解答編
解答編
林堂は、品川から聞いた住所を頼りに、田上芳恵の家を訪ねた。
父親のスーツを借り、ネクタイを締めている。顔立ちは整っているが、高校生特有の幼さや甘さが無いため、林堂は、そうすると社会人のように見えた。
「あの事件について取材しているんですが」
パソコンで作った、適当な出版社と雑誌の名前を印刷した名刺を差し出すと、芳恵は、林堂のことをすっかり記者と勘違いしたようだった。
「沙耶さんという子は、どんな子でしたか？」
当たり障りの無い話で緊張をほぐしてから、林堂は、芳恵に訊いた。
「どうって……あたしは、ほとんど会ってないからねえ」
芳恵が、語尾に溜め息を重ねながら、言う。
「まあ、死んだ人のことをとやかく言いたくはないけど、変わった人だったことは確かだね」
「話をされたようなことは？」
「まさか。顔だって滅多に会わせないんだからね。ああいうのを、ヒキコモリって言うのかね？」
「そうですね。学校にもほとんど行ってなかったという話を聞きましたけど」
「そうねえ。行ってる気配は無かったね。噂によると、中学校にもぜんぜん行って無かったらしいよ」
「なるほど……」
その後、幾つか質問をしてから、林堂は懐に手を突っ込んだ。
「この写真を見てくれますか？」
林堂が差し出した写真を見て、芳恵が、怪訝そうな顔をする。それは、スタジオで撮られたとおぼしき、天草沙耶の写真だった。
「これ、なんだい？」
「いや、ちょっとしたツテで手に入れた写真なんですけどね。写ってるのが間違いなく沙耶さんなら、目線を入れて記事に使えるかと思って」
「へえ……」
芳恵は、どこか感心したような顔付きになった。
「お嬢さん、こんな顔してたんだねえ」
「それ、どういう意味です？」
「言ったろう。あたしは、お嬢さんとは滅多に会わなかったんだよ。こうやってしげしげ顔を見るのは初めてだと思うね」
「そうですか……」
林堂は、落胆したふうを装いながら、写真を懐にしまった。
「ところで、久嗣さんという人はどんな人だったんですか？」
「そうねえ……これも悪口になるかもしれないけど、ちょっとお盛んすぎた感じだったねえ」
「女性関係が、ですか？」
「そうそう。普段は無視してるくせに、あたしみたいなオバサンまで、ヘンな目で見る時があってねえ」
「そうですか……」
林堂は、ペンを持った右手を口元にやりながら、ちらりと芳恵の姿態を観察した。不美人というわけではないが、どこにでもいそうな中年女性――そう、頭の中で結論付ける。
「女の人の出入りもけっこうあったしね……。奥さんがいなくなったり、娘さんがあんなふうになったのも、そのせいじゃないかねえ」
「なるほど」
林堂は、真剣な面持ちで肯き、そこで話を切り上げた。
駅前のファーストフードの店で適当な昼食をとっている林堂の携帯が、単調なメロディーを奏でた。
表示を見ると、品川からである。
「――林堂か？ 佐井村美津子が警察に出頭してきたぞ」
開口一番、電話口の向こうの品川は、言った。
「佐井村……天草氏の情婦でしたっけ？」
「そうだ。昔の男の家に転がり込んでいたということなんだな」
「じゃあ、無事なんですね」
「ああ。ただ、何でも、彼女は天草沙耶から脅迫の電話をかけられたらしい」
「脅迫？」
林堂の形のいい眉が、ぴくりと動く。
「ああ。事件があった日の早朝だ。“父親と、新崎の次は、お前だ”とまあ、そういうふうな電話だったらしい」
「それを、彼女はどういう状況で聞いたんですか？」
「自分のマンションでだよ。ちょうど、久嗣が殺された夜、美津子は数人の友人とバーで酒を飲んでいたんだ。で、午前様になってマンションに帰り、少し眠ったところで、沙耶からの電話がかかってきたというんだな」
「それが……次はお前だ、という内容だったんですか？」
「ああ。それを聞いて、美津子は恐ろしくなったらしい。沙耶が普通の娘でないことは知ってたからな。それで、そのあとすぐに昔の男に助けを求めたという話だ」
「裏は、取れたんですか？」
「一応な。その昔の男というのも美津子と一緒に警察に来たんだ。どうも天草家とは無関係らしいんで、証言は信用できると思う。あの夜、美津子と一緒に酒を飲んでいた友人も特定できたしな」
「じゃあ、佐井村さんは、二つの殺人事件に関して、両方ともアリバイがあるってことですね」
