アマイクスリ



第四章



「キャッ……!」
 シーツの上に仰向けに押し倒され、ディスプレイの中の静音が悲鳴を上げた。
「さて……」
 静音の体に跨がりながら、毒原が、左手で自らの懐からハサミを取り出す。
「ああっ……な、何をなさるの……?」
「安心してください。静音さんの柔肌に傷を付けるつもりはありませんよ」
 そう言って、毒原は、縄で卑猥に絞り出された左右の乳房の間の、下よりの部分の体操服の布地に、縦に切れ目を付けた。
「くく……とりあえずは、これで良し、と……」
 毒原が、ハサミをいったん仕舞い、左手を勃起したままのペニスに添えた。
 そして、体操服に空いた穴から、静音の胸の狭間に、唾液に濡れたままの肉棒を挿入する。
「ああっ……」
 変態的な形で胸を犯される屈辱と、乳房に触れる男根の感触に、静音が声を上げる。
 毒原は、その左手を静音の両方の乳房の上に置き、中央に寄せるようにした。
「ふふ……素晴らしいボリュームですね」
 まろやかな乳圧を肉棒に感じながら、毒原は腰を使い出した。
「ううっ……こ、こんな……ひどい……」
 かつて、絢華に母乳を与えた神聖なはずの部位を、まるで女性器のように犯され、静音が声を震わせる。
「くふぅ……たまりませんよ……ムチムチして、まるで私のモノに吸い付くようだ……」
 緊縛された上に、静音にはやや小さい体操服に包まれたその乳房が、毒原のペニスにほどよい圧迫感をもたらしている。
 毒原は、ピストン運動を続けながら、静音の乳首の辺りを左手で撫でさすった。
「あっ、あうっ、んく……ああっ、やめて……」
 切なげな声を上げる静音の乳首が、体操服の白い布地にくっきりと浮き上がる。
 毒原は、その敏感な突起を、指先でクリクリと刺激した。
「あふ、んふぅ……あっ、あっ、いけません……! そ、そんな……んあっ、あふ、んくぅ……!」
「静音さんも、これが気に入ったようですね」
「そ、そんな……あ、ああっ、あふ……嫌です……い、い、嫌ぁ……あ、ああっ、あふ……んぐぐっ……!」
 艶っぽい喘ぎが漏れるのを防ごうと、静音が、そのぽってりとした唇を噛み締める。
 だが、その表情は、ますます毒原の劣情をかき立てたようだった。
「ふひ、ふひっ、これだけでは足りないようですね」
 毒原が、アングルを調節しながら、ビデオカメラをサイドボードの上に置いた。
 白衣のままペニスを剥き出しにした中年男が、美貌の母を犯す様を、絢華は、別の角度から見せつけられる。
「あ、ああっ!」
 静音が、縄に戒められた体をのけ反らせ、うろたえたような声を上げた。毒原がその両手で静音の双乳を鷲掴みにしたのだ。
「こうやって、きちんと刺激してもらわないと物足りないということですね。よく分かりました」
「ち、違います……んく、んううっ! んあ、あっ、あは、あああああっ!」
 その豊かな胸をグニグニと揉みしだかれ、静音が、あられもない声を漏らす。
 毒原は、舌なめずりをしながら、その両手と肉棒で美しい未亡人の巨乳を責め立てた。
「あっ、あうっ、うく……あ、ああぁン! い、いけません……ふぅふぅ、お、おやめになってぇ……んあ、ああぁン!」
 静音の懇願が、次第に、甘い喘ぎ声の中に埋没していく。
 毒原は、静音の乳房を捏ね回しながら、徐々に腰の動きを激しくしていった。
「あふっ、んふぅ! あ、ああぁン! こ、こんな……こんなこと、許されませんわ……あっ、あぁん! あっ、あっ、あふ、あはぁン!」
「くく……そろそろ素直になったらいかがです? こちらは、よほど正直ですよ」
 そう言って、毒原は、服の上からでも分かるほどに勃起した乳首を、ギュッと摘まんだ。
「くひいいいいい!」
