第二章
窓の外の森で、小鳥が楽しげに歌っている。
爽快な朝を迎えながら、絢華は、わずかな違和感を感じていた。
夜中に何かがあったような気がするのだが、それが思い出せないのである。
人に言えないような内容の夢を見たような気もするが、その記憶はどうにも曖昧だ。
心の中に引っ掛かりを感じながら、絢華は、表面上はいつも通りに登校の準備を整えた。
「絢華さん、今朝はお加減よろしくて?」
玄関で、いつもどおり清楚な着物に身を包んだ静音が、そう訊いてくる。
「ええ……まだ、完全に本調子というわけではありませんけど」
「毒原先生がお出しになったお薬はお持ちかしら?」
「はい」
あのピンク色の糖衣錠は、ピルケースに収めて、小物入れの中にしまっている。疲労や体の違和感が続くようだったら、一日一錠を服用するように、との処方だったはずだ。
「ところで、お母様。毒原先生は、昨夜、こちらにお泊まりでしたの?」
ふと、絢華は、心に浮かんだ疑問をそのまま問いにした。
「いいえ。先生は、お夕食の後にお帰りになりましたよ」
かすかに不思議そうな表情を浮かべながら、静音が言う。
絢華自身、なぜそんなことを訊いたのか、自らの意図が分からない。ただ、薬の話題から何となくあの中年医師のことを連想したのだろうと、自分自身を納得させた。
「では、お母様、行って参ります」
「ええ、行ってらっしゃい」
母の普段どおりの笑顔に見送られ、絢華は、扉の前に待つリムジンに乗り込んだ。
「――お嬢様、着きました」
運転手にそう告げられるまで、絢華は、自らの物思いに耽っていた。
見ると、すでにリムジンは学園の前に止まり、運転席から降りた運転手が、後部座席のドアをうやうやしく開けている。
「あ、ありがとう」
やや狼狽気味の声で言いながら、絢華は車を降りた。
自分が、学園に到着するのに気付かなかったことは、まだいい。問題は、それほど深く思索に没頭していたはずなのに、自分が何を考えていたのか忘れていることだった。
(私……どうしてしまったのかしら……? まだ疲れが抜けていないのかも……)
かすかな体の火照りを感じながら、絢華は昇降口へと向かう。
「おはようございます、錦小路さん」
「ええ、おはようございます」
いつもどおり出会った級友と挨拶を交わしながら、絢華は、さざ波のようなかすかな不安を感じていた。
昼が近付くにつれて、体の違和感は、次第にはっきりとした異変となって現れてきた。
体の火照りが顕著になり、心臓の鼓動が速くなっている。
何よりも絢華を戸惑わせたのは、体の奥――下腹部の甘い疼きだった。
(な、何ですの……この感じは……)
ただ椅子の上に座っているだけで、切なさに似た何かが込み上げてくるような感覚。
そして、絢華は、ほとんど授業に集中できないまま、午前中の時間を過ごした。
「錦小路さん、どうしたの?」
昼休みの時間になってすぐ、級友の一人が、絢華に声をかけた。
「顔が赤いわよ。具合でも悪いの?」
「ええ……そのようですわ」
正直に、絢華が答える。
「保健室で少し休んだ方がいいんじゃないかしら」
「ええ……そうですわね。では、失礼させていただきます」
絢華は、そう言って、ゆっくりと席を立った。
「……保健室って言えば、もうすぐ身体測定よね」
絢華に声をかけた女子生徒が、別の女子に話を振る。
「そうよねー。憂鬱だな〜」
「錦小路さんは、スタイルよくていいわよね……。うふ、胸もあるし」
「もう、やだ〜。何言ってるのよぉ」
黄色い声で交わされる級友達の会話に、秘めたるコンプレックスを抉られながら、絢華は、聞こえない振りをして保健室へと向かった。
絢華が、手洗いでピンク色の糖衣錠を服用した後に保健室のドアをくぐると、ちょうど、養護教諭が部屋を出ようとしているところだった。
