イタイケナ悪魔



「お兄ちゃん、ご飯できたよ〜」
 キッチンと言うもおこがましい、前時代的な台所から、甘い声が聞こえてきた。
「おお、サンキュ」
 ミトンをした手で土鍋を持つ声の主にそう言いながら、俺は、二人分の茶碗に飯をよそった。
 ダシのいい匂いが、鼻をくすぐる。中身は鳥の水炊きだ。
「悪いな、いつもいつも」
「そんなことないよ。それに、なんか新婚さんみたいで楽しいし」
 そう言って、そいつは、んふふっ、と年に不相応な笑みをこぼした。
 しかし、新婚と言うには、こっちはともかく、相手の年齢が低すぎる。どう見たっておままごとだ。
 何しろこの少女――その名も小島小鳥は、赤いランドセルを背負って学校に通うような女の子である。いくら甲斐甲斐しく夕飯を作ってもらえるからって、新婚気分なんか出したら犯罪だ。
 だが、そんな犯罪気分を誘発する要因が、小鳥には随所に見受けられる。
 まずは、その整った目鼻立ちと大きな黒目がちの瞳。そして、その顔に浮かぶ可愛らしい笑顔。
 手足は、これからが伸び盛りといった感じなのだが、どういうわけか、胸だけは景気良く発育している。
 年相応にあどけない言動の中で、時折、妙に大人びたコトを言いやがるのも曲者だ。
 とは言え、こっちも分別のある社会人である。倍以上も年の離れた少女に、むやみに欲情したりはしない。
 小鳥にとってはそれがどうやら不満らしいのだが、みすみす敵の誘いに乗ってしまってはこちらの身が危うくなってしまう。
 小鳥は、アパートの隣に住む、血縁関係の無い“お兄ちゃん”に、ネコか何かのようになついてるだけなのである。いや、実際のところは、俺が所蔵する大量のゲームやマンガが目当てなのかもしれない。いくら乳がでかいからと言って、十一、二歳の子供なんてそんなもんだろう。
「お兄ちゃん、何か考え事?」
 と、俺と九十度の角度でちゃぶ台に座る小鳥が、顔を覗き込んできた。左右でまとめたツインテールが、ふわりと揺れる。
「あ、いや、最近の中東情勢に思いを馳せてたんだ」
「嘘ばっかり」
 生意気な笑顔でバッサリと切り捨て、小鳥が、自ら作った水炊きをぱくつく。
 俺は、上京してから小鳥と出会うまで久しくご無沙汰だった家庭的雰囲気というヤツにまったり浸かりながら、鍋の汁を飯にぶっかけ、ガツガツとかき込んだ。



 洗い物を終え、居間に戻ると、小鳥がぼんやりとした顔でテレビを眺めていた。
「お前、まだ帰らなくていいのか?」
 そんなことを言いながら座った俺に――小鳥は、不意に身を寄せてきた。
「お、おい」
「こっちの方が、テレビよく見えるんだもーん」
 そう言って、小鳥が、胡坐を組んだ俺の脚の中に体を捻じ込む。何のことは無い。座椅子にされたわけだ。
「…………」
 しかし、この、俺と小鳥の服越しの、柔らかな感触……。
 しっかりとした重みと体温を有した体が、今、俺の前面に押し当てられている。
 今日は、体育の授業でもあったのか、ほんのりと汗の匂いがする――が、それも、けして不快ではない。いや、不快どころか……。
「本当に、帰らなくていいのか? 親父さん心配するだろうに」
 俺は、声が上ずらないように注意しながら、言った。
 小鳥の家は、いわゆる父子家庭である。
 小鳥の話によると、別に両親は離婚したわけではなく、母親は年老いた自分の親の面倒を見るために、実家に帰ってるだけらしい。
 それが、本当なのか、小鳥がそう信じてるだけなのか、それとも哀しい嘘なのか……俺は、詮索したことは無い。だが、俺がこのアパートに越して以来、小鳥の母親の姿を見たことが無いのは、厳然たる事実だった。
「お兄ちゃん、小鳥のこと追い出そうとしてるぅ〜」
 不満そうに言いながら、小鳥が、もぞもぞと体を動かす。
「そーいうわけじゃないけど……もうこんな時間だぞ?」
 帰りの遅い小鳥の親父さんが部屋に戻るまで、彼女を預かる――そんな理由がそろそろ不自然になる時刻になっている。
「……今日は、帰りたくないな」
 ぽつん、と小鳥は言った。
「そりゃあ、せめてお前があと五歳は年を重ねたら、嬉しいセリフなんだけどな」
 ゆっくりと首をもたげかけてくる犯罪的な欲望に、必死に理性の冷や水を浴びせながら、俺は冗談めかした口調で言った。
 しかし、この角度からだと、かすかに開いた服の胸元から、年に不釣合いな谷間が見えそうで見えなくて……。
「でも、帰りたくないの」
 妙にかたくなな口調で、小鳥が言った。
「だって……家に帰ったら……きっと、お父さんにエッチなことされちゃうもん……」
「な……なんだと……?」
 俺は、耳を疑った。
 今、小鳥は、何て言ったんだ……?
