第二章
皆さん、またお会いしました。香織です。
結局、私は、壬生田様の情婦になってしまいました。
壬生田様との激しい交わりの後、私は、一人、家の中で考えました。信じてもらえないかもしれませんが、夫のことを思い出し、涙すら流しました。
夫の残したお金に手をつけないようにするためとはいえ、これ以上、裏切りを続けることが果たして正しいのか――そんなふうに悩みました。
いえ、正しいわけがありません。生活のためのお金を得るためには、壬生田様の情婦になる以外にも、他にいくらでも方法はあるはずなのです。
にもかかわらず、私は、壬生田様の女になることを、半ば以上、受け入れていました。
結局、お金のためではありませんでした。あの、途方もないサイズのペニスがもたらす狂った快感――それこそが、私に、壬生田様の情婦としての道を歩ませる、決定的な一撃だったのです。
すでに性の奴隷としての下地ができている私にとって、あの快楽を忘れることなど不可能でした。
いつしか私は、壬生田様が再び訪れるのを、待ち侘びるようになっていました。
関係を重ねれば重ねるほど、淫楽の地獄にズブズブと沈んでいくであろうことが分かっていながら、あの太いペニスに体中で恋い焦がれていたのです。
私のなけなしの理性は、そんな自分を責め、叱り付けました。
もし、仮に体を許すようになっても、心で夫のことを想わないでは、妻の資格すらないと考えたのです。
そう……私は、この期に及んでも、夫への愛を捨てることはできませんでした。夫と再び平穏な日々を送れるようになりたいなどということは、さすがに不可能であるということは分かっていたのですが、せめて一目でも会って、心から謝罪をしたいという気持ちでいたのです。だからこそ、私は、夫の家から出ることができないのです。
それでいながら、私の体は、はっきりと壬生田様とのセックスを期待し、四六時中、浅ましく欲情していたのでした……。
そして、とうとう、その日の昼過ぎに、壬生田様が再び家を訪れました。
「なかなか来れなくて悪かったねぇ、香織クン」
壬生田様が、その小さな目で私の体を舐めるように見つめながら、家に上がりました。
「いろいろと野暮用が重なってね。でも、それもあらかた片付いたから、これからはタップリとキミのことを可愛がってあげれるよぉ」
壬生田様が、私の肩を太い腕で抱き、顔を寄せて囁きました。
壬生田様の生温かい息を耳朶に感じ、ぶるっと体が震えてしまいます。
「あ、あの……今日も、この家で……?」
「ああそうだよ。わざわざホテルに行くこともないだろう?」
「でも……その、もし、万一、夫が帰ってきたら……」
「ムフフフフ……何を言い出すかと思ったら……」
そう言いながら、壬生田様が、私の下腹部に、ぐっと下半身を押し付けます。
ズボンの中で、壬生田様のそれがすでに大きくなっているのを感じ、腰がじわっと熱くなりました。
「まさかそんなことはないと思うが、だったら好都合じゃないか。旦那サンに、洗いざらい打ち明けるといいよ。香織クンがワタシのオンナになったってことをねぇ」
「そ、そんな……」
「どうしたんだい? まさか、まだ元の生活に戻れると思ってるんじゃないだろうねぇ」
壬生田様が、その分厚い手の平で、私の頬をピタピタと叩きました。
「もしそうなら、キミの体にきちんと教えてあげないといけないね。このオマンコが、今は誰のモノなのかということをね」
「あ、ああぁっ……」
甘美な絶望感に、私は、思わず喘ぎ声のような吐息をついてしまいました。
「どうせ、ワタシがここに来れない間、ずっとあの“おみやげ”を使ってオナニーしていたんだろう?」
「そ、それは……言えません……!」
とっさに否定することもできず、私は、そんなふうに言いました。
「おやおや、素直じゃないねぇ。きちんと言わないと、今日はこのまま帰ってしまうよ?」
「えっ……?」
壬生田様の顔を見ると、そこには、余裕の笑みさえ浮かんでいます。
それは、すでに私を完全に手中に収めたことを確信しているような表情でした。
「さあ、どうする? 今日も、ワタシの“おみやげ”だけで自分を慰めるのかい? 淫乱妻の香織クンは、それで満足できるのかな?」