「ほらほら、こんなに乳首をカチカチにして……」
「あああっ、駄目、駄目ですっ! うっ、うあ、ああぁン! だ、だ、駄目ぇ〜! あひ、ひ、ひあああン!」
 執拗に乳首を責められ、静音が、イヤイヤとかぶりを振る。
 だが、その顔ははっきりと紅潮し、形のいい眉は悩ましげにたわんでいた。
「ふうう、ふうう、あー、たまりませんよ、静音さん……くく、まさにオッパイマンコと呼ぶにふさわしい胸ですね」
 両手で静音の胸をギュッと中央に寄せ、親指で乳首を嬲りながら、毒原が腰を使い続ける。
「あ、あくぅ、んっ、んううううっ……! んあっ、あ、ああっ、あふ……あっ! ああン! あく! あああっ!」
「ううっ、もう出ますよ、静音さん……うぐ……ううううっ!」
 毒原が、胸の狭間に大量の精液を迸らせる。
「ひあああああっ! あっ、熱いっ! 熱いいいぃーっ!」
 よほど乳房が敏感になっていたのか、静音は、毒原が放ったザーメンの温度に高い悲鳴を上げた。
「あ、ああああああっ……あく……あ、あっ、あうっ……あひいいぃ……!」
 ひくっ、ひくっ、ひくっ、と静音の体が痙攣する。
(そ……そんな……お母様……まさか……まさか……)
 すでに、学校内での自涜行為で何度も絶頂を味わった絢華には、母が、今の変態的な行為で軽いアクメに達したことが分かった。
 その口元はだらしなく開き、瞳は熱く潤んでいる。
 体操服の胸元に広がる精液の染みは、静音の痴態を、さらに淫らに演出していた。
 毒原は、そんな静音の様子を、満足げに見下ろしている。
「くっくっく……では、最後の仕上げといきましょうか」
 そんなことを言いつつ、毒原が、静音の胸の谷間から肉棒を抜いた。
 そして、毒原は、未だ放心している静音の体に寄り添うような姿勢になり、臙脂色のブルマーに覆われたその秘部に、太い指を這わせた。
「あうっ……あ、ああぁっ……!」
「ふひひ、愛液でグッショリと濡れてますよ、静音さん……」
 毒原の指摘どおり、静音のはくブルマーの股間部分には、色濃い染みが浮かんでいる。
 毒原は、そこを、指先でグリグリと無遠慮に刺激した。
「あ、ああっ……! い、嫌です……あううっ……んあ、あああっ……!」
 静音が、縄で戒められたままのその豊満な体をよじる。
 だが、その様は、湧き起こる快感にただ悶えているだけのようにも見えた。
「いい表情ですねぇ……」
 下卑た笑みを浮かべてから、毒原が、静音の口を唇で塞ぐ。
「んむっ! んっ、んふ、んふぅ……んちゅ、ちゅぶ……ちゅぷ……んふっ、んふぅ……ちゅぶ、ちゅぶぶっ……!」
 静音は、毒原のキスに対し、ほとんど抗う素振りを見せない。
 それどころか、鼻から悩ましい息を漏らし、差し込まれる毒原の舌に、舌を絡めさえした。
「んちゅっ、ちゅぶ、ちゅぷっ、んちゅうっ……ちゅぱっ……ハァハァ、ああ、もうわたくし……わたくしっ……あううン!」
 ブルマーの上からしつこく秘部をまさぐられ、静音が、もどかしげに腰を揺する。
 毒原は、そんな静音を焦らすようにいったん体を離し、そして、懐からまたもやハサミを取り出した。
 そして、しどけなく開かれた静音のムッチリとした脚の間に身を置き、愛液をたっぷりと含んだブルマーの股間部分をつまみ上げる。
「あ、あああっ……」
 観念したような吐息を漏らす静音の秘唇を、毒原は、ブルマーに縦の切れ込みを入れることで露わにした。
 静音は、ブルマーの下に何も身に着けていない。
「おやおや、下の口はもう自分で垂らした涎でムレムレですよ」
「い、いやぁ……」
 羞恥に顔を真っ赤に染め、静音が視線を逸らす。
 毒原は、再びビデオカメラを手にしてから、屹立しっぱなしの肉棒の先端を、静音のクレヴァスに浅く潜らせた。
