第三章
皆さん、ご機嫌いかがでしょうか。淫乱人妻の香織です。
私は、全裸で壬生田様の車に乗り、見知らぬ場所へと連れられてしまいました。
全ては、私の弱い心によるものです。
拒んだり、逃げ出したりする機会は、今までいくらでもあったはずです。なのに、私がここに来る間にしたことと言えば、バナナを使っての変態的なオナニーとフェラチオだけでした。
今の私の立場自体、まさに、自業自得なのです。
だというのに――私は、もう家に帰れないかもしれない、という不安に、心の底から震えていました。
「おや、香織クン、寒いのかい?」
壬生田様が、そう言いながら、私の肩を太い腕で抱きました。
「それとも恐いのかな? なに、心配することはない。ワタシがついてるんだからねぇ」
そう言ってから、壬生田様が、運転手にドアを開けるよう命令しました。
「さあ、来るんだ」
私は、壬生田様に促されるまま、車から人影のない路地裏に降りました。
素足で踏む道路の感触が、改めて、自分が一糸まとわぬ姿なのだということを、思い知らせます。
両手で胸と股間を隠しながら、私は、羞恥のあまり、このまま消えてしまいたいと思いました。
「こっちだ。あの階段を降りるんだよ」
そう言って、壬生田様が、私の肩を抱いたまま、ビルの地下に至るらしい階段へと歩いていきます。
コンクリートが剥き出しのその階段は、下側が薄暗く、まるで奈落へと続いているように思われました。
それでも、私は、壬生田様と一緒に、階段を降りていきました。
壬生田様のもたらす快楽と暴力によって、私の気持ちは、すっかり萎えてしまっていたのです。
階段は、錆の浮き出た、小さな鉄の扉に続いていました。
「先生、私だ。壬生田だよ」
壬生田様が、扉の横にあるインターフォンのボタンを押し、そう告げます。
程なくして、扉が、軋みを上げて開きました。
「おお、早かったですな」
扉を開けた人物が、壬生田様にそう言ってから、私に視線を移しました。
その人は、背の低い老人でした。髪も髭も白くぼうぼうで、なぜか作務衣らしき和服の上に、白衣をまとっています。
「あううっ……」
私は、初対面の男性に肌を晒す恥ずかしさに、思わずしゃがみこんでしまいそうになりました。
「ほほぉ……こりゃ、いかにも壬生田さん好みの子ですなあ」
「本当は、お楽しみは先にとっておきたかったんだが、まあ、躾けもかねて、もうやっちゃおうと思ってね」
「ヒッヒッヒ……壬生田さん、珍しく気が急いてますな。いや、確かにそれだけの価値はありそうな素材ですわ」
二人が、私には意味の分からないことを言い合いながら、ニヤけた笑みを浮かべています。
やっぱり、ここに来てはいけなかったのではないか――今さらのように、私は、恐怖しました。
「さあ、中に入ろう。風邪をひくといけないからねぇ」
壬生田様が、私の肩に指を食い込ませながら、ドアの奥へと入りました。
そこは、まるで診療所の廃墟を思わせるような場所でした。いえ、もしかすると、もともとは本当に診療所だったのかもしれません。
地下室ですので、当然、窓は一つもなく、薄暗い蛍光灯が、部屋を照らしています。壁は白塗りで、床に張られた青緑色のリノリウムのタイルは、ところどころはがれていました。
「さあ、奥の部屋だ」
壬生田様が、私を連れて、さらに奥へと進みました。“先生”と呼ばれた老人も、私達の後に従います。
隣の部屋に入ると、そこに、奇妙な寝台がありました。
ちょうど、産婦人科にある、分娩台のようなベッドです。枕の反対側に、足を乗せるためらしき台が一対あります。そして、その台には、二本ずつ、小さなベルトが備わっているのです。
見ると、ベッドそのものにも、大きなベルトが付いています。
何のためのベルトかは、少し考えれば分かります。それは、そこに横たわる人間の自由を奪うためのものでした。