「小鳥ね……まだ、お父さんと一緒にオフロに入ってるの」
 テレビの音が妙に遠くなり、思い詰めたような小鳥の声だけが、耳に響く。
 なんだか、耳鳴りまで聞こえているような気がした。
「それで……その、オフロで……最近、お父さんが……」
「お、おい……」
「小鳥ね……イヤなの……本当はイヤなんだけど……触られてると……何だか逆らえなくなって……」
「こ――小鳥っ!」
 俺は、思わず大声を上げていた。
 小鳥が、体をねじって、ぎょっとするほど至近距離から、俺のことを見つめる。
 俺は、自分の股間のものが激しくいきり立っていることに、ようやく気付いた。



 続きは、風呂で話す、と言われた。
 だから、今、俺は、風呂の中で、小鳥と二人きりになっている。
 俺は湯船の中。先に入って体を温めた小鳥は、洗い場にいる。
 小鳥はその小さな体にバスタオルを巻き、俺は、すでにのっぴきならない状態になっている股間を湯で隠している。だが、年端もいかない少女と同じ風呂の中にいるという事実ばかりはまぎれもない。
 この異様なシチュエーションに、俺のさして性能のよくない脳みそは、とっくに熱暴走を起こしていた。
「で……お前、親父さんにどんなことされてんだ?」
 俺はそんなこと訊いて、どうしようというのか。
 いや、もちろん、問題解決のためには正確な情報収集と冷静な現状分析が必要だ。だから――
「さ……最初は、背中を流してもらうくらいだったんだけど……」
 小鳥が、真っ赤になった顔でうつむき、上目遣いに俺を見ながら、言う。
「その……最近は……前の方とかも……」
「それって、タオルとか、スポンジとかで……?」
「ううん……手で、直接……」
 そう言って、小鳥は、その華奢な手で俺の手を取った。
 そして、バスタオルを下にずらし、剥き出しになった乳房に、俺の手を当てる。
「こ……こんなふうに……」
「小鳥……」
 俺は、かすれた声で言いながら、徐々に、指に力を込めていった。
 柔らかく、それでいながら張りのある白い乳房の弾力を、手の平に感じる。
 俺は、いつしか、両手を小鳥の乳房に重ね、まさぐっていた。
「あ……はふ……そう……お父さん……そんなふうに、するの……んくぅ……」
 密やかながらも、間違いようの無い快楽の反応を返しながら、小鳥は体をくねらせた。
 俺の手の動きに従って、小学生とは思えないような豊かな胸が、淫らに形を変える。
「セッケンで、手をヌルヌルにして……すごくいやらしい手付きで……小鳥の、体中を……あふうっ……」
「い……嫌だって言わなかったのか……?」
 つい、責めるような口調で、俺は小鳥に言ってしまう。
「だ、だって……その……こんなふうにされてると……体から力が抜けちゃって……あぁン……」
 言い訳にも何にもならないことを言いながら、小鳥が体をくねらせる。
 その白い体を隠していたバスタオルは、とっくにはだけてしまっていた。
「あうっ……あくう……お、お兄ちゃんっ……あはぁン……」
 俺は、切なげな小鳥の声に誘われるように、湯船から出た。
 そして、両手で石鹸を泡立て、それを塗りたくるように、小鳥の肌に手を這わせる。
「こうか……? こういうことをされてたのか……?」
「んんっ……あう……はふうっ……あぁ……そう……こういうふうなこと、されちゃうの……あっ、あぁン……はふぅ……」
 小鳥の甘い喘ぎは、こいつの性感が、すでにかなり開発されていることを示している。
 俺は、後ろから小鳥の体を抱き締め、指に力を込めながら、そのたわわな乳房を揉みしだいた。
「あくっ、あっ、あううン……! やっ……! お、お兄ちゃん、力、強いよォ……あうううっ……!」
 その幼い顔に悩ましげな表情を浮かべながら、小鳥が身をよじる。