「んあ、ああぁっ……」
 静音が、ヒクヒクとその熟れた体をおののかせる。
 だが、毒原は、それ以上、自らのペニスを進ませることはせず、膨れ上がった亀頭で、クチュクチュと静音の膣口の辺りを刺激した。
「ひっ、ひううっ、んあ……あっ、あっ、そんな……ああっ、駄目ぇ……」
「おや、駄目ですか、それでは抜きましょう」
 毒原が、笑いをこらえるような声で言って、腰を引く。
「あっ、ま、待って……」
 静音が、慌てたように言いながらヒップを動かす様が、ビデオカメラによって記録され、ディスプレイを通じて絢華にもたらされる。
「何を待つんです? あのまま、チンポを入れてほしかったんですか?」
 毒原は、その剛直の先で静音の秘部をつつきながら、意地悪く言った。
「んあっ、ハァハァ、そ、それは……あ、あはっ、んふ……あ、ああぁン……!」
 ペニスを浅く挿入されては抜かれるということを繰り返され、静音が、クネクネと身をよじる。
 その紅い秘裂からはとめどなく蜜が溢れ、膣口は、亀頭を咥え込もうとするかのように、パクパクと開閉していた。
「んふ、んふぅ……んああっ……! ああ、もう許して……許してください……あっ、あふぅ、んくっ……! んああ、あっ、あふ、はひぃン……!」
 悲鳴のような声を上げる静音の雌芯を、毒原は、なおもペニスで嬲り続ける。
「何をどう許してほしいんですか? きちんと言わないと分かりませんよ」
 毒原は、そう言いながら、浅ましく血管を浮かせたペニスを上下に振り、静音の女陰をペシペシと叩いた。
 愛液が雫になって飛び散る様に、絢華は、ハァハァと息を荒くしてしまう。
「あひ、あひぃ……んううっ、もう、もう駄目ですのぉ……フゥフゥ、んく、んああ……もう我慢できませんのっ……! あっ、あうっ!」
「だから、何が我慢できないのか言ってください」
「あっ、あふぅ……ん、んっ……い……入れて……はぁはぁ、入れてほしいんですの……あ、ああっ……!」
「何を、どこにです?」
 毒原は、肉棒を秘裂になすり付けながら、なおも静音を言葉で追い詰めていく。
「んひ、んひぃン……ああっ、そ、それは……んふ……オ、オチ……ああっ、オチンポですっ……!」
 火を吹きそうなほどに顔を赤くしながら、静音が卑猥な言葉を口にする。
「ぶ、毒原先生の……オ、オチ、オチンポっ……ハァハァ、静音の……オマ、オマ、オマンコに……入れて、くださいっ……!」
(お……お母様……)
 母の言葉に唇を震わせながら、絢華は、その白い手を、ぐっしょりと濡れたショーツの内側に差し込んでいた。
「はぁはぁ……い、言いました……言いましたわ……んふ、んふぅ、早く……お願いです、早くわたくしに……ふぅふぅ……」
「いや、まだ駄目ですね」
「そ、そんな、どうして……!?」
 静音が、絶望的な声を上げる。
「今日は、もう少し先に行っていただきますよ、静音さん……くっくっく……」
 不快な含み笑いを漏らしながら、毒原が静音にのしかかり、その貝殻のような耳たぶに何事かを囁く。
「そ、そんな……そんなこと……!」
「ふふふ、無理強いはしませんよ。あくまで自発的に誓ってください」
 そんなことを言いながらも、毒原はその巨体を起こし、肉棒による女陰嬲りを再開する。
「ううっ、んっ、んああっ……あ、あひ、あひぃ……あああ、そんなっ……あっ、あっ! わ、わたくし、わたくし、どうすればいいのぉ……んひ、んひいいぃ!」
 左右に首を振り、その美しい黒髪を乱しながら、静音が悶える。
 その秘部からはますます愛液が溢れ、シーツには、まるで静音が失禁でもしたかのような染みが広がった。