「ああ。そういうことになるな」
「……となると、彼女の証言は、信用していい、ということになりますかね」
「そう思う。もし、久嗣を殺したのが美津子なら、その罪を沙耶にかぶせようとしたということも考えられなくはないが……」
「アリバイの方が崩せない、と？」
「そうなんだ。美津子のその日の行動については、バーの従業員や、男の近所の住民など、次々と証人が出てきているからな」
「そうですか……」
林堂は、どこか不機嫌そうな顔で、言った。
「となると、あとは、沙耶が新崎一家を襲った動機だけが問題ですね」
「いや、実はな……美津子の話によると、彼女を天草に紹介したのは、新崎だったようなんだな」
「…………」
「どうもそれが、沙耶の一連の凶行の動機らしい。沙耶が父親と関係していたとするなら、これは、まさに痴情のもつれによる殺人ということになるな」
「父親と、父親の情婦と、その情婦を父親に紹介した父親の秘書――」
感情のこもらない声で、林堂がつぶやく。
「父親と通じてしまった娘が殺そうとする動機は、充分にあるだろう？」
品川が、確かめるような口調で、言った。
「そうですね……。しかし、沙耶の凶行は、新崎氏を手にかけようとしたところで、その娘であるまひるによって阻止されてしまった……」
「ああ。それでようやく話が一本につながる」
「そうですね」
林堂は、気のない口調で言った。
「新崎まひるの正当防衛は、これでほぼ立証できるだろうな。お前の方でこれ以上何か調べるようなことはないと思うが？」
「ええ……」
林堂が、短く返事をする。
「しかし、お前、どうしてこの件に首を突っ込んできたんだ？ ……もしかして、まひると知り合いなのか？」
「まあ、そんなところです」
林堂が、素っ気無い口調で答える。
「そうか……」
品川は、まだ何か言いたげだったが、そこで電話を切った。
その後、美津子を天草久嗣に紹介したのが、新崎照夫である、という件について、新崎照夫本人、および美津子の周囲の人間から、証言があった。
捜査本部は、天草久嗣殺人事件について、天草沙耶を犯人と断定し、被疑者死亡のまま、書類を送検した。
新崎まひるは、その行為が正当防衛であると認められ、いかなる処分も受けなかった。
私は、寝台の上で四つん這いになっている。
いや、両手両膝をシーツにつく犬の姿勢よりも、さらに屈辱的なポーズだ。
正座の形に膝を畳んだまま、前屈みになり、お尻を高く掲げている。
手首と足首は、それぞれ革のベルトのようなもので戒められていた。
その革製の手枷と足枷とを、右手首と右足首、左手首と左足首というふうに、短い鎖でつながれ、姿勢を制限されているのだ。
今の私は、アナルも、ヴァギナも、後方に剥き出しにしてしまっている。
アンダーヘアは、永久脱毛されている。幼女のようにつるつるのその部分の中心で、あの男に犯され、汚された粘膜が、わずかにめくれあがっているはずだ。そのことを想像すると、今更ながら、羞恥で顔が熱くなる。
少しでも身じろぎすれば、ガチリと鎖がきしみ、幅広の革ベルトが肌に食い込む。
それがもたらす苦痛よりも、その苦痛を苦痛と思わないまでに開発されたこの体が、厭わしく、忌まわしい。
「ふふふ……いい格好だよ、沙耶……」
あの男が、私をその名前で呼ぶ。
「マンコもケツ穴も剥き出しだ……。あんなに可愛がってあげてるのにまだピンク色で……とっても素敵だよ……」
そう言いながら、一眼レフのカメラを構え、シャッターを切り続ける。
「ああ……いや、いやぁ……やめてください、お父様……」
私は、あの男のことを“お父様”と呼ぶ。
他にどう呼ぶこともできない。そう呼ぶように、幼いころから“訓練”されてきたのだ。子供の意志は、動物のように、苦痛と快楽の前に柔順だ。
いや、それとも――このような境遇を受け入れてしまうほどに、私は弱い人間なのか。
そう思うと、悔しくて、悲しくて、じわりと涙が目尻に滲む。
「いい顔をしているよ、沙耶……。ああ、どこまで父さんを興奮させるんだ……」
全裸のあの男の突き出た腹の下で、ペニスが、力を漲らせはじめている。
大きい、と思う。私の体はあのペニスしか知らないが、それでも、そう思う。
あれほど貫かれているのに、私の体は、あれを挿入させるたびに一種の息苦しさを感じる。変わったのは、その息苦しさをどう感じるようになったかということだ。