「あら、錦小路さん、体調が悪いの?」
絢華は、いわゆる保健室の常連ではないが、生徒会長であるため、学園の全ての教員に顔を覚えられている。
「はい……」
そう返事をする絢華の額に、養護教諭が右の手の平を当てた。
ただそれだけのことで、絢華は、心臓をドキリとさせてしまう。
「――確かに、ちょっと熱があるみたいだわ」
「そ、そうですの……? で、では、あの、よろしければ、お昼休みの時間だけでも、ベッドをお借りしたいんですけど……」
「それは構わないんだけど、私、これからお昼を食べに席を外さないといけないの」
「結構ですわ。しばらく横になっていれば回復すると思いますし」
「そう? じゃあ、どうぞ」
養護教諭が部屋を出て行くのを見守ってから、絢華は、ベッドに横になった。
「はぁ……っ」
白い天井を見つめながら、吐息をつく。
熱は、だんだんと高くなっているようだ。下腹部の疼きも強くなっている。
絢華は、ベッドの中で寝返りを繰り返しながら、いつしか、無意識のうちに脚の付け根の内側を擦り合わせていた。
普段の眠気とは違う何かが、絢華を次第に朦朧とさせていく。
(ああ……この感じ……どこかで……)
心の中で封印されていた記憶が、ほどけていく。
夢うつつの中で、絢華の脳裏に甦ったのは――母、静音の痴態だった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
静音が、シーツの上に仰向けに四肢を投げ出し、荒い息をついている。
「ふっふっふ……とてもよかったですよ。静音さん……」
毒原は、そう言いながら、いったん身を起こし、ベッドのヘッドボードに手を付きながら、静音の顔を跨ぐ形で腰を落とした。まるで、和式便所をまたぐような格好だ。
「あ……あぁ……毒原先生……」
「ふふ、そうじゃないでしょう?」
毒原が、精液と愛液にまみれた萎えかけのペニスで、静音の整った顔をピシャリと叩く。
「あっ、あはぁん」
静音は、うっとりとした表情で、マゾの愉悦に満ちた声を上げた。
「ああん、申し訳ございません……ご主人様ぁ……」
ペチペチとなおも自らの顔を打擲する肉棒に、静音が下品なほどに舌を伸ばす。
「えはあぁぁ……はぁはぁ、おひゃぶり、させてくらさい……ごひゅじん様のチンポ、おくひでお掃除いたひますわぁ……んああぁぁ……」
「ふふ、じゃあ、お願いしましょうか」
毒原は、静音の口に自らの牡器官を含ませた。
「んっ、んふっ、んむ……ちゅぷ、んちゅちゅっ……んふ〜ん」
鼻から甘い息を漏らしながら、静音が、その柔らかな唇で、肉竿をぴっちりと締め付ける。
(お母様……いったい……いったい何をなさっているの……?)
毒原の太腿が静音の頭を隠している上、そもそも、絢華の知識には、口で相手の性器を愛撫するという行為は無い。
だが、母がおぞましいまでに淫らなことを毒原の下半身に行っているということは、絢華にも理解できた。
「んむっ、んちゅ、ちゅぷ、ちゅぷぷ……んふ、んふン……ちゅぶ、ちゅぷっ、ちゅぶぶ……んちゅ、んちゅっ」
「おおっ、こ、これは……」
口の中でシャフトに絡み付いてくる舌の感触に、毒原は、思わず腰を使いだす。
「んふっ、んぐ、んむむむ、んちゅぅ……ちゅっ、ちゅぶっ、ちゅぐ……んちゅっ、ちゅぶ、ちゅぶぶ……んぐ、んぐっ……!」
静音が、毒原の巨大な臀部に手を添え、口唇奉仕を続ける。
そして、静音は、いったん肉棒から口を離し、毒原のアナルにまで舌を這わせた。
「んむっ、んちゅ、ぴちゅ、ちゅぷ、ちゅぱっ……れろれろ……ちゅっ、ちゅっ、ちゅううっ……んむ、んはぁ、れろ、れろぉ〜っ」
(あああぁぁぁ……お母様……何て……何て不潔なことをっ……!)