ネチっこい口調でそう言いながら、壬生田様が、堅くなったアレをグリグリと擦り付けてきます。
「あぁ……そんな……そんなぁ……」
「ホレ、正直に言うんだ……ワタシの“おみやげ”を使ってオナニーしていたんだろう?」
「うっ……そ、それは……ううぅ……」
屈辱に涙声をあげる私の胸を、壬生田様が、服の上からまさぐります。
「はぁ、はぁ……ああぁ、ダメぇ……あっ、あううっ……許して……許してください……」
「さあ、言うんだ。してたんだろう?」
壬生田様が、私の耳に息を吹きかけ、そのままチュバチュバと音を立てて耳たぶをしゃぶりました。
「あぁン、あぁ〜ン……ハァハァ……あっあっ……し……しました……ううっ……オナニーしました……あぁン……」
耳の穴にまで舌を差し込まれ、私はとうとう告白してしまいました。
「ムフフ……香織クンのことだ。毎日やっていたんだろう?」
「あうっ……そ、そうです……あっ、ああっ……毎日……毎日していました……あふぅ……」
「いつからだい?」
「あっ、あぅううううっ……そ、それは……あっ、ああぁン……」
「今さら何を恥ずかしがってる?。ホラ、言えっ、言いなさい……!」
壬生田様の大きな手が、私の胸を揉みしだきます。
「それは……それはぁ……ハァハァ……み、壬生田様が、来てくださった……あうぅん……つ、次の日からですぅ……」
「次の日からか! やれやれ、まったく、堪え性のない奥さんだ!」
そう言って、壬生田様が、ギュッ、と私の乳房を鷲掴みにしました。
「あくぅ……!」
「ようし、そんなスケベな奥さんにはお仕置きだ。これから、いつもやってるように、私の前でオナニーするんだ!」
「ああぁ……そんな、ひどい……お願いです、許してください……」
「いーや、ダメだ。ホレ、どうせあのベッドの上でしてるんだろう? さっさと行くんだよ!」
壬生田様が、軽く私を突き飛ばします。
「あうぅ……」
壬生田様の腕から解放された私は、がっくりとうなだれながら、階段を昇っていきました。
私は、一糸まとわぬ姿で、ベッドに上がりました。オナニーをする時は、いつも全裸なのです。
そして、私は、サイドボードの一番上の引き出しから、壬生田様の言う“おみやげ”を取り出しました。
“おみやげ”――つまり、私の愛液と、そして壬生田様の精液がたっぷりと染み込んだ、あのブリーフです。
「ムフフ……そんな枕元の近くに置いていたのかい?」
壬生田様にそうからかわれて、カッと顔が熱くなります。
「さあ、自分がこれから何をするのか、きちんと言うんだよ」
壬生田様は、ベッドの足元の方向にある椅子にどっかりと座り込んで、私に言いました。
「あ、あの……私は、これから……壬生田様の下着で……オ、オ、オナニーを、します……」
震える声でそう言って、私は、すっかり黄ばんだブリーフに、鼻を埋めました。
「ウッ……!」
キツい性臭が、私の鼻孔を貫きます。
生理的な嫌悪感と、それを遥かに上回る被虐的な興奮が、私の頭を痺れさせます。
私は、はしたなく脚をMの字に開き、左手にブリーフを握り締めたまま、右手を自らの股間に伸ばしました。
「あぁ……ン」
指先が触れただけで、他愛もなく甘い声が漏れてしまいます。
私の恥知らずなそこは、すでに、たっぷりと愛液を分泌し、ヒクヒクと物欲しげに息づいていました。
「ハァ、ハァ……うっ、ううぅん……あふ……うっ、あくぅ……」
私は、ヘッドボードにもたれながら、濡れそぼる秘部をまさぐり始めました。
包皮の上からクリトリスを刺激すると、全身に心地よい電流が流れます。
壬生田様のザーメンの匂いを嗅ぎながら、私は、次第に指の動きを速めていきました。
「うふっ、うふぅ……うん、ううぅんっ、うく……んっ、んっ……クンクン……はふぅ……んっ、んうううっ、うっ……あ、ああっ、あふぅ……」
自然と口が開き、舌が勝手に唇を舐め回します。
私は、愛液にまみれた肉の割れ目に指先を潜らせ、クニクニと上下させました。
壬生田様が、ニヤけた笑みを浮かべながら、食い入るように私のそこを見つめています。
