第六章
その日の翌日も、毒原は、錦小路家に滞在した。
「……お帰りなさい、絢華さん」
玄関ホールで自らを出迎えた母親を見て、絢華は、思わず息を飲んだ。
今日の静音は、和服ではなく、洋服を着ている。それも、胸の谷間が見て取れるほどに襟元の大きく開いた、紫色のドレスだ。
「…………」
絢華は、その扇情的な服装について何も言わず、そして、挨拶すら返さずに、館の奥へと向かった。
視界の端で、悲しそうな顔を作る母の髪が、わずかに乱れているように、思える。
それがどうしてなのか、あえて考えないようにしながら、絢華は、自室に入り、普段着に着替えた。
耐えることができたのは、夕食が終わるまでだった。
自らの部屋で、学校の課題を机の上に広げたが、全く手が付かない。
下腹部が、重苦しくも甘い痛みに、疼いている。
そして、脳裏に、厚かましく食卓に同席していた毒原の顔が浮かんだ。
「うっ……」
胸郭の中で、心臓が、苦しいほどに跳ねる。
手元に、あのピンク色の糖衣錠は、無い。
「お、お薬を……」
思わず、口に出して呟いてから、絢華は赤面した。
(これでは、完全に中毒患者ですわ……自分からお薬を求めたりしたら、毒原先生の思う壷になってしまう……)
そう思いながらも、いつの間にか、絢華は廊下に出ていた。
そして、覚束無い足取りで、毒原に宛てがわれた客間へと歩いていく。
(違うわ……これは違いますの……私は、毒原先生のしたことに抗議して……それから、然るべき筋に告発することを伝えるために……)
自分でも信じているかどうか分からないことを言い訳にしながら、絢華は、毒原の部屋の前に立ち、重厚な造りのドアをノックした。
「――どうぞ」
落ち着いた毒原の声が、響く。
絢華は、我知らず歯を食いしばりながら、部屋の中に入った。
「おや、絢華さんでしたか」
わざとらしい口調で、部屋の中央にあるソファーに座った毒原が言う。
「…………」
絢華は、戸惑いを覚えていた。
目の前にいるのは、自らの貞操を奪った、憎むべき男――なのに、その脂ぎった顔を見ると、なぜか頬が熱くなってしまうのだ。
「どうしました、絢華さん。顔が真っ赤ですよ」
毒原が、そう言いながら、ポケットから銀色の薬包を取り出した。
「もしかして、これを取りに来たんですか?」
「ち、違います!」
反射的に、絢華は声を上げてしまう。
「わ、私は、その……毒原先生のされたことに、こ、抗議するために……」
そんなふうに言いつつ、絢華は、自らの言い分の破綻に気付いた。
もし、毒原の罪を問うのであれば、本人に言う必要はない。例えば警察にでも告げればいいのだ。
にもかかわらず、ここに来たということは――
「そうですか。もう、絢華さんはこの薬が要らないんですね」
そう言いながら、毒原は、その太い指で薬包からピンク色の糖衣錠を押し出した。
「ならば、これは私が飲むことにしましょう。日中、ずっと静音さんのお相手をさせていただいたんですが、さすがに少し疲れが溜まりましてね」
今も精気がこぼれ落ちそうなほどな顔をしておきながら、ぬけぬけと毒原が言う。
そして、毒原は、ぱくりと糖衣錠を口に入れた。
「あっ!」
絢華が、悲鳴のような驚きの声を上げる。
「おや、どうかしましたか? もうこの薬は必要ないんでしょう?」
そう言ってから、毒原は、軟体動物じみたその長大な舌を出した。
不気味な唾液にぬめる舌の腹に、ピンク色の糖衣錠が乗っている。
「あ、あの……でも、それは……んくっ……」
絢華は、無意識のうちに、ぎゅっと脚の付け根を寄せた。
そうしてから、覚束無い足取りで、ふらふらと毒原に近付く。
自分が何をしようとしているのか、絢華に分からない。
だが、ひらひらと動いている毒原の舌の上に、自らが求めて止まない薬があることは、確かだった。
「はあぁ……」
熱い吐息をつきながら、絢華が、ソファーに座ったままの毒原の体に、体をかぶせるようにする。
絢華は、指を触れさせる気にもなれなかったはずの毒原の両肩に、左右の手をそれぞれ置いていた。