「あ、あの……これは……」
「もちろん、香織クン、キミが寝るためのベッドだよ」
「えっ? で、でも……」
「キミは、この上でホンモノのワタシの女として生まれ変わるんだ。――まさか、イヤとは言わないよねぇ」
壬生田様が、その小さな目に、恐ろしい光を浮かべながら、私を見つめます。
私は、まさに蛇ににらまれた蛙のように、その場に立ち尽くしてしまいました。
あそこに寝たら、もう戻れなくなる――そんな、確信めいた予感が、私の体を小刻みに震わせます。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよぉ」
壬生田様が、私の肩を左手で抱きながら、右手で乳房をまさぐりました。
「キミは、何も考えなくていい……ワタシの言うとおりにしていればいいんだ……とても素晴らしいカラダにしてあげるからねぇ……」
壬生田様の粘液質な声が、乳房から湧き起こる快楽とともに、私の脳を痺れさせます。
「ああ……でも、でも……んっ、あうぅん……こ、こわい……こわいんです……」
「ワタシに逆らう方が、もっと恐いよ? もう忘れたのかな?」
ギュッ、と壬生田様が、私の乳首を強く捻り上げました。
「ひうっ……!」
「ワタシはねぇ、君の想像どおり、裏の世界の人間だ。ワタシのいる世界では、人間の一人や二人、カンタンに消えてしまうんだよ? あの、羽黒のようにねぇ」
「あぁ……そ、そんな……」
やっぱり、羽黒さんは壬生田様に殺されたのだ――そう、私は、確信しました。
「キミだって、まさかその年で死にたくはないだろう? 死んだら、旦那サンにも会えなくなるよ?」
「……わ……分かりました……おっしゃるとおりにしますから……そんな恐ろしいこと言わないで……」
私は、ベソをかきそうになりながら、壬生田様に懇願しました。
死んだら夫に会えなくなる――自らの罪を詫びることすらできなくなる――そう考えると、目の前が真っ暗になるほどの恐怖を感じてしまったのです。
もちろん、許してもらおうとなど思っていません。でも、死ぬなら、せめて自らの罪を全て告白し、しかるべき罰を夫に与えられてから死にたい――信じてもらえないかもしれませんが、私は、本気でそう考えているのです。
「おやおや、お灸が過ぎたかな? 安心しなさい。香織クンが素直にしてくれてる間は、悪いようにはしないよ。それどころか、とっても気持ちイイ思いをさせてあげるからねぇ」
そう言って、壬生田様が、私の胸を揉みながら、キスをしてきました。
さらには、左手で私のお尻を揉み、右手で秘部をまさぐります。
しばらくするうちに、私は、フンフンと犬のように鼻を鳴らしながら、腰を揺らしてしまいました。
太い指で嬲られたアソコが、物欲しげに愛液を垂れ流しにしているのを、自分でも感じます。
壬生田様が唇を離した後も、私は、自分の方から繰り返しキスをしてしまいました。
その時、私は、部屋の隅で“先生”がこちらをじっと見つめていることすら、しばし忘れていました。
「よしよし……続きはあのベッドの上でだ。大人のお医者サンごっこをしようじゃないか」
まるで小さい子にするように私の頭を撫でながら、壬生田様が言います。
私は、小さく肯き、その凶悪な外観の寝台に――いえ、拘束台に、自ら横たわりました。
「少しきついがガマンするんだぞ……さあ、先生も手伝ってくれ」
「ヒッヒッヒ……分かってますよ」
壬生田様と“先生”が、慣れた手つきで、私の体にベルトを巻き付け、ベッドに固定していきます。
「あ、ああぁ……あう……あふぅ……」
次第に自由が奪われて行く感覚に、私は、思わず熱い吐息をついてしまいました。
「ほほぉ、一度スイッチが入るとトコトン濡れるタチのようですな」