「さあ……その可愛いお尻にお薬を入れてあげようね」
あの男は、息をせわしなくしながら、カメラを置き、そして、薬液の入った洗面器と、浣腸器を持ってきた。
シリンダー型のものではない。ボール型のポンプと長いチューブが一体になったタイプだ。
「ああ、ダメ……ダメです……。お浣腸は許してください……」
私は、無駄と知りつつも、そう訴える。
あの男に媚びているわけではないが、その哀願が、男のペニスをさらに固くするのを、私は見た。
「ふふふ、いいぞ……。沙耶のお尻の穴がヒクヒク動いている……」
「いっ、いやぁ……」
私の唇から、哀れっぽい悲鳴が漏れた。
男は、にんまりと笑いながら、チューブの先端を弁付きのアナルストッパーにつないだ。
「さあ、入れるからな……。お腹の中の悪いものを、全部出すんだぞ……」
そう言って、シリコン製のプラグをアナルに挿入する。
まがまがしい形をした冷たい異物が、じわり、じわり、とアナルを広げていく。
そんな暴虐すら受け入れてしまうほどに、私のそこは開発されていた。
「ひ、ひいいっ――ンひいいんっ！」
異物を差し込まれたことによる悲鳴が終わらないうちに、次の悲鳴を発してしまう。
直腸に、薬液を注入される感覚。
熱いような、冷たいような感じが、お尻の穴から体の奥へと染み込んでいく。
「あああぁぁ……許して……許してくださいぃ……お、お浣腸イヤぁ……！」
私の悲鳴を無視して――いや、むしろ楽しむように、男が浣腸器のポンプをぎゅっ、ぎゅっ、と握る。
「あああ、あああ、あああぁぁ……あうっ、あひいっ、んひぃ……！」
ぢゅーっ、ぢゅーっ、ぢゅーっ、ぢゅーっ……。
生温かい薬液が、私の体の中を満たしていく。しかし、どうすることもできない。
苦しくはあるが、痛みは、ほとんどない。いや、かつて痛みと感じていたものが、別の感覚になっているような、そんな感じだ。
「こっちもいじってあげような……」
あの男は、舌なめずりしながら、右手でポンプを操りつつ、左手を私の乳房に伸ばした。
「うあああン……！」
びくん、と私の体が跳ね、ガキン、と鎖が鳴る。
「ちょっと触っただけで……沙耶は本当に敏感だな……」
言いながら、男が、私の乳房を太い指で揉む。
「あっ、あああん、あう……あっ、あはぁっ……ダ、ダメ……ダメえっ……んううン！」
びくん――ガキン――びくん――ガキン――びくん――ガキン――
男のわずかな手の動きに、私の体は簡単に反応を返してしまう。
「乳首がとても固くなってきたよ……。ふふふ、浣腸されてるせいで余計に敏感になってるのか？」
私の腸内に浣腸液を注ぎ続けながら、あの男が言う。
「そ、そんなこと、ありませんっ……あうン……！ お、お浣腸は、つらいだけです……あうっ、あああン……！」
あの男にと言うよりも、自分自身への言い訳のように、そう叫ぶ。
だが、ずっしりとお腹が重くなるほどに薬液を注入された私の体に、乳房への愛撫による快感が、じんじんと響いているのは、紛れも無い事実だ。
「そら、乳首の方もいじってやるぞ……」
「あうううン！」
すでに固くしこっている乳首を強く摘ままれ、私は、びくびくと体を震わせた。
反射による身悶えすら封じられているという事実が、私の心を濡れた絶望で塗りつぶしていく。
ぢゅうーっ……！
「ようし、最後まで入ったぞ……」
「うああぁぁぁ……」
苦痛と屈辱と安堵が入り混じった溜め息が、口から漏れる。
「ふふふ……ぽっこりとお腹が膨れて……まるで妊娠しているようだ」
あの男が、私のお腹を撫でながら、おぞましいことを言った。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……く、苦しい……お父様、苦しいの……」
毎晩のように私の体を犯し尽くす憎い男に、すがるような言葉を吐く。
だが、あの男がプラグを外してくれないかぎり、私はこの状態から逃れることができないのだ。
「そんなに苦しいのかい？ 沙耶……」
言いながら、男が、私の秘部に手を伸ばす。
「あひン……」
「苦しい割に、ここは、こんなにグチョグチョになってるぞ？」
「そ、そんな、ウソ……ウソですう……ひん、ひいん、あひぃ……！」
「くっくっく……苦しみを和らげてやろう」