娘の声にならない慟哭など知る由も無く、静音が、男の排泄器官に愛しげにキスを繰り返し、舌先を肛門の奥に差し込む。
その刺激に、毒原の肉棒はすっかり勃起を取り戻し、先端から透明な先汁を溢れさせた。
「ふうふう……うっ、うおおっ、おほぉ……た、たまらんっ……」
毒原が、ヘッドボードに両手で掴み、その股間や尻を、静音の顔にグリグリと押し付ける。
「うぶっ、んぷ、うぶぶ……んはぁ……ちゅぶ、ちゅぶぶっ、ちゅぷ……じゅぶっ、じゅるるっ、ちゅぶ……チュッ、チュッ、チュッ……」
静音は、隷従の表情を浮かべながら、肛門を舌でほじり、陰嚢を口に含み、肉竿を唇でついばんだ。
さらに容積を増したペニスが、毒原の腰の動きに合わせて上下に揺れ、だらしなく突き出た腹をペタペタと叩く。
「んむ、ちゅぶぶ、んはぁ……ご主人様の、とっても逞しいですわぁ……んむ、んむっ、ちゅぶ、ちゅぷぷ……」
崇拝の念すらその瞳に込めて、静音は、毒原の怒張を見つめた。
「くく……よく言いますね。本当は、もっとハメハメしてほしくて、私のチンポをこんなにしたんでしょう?」
「ああん……おっしゃらないでください……」
羞恥に目をそらす静音の仕草が、毒原の言葉を肯定している。
「今さら上品ぶっても遅いですよ。静音さん、自分の立場を忘れたんですか?」
ヌラヌラと唾液に濡れた肉棒で、毒原が、静音の美貌を、ピシャリ、ピシャリと再び叩きだす。
「んあっ、あっ、あうっ、んはあぁ……し、静音は……あうっ、ご、ご主人様の奴隷ですわ……ハァハァ……」
(ど、奴隷ですって……? お母様……気でも狂われたの……?)
日常の生活ではまず使うことのないその単語に、絢華の心臓が胸郭の中で跳ね上がる。
「くく、ただの奴隷じゃないんでしょう?」
「んああっ……お、おっしゃるとおりですわ……し、静音は、は、恥知らずな、チ、チ、チンポ狂いの、い、淫乱奴隷ですのっ……! あふううっ……!」
静音の卑猥なセリフに反応したように、毒原のペニスがヒクヒクと震えた。
毒原のさらなる興奮を誘おうというのか、静音は、さらに言葉を続ける。
「あぁん、私、静音は、ご主人様のチンポに逆らえない、浅ましい肉奴隷ですの……んく、んふぅ、ご主人様にオマンコしていただくことが何よりも大好きな、んふ、んふ、め、牝犬奴隷ですわっ! はふっ、んふ、ふぅふぅふぅ……」
自分自身の言葉に欲情し、静音が息を荒くする。
「素晴らしいですよ、静音さん……では、そのネグリジェを脱いでこれを付けてもらいましょうか」
そう言って、毒原は、静音の上から体をどかし、ベッドのそばにあるサイドボードの上から、奇妙な代物を取り上げた。
「はぁはぁ……うふっ……に、似合うかしら……」
体を起こした静音が、言われるままに全裸になり、毒原に渡されたそれを頭に装着して、はにかんだような笑みを浮かべる。
それは、褐色の犬の耳を模した飾りの付いたカチューシャだった。
「お似合いですよ。ですが、より本物の犬になりきるには、こちらが必要ですな」
そう言って、毒原が、もう一つの器具を手に取り、静音の目の前で軽く振って見せる。
「ああ……っ」
ビー玉ほどの大きさの紫色の球体が棒状に連なり、片方の端に褐色の房がついたそれを見て、静音が、熱い吐息をつく。
そして、静音は、頬を紅潮させながら、毒原に催促される前にベッドの上で四つん這いの姿勢になった。