“先生”が、剥き出しになった私の股間を見つめながら、そう言いました。
「あぁ……み、見ないでください……」
私は、今さらのようにそう言って、顔を背けました。
でも、首から上以外は、ピクリとも動かせません。
腕にも、脚にも、腰にも、革製らしきベルトがきつく巻き付き、私を完全に拘束しているのです。
想像していた以上の不安と被虐感が、戦慄となって体の奥から湧き上がります。
「ムフフフフ……色っぽいよ、香織クン。こうして見ると、キミが根っからのマゾ奴隷だということを実感するねぇ」
「ああ……そ、そんな……ひどいです……」
そう言いながらも、私の声は、聞く人に媚びるように、甘く濡れていました。
「ようし、じゃあ、早速お薬で消毒だ」
そう言って、壬生田様が、“先生”からチューブを受け取りました。
そして、飴色のその中身を指に絞り出し、私の乳房に手を伸ばします。
「ひうっ……!」
太い指で乳首に薬を塗られ、私は声を上げました。もし全身を戒められていなかったら、背中をのけ反らせていたに違いありません。
熱いような、冷たいような、奇妙な感覚が、ピリピリと乳首を刺激し、乳房全体を痺れさせます。
「あ、ああぁっ、あう……こ、これ、なんですか……? ひっ、ひううっ……」
乳首を苛む疼きが次第に強まり、それとともに、乳首が勃起していきます。
「だから、消毒の薬だよ。ちょっと媚薬も混じってるけどね」
「しょ、消毒……? うっ、うああぁン!」
なぜそんなことをするのか聞く前に、秘唇に、同じ薬を塗り込まれました。
乳首よりもずっと敏感なその部分の粘膜が、かーっと熱くなります。
「あうううう……ひ、ひぃひぃ……あぁっ、イヤぁ……こ、こんなの……あっ、あぐぐぐ……んひいいっ!」
私の心臓の鼓動に合わせて、左右の乳首と、そして靡肉が、ジンジンと疼きます。
そして、その疼きは、やがて強烈な痒みとなって、私の神経をヒリヒリするほどに責め立てました。
「あ、あああぁぁ……み、壬生田様っ……! キツい、キツいですぅ……ンああああっ! ど、どうにかしてくださいっ!」
私は、唯一自由になる首を左右に振って、壬生田様に訴えました。
できることなら、自らの手で掻き毟りたいのですが、自由を奪われた体は、ピクリとも動かせません。
「あ、あああっ、あひ、あひいぃ……つらいですっ……ああっ、つらいの……! ハァハァ……あぐっ、あうううっ、んぐぐぐぐ……はっ、はひっ、あひい! あああぁっ、お、おかしくなるぅ〜!」
全身に汗が浮き、完全に勃起した乳首が、ヒクヒクとおののきます。
おそらく、秘部では、同じようにクリトリスが充血し、包皮から顔を出しているでしょう。
「ムフフ、可哀想に……香織クン、どうしてほしいかね?」
「はっ、はああっ! ど、どうにでも……どうにでもしてくださいっ! あっ、あああっ! 助けて! 助けてえぇ〜!」
「ふうむ……じゃあ、そろそろ麻酔の注射を打ってあげようか」
そんな不思議なことを言いながら、壬生田様が、ズボンとブリーフを脱ぎ捨て、あの太いペニスを剥き出しにします。
そして、壬生田様は、すっかり勃起している肉幹を、まるで私に見せつけるように扱きました。
「あ、ああっ、チンポ、チンポ入れてください! チンポで、チンポでマンコをグリグリこすってくださいッ!」
私は、涙すら流しながら、恥も外聞もなくそう叫びました。
「ようし、入れてあげるよ、香織クン」
そう言って、壬生田様が、開いた状態のままで固定された私の脚の間に立ちました。
ベッドの上にある私のお尻は、壬生田様の腰とちょうど同じ高さに位置している状態です。
壬生田様がさらに腰を進めると、包皮から突き出た赤黒い亀頭が、私の肉の割れ目に食い込みました。
ズキン、ズキン、と私の貪欲な秘裂が疼きます。