そう言って、あの男が、カメラを手にしながら、私の後ろに回り込む。
「はぁ、はぁ……いくぞ……」
右手でカメラを構え、左手で勃起したペニスを握って、亀頭でクレヴァスをかき回す。
「あうん、あん、あああ……うくっ、あふうぅ……」
唇から、恥ずかしい声が漏れるのをこらえることができない。
体をよじれば、いくら拘束されているとは言え、このおぞましい快楽から逃れることはできるはずだ。
もちろん、そうしたところで、すぐに体を捕らえられ、また同じ快楽を与えられるのだけど――
でも、そのことを言い訳に、私は、そのままあの男の亀頭がもたらす快楽を受け入れ続けてしまった。
「あっ、ああっ、あう、ああん……あく、あふうん……あう、あっ、ああぁん……」
泣きたくなるほどに切ない快楽が、私の全神経を支配する。
知らず知らずのうちに腰を物欲しげに左右に振っている私の姿を、あの男が、次々とフィルムに収めていった。
「どうだ、奥まで欲しいか？」
カメラのファインダーを覗きながら、あの男が訊く。
「は、はい……欲しいぃ……欲しいですゥ……お父様ぁ……お、奥まで欲しいぃン……」
自分自身が何を言っているのか半ば分からなくなりながらも、あの男に情けない声で訴える。
「ふふふ……入れてやるぞ……！」
熱い肉塊が、私の膣内に侵入してきた。
「んぐっ！ くひいいいぃっ……！」
強烈な快感を伴った力が、膣の内側から、浣腸液でいっぱいになったお腹の中をさらに圧迫する。
私は、強制的に高められた便意に反応して、無意識のうちに括約筋を締めていた。
「ううっ……すごいぞ、沙耶……食い千切られそうだ……」
獣のような息の合間にそんなことを言いながら、あの男が、腰を前後に動かす。
膣壁を容赦なく雁首がこすり、圧迫感と快美感を高めていく。
「あうううん、くひっ、ひん、んひいっ……あっ、あああっ、あっ、んあああああン……！」
私は、拘束された体を空しくくねらせながら、だらしなく声をあげ続けた。
便意と快楽が体の中で混じり合い、おぞましいうねりとなって私の心をどす黒く犯していく。
「ひあああっ、あうっ、あんっ、あああんっ……いっ、いひいっ……！ すごいっ……すごいですっ……！ あああン！」
「ハァ、ハァ、ハァ……沙耶っ……！」
私の声に興奮したのか、あの男が、抽送のピッチを速めた。
私の膣肉のきつい締め付けと、あの男のペニスの激しい運動が、ひりつくような快感を高めていく。
ぎゅっと閉じた目蓋の裏に、チカチカと白い電光が明滅した。
「ああああっ！ ああっ！ イっ、イくっ！ イきますっ！ あああっ！ イくううっ！」
「ああ、イけっ！ イくんだっ！ 父さんもイくぞっ……！ おおおおおおお！」
肉茎を根元まで挿入し、亀頭を子宮口にめり込ませながら。あの男が、叫ぶ。
「ああああああああああああああああああああああああああああああッ！」
その位置で、熱い精液をたっぷりと注がれた。
体の一番奥を汚されながら、私は、絶頂を極めてしまう。
「あああっ、あん、あはあっ……！ イク、イク、イク、イクう……！」
あの男のペニスが私の膣内で何度も律動し、スペルマを放出する。
その温度と衝撃で、私の体は、繰り返し絶頂に達してしまった。
「あっ、あああ、ああああああぁ……」
ずるり、と肉棒が抜けた。
しばらくして、逆流したザーメンが、とろとろと開いた膣口からこぼれ落ちる。
私の愛液とあの男の精液が混ざり合い、糸を引いて滴る様を、カメラが、フィルムに刻み込んでいく。
絶頂の余韻が引くと、強烈な排泄欲求だけが、私の体に残った。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
私は、許しを乞う犬のような目で、あの男を見つめる。
「どうしたんだね、沙耶……」
「苦しい……苦しいんです……ううぅンっ……も、もう、限界です……」
「そうか……」
そう言いながら、あの男は、私の前にどっかりと座った。
「さあ、いつものように父さんのチンポを舐めるんだ……。上手にできたら、アナルの栓を外してやるぞ」
「わ……分かりました……」
私は、ためらうことなく、生温かい体液でベトベトに汚れたあの男のペニスを口に含んだ。
私の羞恥心も、自尊心も、私を苛んでいる暴力的な便意の前には、あまりに無力だ。