「は、はひっ、んひ、ひぃひぃ……うあああっ、も、もう、もう駄目……本当に駄目ぇ……うあ、あ、あっ、あはあああ……!」
 臙脂色のブルマーに包まれた魅惑的なヒップが、肉棒を何とか受け入れようと卑猥に踊る。
 スピーカーから漏れる母の声を聞きながら、絢華は、自らのスリットに指を沈ませ、自涜の快感を貪っていた。
「んああ、あ、あひ、あひぃ……うっ、ううっ! んあ、あ、あああっ……うく、くっ、うぐ……ひ、ひいいいいい!」
「さあ、どうするんです? 静音さん……私は、こうしているだけでも充分に楽しいんですけどねぇ」
「うああっ、ひ、ひどい……ひどすぎますわ……あ、あぁん! こ、こんな……は、はひ、はひぃ! うああ……あ、あうっ、あああっ!」
 恨みのこもった声が、切羽詰まった喘ぎに埋没していく。
「ほらほら……あのことを誓えば、これは、静音さんのものになるんですよ?」
 毒原が、愛蜜と先汁にまみれた亀頭部で、すでに包皮から露出している静音のクリトリスをグリグリと刺激する。
「ひぃいいいい! あっ、ああっ、こ、これが……わたくしのものに……?」
 静音が、まるで理性を感じさせない声で、毒原の言葉を繰り返す。
「そうです。このチンポで、静音さんのスケベなオマンコを、この先ずっと可愛がってあげますよ?」
「んあ、ひっ、んひぃ! こ、この先ずっと……おっ、おほぉン! は、はひ、はひ、んひぃ!」
 口元から涎を垂れ流しにしながら、静音がビデオカメラのレンズを――いや、毒原の顔を、見つめている。
「さあ、静音さん、どうします? 誓いますか?」
「あああ……あっ、あっ……んひぃ……! ち、ち……誓い、ますわぁ……ああああああっ……!」
 羞恥と諦念、そして何よりも淫欲にまみれた声で、静音が言う。
「ふひひっ、きちんと、私が言ったとおりの言葉で誓ってください」
 興奮に声を上ずらせながら、毒原が促す。
「は、はひぃ……し、静音は……はぁはぁ、静音は、毒原様の……んっ、んくっ、ど、奴隷にっ……! うっ、うあっ、肉便器奴隷になることを誓いますっ……!」
「お、お母様……!」
 どぷっ、と大量の愛液が画面の中の静音の秘唇から溢れ――そして、絢華のクレヴァスも、同じように愛液を溢れさせる。
「ふうふう、いいです、いいですよ、静音さん。今、その奴隷マンコにご褒美を上げましょう……!」
 毒原は、ヌラヌラと濡れ光る肉棒の先端をおののく膣口に当て、一気に腰を進ませた。
「うぐ……! お、おほおおおおおおお! イ、イキます! イキますのぉ! イ、イクぅうううううーッ!」
 極限まで焦らされていた膣内を長大な肉幹で満たされ、静音が、絶頂の声を上げる。
「お、おおおっ……! わ、私もいきますよ……うっ、うおっ!」
 一瞬遅れて、毒原が、入れたばかりの膣内に精液をぶちまける。
「ひっ! ひいいいいっ! あ、あっ、あううっ! 出てる、出てるぅ! うあ、あ、あ、あああああ! イク! イク! イク! イクぅううううう!」
 子宮口に熱いスペルマを浴びながら、静音は、立て続けに絶頂を極めた。
 蜜壷が、ビクビクと痙攣しながら、毒原のシャフトをきつく食い締める。
「ふうふうふう……うひひひひ、失礼しました。感激のあまり、もう出してしまいましたよ」
 悪びれる様子もなく言いながら、毒原は、射精直後にもかかわらず堅いままのペニスを、ゆっくりと動かしだした。
「うあっ、あ、あひ、あひぃ……あああ、ら、らめぇ……今は動かさないれぇ……あ、あひっ! んひぃ!」
 いったばかりで敏感になっている膣内をカリで擦られ、静音が声を上げる。
「駄目ですよ。静音さんは、私の肉便器奴隷なんですからねぇ。私の思うとおりに、ザーメンを排泄させてもらいますよ」