 だが、泡まみれになったその体は、けして俺の愛撫から逃れようとしているわけではない。
 そのことが、ますます俺を凶暴な気持ちにさせていく。
「さ……触られてるのは、胸だけか……?」
「ううん……ち、違うよ……」
「じゃあ、どこを触られてるんだ?」
「あぁ……そ、その……あふっ……あの……あのね……足の、間……」
「ここもか……っ!」
 俺は、無毛の恥丘に指を滑らせ、さらにその奥に触れた。
「きゃン……! そ、そう……そこも……はひいっ……!」
 最も秘めやかな場所を俺に触られながらも、小鳥の声に、嫌悪の色は無い。
 俺は、ほとんど自制心を失い、幼いスリットに指を這わせてしまった。
「うくっ……あう……あふうっ……やあぁ……はひ……あひいっ……!」
 ひくっ、ひくっ、と小鳥の体が震える。
「小鳥……お前のここ、ヌルヌルになってるぞ……」
「あううっ……そ、それは……はあぁっ……セ、セッケンだよ……セッケンだもんっ……はひぃ……」
「嘘つけ……!」
 俺は、小鳥の秘裂に指を食い込ませた。
「ンあああっ……ご、ごめんなさい、お兄ちゃん……あうううン……!」
 思いがけない素直さで、小鳥が詫びの言葉を言う。
「親父さんにされてる時も、こうなのか?」
「あっ、あうっ、はっ……そ、そう……そうなの……ヌルヌルになっちゃう……ああぁン……」
「クソっ……何てスケベなヤツだっ……!」
 俺は、小鳥の秘唇をまさぐりながら、空いた手で泡まみれになっている左右の乳房を、交互に捏ね回した。
「ひううっ……ごめんなさい……ごめんなさいィ……ああぁン……!」
 愛液を溢れさせ、乳首を固く尖らせながら、小鳥が激しく喘ぐ。
「お、お兄ちゃん……もうダメぇ……小鳥は、もう……あうっ……ううううううっ……!」
「イクのか、小鳥……?」
「うん、イっちゃう……イっちゃうのっ……あああああっ……イクっ……イクうううううぅ〜っ!」
 高い声で叫び、小鳥は、一気に俺の腕の中で昇り詰めてしまった。
 ぷしゅっ、ぷしゅっ、と溢れ出た愛液が、俺の手の平を濡らす。
「はぁっ、はっ、はふ……あふっ……はあああっ……」
 ひくン、ひくン、と体を震わせながら、小鳥が、息を整えようとしている。
 俺は、正座のような姿勢で茫然となりながら、そんな小鳥の呼吸音を聞いていた。
「あふうっ……ねぇ……お兄ちゃん……」
 小鳥が、俺の腕の中で、くるりと向きを変えた。
 そして、俺が何か言う間を与えず、その小さな両手で、ペニスに触れてくる。
「わあ、すっごい……こんなになってる……」
 自分でも呆れるほどに勃起してしまっている俺のペニスを見て、小鳥は、どこか嬉しげな声を上げた。
「んふ……背中に、ずっと当たってたよ……はあぁ……想像してたより、ずっと大きいィ……」
 小鳥が、バスマットの上に両肘をつけ、徐々にペニスに顔を寄せながら、甘ったるい声で言う。
 そのピンク色の唇から漏れる息を、俺は、亀頭で感じた。
「お兄ちゃん……舐めてあげる……」
「なっ……」
 俺が声を出そうとした時には、小鳥は、舌を伸ばし、亀頭の表面に這わせ始めていた。
「ちゅ……ぴちゅ……れる……んんっ……はふ……熱ぅい……ちゅぷぷ……」
 まるでキャンディーでも舐めているような表情で肉棒に舌を絡め、さらには、唇を押し付けてくる小鳥。
 そのあどけない顔と、我ながら凶暴な肉棒の、視覚的なコントラストが、凄まじいインパクトを俺に与えた。
「うふ……お兄ちゃん……先っぽ、ヌルヌルになってきたよ……」
 嬉しそうにそう言いながら、小鳥が、透明な腺液を溢れさせる鈴口を、チロチロと舌先でくすぐる。
「くっ……お前……親父さんにも、こんなことしてるのか……?」
「うん……してる……ちゅぷぷっ……だって、シテシテってうるさいから……ちゅむむむ……ちゅぷぅ……」