無理な姿勢と、腸内の圧迫感で、息が苦しい。
それでも私は、できるだけ丁寧に、舌と唇であの男のペニスを愛撫した。
「おお、いいぞ……そうだ……教えられたとおりにやりなさい……」
「は、はい……んむ、んむむ、ちゅっ、ちゅぶ……ぴちゅ、ちゅぷぷ、ちゅぷうっ……」
舌を突き出し、雁首のくびれを舌先でなぞり、亀頭の先端をちゅぱちゅぱと舐め回す。
赤黒い亀頭を口に含んでちゅうちゅうと吸っているうちに、あの男のペニスは、完全に勃起を回復させていた。
「あむ、ちゅぶぶ、んちゅ、ちゅむう……ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ……」
私の唇から、浅ましい音が漏れる。
さっきまで性交の残滓に汚れていたペニスは、今や、私の唾液によって、ぬらぬらと濡れ光っていた。
「はぁ、はぁ、はぁ……いいぞ、沙耶……奥まで咥えて、じゅぽじゅぽ音を立てて吸うんだ」
「はぶ、んむむぅ……わ、分かりまひた……うぐぐ、んぶっ、ちゅぶ……ぢゅぶぶっ、ぢゅぶぶ、んぢゅぶぶぶぶっ……」
下品な音をたてながら、口の中のペニスを、唾液ごと吸い上げる。
そうしながら、私は、ごつごつした肉茎の表面に唇をスライドさせた。
「おおっ、いいぞ、沙耶っ……あああ、たまらんっ……！」
そう言いながら、あの男は、カメラのシャッターを切り続けた。
「んふうっ、んむ、んぶぶっ……ふう、ふうん、んふう……ちゅぶ、ちゅぶぶ、ちゅば……ぢゅばばっ……！」
早く排泄をしたい一心で、あの男のペニスを追い詰めていく。
「もっと、もっとだっ……おっ、おおおっ……はぁ、はぁ、はぁ……くおおおおおお！」
あの男が、私の喉の奥に射精した。
苦しいが、初めてのことではない。私は、目に涙を滲ませながらも、パニックになることなく、熱く苦いその粘液を飲み干した。
「ぷはぁっ……はっ、はっ、はっ、はっ……ああ、お願いです……早く、早くっ……！」
「早く、何だと言うんだね？」
「あああんっ、お、おトイレですっ……！ 早く、おトイレさせてください……うぐうううっ、あくっ、くひっ、ひいいいい……！」
私の口から、切迫した声が漏れる。
「おお、そうだったね……。よし、沙耶のトイレを用意してやろう」
そう言って、男は、浣腸液が入っていた洗面器を、私の膝の間に割り込ませた。
「あああっ、そ、そんな……！ こんなふうになんてっ……！ 普通におトイレに行かせてくださいっ……！ あああああっ……！」
「このプラグを抜いても我慢できたら、トイレに連れて行ってあげよう」
「そ、そんなの、無理ですっ！ 許して……お願いです、許してくださいっ！」
「さあ、抜くぞ、抜くぞ……っ！」
声を上ずらせながら、あの男が、カメラを片手に構え、もう片方の手でアナルプラグに触れる。
「そらっ……！」
「あひいっ！」
一気にプラグを抜かれ、衝撃で頭の中を真っ白になる。
一瞬の間をおいて――私は、大量に排泄した。
「あああああああああああああああああああああ！ イヤ、イヤ、イヤ、イヤあああぁー！」
叫び声をあげながら排泄を続ける私の姿を、あの男が写真に収め続けている。
私は、凄まじいまでの解放感に意識を失いかけながら、びくびくと体を痙攣させた。
「あっ、ああああぁー……あああっ……くはぁ……ああああぁぁぁ……」
ようやく、排泄が終わった。
あの男が、洗面器を片付け、濡れた布で私のお尻を拭う。
そして、あの男は、私の姿を撮影することですっかり力を取り戻したペニスに、たっぷりとローションを塗りたくった。
「さあ……ここも愛してあげるよ、沙耶……」
熱く勃起した肉棒の先端が、アナルに押し当てられる。
その頃には、私の頭は空っぽになり――ただ、なされるがままだった。
亀頭が、アナルを押し広げて、腸内に入っていく。
「あ、あああっ……ふわ……あああっ……お、お父様……あはぁっ……！」
ずぼっ、と亀頭部全体が、アナルの中に入り込んだ。
そうすると、もう、あとは驚くほどスムーズだ。
「あはああああぁ……！」
ずずずずず……と、肛門を擦りながら、肉茎が侵入してくる。
この、変態的な行為を拒むだけの意思は、もう私には残っていない。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