毒原が、会心の笑みを浮かべながら、口内に舌を引っ込めようとする。
「んあっ、ま、待って……!」
絢華は、はしたなく口を開け、毒原の舌に吸い付いてしまった。
自然と、絢華と毒原の唇が重なる。
「んっ、んちゅ、ちゅぶ……んん、んんんっ……」
毒原の舌を吸い立て、錠剤を奪う。
堅く小さな感触が自らの口の中に移ったことに安堵してから、絢華は、自らがファーストキスを毒原に捧げてしまったことに気付いた。
「んっ、んんんっ、んぐ……!」
絢華が、手を突っ張って毒原から離れようとする。
だが、毒原は、その太い両腕で逆に絢華を引き寄せた。
「んぐ、んふぅ……んんっ? んぶっ、んうううっ!」
体を仰向けに倒されるような形で抱き締められた上、唾液を口内に流し込まれて、絢華が、塞がれた唇からくぐもった悲鳴を上げる。
構わず、毒原は、絢華の口の中に、ドロリ、ドロリと、粘度の高い涎を注ぎ入れた。
「んっ、んううっ、んく……うっ、うぐ……ゴクリ……」
絢華は、目尻に涙を滲ませながら、甘い錠剤とともに毒原の唾液を飲み込んでしまう。
毒原は、絢華の体を抱えたまま、ようやく唇を離した。
「ぷはっ……! ハァ、ハァ、ハァ……ふ、不潔ッ……!」
反射的に頬を張ろうとする絢華の右手を、毒原が押さえ付ける。
「親切でしてあげたのに、ご挨拶ですねぇ。水無しで薬を飲むと、喉の中をケガしたりするんですよ?」
「だ、だからって、あんなこと……う、うぐっ……」
胸元から迫り上がる嘔吐感に、絢華はえづいてしまう。
だが、それを上回る何か熱いものが下腹部から湧き起こり、瞬く間に絢華の神経を支配した。
「んく……う、うあっ……ああ、ま、また、こんな……んくぅ……」
まるで、体の奥底で半ば眠っていた大蛇が、完全に目を覚まし、鎌首をもたげたような感覚。
絢華は、毒原の腕の中で身をよじりながら、その滑らかな頬を徐々に上気させていった。
「んあ、んくぅ……こ、こんな麻薬で……ふぅふぅ、わ、私を中毒にさせるなんて……うくぅ……」
「おやおや、自分で飲んでおいてそれは無いでしょう?」
絢華の変化を観察しながら、毒原が、余裕ありげな顔で言う。
「それに、あの薬は、いわゆる麻薬などではありませんよ。生理学的には全くリスクのない薬品です」
そう言いながら、毒原は、絢華の豊かな乳房を、服の上から軽く撫でた。
「ひうっ!」
「クク……この素晴らしい体を壊してしまっては元も子もありませんからね……まあ、いずれ、ますます私好みの体になってもらいますが……」
毒原が、にやけた笑みを浮かべながら、絢華の胸をまさぐり続ける。
「んああっ……や、やめてくださいっ……!」
身をよじって逃れようとする絢華だが、乳房から全身へと広がる痺れるような官能に、うまく四肢が動かない。
結局、絢華は、ソファーに座る毒原の膝の上に、横向きに座るような格好になってしまった。
毒原が、左腕一本で絢華の肩を抱き、右手で左右の乳房を弄ぶ。
ブラジャーの中で、乳首が堅くしこっていくのを、絢華は感じていた。
「んふ……んああっ……やめて……いや……いやです……! あ、あふ……もう触らないでっ……!」
もはや絢華は、喘ぎ混じりの声で抗議するのが精一杯という状態だ。
と、不意に、毒原が、絢華の胸から右手を離した。
「なるほど、触られるのはお嫌ですか……。では、逆に触ってもらいましょうかね」
毒原が、ズボンのファスナーを降ろし、男根を露わにする。
「ひっ……!」
自分の右の太腿のすぐそばに現れたグロテスクな肉塊を見て、絢華は短い悲鳴を上げた。
毒原のペニスはすでに勃起し、亀頭は赤黒く膨れ上がっている。
と、毒原は、ボコボコと血管の浮いた肉竿を、絢華の右手を取って無理やり握らせた。
「あうううっ! イ、イヤっ!」
「ふふ……もうこんなになってしまいましたよ……」
毒原が、絢華の右手を半ば無理やりに上下に動かし、自らの肉幹を扱かせる。
「う、ううっ……イヤ……不潔……不潔ですわ……ううう……」