「くく……分かってるようですね、静音さん」
そう言って、毒原が、静音の後ろに回り込む。
そして、毒原は、棒状の道具をいったんシーツの上に置き、両手で静音の大きなヒップを抱えて、顔を寄せた。
「きゃうっ!」
アヌスに口付けをされて、静音が可愛らしい悲鳴を上げる。
構わず、毒原は、静音の菊門を、その分厚い舌でネロネロと舐めしゃぶった。
「あうっ、うく、あ、あはぁ〜ん……そ、そんな、ご主人様に、そんなところを舐めていただけるなんてぇ……し、幸せぇ〜ン」
静音は、毒原の行為を嫌悪するどころか、甘い喜悦の声を上げた。
「ぢゅぱぢゅぱぢゅぱぢゅぱ……ふふ、すっかり柔らかくほぐれてますよ……きちんと言い付けどおり準備していたんですね?」
「ハ、ハイ……め、牝犬静音は、お、お尻を愛していただきたくて……ハァハァ、ご主人様がいらっしゃる前に、自分で……んふ、お、お、お浣腸、いたしましたっ……!」
自らの恥辱の告白に耳まで真っ赤にしながら、静音は、毒原に犯されたばかりの秘唇から、新たな愛液を垂れ流す。
「ふふ、いい心掛けです」
そう言って、毒原が、紫色の棒の、房の付いていない方の端を、静音の肛門に当てる。
もちろん、絢華には分からなかったが、それは、紛れも無くアナルバイブだった。
「さあ、行きますよ……」
毒原が、角度に注意しながら、アナルバイブを持つ手に力を込める。
「あ、あうっ! んくっ! ひゃ! ひゃうっ!」
ぬるん、ぬるん、と、静音のアヌスが、バイブの球状の部分を一つ一つ飲み込んでいく。
「無理なく飲み込めるようになりましたね……もう少し広がるようになったら、私のチンポをここにブチ込んであげますよ」
「あっ、あっ、そんな、怖いですわぁ……」
その言葉とは裏腹に、静音の声や表情には、隠しようのない期待が滲んでいる。
そして、とうとう、静音の肛門は、奇怪な外観のアナルバイブを根元まで咥え込んでしまった。
「まさに尻尾ですね……これで、静音さんは正真正銘の牝犬ですよ」
そう言って、毒原が、サイドボードの上に置いてあった第三の道具――大型犬用の赤い首輪を、静音の細い首に嵌めた。
「あ、あああっ……ふぅふぅ、う、嬉しいですわぁ……んくぅ〜ン」
静音の口から、主に甘える犬そのものの声が漏れる。
「ふうう、たまりませんよ。さあ、今犯してあげますからね」
毒原が、静音の後ろで膝立ちになり、さっきから勃起しっぱなしのペニスで、クレヴァスに狙いを付ける。
「はぁはぁ……んふぅ、い、いらしてください……ご主人様のぶっといオチンポで、牝犬奴隷のはしたないオマンコ、あ、愛してくださいっ……!」
静音が、フリフリとヒップを振り、アヌスから生えた人工の尻尾を揺らして、毒原を誘う。
「くううっ……な、何ていやらしいワン公だっ! お、お仕置きしてやるっ!」
毒原が、最後の余裕をかなぐり捨て、静音の腰を抱え、一気に腰を突き出す。
「あひぃいいいいいいいいいいいいいい〜!」
静音の快楽の悲鳴に、ブブブブブブ……というくぐもった機械音が重なる。
「うっ、うあっ! お、お尻、お尻の、動いてますわっ……んく、んあああっ!」
「ふうふう、このバイブには、振動を感知するスイッチが仕掛けられてましてね。こうやって私が腰を使うと……」
毒原が、静音の尻に腰を打ち付けるように、ピストンをする。