犬のように荒いこの息は、あの男のものか、それとも私自身の呼吸音なのか。
それを考える間もなく、肉棒が、ピストンを始める。
「あううっ、あん、ああん……あく、あああ、あっ、あふう……ああああああ！」
おぞましいまでの快感が背筋を這い登り、ぞくぞくと体中が震える。
「ふふふ……いいのか？ これがいいのかっ？」
私の順応具合を確かめるように、あの男が訊いてくる。
「あうっ、ひっ、んひいっ……イイ……イイですうっ……お尻、イイ……あん、あはあああっ……！」
偽りを口にする気力すら無くした私は、甘えるような声で、肛門性交の快感を訴えてしまった。
口元から涎が溢れ、シーツに染み込んでいる。
「よし……もっと感じさせてやるぞ……！」
あの男が、右手にカメラを構えたまま、左手の指を私のお尻に食い込ませ、抽送を激しくした。
ずるる、ずるる、ずるる、ずるる……と、ペニスが、私の腸内を蹂躙する。
「おわああああっ！ あっ！ あっ！ あっ！ あっ！ あああああああああー！」
私は、とても人間とは思えないような声をあげながら、悶え狂った。
自分が人間であることを忘れるような、暴力的な快感。
私は、涙と涎で顔をドロドロにし、びゅっ、びゅっ、と断続的に失禁すらしていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……いくぞっ！ いくぞっ、沙耶っ！」
「はいっ……！ ど、どうぞ、出ひてくださいっ……！ 私のお尻に……アナルに出ひてくらさいひっ！ くひいいいいいい！」
アブノーマルな快楽に拘束された体を悶えさせながら、排泄器官への射精をねだる。
その時の私の頭の中にあったのは、腸内への射精の刺激で絶頂を迎えることだけだった。
「い、い、い、いくぞおっ！」
直腸に、熱い精液が勢いよく迸る。
「ああああああああああああああああああああ！ イクっ！ イきますうっ！ お尻っ！ お尻イクううううううううううううう！」
私は、待ち望んでいた絶頂に、歓喜の声をあげ続けた。
そして――
そして、彼女は、目を覚ました。
冬だというのに、びっしょりと寝汗をかいている。
「…………」
確認すると、汗以外の何かで、下着が濡れていた。
彼女は、下着を着替え、少し泣いてから、再び眠りの闇の中に落ちていった。
「いいの？ 瑞穂にナイショであたしに会ったりしてえ」
林堂が指定した喫茶店のボックス席で、新崎まひるは、その顔にいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「その方が、互いに言いたいことが言えると思ってね」
林堂が、目の前に置かれたコーヒーカップに手を付けようともせず、そう言う。
その秀麗な顔には、珍しく、わずかに緊張しているような表情が浮かんでいた。
「……もしかして、あの事件のこと？」
「もちろん」
林堂が、そう返事をする。
「そりゃあ、それ以外にはありえないわよねー」
まひるは、銀色の小さなフォークでショコラケーキを切りながら、上目使いで林堂を見た。
「林堂君、あたしの出席状況とか、こっそり調べてたでしょ」
「……まあね。意外と欠席が多いことが分かったよ」
「へえ……。けっこう顔が広いんだね」
まひるは、林堂を見据えながら、半ば無意識のうちにそうしているように、フォークでショコラを切り続けている。
皿の上に、ケーキの残骸が、いびつな山を作った。
「いろいろ、失せ物探しとかで助けてあげた知り合いなんかがいてね」
そう言いながら、林堂は、まひるの視線を受け止めた。
「実は、あの事件のあとも、天草氏の館に入れてもらったんだ」
「…………」
ショコラをフォークで寸断していたまひるの手が、止まる。
「処分し忘れの写真を、見つけたよ」
ぎりっ、と小さな音が、響いた。
フォークが、皿を強くこすった音だ。
「…………」
まひるの顔から、表情が消える。
その顔は、あの、スタジオで撮られたらしい沙耶の写真と、驚くほど似ていた。
似ているが――しかし、同じではない。
「どう思った……？」
まひるは、静かな声で、林堂に訊いた。
「努めて、何も思わないようにしたよ」
林堂も、静かな声で答える。
「あれが、両者の同意の上でのことだったら、それでいいんでしょうけど……」
まひるの声が、ごくかすかに震えている。