目尻に涙を浮かべながらも、なぜか、絢華は、毒原に強要されるまま、手淫を行ってしまう。
「ふふ……さあ、もっと強く握って……今日一晩で、これの扱いのイロハを覚えていただきますからねぇ」
「そんなことっ……! あっ、イ、イヤ! 手の中で、また膨らんで……あ、あううっ……!」
声を震わせながらも、絢華は、左右は逆だが自動車のサイドブレーキを引くような姿勢で、毒原の剛直を扱き続けた。
毒原が、ご褒美とばかりに、絢華の胸を愛撫し、たまらない快楽を与える。
「うあっ、あ、あはぁン……ああ、どうして……ハァハァ、どうしてこんなことに……んっ、んくっ、あふぅ……!」
絢華が、次第に瞳を虚ろにしながら、喘ぎ声を漏らす。
そのたおやかな手の中で、毒原の肉棒が、自らの存在を誇示するように、ビクン、ビクンと脈打っている。
「どうですか? 私のチンポは」
絢華の耳たぶに口を寄せ、毒原が尋ねる。
「ど、どうって……んっ、んあっ……い、言えませんわ、そんなこと……」
「言うんです……ほら……」
絢華の言葉を催促するように、毒原が張りのある乳房を激しく揉みしだく。
「あ、あううっ、ハァハァ……んああ……だ、駄目です……んっ、んくぅ……!」
切ないほどに高まる快楽が、絢華の理性を摩耗させていく。
「さあ、言いなさい……私のチンポはどんな感じですか……?」
「あうう……そ、それは……んっ、んくっ……あの……あ、あ、熱くって……んっ、んふぅ……それに、すごく堅いですの……んふ、んっ、んうう、んふぅ……」
「これが、絢華さんの処女を奪ったんですよ……ククク……」
「んああっ……こ、これが、私を……あっ、あふぅ……んんんっ……こ、こんな大きいものが入ったなんて……んっ、んくっ……し、信じられない……あううっ……」
処女を奪われた時の苦痛と屈辱――そして快感を、絢華は思い出す。
(ああ、これが……これが、私を、あんなふうにしたんですのね……そして、お母様も……)
自分も、母も、この肉器官によって体を支配され、淫らな嬌声を上げ――そして、快楽に打ち震えた。
これが――このペニスが――私たち母娘を――
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
いつしか絢華は、息を弾ませながら、積極的に毒原の肉棒を扱いていた。
鈴口から透明な腺液が溢れ、絢華の手を濡らして、その動きをますます滑らかなものにしていく。
「あ、あああっ……す、すごい……んくっ……んっ、んんん、あふぅ……」
自らの手の中で、震え、脈打つペニスに熱い視線を注ぎながら、絢華は、なおも手を動かした。
「ふぅふぅ、いいですよ、絢華さん……さあ、次は、手を捻るようにして私のチンポを刺激してください」
「あううっ、そ、そんな……んく、んふぅ……」
言われるままに、絢華は、毒原の肉棒をクニクニと撫でさする。
「うくっ、そうです……はぁはぁ、もっと、手の平で亀頭を磨くように……ううっ……」
絢華の手がもたらす快感に、毒原は、満足げな呻きを漏らした。
「お、おおお……その調子ですよ……うひ、うひひ、さすがに飲み込みが早いですねぇ……くうう……!」
ペニスの先端がヒクつき、鈴口から、どぷっ、どぷっ、とカウパー氏腺液が溢れ出る。
「ううう、そ、そろそろですよ……! さあ、ギュッと握って、上下に扱いてっ……!」
「ああっ、ハ、ハイ……!」
絢華は、思わず返事をしてから、毒原の肉幹を握り締め、激しく扱き立てた。
「おほおっ! お、おおおっ、う、うぐぐ、たまらんっ……さあ、で、出ますよ! ぐおおっ!」
「キャッ!」
信じられないほどの勢いで迸ったスペルマが、高く飛んで絢華の服に降りかかる。
毒原は、二度、三度と、ペニスを律動させて、射精を繰り返した。
「あ、あああぁぁ……こ、これ……んっ、あうぅ……」
自らの手の平にベットリと付着した濃厚な精液を見つめながら、絢華は、唇を震わせる。
「ふう、ふう、ふう……ふひひ、射精のプロセスはしっかり覚えましたね?」