壬生田様の視線を意識すると、そこは、ますます敏感になりました。
「あっ、ああぁン、あふ、あふぅン……ハァ、ハァ……ああぁ、イ、イヤぁ……感じちゃう……」
「おお、すごい汁気だねぇ……あとからあとから溢れてくるよ」
「あううっ……い、言わないでください……んふっ、んふうっ、ふぅふぅ……は、は、恥ずかしい……あっ、あううっ……」
恥辱におののきながらも、私は、指を止めることができません。
いつしか、私は、折り曲げた指を自らの穴に出入りさせていました。
「はっ、はあぁっ、あん、あぁ〜ん……ハァハァ……ああぁ、感じる、感じるぅ……うっ、ううううぅ……んあぁ……クンクン……あひっ、あひぃ〜」
イカ臭いザーメンの匂いが、私の浅ましい牝の部分をますます煽り立てます。
私は、三本の指を揃え、自らの膣口に激しく抽送しました。
「あっ、ああっ、あっあっあっ……! あン、あはぁン、ああぁ……あひ、あひぃ、ひぃン……ああぁ、す、すごい……あン、あはぁ〜ン!」
私は、自らの内に湧き起こる衝動に抗うことができず、壬生田様のブリーフの端――ちょうどペニスの当たる場所を、口に含んでしまいました。
「あむ、んむっ、んむむっ……チュバチュバ……んふン、んふン……あっ、あうううぅ……ああぁ……ちゅっ、ちゅぶぶっ、ちゅばっ……」
ますます匂いをキツくしたブリーフをしゃぶりながら、私は、自分の一番感じる場所を、指先で抉りました。
完全に勃起し、肉の莢から頭を出したクリトリスが、手の平に擦れます。
「あううっ、うっ、うぅん……! あひ! あひ! ああぁ……ダ、ダメ……もうイキそうです……あううっ、あふ、あはぁ〜ン!」
「ムフフ……ウットリした顔をして。そんなにワタシのザーメンの匂いが好きなのかい?」
「あぁっ、好き、好きです! ザーメン臭いの大好きっ! あぁン、あンあン! あああっ、イ、イ、イクっ! イっちゃう、イっちゃいますぅ〜!」
自分の涎でビチョビチョになったブリーフを鼻先に押し付けながら、私は、ヒクヒクと体を震わせました。
「いいぞ、そのままイって見せるんだ!」
「は、はいぃ〜! あああっ! イキます! イキますっ! ああああああ、イ、イイっ! イグ、イグ、イグうううううぅ〜ッ!」
壬生田様のブリーフを噛み締めながら、私は、自涜のエクスタシーを極めました。
全身がビクビクと痙攣し、溢れ出た愛液がシーツに染みを作ります。
一人でしている時よりも何倍も大きな快楽に頭の中をシェイクされ、私は、そのままズルズルとベッドの上に横たわってしまいました。
「……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
我に返ると、壬生田様が、携帯電話で何かを話していました。
「――ああ、予定が変わったんだ。今すぐこっちの玄関に車を回してくれ」
そう言って、通話を終えた携帯電話を、胸ポケットにしまいます。
「あ、あの……」
「ああ、すぐに車が来るからね。ちょっと待ってもらおうか」
「え……? でも、さっきは……」
「気が変わったんだ。さっき言ったろう? 自分がどういう立場か、その体に刻み込んであげるよ」
その時、私は、壬生田様の言うことの意味が分かりませんでした。
ともあれ、夫の思い出の詰まったこの家で抱かれるのではない、ということは、私にとって歓迎すべきことのはずです。
私は、壬生田様の気がまた変わらないうちにと、脱ぎ捨てた下着を身につけようとしました。
「香織クン、だめだよ。キミは、その格好のままだ」
「えっ? ま、まさか……裸で車に……?」
「もちろんじゃないか。私と一緒にいる間、キミは、勝手に服を着ちゃいけないんだよ」
そう、壬生田様が言い終わらないうちに、壬生田様の携帯電話が、一回だけコール音を響かせました。
「おお、来た来た……さあ、香織クン、さっさと来るんだ」
壬生田様が、私の手首をぐっと握ります。
「い、いやっ……! いやです! いくらなんでも――!」
私がそう叫んだとき、バシッ! という激しい音ともに、頬に衝撃が走りました。
バシッ! バシッ! バシッ!
