハァ、絢華さん、頑張って……うっ、うくぅ……! あなたのオマンコで、ご主人様を最後までお導きするのよ……!」
「ハ、ハイっ……! うくっ、う、うああっ! はひ、はひぃ、ん、んぐっ、あううううっ!」
 絢華が、静音に体を支えられながら、どうにか腰を動かし続ける。
 絢華の動きに合わせてその巨乳が揺れ、先端の陥没乳首から滲み出た乳粘液が雫となって飛び散る。
「ああ……お嬢様、がんばって……! ハァハァ……」
「んく……わ、私達も、応援してますわ……ん、んんんっ、んく、あふぅ……!」
 メイド達が、口々に言いながら、片手で盆を支え、もう片方の手で自らの乳房や股間をまさぐっている。
 そんな狂った風景の中、絢華は、グリグリと腰をグラインドさせた。
「うおおおおお、か、絡み付いてっ……うひひっ、で、出る、出るっ!」
 毒原が、不気味な喜悦の声を上げ、その巨体をのけ反らせる。
「んあっ、あふ、あふぅ……! ど、どうぞ、お出しになってください……! あっ、あああっ、あひぃ! ご主人様の赤ちゃんのいる、あ、絢華の子宮にぃ! んひぃ! ザーメンミルク出してくださいぃ……あううううっ!」
 絢華の肉襞がザワザワと蠢き、まるで無数の舌で舐め上げているような刺激を、毒原のペニスにもたらす。
「ぶほほほほほ! で、出るうううッ!」
 毒原は、ひときわ深く肉棒を絢華に挿入し、そのまま射精した。
「あへええええええええ! あっ、ああああ! イグうううううううううううぅぅぅぅぅぅーッ!」
 ビューッ! ビューッ! と激しい勢いで迸るザーメンを子宮に感じ、絢華が、舌を突き出し、白目を剥く。
「お、おああああああ! あひ! あひい! イグっ! イグっ! イグっ! イグっ! ぐひいいいいいいいいいいいい!」
 灼熱の精液を胎内に撒き散らされ、絢華は、断続的に絶頂を極めた。
 ビクビクッ、ビクビクッ、としばらく痙攣を繰り返していたその身重の体が、まるで、糸の切れた操り人形のようにがっくりと倒れ込む。
 それを、静音は、再び優しく抱きとめた。
「あううううっ……あ、あへ……んああ……は……あへぇ……」
「ああ……絢華さん……立派でしたわ……」
 だらしないアクメ顔をさらした絢華の長い黒髪を、静音が、慈しむように撫でる。
「ふう、ふう、ふう……本当に、素晴らしい娘さんです……」
「ありがとうございます、ご主人様……わたくしの自慢の娘ですの……」
 嬉しげにそう言ってから――静音が、口元に淫靡な笑みを浮かべる。
「こんな娘をご主人様に捧げることができて……わたくし、とても誇らしい気分ですわ……」
「ふふふふふ……では、ご褒美に、絢華さんの産まれてきた穴に、たっぷりとザーメンを注いであげますよ……約束どおり、失神するまでね……」
「ああっ、ご、ご主人様ぁ……」
 まだ毒原の口元に押し当てられていた静音の秘唇が、どぷっ、と大量の淫蜜を溢れさせた……。



「ふううぅぅ……」
 就寝前の一時……一人、自室のソファーに身を沈めた毒原は、太い吐息をついた。
「あのような奥さんが相手では、錦小路さんがあんな亡くなり方をしたのも無理は無いですねぇ……。まあ、腹上死は、男の理想的な死に方の一つでしょうが……」
 この館の誰にも見せたことのないような複雑な笑みを浮かべながら、毒原は、樹脂製のボトルに入った錠剤を、ザラザラとその左手の上に出した。
「しかし、彼が静音さんを満足させることができていたかどうかは、いささか疑問ですね……。焦りのあまり用量を誤ったようですが……私は気を付けないと……」
 まるで、言葉に出すことで自分自身の注意を喚起するように、毒原が呟く。
「いや……この薬を服み続けているということは、すでに、私も中毒になってるのかもしれませんが……」
 毒原が、自嘲気味の笑みを浮かべる。
「しかし、皆さんが幸せになるためには、これが最高の方法ですからね……」
 いささか言い訳じみた口調で呟いてから、毒原は、貪るように左手の上の錠剤を口に含み、水差しからコップに注いだ大量の水で飲み干した。
 館に住む十数人の女性たちに等しく快楽を与えるための、最低限の量――それは、毒原が計算した危険量ギリギリだった。
 毒原の怪物じみた性欲と精力の源となる、甘い薬。
 この館に満ちる淫靡な快楽は、その量と、そして毒原のもともとの体力の上の、微妙なバランスの上に成り立っている。
 だが、この状況は、全て、毒原が自ら望んだものだ。
「脳という臓器は快楽を生み出す……その機能の効果を最大化するために私は努力し……その果実を味わっている……」
 毒原の巨体が、柔らかなソファーの中にさらに沈んでいく。
「私は、幸せ者だ……」
 実感を込めてそう言って、毒原は瞳を閉じた。
 しばしの睡眠の後には、また、あの美しく可愛らしい女達を犯しまくる一日が始まる。
 そのことを期待するように、眠りに落ちた毒原の肉棒は、ズボンの中で窮屈そうに勃起していた……。




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