 小鳥の言葉に、淫らに湿った音が混じる。
「はふ……でも、不思議なんだよ……これしてると、小鳥までエッチな気分になっちゃうんだから……ちゅっ、ちゅぷっ、ちゅむ……んちゅうっ……」
 自らの言葉を証明するように、小鳥が、ふりふりとその丸いヒップを揺らす。
 俺は、言葉も無く、ただ異常なほどの興奮と快楽に歯を食いしばるばかりだ。
「あむ……んちゅうっ……」
 とうとう、小鳥が俺のペニスを口内深く咥え込んだ。
 もちろん、その小さな口には、俺の肉棒の全てが収まる訳が無い。その、余った三分の一くらいを、小鳥は指先でシコシコと扱いた。
 小鳥の、生温かい口の中で、舌がグルグルを動き、文字どおり俺のペニスを舐め回しているのが、分かる。
「はむ、んちゅう……ちゅぶっ、ちゅ、んちゅっ……はぁ……お兄ちゃん、いつ出してもいいからね……ちゅむむむっ……」
 そんな心遣いまで見せながら、小鳥は、俺の肉棒を快楽で追い詰めていった。
 右手の指先が肉竿の根元をこすり、左手が陰嚢を優しく揉み転がしている。
 きゅっと締まった唇が、静脈を浮かした肉棒の表面を滑る感触は、その部分にますます熱い血液を送り込んだ。
「あむ……はふう……ちゅぶ、ちゅぶぶ……ひゅごい……どんどん大きくなるおぉ……あむむむ……ちゅぶうっ……!」
 口の中に溜まった唾液ごと、俺のペニスを小鳥が吸い上げる。
 俺は、思わず腰を突き出すようにしながら、荒い息をついていた。
「はむう……ちゅっ、ちゅぶぶっ……ねえ、出ひてェ……小鳥のお口に、お兄たんのみゆく、びゅーびゅー出ひてっ……じゅぶぶぶ、んじゅっ、んじゅじゅっ、じゅぶ……ぢゅずずずずずっ……!」
 この卑猥な台詞……これも、父親によって仕込まれたって言うのか……?
 赤く染まった視界に、白い火花が散る。
「うっ……うおおおおおっ……!」
 俺は、不覚にも声を上げながら、小鳥の口の中に激しくスペルマを迸らせてしまった。
「うむっ! んぐぐっ……んぐ……うぶぶぶぶっ……おふっ、んおおおおっ……!」
 連続して発射される精液の弾丸を喉奥で受け止めながら、小鳥が、くぐもった悲鳴を上げる。
 だが、その唇は、一滴も精液をこぼすまいとするかのように、俺のシャフトを柔らかく締め付けたままだ。
 びゅっ! びゅっ! と何度もザーメンを放ちながら、俺の肉棒が、ひくひくと痙攣する。
「んぐ……んふっ……んふぅ〜ン……ンンン……んくっ、んくっ、んくっ、んくっ……」
 小鳥が、甘えるような鼻声を漏らしながら、俺が射精した大量の白濁液を飲み干していく。
 さらに、尿道に残った精液まで吸い取って、小鳥は、ようやくペニスから口を離した。
「はふ……すっごい出たね、お兄ちゃん……」
 小鳥が、にっこりと笑みを浮かべる。
 年相応に無垢な表情だが、その微笑みを浮かべた唇は、ヌメヌメと卑猥に濡れ光っていた。
「うふっ……お兄ちゃん……オチンチン、ボッキしたままだよ……」
 その言葉どおり、いささかも硬度を失っていない俺のペニスを、小鳥が、その小さな手で握る。
「お父さんと全然違う……お父さんは、一度出しちゃうと、ぐにゃってなっちゃうもん……」
「小鳥……」
「だからね……小鳥、まだバージンなんだよ」
 体を起こし、俺に俺の顔に顔を寄せながら、小鳥は言った。
「でも……もし、お父さんがその気になっちゃったら……小鳥、お父さんにあげちゃうかもしんない……」
 小鳥が、俺の肉竿に右手の指を絡めたまま、俺の右膝をまたぐ。
 小鳥の股間が、ぐっしょりと熱い蜜で濡れているのが、感じられた。
「ねぇ……お兄ちゃん、それでもいいの……?」
 小鳥の、熱い吐息混じりの声が、耳朶をくすぐる。
 その時――俺は、完全に理性を失ってしまっていた。