平手打ちにされたのだ、と気づく前に、二度、三度と、さらに頬を張られます。
「ヒイイィ……や、やめて……! 許して、許してください……!」
私は、頬を押さえながらその場に崩れ落ち、泣き声を上げました。
「――ワタシに逆らえるような立場なのか、キミは」
「ああぁ……も、申し訳ありません! もうぶたないで……!」
私を殴る間、顔色一つ変えなかった壬生田様に、心の底から恐怖を感じ、私は、必死に詫びました。
「それでいいんだ。ワタシも、キミの綺麗な顔を腫らしたくはないからねぇ。さあ、早くするんだ」
「ハ……ハイ……」
単純な暴力に呆気なく屈服し、私は、壬生田様に連れられて、玄関へと行きました。
壬生田様がドアを開けると、門の外側に、大きな黒塗りの自動車が停まっています。
「さあ、素早く乗るんだぞ」
明らかに面白がっている口調で、壬生田様が言います。
私は、こぼれる涙をぬぐい、ドアの外を伺いました。
幸い、明るい太陽に照らされた道路には、人影はありません。
「家のカギはこれだね? 戸締まりはワタシがしてあげるから、キミは車に乗ることだけ考えるといい」
「ハイ……」
私は、祈るような気持ちで、ドアから外に出ました。
玄関から自動車までの、ほんの数メートルの距離を、裸のまま小走りに駆けます。
もちろん、車の中には、運転手がいるはずですが、そんなことには構っていられません。
手をかける前に自動でドアが開いたので、私は、そのまま座席に入り込みました。
リムジンというのでしょうか? 中は、非常に広く、凝った内装の車内には、クーラーボックスまでが備えられています。席は、たっぷり三人は並んで座れそうなシートが、前後に対面するような形になっていました。
運転席と後ろのスペースの間は、壁とガラス窓で仕切られ、ガラス窓にはカーテンがかかっています。
私は、ゆったりとした座席の上で、怯える小動物のように丸く縮こまりました。
ガラスはスモークになっているので、おそらく外からは見られることはないと思うのですが、それでも、近所の人に見つかったらとおもうと、体が小刻みに震えてしまいます。
惨めさと不安にまた涙がこぼれそうになった時、ようやく壬生田様が車に乗り込み、ドアが閉まりました。
「例の先生のところにやってくれ」
カーテンをずらし、窓ガラスを開けて、運転手にそう言うと、びっくりするほど静かに自動車が発進しました。
「さっきはぶったりして悪かったねぇ、香織クン」
まったく悪びれた様子もなく言いながら、壬生田様が私に向き直りました。座席の位置は、壬生田様が後ろ向きの前の席で、私が前向きの後ろの席――つまり、向かい合わせです。
「い、いえ……香織がいけなかったんです……逆らったりして、申し訳ありませんでした……」
するりと、そんな言葉が私の口から漏れました。
自分は、なんて弱い女なのか――そんな思いすら、マゾヒスティックな疼きとなって、私の女の部分を甘く苛みます。
「そうそう、香織クンは素直でないとねぇ。さあ、仲直りのキスだ」
壬生田様が、私の上半身を引き寄せ、その分厚い唇を私の唇に重ねました。
「んちゅっ、ちゅぶ、むちゅっ……あぁ、すいませんでした、壬生田様……チュッ、チュッ、本当に、本当にごめんなさい……」
私は、そんなふうに謝罪の言葉を繰り返しながら、自ら壬生田様の唇をついばみ、舌に舌を絡めました。