「あっ、あああぁっ……お、お願いです……そのまま……そのままズブッとしてください……! 香織の淫乱マンコ犯してええぇ〜!」
「ムフフフ……それっ!」
壬生田様が、腰を突き出し、私の秘部を一気に貫きました。
「あひいいいいいいいいいぃ〜!」
私は、あまりの快感に、喉を反らして絶叫しました。
ぐうっ、ぐうっ、と壬生田様の逞しいペニスが、私の肉壷の中で前後に動きます。
「あううっ、あひい、あひいっ! お、おああっ、すごい、すごいのぉ……あああっ、き、き、気持ちイイ! 気持ちイイですぅ〜!」
薬品で敏感にさせられた粘膜をこそがれながら、私は、激しくかぶりを振って髪を振り乱しました。
唇から、絶え間無く高い嬌声がこぼれてしまいます。
「ムッフッフ……ワタシの注射は、香織クンには効果テキメンのようだねぇ」
そんなことを言いながら、壬生田様が、“先生”に目配せしました。
“先生”が、肯きを返し、部屋の隅から銀色のトレイのようなものを持ってきます。
そして、“先生”は、トレイの中から何かを取り出し、壬生田様に渡しました。
「あ、ああっ……そ、それは……? あん、あひ、あひぃ……ひいいいぃ〜!」
「ただの針だよ。もちろん、キチンと消毒しているから安心しなさい」
壬生田様が、縫い針よりもずっと大きく太いそれを右手に持ったまま、左手の指で私の右の乳首を摘まみました。
「あ、あぁン! まさか、まさか……あ、あああっ、あひ、あひいいいい! あああっ、んひいいいぃ〜!」
喘ぎ声に埋没し、疑問が、きちんとした言葉になりません。
「そう、これで、香織クンのココに、キレイなピアスをつけてあげるからねぇ」
「そ、そんな、そんなぁ……ああああっ! 許して、許してくださいっ! あううっ、ひ、ひいい、きひいいぃ〜!」
「そんなことを言っていいのかな? このままチンポを抜いてしまうぞ」
壬生田様が、ニヤニヤと笑いながら、ゆっくりと腰を引きます。
「あうううっ、ダメ、ダメですぅ! ああぁん、お、お願いですっ……抜かないで! 抜かないでぇ!」
私は、必死に膣肉を締め付け、壬生田様のペニスを引き留めました。
「ムッフッフ……二つに一つだよ、香織クン。このままセックスしながらピアスをするか、これでおしまいにするかだ」
壬生田様が、肉棒をワレメに浅く潜らせたまま、シコシコと乳首を扱きます。
「ヒッ、ヒイッ! あうううう……そ、そんなぁ……あン、あぁン、ダ、ダメぇ……オッパイっ! オッパイしびれるうぅ〜!」
強烈な快感が電流のように体内を駆け抜け、私の浅ましい子宮を痺れさせます。
「さあ、どうするんだ? ピアスするのか、しないのか、きちんと自分の口で言いなさい」
「あ、ああぁ……します、しますぅ……あううン! か、香織、オッパイにピアスしまうすう! だ、だから、お願いです! もっとして! セックス、セックスしてええぇ〜!」
「ようし、分かった」
ずんっ、とペニスを突き入れられたのと同時に、針が、私の乳首を真横に貫きました。
「きひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃー!」
凄まじいまでの快感と激痛が、私の神経を灼き切ります。
「あ、あううっ、あ、あひ……かっ、はあっ……あ、ああっ、あ……ああぁっ……!」
一瞬途切れた意識が戻ったとき、針は、まだ私の乳首を貫いたままでした。
壬生田様が、腰を動かしながら、新たな針を手にしています。
「さあ、次はこっちの乳首だぞぉ……ムヒ、ムヒヒッ」
そう言いながら、壬生田様が、私の恐怖を煽るように、左の乳首を針でチクチクと突つきます。
「あ、あううっ、ハァハァ……痛い、痛いですぅ……あひいいぃ……」
「おやおや、麻酔が足りなかったかな?」