毒原が、上気したままの絢華の顔を覗き込みながら、訊いた。
「あ、あうぅ……」
返事とも呻きともつかない声が、絢華の口元から漏れる。
「次のレッスン……といきたいところですが、絢華さんの体は火照ってしょうがないようですねえ。私をイかせてくれたお返しに、今度は絢華さんをイかせてあげましょう」
そう言って、毒原は、絢華の太腿に手をかけて、その体を抱え上げた。
「イ、イヤっ!」
幼女が野外で放尿をさせられているような姿勢に、絢華が悲鳴を上げる。
毒原は、勃起を保ったままの肉棒の先端を、絢華の股間に下から押し付けた。
「ふひひ……下着がジットリと湿ってますよ? 私のチンポが射精するのを見て興奮しましたか?」
そんなことを言いながら、毒原が、不埒な欲望を漲らせた亀頭を、ショーツ越しに絢華の秘唇に擦り付ける。
「あううっ、こ、こ、興奮なんて、するわけありませんわっ……! あ、イヤっ、お、下ろしてくださいっ……!」
絢華が、毒原に持ち上げられたまま、体をよじる。
だが、毒原は、構う事なく、その堅く強ばった牡器官で、薄い布地に隠された秘裂を刺激し続けた。
シルクのショーツのクロッチ部分に、淫らな染みが広がっていく。
「あうっ、んく、あふぅ……あああ、ダメ、ダメですの……んあっ、あぁン……! こ、こんなの、こんなのダメぇ……ふぅふぅ……」
絢華が、唇を半開きにして喘ぎながら、次第に体の力を抜いていく。
その瑞々しく滑らかな肌は淡いピンクに染まり、瞳は、隠しようのない欲情に潤んでいた。
「クックック、パンティーの中で、絢華さんのオマンコが熱く火照っているのを感じますよ……」
「あああ……い、言わないで……あっ、あふぅ……恥ずかしいですのぉ……あうっ、んふぅ……」
もはや、毒原の言葉を否定するだけの気力すら失い、絢華が、イヤイヤと首を振る。
「さあ、自分でパンティーをずらして、私のチンポをオマンコに入れてください」
「そ、そんな……ハァハァ、そんなふしだらなこと、できません……! んくぅ……」
「そうですか? ふふ、いつまで我慢できますかねぇ」
すでに勝ち誇ったような笑みを浮かべながら、毒原が、肉棒の先端をぐいぐいと絢華の秘部に押し付ける。
繊細なデザインの布地とともに、ペニスの先が、絢華の膣口に浅く潜り込んだ。
「あううっ……あっ、あはぁ、く、食い込んでるぅ……んううっ、うく、あふぅ……!」
「ほら、もどかしいでしょう? 私は両手がふさがっているので、その邪魔な布切れは自分で何とかしてください」
「あああっ、で、でも、でもぉ……あ、あううっ、うく……あ、あはぁ……」
絢華が、その両手を、自らの胸元で躊躇うようにさ迷わせる。
「はっ、はふっ、う、ううう……ダメ、ダメですわ……はぁはぁ……言いなりになってはダメぇ……ん、んんんっ……」
絢華が、虚ろな瞳を宙に向け、自分に言い聞かせるように呟く。
毒原は、絢華の体を上下に揺すり、なおも肉棒をクレヴァスに食い込ませた。
「うっ、うああっ、あく……んく、んふぅ、あううぅ……あ、ああっ、あっ、あっ、あっ……!」
甘く疼く秘部を中途半端に刺激され、絢華が、息を荒くする。
「あ……あああああっ……」
そして、とうとう、絢華は右手を下半身に伸ばし、自らショーツの股布を横にずらしてしまった。
露わになった靡肉は淡く綻び、挿入を求めるようにおののいている。
毒原は、勃起したままの肉棒で、果蜜にまみれたその部分を、なおもヌルヌルと嬲った。
「うくっ、う、うああっ……ああ、そんな……んうっ、も、もう、これ以上焦らさないでくださいっ……!」
マゾヒスティックな声音でそう叫んで、絢華が、その白い指を毒原のペニスに絡めた。
そして、自らの肉穴に、先端部分を導く。
膣口の粘膜が待ち侘びたように亀頭部分を包み込んだところで、毒原は、一気に腰を突き上げた。
「ひぐううううううううう!」
期待していた以上の刺激で全身を貫かれ、絢華がそのしなやかな体を弓なりにそらす。
そして、絢華は、毒原の巨根を膣壷で咥え込んだまま、間欠的に全身を震わせた。