「あっ、あうっ、あは、んはぁ!」
「そんなふうに、バイブの動きが激しくなる仕掛けです……ふうふう、さあ、本格的に行きますよ!」
「あ、あっ、そんな、お待ちになってっ……あく、う、うぐ、ぐひい!」
敏感な直腸を予告なしに撹拌され、静音が、苦しげな声を上げる。
だが、毒原は、構わずその腰の動きを加速させた。
「ひぐっ! うっ、うあっ、あ、あはぁっ! あ、あぁン! あっあっあっ! あひっ! ひぃ〜ン!」
官能的な唇から漏れていた苦痛の悲鳴が、たちまち、快楽の喘ぎに埋没する。
「うひ、うひひっ、チンポにバイブのうねりが伝わってきてますよ。ふうふう、ああ、いい具合だ……」
口元から汚らしく涎を垂らしながら、毒原が、静音の膣内の感触を堪能する。
毒原が腰を前後させるたびに、ヌラヌラと濡れ光る肉棒が出入りする様が、絢華にも確認できた。
「んはっ、あっ、あうう! あひ、あひっ! あああ、すごいわ……あン! あぁン! お尻も、オ、オマンコもっ! りょ、両方すごいぃ〜!」
バイブの動きに合わせて房が揺れ、それが、まるで喜びの感情を示す犬の尻尾のように見える。
絢華は、尊敬する母が、本当に浅ましい獣に変身したかのような錯覚を覚えた。
「あうっ、あぅ、あは、あはぁっ! あああ、す、すごすぎますわっ! んあ、あっ、あひ、ひぃいい〜ん! いく、いくっ! いくう!」
「はぁはぁ、まだ人間のフリをしてるんですか? ワン公らしく鳴くまで、イクのはお預けですよ」
毒原が、腰の動きをぴたりと止める。
「あうううっ……ひ、ひどい方……んふう……んく、わ、わん……わんわんっ……!」
快楽欲しさに、静音が、あっさりと犬の鳴き真似をする。
もはや、そんな静音からは、当主亡き後、名家・錦小路家を切り盛りしていた女主人としての面影など、微塵も感じられなかった。
「わん、わんわんっ! んふ、ふぅふぅ……わぅん、わうぅん! んく、んくぅ、んふぅ〜ん!」
静音が、形のいい眉を切なげにたわめながら、もじもじとヒップを揺する。
毒原の抽送が途絶えた今、直腸に収まったバイブもほとんど動いておらず、それが、静音のもどかしさを余計に煽っている様子だ。
「くっくっく……静音さんの忠犬ぶりには感動すら覚えますよ。じゃあ、ご褒美を上げますからね」
「わぅんっ!」
ずん! と膣奥を肉棒で突かれ、静音が、体を反らして声を上げる。
毒原は、息を荒げながら、激しいピストンを再開させた。
「わうっ! んあ! わんっ! わんわんっ! わん! わふっ! うふ、んふぅ! うぐ、うぐぐっ! わ、わん! わんわん! わひっ! きゃっ! きゃひいぃ〜!」
犬の鳴き声で喜悦を表しながら、静音は、いつしか自らも腰を動かしていた。
静音と毒原の動きがぴったりと合い、結合部から、ブジュブジュという音とともに、泡だった愛液が溢れる。
釣り鐘型になった静音の巨大な乳房は、ブルンブルンと大きく前後に揺れ、シーツにこすれたダークローズの乳首は、完全に勃起していた。
「わうっ! うっ、うぐぐっ! くひ、ひいぃ〜ん! あひ、あっひい! んわっ! わ、わん、わんっ……うああああああああ!」
びくっ、びくっ、と静音の体が痙攣する。
「イったんですね? うぐっ、す、すごい締め付けだ……だが、まだまだですよ!」
毒原が、こめかみをヒクつかせながら射精をこらえ、腰を使い続ける。