そんなことを言いながら、壬生田様が、グリグリと腰を回し、私の肉壷をペニスで掻き回しました。
「ンああああっ! あへ、あへえっ! そ、それ、それスゴイですうっ! うっ、うあああっ、感じる! オマンコ感じるぅ〜!」
「よぉ〜し、効いてきたみたいだねぇ……じゃあ、こっちに刺すぞぉ〜」
今度は、嬲るようにゆっくりと、左の乳首を貫かれました。
「ンぐうううっ……うああ、痛い、痛いぃ……あひ、あひいっ、あぅ、あ、あああああああっ!」
「やっぱり痛いか……なぁに、すぐに忘れさせてやるよ」
壬生田様が、ひときわ大きく腰を動かし、膣奥までその極太のペニスを繰り出しました。
「あっ! あへっ! あへえっ! 子宮、子宮イイ! 子宮しびれるう〜っ! うあっ、あっ、あああ……ひぐうううううううっ!」
壬生田様の亀頭が、私の子宮口を連続して叩きます。
ズキズキとした痛みと、重苦しい気持ちよさに、私は我を忘れて声を上げ続けました。
やがて、熱く火照った体の中で、快楽が苦痛を凌駕していきます。
それは、まるで、初めて羽黒さんに犯された時のような感覚でした。
「あっ、あううううっ、イ、イク、イクう! あああ、マ、マンコいっちゃいますっ! あっ、あああっ、イクぅーっ!」
私は、太い針で左右の乳首を貫かれたまま、絶頂に達してしまいました。
壬生田様は、それでも容赦なくピストンを続けます。
「ンあああっ! もう、もう許してぇ! あへ! あへぇ! またイっちゃう! イグ、イグ、イグ、イグううううぅーッ!」
「ムフフ、もっとだ、もっとイクんだ!」
そう言いながら、壬生田様が、私の乳首に刺さったままの針を、指で繰り返し弾きました。
「おあああああああああ! イ、イ、イクっ! そ、そんなっ! オッパイいっちゃううっ! 痛いのに、痛いのにイクのぉ! あああああああ、イグうううううぅ〜んッ!」
私の淫らな体の中で、与えられる刺激が、全て快楽に変換されています。
今なら、おそらく、顔を平手打ちされてもイってしまうでしょう。
「ううっ、すごいぞ……乳首を苛めると、マンコがギュウギュウ締め付けてくる……! お、押し潰されそうだっ!」
そう言いながらも、壬生田様は、私のアソコを責め続けています。
そして――壬生田様は、さらに“先生”から針を受け取りました。
「ムフゥ、ムフゥ……こ、今度はコッチだ……」
腰の動きを浅く小刻みなものに変えながら、壬生田様が、私のクリトリスに触れました。
「ああああぁ〜っ! そ、そこにも……クリにも、刺すんですか? 針を刺しちゃうんですかっ?」
「もちろんだよ……ムフフフフ、さあ、刺してやるぞぉ……ハァ、ハァ、ハァ……」
壬生田様が、その小さな目を血走らせながら、鋭い針の先端で狙いを定めています。
「ああっ! あああっ! そんな、そんな……あっあっあっあっあっあっ!」
恐怖と――そして、期待で、膣が、ギューッと収縮しました。
「う、うううっ、こいつはたまらんっ……ぐううううううッ!」
「あッ!」
それは、ほとんど同時に起きたのだと思います。
壬生田様が、私の膣内に射精しながら――充血し、勃起したクリトリスを、針で一気に貫いたのです。
「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!」
熱い迸りと、まるで焼けた鉄を差し込まれたような激痛に、私は絶頂を極め――そして、そのまま失神してしまいました。
その後しばらくを、私は、この地下の一室で過ごしました。
解放されたのは、たぶん、一月ほど経ってからのことです。
そして、私は、壬生田様の車に乗せられて――家へと送り届けられました。
家に着いたのは深夜でしたが、やはり、一糸まとわぬ姿だったので、できるだけ素早く家に入りました。