「こ、こいつっ……!」
 俺は、バスマットの上に小鳥の体を押し倒した。
「お、お兄ちゃん……?」
 俺のしたことよりも、怒りを含んだ声音に驚いたように、小鳥がその円らな目を見開く。
「ま、待って、お兄ちゃん……ねえっ……!」
「うるさい……! お前……お前はっ……!」
 数年前、ソープで童貞を捨てた時よりも余裕を無くしながら、小鳥の足を割り開き、その狭間に腰をねじ込む。
「お兄ちゃん……お願い……! 待って……! キス……キスしてっ……!」
 その声に、俺は、ペニスの先端を小鳥のクレヴァスに押し付けたまま、動きを止めた。
 目の前の小鳥の顔が、泣きそうな表情を浮かべている。
「悪い……」
 俺は、一つ息をつき、小鳥に言った。
 もちろん、正気を取り戻したわけじゃない。単に俺を支配している煮えたぎるような欲望の質が、少しばかり変わっただけだ。
 年端もいかない相手と、こういうことをするのは犯罪だ。……それを自覚したまま、俺は、小鳥の頬に手を置いた。
 小鳥が、唇を半開きにして、瞳を閉じる。
 俺は、背中を丸めるようにして位置を合わせ、ゆっくりと、その柔らかな唇に、唇を重ねた。
 小鳥の舌が、おずおずと俺の口内に入り込もうとする。
 俺は、その舌に舌を絡め、そして、音をたてて吸い上げた。
「んっ……んむ……ちゅぶ……んうう……ちゅむ……んふぅ……」
 小鳥の口の中を舌で蹂躙しながら、腰を動かし、濡れた秘唇にペニスの腹を擦り付ける。
「ううっ……んむむ……うふ……うぅ〜ン……」
 小鳥は、悩ましげに眉をたわませながら、俺の下で身じろぎした。
 熱く濡れたクレヴァスを、より強くペニスに押し付けようとするかのように、小鳥の腰が持ち上がる。
 俺は、小鳥の甘い唾液を堪能しながら、肉竿による幼い秘唇への愛撫を、さらに続けた。
「ぷは……あうっ、あううン……ひややン……」
 たまらず喉を反らし、小鳥が可愛らしい喘ぎを上げる。
「入れるぞ、小鳥……」
 俺は、小鳥の耳たぶや首筋に唇を押し当てながら、囁いた。
「うん、来て……小鳥のバージン、もらって……」
「ああ……」
 返事をしながら、俺は、一度体を起こして、ペニスの先端を濡れそぼる秘裂の間に浅く潜らせた。
 そして、小鳥の華奢な腰を、両手でしっかりと固定する。
「あ……あう……ああぁっ……」
 小鳥は、さすがに不安そうな顔で、両手を口元に置きながら、俺の顔と股間を交互に見つめていた。
 腰を、進ませる。
「あ、あうっ……あひ……ああああああっ……!」
 小鳥が、高い声を上げた。
 俺は、みちみちと未成熟な膣内をペニスで割り広げていく。
「あぎぎ……ひっ……いた……痛いィ……痛いよ、お兄ちゃんっ……あううううっ……」
「やめるか? 小鳥……」
 奇妙に残酷な気持ちで、俺は訊く。
 何しろ、もしやめるように言われても、俺はやめる気などさらさらな無かったからだ。
「ううん……ダメ……やめちゃダメぇ……小鳥、ガマンできるから……さ、最後まで……あう……うぐうっ……!」
 俺のペニスが侵入していくにつれ、小鳥の声が切羽詰まったものになっていく。
 そして、俺は、とうとう、先端に柔らかな抵抗を感じた。
「あ……あぁっ……おにい、ちゃん……」
「いくぞ……!」
「うん……ああああああああああああああああああああああああ!」
 びくん! と小鳥の体が反り返り、たわわな乳房が揺れた。
 結合部から鮮血が溢れ、流れる湯の中にほどけながら、排水口に吸い込まれていく。
 自らのペニスを凶器として、幼い体に何かを刻み込むように、俺は、乱暴な抽送を始めた。
「あうっ……あ、ひいいぃ……お兄ちゃん……ああぁ……っ!」
 破瓜の痛みに眉を寄せ、涙を溢れさせる小鳥。