「うあっ、そ、そんなぁ……んひ、んひぃ、あ、あっ……! あひ、あひっ、くひぃ!」
 マゾの愉悦に濡れた声を上げながら、静音が、汗に濡れたその肢体を悶えさせる。
「くく、それに、こんなにキュウキュウとチンポを絞られたら、腰を動かすなというのが無理な話ですよ」
「あっ、ああっ、い、言わないでください……んひ、んひっ! これは……あぁん! これはしかたないんですのぉ……んっ! んあっ、あひ、ひぃン!」
「仕方ないとは、どういうことです?」
 毒原が、そう尋ねながら腰の動きを速くしていく。
「うあっ、うひぃ! あぁん、だって、だってぇ……ひぃひぃ、毒原先生の、オ、オ、オチンポぉ! んああ、き、気持ちよすぎてぇ……あひ、あひぃ!」
「ふひひ、嬉しいことを言ってくれますねぇ。ですが、言葉遣いがなってませんよ!」
 毒原が、その巨根を静音の体内に根元まで打ち込む。
「くひい! うあっ、も、申し訳ありませっ! あひ、あひい!」
「これから、二人きりの時は、私のことはご主人様と呼ぶんです。いいですね?」
 毒原が、その亀頭で、静音の膣奥をドスドスと突きまくる。
「ひっ! ひいい! わ、分かりましたわっ! ご主人様! ご主人様ぁ! あぁン、ご主人様ぁ〜っ!」
 静音が、たっぷりと媚びを含んだ声で、その言葉を繰り返す。
「おお、素晴らしい……静音さんの子宮口が、私のチンポをしゃぶってますよ……うぐぐ、また出そうだ……」
 毒原が、その腰の動きをさらに加速させる。
「うあっ! あひ、あひぃー! 響く、響くぅ! うっ、うああっ! お、お腹にぃ……うぐ、んぐうっ! あ、あひ、あひぃ!」
「あー、出ますよ、出ますよっ! うっ、うおおっ!」
「あひいいいいいいいぃー!」
 再び膣内に射精され、静音が、息を合わせたように絶頂に達する。
「うああ、イク、イクううううう! あひ、ひ、ひぐううう! うああ、い、いっ、いひぃ! イグぅううううううううー!」
 断末魔を思わせる声を上げながら、静音は、全身をガクガクと震わせた。
 毒原が、肉棒を膣内に収めたまま、はぁはぁと息を整える。
「ぐふっ、ぐふふっ……静音さんのマンコ、最高ですよ……ふうふう、いけばいくほど、私のチンポに絡み付いてきます」
「うあっ、あ、あはぁ……ご主人様のオチンポもぉ……ハァハァ……さ、最高ですわぁ……んふぅン……」
「ぐひひ、そんなふうに言われると、また元気になってしまいますよ」
 その言葉どおり、毒原のペニスは、静音の肉壷の中で、萎える間もなくさらに膨張した。
「おあっ、お、おほぉ……! あああ、す、すごいぃ……ま、まだ大きくなるなんてぇ……す、素敵ぃ……」
 静音が、うっとりとした声を上げながら、毒原の勃起を味わうように、クネクネと腰を動かす。
「くくく、では、抜かずの三発目といきましょうか……」
 毒原は、サイドボードの上に、再びビデオカメラを置いてから、仰向けの静音の体を、下半身でつながったまま両腕で抱え起こした。
「あうっ! んあ、ひゃひぃン!」
 嬌声を上げる静音の体を抱き締めながら、ベッドの上に胡座をかき、対面座位の形になる。
 未だ両腕を後ろ手に緊縛されたままの静音は、愛しげに毒原の胸に体を預けかながら、そのムンとした色気を漂わせる両脚を、毒原の腰に絡み付かせた。
「あぁ……ご主人様ぁ……」
 静音が、まるでキスをねだるように、唇を半開きにして、毒原の顔に顔を寄せる。
「おやおや、すっかり甘えん坊になってしまいましたねぇ」
「あぁん、だってぇ……はぁはぁ、こ、こんなすごいオチンポを入れられたらぁ……んふぅ、お、女なら、誰だってこうなりますわぁ……」
「そうですかねぇ。私には、静音さんがとびきり淫乱だからとしか思えないんですが」