「あ、あうううう……ん、んぐっ……ハァ、ハア、ハァ、ハァ……んふぅ……」
「ふふ、軽くイったようですねぇ。マンコの肉が嬉しそうにピクピクしてますよ」
「んあああっ……は、恥ずかしい、ですわ……あううン……」
震える唇から漏れる声は、どこか媚びるような響きを帯びている。
毒原は、絢華の太腿から手を離し、自らの腰を後ろ向きに跨ぐような格好を取らせた。
そして、絢華の腰を引き寄せ、結合をより深いものにする。
「んくうっ……あ、あふ、んあ……あああっ……」
「さあ、絢華さん、自分で腰を動かしてください」
「あうぅン……そ、そんなはしたないこと、できませんわ……はぁはぁ……」
「今更、何を言ってるんですか」
毒原が、絢華を促すように、腰を下から動かす。
「あっ、あうっ、んああっ……あ、あうう……!」
毒原のその動きを誘い水にして、絢華は、背面座位の姿勢のまま、ぎこちなくヒップを動かし始めた。
「あっ、ああっ、あふ……あン、あぁン……ああ、私、な、な、何てはしたないことを……んあ、あんふぅ……」
嘆くようなことを言いながらも、絢華は、腰を揺らし続ける。
その動きは、徐々にコツをつかんでいるかのように、次第に滑らかなものになっていった。
「うあっ、んく、あ、あふ、んううっ……あああ、ダメぇ……あふ、あふっ、んふぅ……」
「ふふ、絢華さんは、こういうことにかけても優等生ですねえ」
そんなことを言いながら、毒原が、服の中に手を突っ込み、ブラジャーをずらして、直に乳房に触れる。
その指先は、いつの間にか、正体不明の透明な軟膏のようなものにまみれていた。
毒原の太い指が、その軟膏を、絢華の胸の先に塗り込む。
「ひあっ、あ、あはぁ……な、何ですの……? はぁはぁ、何を塗ってるんですのぉ……?」
絢華が、喘ぎの合間に、やや不安げな声を上げる。
「ふふふ……内緒ですよ、絢華さん」
そう言ってから、毒原が、絢華の耳朶をその軟体動物のような舌で舐め回す。
「ひややっ! あ、あふ、んふぅ……あああ、ダメですわ……はっ、はふっ、んああ、あ、ダメぇ……!」
甘い声を漏らしながら、絢華が、クネクネと腰を動かし続ける。
毒原は、瑞々しい果肉の感触をペニス全体で堪能しながら、絢華の双乳を両手で捏ね回した。
「んくっ、んふ、あふぅ……あっ、あぁ〜ン! ハァ、ハァ、あはぁ、あっ、あうううっ……き、気持ちイイぃ……!」
乳房が――特に、謎の軟膏を塗られた乳頭部分が、じんじんと疼く。
それは、まるで、外に現れていない陥没乳首が、乳房の中で自己を主張しているような感覚だった。
「うっ、うああっ、あひ、ひいいっ……! あ、ああっ、わ、私、おかしくなってしまいますわっ……! うあっ、あ、あはああっ……!」
「ふひ、ふひひ、さあ、どんどんおかしくなってください、絢華さん……!」
毒原が、絢華の胸の先端を、引っ掻くように刺激する。
「あひっ、んひぃーっ! あああっ、ダ、ダメ! ダメですわぁ! あ、あああっ、そこ、ダメぇ〜っ!」
豊かな乳房の中に隠れた最も敏感な部分に直接触れてもらえないもどかしさに、絢華は、激しく体をくねらせた。
「おおおっ、襞が絡み付いて……た、たまらんっ!」
毒原が、鼻息を荒くしながら、自らも本格的に腰を使い始める。
「ひぐっ! うっ、うあああっ! そ、そんなにされたらぁ! あっ、あひ、ひいいい! お、お腹、突き抜けちゃうう! くひいいいいン!」
毒原のペニスの動きのあまりの激しさに、絢華は、甘い悲鳴を上げた。
構わず、毒原がさらにピストンを速める。
「んあっ、あああああッ! あっ、ダメ! あ、ああっ、ダメ、ダメぇ! んぐ、んぐう! うあ、あっ、あああ、あはああああッ!」
毒原の膝に両手をつくような姿勢で、絢華も腰の動きを激しくする。
いつしか、二人は息を合わせて腰を使い、粘膜同士を摩擦させて、快楽を貪るようになっていた。
「んひっ! あひいいいっ! あっ、あああっ! ヘ、ヘンになるぅ! んうっ、あふぅ! お、お、おひい! あああ、あっ、あはああああああ!」