 俺がもたらす苦痛に泣く彼女が愛しくて、その愛しさゆえに、激しく腰を動かしてしまう。
「あうっ、んぐうっ、あふ、あひいっ……お兄ちゃんっ……お兄ちゃんっ……!」
 ピストンのリズムに合わせて小鳥が声を上げ、そのたわわな乳房が、誘うようにぶるんぶるんと揺れる。
 俺は、腕を伸ばし、二つの胸の膨らみを鷲掴みにした。
「あうっ! きゃんっ! ああぁン! あひぃ〜っ! あああああ……あひいいいいぃ〜っ!」」
 たわわな双乳を捏ね回されながら、小鳥が、その悲鳴を甘く濡らしていく。
「小鳥……感じてるのか?」
「やあっ……! そ、そんな……あうっ、あああっ、あひ……ンひいいいいっ……!」
 小鳥が、俺の腰の動きに合わせて、体をくねらせた。
 幾重にも反転した位相が、外ならぬ小鳥の淫らさによって、正しいカタチを取り戻す。
「感じてるんだな……やらしいヤツだな、お前……」
「ああぁン……い、言わないで、お兄ちゃん……あうぅ、あはぁっ、あく……ああああぁっ、あぁーっ!」
 結合部から、鮮血とともに、大量の愛液が溢れ出ている。
 今、俺は、小鳥に快楽を与えている――そのことが、俺を狂喜させた。
「はふっ、あうう……あん、あぁん、あひ……ひあああっ……!」
「気持ちいいんだろ? はっきり言えよ、小鳥……!」
「あうううっ……イ、イイ……いいの……はん、はああっ、はひ……痛いのに……痛いのに気持ちいいよう……っ! あうっ、あううっ、あひ、あひいいいいぃ〜!」
 小鳥が、幼い腰を精一杯に浮かし、俺をさらに奥深くまで迎え入れようとする。
 俺は、胸への愛撫を中断し、小鳥の体に覆いかぶさった。
 すっかり固くなった乳首が、俺の胸に当たる。
「はふ、はっ、あはぁっ……ウ、ウソ……こんなに感じちゃうなんて……あっ! あああっ! あひぃン! セックスすごすぎるうぅ〜! あああああああ!」
 あらぬことを喚きながら、小鳥が、左右に首を振った。
 火傷しそうなほどに熱くなっている秘肉が、俺の肉竿をぎゅうぎゅうと締め付ける。
 それは、まるで、俺のペニスそのものを必死で離すまいとしているかのような力だった。
「ああぁっ……好き……お兄ちゃん、好きぃっ……! あ、愛してるゥ……あはああぁっ……!」
 潤んだ瞳で俺を見つめながら、叫ぶように小鳥が言う。
「何が愛してるだよ……初体験から感じまくってる変態のくせに……!」
「やああぁン……そ、そんなひどいこと言わないでぇ……! あうっ、あううっ、はひ……ンあああああっ……!」
「違うのか? どう見たって淫乱の変態だぞ、お前はっ!」
 そう言いながら、俺は、ぐりぐりと腰を回すようにして、小鳥の膣内を勃起した肉棒で掻き回した。
「ああああっ……! イ、イジワル……お兄ちゃんのイジワルう……! はっ、はああぁっ、あひぃン!」
「嫌いになったか?」
「ううんっ、好きっ! 好きっ! 小鳥、変態でいいからっ……! あうっ、あううっ、あひ……あああ、お兄ちゃん、大好きぃ〜っ!」
 小鳥が、下から俺の体にしがみついてきた。
 さらに、その脚までが、俺の腰に巻き付き、より深い結合をねだる。
 俺は、再びピストン運動に戻り、奥の奥まで肉棒を繰り出した。
「ああああああ! あぐっ! あうううう! ダ、ダメぇ……! そんなにしたら……ンああああああ!」
「苦しいのか? 小鳥」
「ち、ちがうぅ……そうじゃなくてっ……! あン! あぁン! あひ……ああああああ! か、感じ過ぎちゃって……ンあああっ! 小鳥、おかしくなっちゃうゥ〜!」
 なんだ、それなら、遠慮は無用だな。
 俺は、さらに腰の動きを加速させた。
「あああああああ! ダメ! ダメ! ダメ! ダメえええええぇ〜ッ! す、すごいぃ……うああああ! イっちゃうのっ! イク! イク! イクうっ!」