今の私を見たら、夫はどう思うだろう――そう思うと、正体不明の戦慄が、ゾクゾクと背中に走りました。
「ぷふぅ……ムフフフフ、ところで、キミのオナニーショウを見てから、息子がもうこんなになっちゃってねぇ」
そう言って、壬生田様が、私の手を自らの股間に導きます。
そこは、ズボンの上からも分かるほどに、堅く強張っていました。
「あぁ……気が付かなくて申し訳ありません……ご奉仕いたします……」
私は、媚びるようにそう言いながら、座席の床にひざまずき、壬生田様のベルトを外し、ズボンのジッパーを下ろしました。
ブリーフの中からペニスを取り出すと、それは、逞しく上を向いて反り返りました。
「すごい……石みたいにカチカチで……あふぅ……」
私は、頬を張られたときの屈辱や恐怖などすっかり忘れ、壬生田様の肉棒に見入ってしまいました。
そして、吸い寄せられるように、壬生田様のペニスの先端に、口付けしました。
「んっ……チュッ……ちゅむむっ、ちゅぷ、ちゅぶぶ……レロレロレロ……ちゅぷぅ……」
ペニス全体を唾液でタップリと濡らしてから、私は、胸の谷間で壬生田様の肉棒を挟みました。
熱く脈打つ肉竿の感触が、私の興奮をさらに高めます。
私は、両手で自らの乳房を真ん中に寄せるようにしながら、上半身全体を上下に動かし始めました。
「はぁ、はぁ……あ、あぁん……ゴリゴリしてます……あふぅ……あううぅン……」
節くれ立った肉棒が乳房を擦る感触に、私は、他愛もなく喘ぎ声を漏らしてしまいます。
「ううっ、さすがだね、香織クン……オッパイがデカいからパイズリの感触も格別だよ」
「ハァハァ……あぁん、は、恥ずかしいです……」
「ワタシは褒めてるんだよ。ムフフ、マシュマロみたいに気持ちいいオッパイだ」
そう言いながら、壬生田様が、私の乳首に指を伸ばします。
コショコショと軽く撫でられただけで、私の乳首は、恥ずかしいほどに勃起してしまいました。
「あン、あぁン、あ、あふぅ……あああぁン、さ、先っぽ感じます……あふ、あふぅ……痺れちゃうぅ……」
「イヤらしい眺めだ……ホレ、もっとヨダレを垂らして、チンポをヌルヌルにするんだ」
「ハ、ハイ……分かりました……」
私は、壬生田様に命じられるままに、自分の胸元に唾液をたらし、胸奉仕の潤滑液にしました。
そして、さらに乳房でペニスを扱くと、その先端から透明な先走りの汁が溢れてきました。
「おお、気持ちいいよ……ふぅふぅ……ん、そうだ。いいことを思いついたぞ」
そう言いながら、壬生田様は、私から見て右側にある、あのクーラーボックスを開きました。
中入っていたのは、意外なことに、牛乳のパックと、一房のバナナでした。
「ワタシは、これでもなかなか忙しくてねぇ。よくこの中で朝飯を食べるんだよ」
そう言いながら、壬生田様が、房からバナナを一本だけ千切り取り、皮を剥きます。
「さあ、こいつを香織クンのオマンコの中に入れるんだ」
「えっ……? そ、そんな……」
「――まさか、嫌だというわけじゃないよねぇ」
一瞬、壬生田様の顔から表情が消え、私はさっきの頬の痛みを思い出しました。
「いえ、そんな……わ、分かりました……」
私は、壬生田様の差し出したバナナを受け取り、膝立ちになって、その先端を自らの膣口に当てました。