「クックック……絢華さんのラブジュースでヌルヌルになった私のチンポが、すごい勢いでマンコに出入してますよ……!」
「うっ、うくぅ! あ、あひ、あひ! 見ないでぇ! そ、そんなとこ、見ないでくださいっ! ンあっ、あ、あああっ、あひ、んひいいいいいいっ!」
温められた蜂蜜のように熱く甘い快楽に全身を満たされながらも、絢華が、羞恥の叫びを上げる。
だが、その腰は、なおも淫らに動き、毒原と絢華の双方を絶頂へと追い込んでいた。
「うぐっ、わ、私としたことが……で、出ますよ! 出ますよ、絢華さんっ! ぐおおおおおおおおおッ!」
獣じみた咆哮を上げながら、毒原が、最後のスパートをかける。
そして、毒原は、絢華の巨乳に、まるで握り潰さんばかりに指を食い込ませ、その人差し指を陥没した乳首に突き刺した。
「くひぃいいいいいいいいいいいいいいいいい! いっ、いひぃ! いぐぅううううううううううううううううううううううううう!」
部屋中に響くような絶叫を放ち、絢華が、背中を反り返らせる。
強烈なアクメに達した令嬢の膣奥に、毒原は、大量の精液を迸らせた。
「ひあああああ! あっ、あひい! また、またいっちゃううっ! あっ、あうううっ! ンああああああああああああああああああ!」
子宮の入口に灼熱したザーメンを浴び、絢華が、さらなる絶頂へと舞い上げられる。
そんな絢華の胎内に、毒原は、粘つく精液の弾丸をさらに撃ち込んだ。
「んああああっ! あうっ! あひ、あひいい! ダメ! ダメですのぉ! あ、あはあああああ! お、おか、おかしくなるぅうううううう!」
深々と指を挿入された乳房と、なおも精液を注ぎこまれている肉壷が共鳴し、さらなる快楽が湧き起こる。
正気と理性が蒸発し、ただ、肉体だけが、強烈過ぎる快楽に対してビクビクと痙攣の反応を示す。
「あ……あああぁぁぁ……あ、あ、あは……んあぁ……はへぇ……」
知性も気品もまるで感じられない、だらしのないアヘ顔を晒しながら、絢華は、ぐったりと全身を弛緩させた。
まだ下半身でつながったまま、絢華が、毒腹の胸にもたれかかる。
毒原は、そんな絢華の顔を半ば強引に振り向かせた。
「んあああぁぁ……」
涎を垂れ流したまま、されるがままになっている絢華の唇に、毒原が唇を重ねる。
まるで、母親の乳首を求める乳児のような無心さで、絢華は、毒原の舌に吸い付いた。
「んっ、んむっ、ちゅぶ……えはぁ……あむっ、ちゅ、ちゅぶぶっ……んちゅ、んちゅうっ……」
はしたなくチュバチュバと音をたてながら、絢華が、毒原の舌や唇を吸いたてる。
毒原は、快楽の余韻に上気したままの絢華の顔中にキスを繰り返し、その滑らかな肌を舐め回した。
「んあっ、はぷっ、んあ、あはぁ……ああン……先生、くすぐったいですわぁ……あふぅン……」
甘えるような口調で、絢華が言う。
「ふふ、どうです? 気持ちよかったでしょう?」
「ハ、ハイ……とても……素敵で……幸せな気持ちでしたの……はあぁ……」
とろんとした瞳のまま、絢華が、うわ言のような口調で答える。
「ククク……絢華さんを幸せにしたのは、私のチンポです。そして、私のチンポも、とっても幸せでしたよ……」
「ああ……毒原先生の……チ……チンポ、も……?」
はにかむような表情になりながらも、完全に理性を麻痺させた状態の絢華が、卑猥な言葉を口にする。
「ええ……私のチンポの幸せが、絢華さんの幸せです……覚えましたね……?」
「ハ……ハイ……毒原先生の、チンポの幸せが……私の幸せ……あふぅ……覚えましたわ……」
正気の時の彼女が聞いたら卒倒するような言葉を、絢華が、うっとりとした表情で繰り返す。
「ふひひ……では、また一緒に幸せになりましょう……!」
毒原が、今のやり取りですっかり回復した肉棒を、絢華の膣奥に突き入れる。
「ンひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
高い歓喜の嬌声が、部屋に響いた。