「あ、あぁん、ひどいですわ、ご主人様ぁ……んうぅン……」
 そう言いながら、静音が、突き出た乳房を毒原の体に擦り付けるように、身をよじる。
「だってそうでしょう? あんなに立派なご主人がいらしたのに、私にそんなアヘ顔を晒して……天国のご主人が見たら何と言いますかねぇ?」
「ああっ……お、お願いですわ……あの人のことはおっしゃらないで……」
 さすがに、静音が悲しげに眉をたわめる。
 哀愁に満ちたその表情に興奮し、豚のように鼻息を荒くしながら、毒原は、静音の唇にむしゃぶりついた。
「んぶっ、ちゅ、ちゅぶぶっ……んあぁ、ご主人様ぁ……んちゅ、ちゅむっ、ちゅぶ、ちゅぶっ……!」
 まるで、脳裏に浮かんだ亡き夫の面影を打ち消そうとするかのように、静音が積極的に毒原のキスに応える。
 毒原は、たっぷりと静音の唇の感覚を堪能しながら、その巨乳をムニムニと揉んだ。
「んふ、んふぅン……ちゅぶ、ちゅぶっ……あっ、あふぅ……んああああっ! あっ、あっ、き、気持ちいいですわぁ……あ、あん、あぁ〜ん!」
 甘い声を上げながら、静音が、自ら腰を使いだす。
「おおお……チンポがとろけそうですよ……ふうふう、もっと腰を動かしてください」
「あぁん、わ、分かりましたわぁ……んふ、んふっ、はぁはぁ……静音、心を込めて、ご主人様のオチンポに、オマンコでご奉仕致します……はふ、はっ、んふ、はふぅン……!」
 静音が、縦に、横にと腰をグラインドさせ、その膣肉で毒原の剛直を刺激する。
「ううっ、す、すごい……ふうふう、静音さんには肉奴隷の才能があったようですねぇ」
「んふ、あふぅ……そ、そんなことありませんわっ……うっ、ううっ、んく……あぁン!」
 恥じらうようなことを言いながらも、静音の卑猥な腰の動きは止まらない。
「くく、私からこれだけザーメンを搾り取っておいて、今さら上品ぶっても説得力無いですよ」
 そう言いながら、毒原は、ぐいぐいと下から肉棒を突き上げた。
「んあっ! あうっ! んお、おほぉ! あ、あああ、す、すごいぃ! あううっ! お、奥に……子宮に食い込むぅ! んほおおおお!」
 静音が、口元から涎を垂らしながら、喜悦の声を上げる。
「あっ、あひい! ひい! ひいい! うあああ、オチンポ! ご主人様のオチンポすごすぎぃ! んあ、あっ、あへああああ!」
「どうです? 私の奴隷になってよかったでしょう?」
「はい! はいっ! あっ、あああっ! し、静音、ご主人様のオチンポにお仕えできて幸せですわぁ〜ン! あひぃいいいい〜!」
 白い喉を反らし、髪を振り乱しながら、静音が身悶える。
「あ、あひ、あひぃン! イ、イク、イクぅ! わたくし、わたくしまたイってしまいますのぉ! んひいいいい! イ、イ、イクうぅ〜!」
「だめですよ、静音さん。私が出すまで、いくのは禁止です」
「んひい! そ、そ、そんな、無理っ! 無理ですわっ! うあああ、あひ、くひいいいい!」
「奴隷のくせに主人の言うことがきけないんですか?」
 毒原が、すっかり勃起した静音の両乳首を、服の上からつねり上げる。
「キヒィイイイイイイイイイイイ!」
「ほら、ほらっ! いきたかったら、まず私のチンポをいかせるんです!」
 毒原が、静音の尻をバウンドさせるように、激しく腰を使う。
「おほ、んほおおおお! わ、分かりましたわっ! あ、あっ、あぐぐっ! はへ、はへ、あああ、早く、早く出してくださいぃ! ひ、ひぐうううううっ!」
「うおおおっ、す、すごい締め付けだっ!」
 毒原は、醜く顔を歪めながら、なおも肉棒を突き上げた。
「うぐ! う、うはあああ! らめ、らめえぇ! ご、ご主人しゃまのチンポ、しゅ、しゅごしゅぎてぇ! お、おほ、おほおおおお! いぐ、いぐぅ! あああああああぁー!」