壬生田様が、ペニスを挟んだままの私の乳房を両手で掴み、グニグニと揉みながら、私の顔と股間を交互に見つめています。
「ハァ、ハァ……あぁ……こ、こんなものを入れちゃうなんて……あふぅ……」
「さあ、ズブっと入れるんだ」
「あっ、あううっ、うく……あ、あぁん、あひぃ……イヤぁ、入っちゃう、入っちゃうぅ……」
私は、壬生田様の肉棒に胸を犯されながら、自らバナナを挿入していきました。
まだ少し堅さの残る、新鮮なバナナの感触が、私の膣内を満たしてきます。
私のそこは、壬生田様のペニスを目にしたときから、すでに蜜を溢れさせていたので、挿入は呆気ないほどスムーズでした。
「ふああぁぁぁ……ン」
バナナが膣奥に到達したとき、喜悦の吐息が、口から漏れました。
壬生田様の視線が、私の浅ましい性感をますます煽ります。
「あっ、あぁん、あふ……ハァハァ……ああぁ、あひぃン……」
私は、知らず知らずのうちに、バナナをピストンさせていました。
愛液が、恥ずかしいほどに溢れ、自分自身の手を汚していきます。
「ムフフ……香織クン、もうすっかりバナナオナニーに夢中だねぇ。今度は、一度抜いて、バナナの先っぽでクリトリスを刺激してみなさい」
両手で左右から乳房を押さえ、親指で乳首を揉みつぶすように刺激しながら、壬生田様が私に命令します。
「ハ、ハイ……あ、あうっ、あぁン!」
蜜にまみれたバナナの先端でクリトリスををくすぐると、まるで舌先で舐められたような快感が走り、私を驚愕させました。
「ア、あううっ、あふ、あふっ、ああぁ……あン、あぁ〜ン……あぁ、う、嘘ぉ……こ、こんなにイイなんて……あっ、あううっ、あひぃ〜ン」
私は、しばらく我を忘れて、バナナによる自慰に熱中しました。
その間も、私の乳房は、壬生田様の手に揉みくちゃにされ、胸の狭間にはゴツゴツした肉棒が擦り付けられます。乳首は、もうカチカチです。
「よし、そろそろいいだろう……ムフフ、その、香織クンのジュースまみれになったバナナを寄越すんだ」
「えっ? あ、ハイ……分かりました……」
私は、少なからぬ名残惜しさを覚えながら、愛液でベトベトになったバナナを壬生田様に渡しました。
「ムフフフフ……」
壬生田様が、大きな口でバナナを半ばまでかじり、咀嚼しました。
そして、モゴモゴと口を動かしながら、無言で私の口元に手を当てます。
私は、壬生田様の意図を察し――まるで餌を待つ雛鳥のように、大きく口を開け、舌を差し出しました。
壬生田様が、グチュグチュになるまで口の中で噛んだバナナを、ぼとっ、ぼとっ、と私の口の中に吐き出しました。
「あ、ああぁ、あぅ……あ、あっ……」
口の中に、甘く生温かいバナナの残骸が溜まっていきます。
その時、嫌悪感よりも先に、被虐的な快感が、私の体をおののかせました。
「ムフフ、飲み込むんじゃないぞ。そいつを口に入れたまま、ワタシのチンポをしゃぶるんだ」
「…………」
私は、壬生田様の命令にコックリと肯き、そのままペニスを口に含みました。
「あむっ……うぶぶぶぶ……」
「おおっ……! 思ったとおり、ヌメヌメしてイイ感触だ……!」
壬生田様が、喜悦の声を上げながら、私の頭に手をかけ、ゆっくりと前後に動かし始めました。
私は、壬生田様の手の動きに従いながら、舌を肉棒に絡めました。不思議な、バナナ味のフェラチオです。