久しぶりの自宅は、まるで、私を拒否しているかのように静かで、そして冷たく感じられました。
私は、そのまま、服を着ることなく、姿見のある寝室へと向かいました。
「…………」
鏡に映る自分の姿を見て、私は、絶句しました。
もちろん、自分がどのようなことをされたのかは、きちんと分かっていました。ですが、あの地下の部屋には、全身を映すような大きな鏡が無かったのです。ですから、自分が実際にどのような体になってしまったのかを確認するのは、実は、これが初めてでした。
私の左右の乳首には、金色の、リング状のピアスが付けられていました。
クリトリスにも、さらには左右のラビアにも、同じようなリング状のピアスが付けられています。
アンダーヘアを永久脱毛されてしまったので、その三つのピアスは、正面からでもきちんと見て取れます。
お臍も、やはりリング状のピアスで貫かれています。
舌を出すと、バーベル型のピアスの丸い一端が、キラリと蛍光灯の光を反射させました。
でも――これだけではなかったのです。
私の体は、いたるところに、毒々しい刺青を施されてしまいました。壬生田様が“先生”と呼んだあの人は、刺青の彫り師だったのです。
まず、左右の太腿から腰、脇腹、そして乳房にかけて、それぞれ二匹の蛇の刺青が絡み付いています。
右の蛇は青黒い色をしており、右の乳房に噛み付こうとでもしているかのように、カッと口を開いています。
そして、左の蛇は、鮮やかな緑色で、赤く細い舌を、左の乳首に伸ばしていました。
さらには、無毛になった下腹部に、まるで花札の図柄のような桜吹雪が描かれています。
その桜吹雪の中央には、やはり花札によく描かれているような赤い短冊があり、そこには、流れるような筆跡で「精液便器」と書かれてるのです。
私は、姿見の前で振り返り、首を捻って鏡に映る自らの背中を見ました。
背中では、極彩色の蝶が、左右に大きく羽根を広げています。
さらに、お尻の上にも、花札をモチーフとしたらしき図柄が彫られていました。
右は、牡丹の花と、「淫乱女」と書かれた青い短冊。
左は、菊の花と、「肉奴隷」と書かれた、やはり青い短冊です。
「あ……あぁ……」
私は、小さく吐息をつき、がっくりとその場に崩れ落ちました。
とうとう、本当に、夫に顔向けできないような体になってしまった――
もし、夫が帰ってきたとしても、元の生活にはけして戻れない――それは、分かっていたはず――覚悟していたはずなのに――
でも、こうやって形にされると、自分の心の中に、どこか甘い考えがあったことに、気付きました。
もしかしたら、あの優しい夫は、全てを水に流して、また私と一緒に暮らしてくれるのではないかという――そんな、どこまでも自分に都合のいい夢想が――
でも、壬生田様が、私をそんな甘い夢から目覚めさせてくれました。
私は、この刺青にあるように、壬生田様の肉奴隷であり、救いようのない淫乱女であり――そして、男の方に精液を恵んでいただくためだけに生きている、卑しい精液便器なのです。
そんな私が、夫と元の生活に戻ろうだなんて――なんて――なんて馬鹿げた話なのでしょう。
「うふ……うふふふふ……うふっ……うふふふふ……」
私は、自分のあまりの滑稽さに、思わず笑みを漏らしてしまいました。
我ながら、常軌を逸した笑い声だと、どこか他人事のように考えている自分がいます。
そもそも、私は、羽黒さんにレイプされて絶頂に達し、快楽にとらわれて彼の奴隷となって以来、ずっと気が狂っていたのでしょう。
「うふふ……くすくす……うふふふふふっ……クククククククククッ……うふふふふふふふ……あははははははははははは……!」
何か、熱いものが、頬を濡らしています。
それが――両の瞳から止め処もなく溢れる涙であるということに、私は、しばらく気付きませんでした。