 壊れた人形のようにガクガクと首を揺らしながら、静音が、懸命にヒップを揺する。
「うぐ、う、ぐおおおおお!」
 獣そのものの声を上げながら、毒原は、不意打ち気味に静音の体内で射精した。
「ぐひいいいいいいい! い、いぐ、いぐうう! いぎますっ! いぎますうっ! い、い、い、いぐうううううううううう! はへええええええええええ!」
 静音が、舌を突き出し、ほとんど白目を剥きながら、絶頂に達する。
 毒原は、静音の子宮口に食い込ませた先端から、さらにビュービューと精液を迸らせた。
「あ、ああああああ! あへっ! あへっ! い、いぐ、いぐう! 子宮いぐううううっ! あ、あああああああ、い、いっぐうううううううううううぅ〜っ!」
 子宮に直接スペルマを注ぎ込まれながら、静音が、立て続けに絶頂を極める。
 そして――画面の中の母親と同時に、絢華も、ひとり絶頂に達していた。
「あ、あああああっ……あ……あああああああっ!」
 スカートに染みができるほどに愛液が溢れ、視界が、チカチカと明滅する無数の星の群に閉ざされる。
 アクメの大波が意識をさらい、そして、その前後の記憶を失わせる――はずだった。
「あ……あああ……あ……んあ……あっ……ひああぁぁ……」
 ひくっ、ひくっ、と絢華の体が痙攣する。
「はああぁぁぁっ……」
 熱い吐息をつきながら、絢華は、ぐったりと全身を弛緩させた。
 快楽の爆発とともに四散していた意識が、ゆっくり、ゆっくり、脳内で再構成される。
 学校で自らを慰めていた時は、絶頂の前後の記憶がすっぽりと抜け落ち、自分が、何を思い出しながらオナニーをしていたのかを忘れていた。
 しかし――今の絢華は、自身が何を目の当たりにしていたのかを、ほんのかすかにではあるが覚えていた。
 そして、自分があの甘い薬を服用した時に、どんな状態に陥ったのかを――
(あの薬は……体の異常を取り除くものなんかではないのだわ……。むしろ……限界まで私をおかしくさせて……それで……それで……)
 それで、自慰行為にまで自らを追い込み、それにより、一時的に性欲を解消させていた……。
 快楽の余韻で意識に膜がかかったようになりながら、絢華は、ようやくそのことに思い至った。
 潔癖症の絢華にとって、自分がオナニーをすることで体の昂ぶりを鎮めていたということは、とうてい認めがたいことだ。それゆえ、最近の自分自身に関する異変の原因を探ろうとする思考にも、無意識のうちにブレーキをかけていた。
 だが、今や絢華は、毒原の人間性のみならず、その処方する薬品にまで、不信感を抱くようになっている。
 とは言え、絢華は、たった今、自分の母親と毒原との不倫と言うも愚かしい痴態を目にしたことは、忘れてしまっていた。
 見ると、パソコンの画面上では、もはや動画再生ソフトのウィンドウは閉じられてしまっている。絢華の知識では、さっきまで再生されていた動画が、まだパソコン内に存在しているのかどうかを確認することさえできないし、そもそも、動画の具体的内容も覚えていない。
 それでも、絢華は、毒原という医師が信用のおけない人物であることだけは、確信していた。
「…………」
 強い決意を持って、絢華は、毒原に先ほど処方された糖衣錠を、全てごみ箱の中に捨てた。
 そして、愛液が染み込んだままひんやりと冷たくなりつつあるショーツをきちんと履き直し、不快感に眉をしかめながら、読書室を出る。
 そして――自らの行いがどれほど浅はかであったかを、絢華は、数日後に思い知らされた。



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