「んぶっ、ちゅぶぶぶ……うぶ、うぶぶっ、じゅぶ……んぐ、んぐぅ……んぶっ、んっ、んんんっ……ちゅぶぶ……ちゅぐぐぐっ……」
「ムフゥ、ムフゥ……おお、いいぞっ……ううっ、こいつは予想以上だ……うううっ……」
ピュッ、ピュッ、とペニスの先端からカウパー氏腺液が溢れ、バナナの味と混ざり合います。
私は、未だ火照ったままの腰を揺すりながら、情熱的に口唇奉仕を続けました。
「ちゅっ、ちゅぶぶぶぶ……んふン、んふン……ちゅうちゅう……はぶ、うぶぶ、ちゅば……じゅばっ、じゅばばっ、じゅぼ……じゅるるるるるっ……!」
「ああ、いいよ、いいよぉ……こいつすごい……フゥフゥ……うおおっ……!」
壬生田様が、うめくような声を上げながら、残りのバナナを食べています。
「バナナのマン汁漬けもイイ味だ……ムフフフフ、どうやら、香織クンはバナナと相性がいいようだねぇ」
「ぐぽ、ぐぽ、ぐぽ、ぐぽっ……うぅン、んふっ、んふうぅ……ンググっ、ちゅぶっ、じゅぶ、じゅぶぶぶっ、んぶぶ……うン、うぅ〜ン……」
抗議しようにも、口を開くことはできず、鼻からは甘えるような息が漏れるだけです。
「ううっ……も、もう出そうだ……」
壬生田様が、私の頭を両手で抱え、ガクガクと腰を揺らしました。
喉奥を突かれる苦しさが、なぜか快楽に変わり、私の全身を甘く痺れさせます。
「うっ、ううぅン! うぐ、うぐっ! うううっ……うふン、うふぅン……う、ううっ、うぐぐ……おぶっ、おぶぶぶっ、んぶ……ぢゅっ、ぢゅぢゅっ、ぢゅぢゅぢゅぢゅっ!」
「ムフッ、ムフッ! か、香織クン、ぜんぶ飲むんだぞ。特製のバナナセーキだ! うおおっ!」
ドピュッ! ドピュッ! ドピュッ!
大量の精液が私の口内に迸り、バナナと混じり合います。
その、ドロドロとした甘く臭い大量の粘液を、私は、ゆっくり、ゆっくりと飲み干していきました。
「んむっ、んぐぐ……ゴクリ、ゴクリ……ううぅン……んふぅ、んふぅ……うっ、うううっ、ゴキュ……ううっ、ううぅ〜ン!」
壬生田様のペニスを咥えたまま、私は、ビクビクと体を震わせました。
ひときわ濃厚なザーメンを嚥下しているような錯覚に、私の体は、浅ましくも絶頂に達してしまったのです。
「ふうううぅぅ……さあ、一滴残らず吸い取るんだ」
「ふゎい……んっ、ちゅむっ、ちゅずず……じゅるるるっ……」
私は、変態的なアクメの余韻に浸りながら、壬生田様の尿道に残った精液を啜り飲みました。
「ムフフフフ……上出来だよ。キミは、最高の口マンコ奴隷だ」
「あぁ……ありがとうございます……」
私は、自分でも驚くほどにウットリとした声音で、お礼を言ってしまいました。
日暮れ頃になって、車が、都内の繁華街に到着しました。
歩道を歩くたくさんの人が、私のことを見ているのではないかと思い、激しく不安になります。
一方、壬生田様は、まったく平気な様子です。おそらく、外からこの車の中を窺うことは全く不可能なのでしょう。
車が、毒々しいネオンのある通りを抜け、左右を擦りそうなほどに狭い裏通りに入りました。
まるで嘘のように人影が絶えています。
私の中で、先程とは質の違う不安が、首をもたげました。
「あ、あの……どこに向かっているんですか?」
うかつにも、私は、今の今まで、その問いを口にしていませんでした。
「香織クンを生まれ変わらせてくれるところだよぉ」
薄暗くなった車内で――壬生田様が、ニタリと笑いました。