「あたし――私は、心の底から、嫌だったわ」
「…………」
「私はね、そもそも、沙耶の代わりだったのよ」
そう言って、まひるは、形の崩れたショコラケーキに、視線を落とした。
「６年前……沙耶は、父親を独占するために、母親を殺したの。階段から突き落としたのよ。それを、あの男は、娘可愛さに揉み消したの。死体を敷地の中に埋めて、妻は失踪したと周囲に言ったのね」
「それで……沙耶を、新崎の家に預けたのか」
「そう。さすがに、沙耶のことが恐くなったのね、あの男は……。でも、あのころ中学生の沙耶を先に誘惑したのは、きっと、あの男の方よ」
まひるは、すっかり口調を変えて、話を続けた。
「そして君は天草沙耶として生活させられるようになった……。それも、夜の間だけ」
「そう……。朝は、家政婦さんの来る前に父さんが車で迎えに来て、そのままこっそり学校に行くの。父さんは、そのあとまたあの男を迎えに天草の家に行ってたわ。まあ、車で通学してる子はあの学校じゃ普通だから、見つかっても別に変には思われなかったでしょうけどね。昼の間は、新崎まひるとして学校生活を送り、夜の間はあの男におもちゃにされる。……そういう生活よ」
「一方、天草沙耶は、君の家で軟禁状態だったわけだ」
「そうよ。それでもあの男は、沙耶に未練があったようだけどね。あれの時もずっと、私のことを沙耶って呼んでたわ」
「…………」
「私は、あの家から逃げたかった。父さんも母さんもあの男の言いなりで、助けてくれない。だから――あの男を殺したのよ」
「そして、自分の家に帰り……自分の家に居座っている沙耶を、殺した」
「そうよ」
まひるは、顔を上げた。
その瞳に、熱く、そして冷たい光が宿っている。
「だって、あそこは私の家だし……新崎まひるは私だもの」
「…………」
「それにね……あの男は、私が学校を卒業したら、新崎まひるの籍を、自分の妻として天草の家に入れようとしてたの。つまり、実の娘と結婚しようとしてたのよ」
まひるの言葉に、林堂が、一瞬、驚きの表情を浮かべる。
「たぶん、それを条件に、沙耶は私の家に入ることに納得したんでしょうね。ずいぶん暴れて、父さんと母さんを困らせたみたいだけど……」
「しかし……天草氏は、沙耶を恐れていたんじゃなかったのか？」
「最初はね。でも、６年も経てば、喉元を過ぎて熱さを忘れたんでしょう」
「…………」
林堂は、返事を返せないでいる。
「私は、我慢できなかった……。沙耶が、天草の館に戻ってくることにじゃない。私の帰る場所が無くなるのが、耐えられなかったのよ」
「だから、か……」
「そうよ。だから、天草久嗣を殺して、その後で、天草沙耶も殺したの」
まひるの口元に、あるかなしかの微笑みが浮かぶ。
「次は、林堂君が話す番よ」
「俺？」
「ええ……。どうしてばれたのか、教えて」
「…………」
林堂は、その切れ長の目を細めながら、しばし口を閉ざした。
「まずは――時間、かな」
「時間？」
「ああ。天草久嗣氏が殺されたのが午前２時。で、あの館の一番近い駅の始発が午前５時。ちょっと時間が空き過ぎだと思ってね」
「で……？」
「しかし、状況を考えるなら、久嗣を殺したのは同居人の娘であると考えるのが自然だ。しかし、車を持っていないその殺人者が逃亡を考えるなら、久嗣を殺すのは早朝の方がいい。ならば、なぜそうしなかったのか？」
「…………」
「普通に考えるんだったら、現場において何か隠蔽工作を行ったんだとするのが自然だ。しかし、殺人者は、久嗣氏にまだ息があり、携帯電話を手に取ったことにさえ気付いていなかった。だとしたら、別の場所で何かしていたのに違いない。それは、何だったのか」
林堂は、一呼吸おいて、続けた。
「久嗣氏は写真が趣味だったという。しかし、娘である沙耶の写真は、スタジオで撮ったとおぼしき一枚しかなかった。一枚もない、というならともかく、他人が撮った一枚だけというのは引っ掛かる。もしかしたら、久嗣氏を殺した“娘”は、自分を撮った写真やネガを始末していたんじゃないか――そう考えられる」
「…………」