「あうっ! あっ、ああっ、あううっ! んあ、んああっ! ひ、ひいひい、ひぐっ! あひっ、あひぃいいいいぃ〜ん!」
静音が、髪を振り乱しながら身悶え、さらなる絶頂へと駆け上がっていく。
「んおっ! お、おほぉ! おっ、おおおおっ、おっ! おぉおおおおおおおぉ〜っ!」
舌を出し、瞳を虚ろにして、静音が、まさに犬のような声を上げる。
「おっ、おああああ! はひ、は、はひぃ! もうらめ、らめっ、らめえええ! お、おか、おかしくなるう! あへ! あへえええ! ひ、ひぐ、ひぐっ!ひぐううううううううう!」
容赦の無い突き込みによって断続的に絶頂に追い込まれ、静音は、両手でシーツを掻き毟った。
「いぐっ! いぐうっ! あああ、い、い、いぐの止まらないぃ! おっ、おおっ! おっ! おっ! おほぉ! ひ、ひ、ひあああああああああああああ!」
「ぐうううう……さあ、いきますよ! うおおおお!」
毒原が、亀頭を静音の子宮口に食い込ませ、その胎内に、直接ザーメンを注ぎ込む。
「くひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい! い、い、い、いっぐぅううううううううううううううううううううううううううううううぅー!」
豪奢な部屋の中に、断末魔を思わせる静音の絶叫が響き渡る。
「あ、ああああ、あ、あ、あ……あ……あへぇえええぇ……」
アクメの余韻に浸るその体が弛緩し、無様にベッドの上に突っ伏す。
がに股になったその両脚の付け根は、白く濁った淫らな体液にまみれ、ひくひくと痙攣する秘唇からは、黄ばんだ精液がどぷどぷ溢れていた。
「あ……あああ……あ……あ……」
細い声が、絢華の震える唇から漏れている。
絢華自身は気付かなかったが、その体は、母親の最後の絶頂と同時に、生まれて初めてのアクメを迎えていた。
しかし、絢華の体も、そして心も、今起こったことを受け止めきれないでいる。
それゆえ、絢華は、毒原がベッドから降り、こちらに近付いてきていたのに気付かなかった。
「あ……!」
目の前のドアが開き、絢華が、普段の聡明な彼女からは考えられないような、鈍い驚きの表情を浮かべる。
「おやおや、絢華さんではないですか」
半ば失神状態の絢華に、さして驚いたふうでもなく、毒原は言った。
「きちんとお薬は飲んだようですね……では、私の薬を飲んだ後しばらくの記憶は、次に薬を飲んだ時にだけ思い出すように……いいですね?」
「は……は、い……」
毒原の奇怪な指示に、絢華は、なぜか返事をしてしまう。
そこで、絢華の意識は、闇に塗りつぶされてしまった――
「…………」
保健室のベッドの中で、絢華は目を覚ました。
あれほど絢華を悩ませていた熱っぽさや下半身の疼きが、嘘のように治まっている。
「やっぱり、毒原先生のお薬が効いたのかしら……」
そんなことを呟きながら、絢華は体を起こした。
ついさっきまで、何か奇怪な夢を見ていたような気がするが、その内容については、まるで覚えていない。
ふと、絢華は、下腹部に、別の違和感を覚えた。
「……っ!」
ショーツが、中が透けて見えそうなほどに、ぐっしょりと濡れている。
他の服の様子から考えて、それほど寝汗をかいたとは考えられない。
絢華は、自分の体に何が起きているのか分からず、恐怖に近いほどの驚愕を覚えた。