「おいおい、初セックスでイっちまうなんて、どういう小学生だよ……!」
「だ、だってえっ……! お、お兄ちゃんが……お兄ちゃんのオチンチンがあんまりすごくてっ……! ああああ! イク! イクうっ! ホントにイっちゃう……! イクううううううううううううううううううううぅ〜ッ!」
 鋭い叫びが湯気に満ちた浴室に響き、ただでさえ狭い膣内が食い千切らんばかりにシャフトを締めあげる。
 俺は、子宮に届けとばかりに肉棒を繰り出し、最深部に亀頭を押し付けながら、灼熱した欲望を解放した。
「ああああああああぁ〜っ! 熱いッ! 熱いいいいいいい! イク! イク! イク! イグううううううううううううううううううううううううう!」
 半ば声を嗄らしながら、小鳥が絶叫する。
 俺は、背中を反り返らせて悶える小鳥の体内に、さらにザーメンを注ぎ続けた。
「あうっ……かっ……はひい……ああぁ……はひ……ひいいいぃぃ……」
 しばし呼吸困難に陥りながら、小鳥が、ひく、ひく、と体を痙攣させる。
 そして……俺と小鳥は、ほとんど同時に、全身を弛緩させた。
「ああぁ……あふぅン……お兄ちゃん……はひ……すき……だい、す、きィ……はああぁぁぁ……」
 うっとりとした表情で、小鳥が言う。
「まだ、そんなこと言ってんのかよ、お前……」
 俺は、ほっとけばいくらでもその言葉を繰り返しそうな唇を、キスで塞いだ……。



「ああああああ……」
 服を着るとともにようやく理性を取り戻した俺は、脱衣場で頭を抱えてしゃがみこんだ。
「もう駄目だ……俺は、最低の犯罪者だ……」
「お兄ちゃん?」
 俺と同様に服を着た小鳥が、顔を覗き込んでくる。
「どうしたの? 別に、何も問題ないでしょ? 小鳥とお兄ちゃんの体の相性、バッチリだったし」
「お前なあ……お前みたいなガキに手を出すってのは、合意の上だって犯罪なんだよ!」
「知らない、そんなこと」
 ぷい、と小鳥がそっぽを向く。
 俺は、どうにかその場で立ち上がり、小鳥の横顔を見つめた。
 そして、一度深呼吸してから、口を開く。
「とにかく……俺がしたことについては、あとできちんと責任取るから……もう、親父さんと一緒に風呂なんか入るなよ」
 ついさっきあんなことをした俺の台詞じゃない。
 それを自覚しつつも、俺は、やはりそう言うしかなかった。
「……ぷっ」
 横を向いたままだった小鳥が、いきなり吹き出した。
「んふっ……うふふふふふっ……やだあ、お兄ちゃん、本気にしちゃってたの?」
「な、何ィ?」
 大人ぶって流し目なんぞ寄越してくる小鳥に、俺は声を上げた。
「小鳥、お父さんとお風呂になんか入らないよ。そんなコドモに見えるかなあ? あんなにイッパイ愛してくれたのに♪」
「なっ……お、お前、いったい……」
「今日はね、小鳥、気を利かせて家に帰らないだけなんだよ。だって、お母さんが久しぶりにうちに帰ってきたんだもん。たぶん、二人ともすっごくラブラブしてるはずだよ」
「…………」
 俺は、言葉を失ってしまった。
 もちろん、こいつの言葉を、全て鵜呑みにする危険だ。何しろ、あれだけのことをしてしまうヤツなのだから。
 あの巧みなフェラチオや、信じられないほど開発された性感も、全て、小鳥の熱心な“予習”によるもの――そう考えるのは、いくら何でもご都合主義だろう。
 でも、まあ、それでも、今のところは、俺は小鳥の言うことを信じてやることにした。
 ともあれ、確かなのは、俺が犯した罪科のみ。
 それをどうやって償うか、それとも悪党として冥府魔道を歩むかは――あとでゆっくり考えるとしよう……。



 後で分かったことなのだが、小鳥のお袋さんが帰ってきたというのは、どうやら本当のことのようだった。



あとがき

BACK

MENU