「もう一つ。沙耶は、新崎氏を襲撃する前に、久嗣氏の情婦に脅迫電話をかけている。しかし、よく考えれば、これはあまりに不自然だ。そんなことをすれば、その相手の警戒心を強めるだけだしな。それに、新崎氏を襲撃した後ならともかく、その前に“次はお前だ”と言うのも不可解だ。もし相手に恐怖を与えるのが目的ならば、新崎氏を襲撃した後に電話をしなくちゃいけない。だとするなら、あれは、天草沙耶こそが殺人犯であることを印象付けるための電話だと考えるべきだ」
「それで、沙耶があの男を殺したということ自体に、疑問を持ったってわけね」
「あと、あの日に偶然に会ったあんた自身の行動も不審だった」
「そう……そうだったわよね」
「あの日は、１２月にしては珍しいくらいに暖かな日だった。つまり、あの日にあんたが着てた薄手のカーディガンは、あの日のずっと前……秋口に買ったものだと考えるのが普通だ。なのに、ずっと値札が付きっ放しだったというのはあまりにおかしい」
「そうね」
「だとしたら、あれは、あの日の午前中に買ったんだと思われる。なのに、あんたは、映画の午前中の回を観たばかりだと言った。あれは、瑞穂に誘われるのを防ぐためだったんだろう？」
「ええ……。あの子、人懐っこいから」
まひるの言葉に、林堂は、しばし目を閉じ、そして開いた。
「それから、あの時に持っていた大きなバッグ――あれは、街に遊びに来ただけにしては、あまりに大袈裟な代物だった」
「そういった、諸々の不審な点を結び付けて考えた、ってことね」
「ああ」
「それで、林堂君の推理としては……？」
静かな表情で、まひるが訊く。
「あんたは、久嗣氏を殺した後、自分が写った写真を入念に処分することにした」
林堂は、断定的な口調で、言った。
「新崎まひるが天草の家に暮らしていたということは、絶対に気付かれちゃいけないことだったからな。それで、写真を全て始末し、その上で、新崎氏に用意してもらった沙耶の写真を、久嗣氏の机に入れた」
「…………」
「通いの家政婦が来る前にそれらのことを済ませ、あんたは、街に向かった。そこでやったのは、普通の服を購入することだった。たぶん、天草家にはいかにもお嬢様然とした服しかなかっただろうからな。あんたは、服とカバンを買い、そして今まで着ていた服を、カバンの中に詰め込んだ。そして――」
林堂が、一度、言葉を切る。
まひるの表情は動かない。
「そして、あんたは、俺たちに会ってしまった」
「…………」
「これが無ければ、まひるの証言は、もう少し自然なものになるはずだった。だが、俺たちに見られたことで、あんたは“帰宅したらそこに沙耶がいた”という不自然な供述をしなければならなくなったわけだ」
「偶然って、怖いわね」
まひるの言葉に答えることなく、林堂は話を続けた。
「――しかし、あんたは計画を中止するわけにはいかなかった。あんたは、俺たちと別れてから自分の家に戻り、そして、沙耶を殺害し、カバンの中に入れていた服を沙耶の死体に着せた。新崎氏は、あんたの描いたシナリオ通りに証言をするしかなかった」
「……だいたい、そういうことよ」
まひるは、小さく溜息をついてから、言った。
「やっぱりね。あなたたちに街で会った時から、嫌な予感はしてたのよ」
「…………」
「で、どうするつもり？ 私を告発する？」
「できれば、そういうことはしたくない」
「そうよね。……瑞穂のことを考えれば、君は、私を犯人と名指しすることはできないはずよね」
まひるの言葉に、林堂は、眉を寄せた。
「卑怯だな、あんた」
「なりふり構っていられる状況じゃないもの」
「俺としては、あんたの良心に訴えて、自首してもらうのが一番いいシナリオなんだがな」
林堂の声は、固い。
「ふふ……林堂君とは思えないような稚拙なお話ね」
まひるの瞳に、再び、熱く、そして冷たい光が宿る。
「私が、どんな良心の呵責に苦しむと言うの？ あの男を殺さなければ、私は、いつか死んでいた。ううん、あの家の中での私は、生きているふりをした人形に過ぎなかったのよ」
まひるの言葉を聞きながら、林堂は、口元を右手で隠すように覆った。
「しかし……天草沙耶は、あんたの姉だろう」
「……！」
まひるが、目を見開く。
「沙耶とあんたの顔は、どこか似ている。だからこそ、久嗣氏は、沙耶とあんたの両方に執着を示したんだし、あんたも入れ替わりのリスクを犯す気になった。しかし、それはなぜか……」
「やめてよ……」
「もし、久嗣という男が、妻の妊娠を機に、秘書である新崎の妻に目をつけたとしたら……」
「やめて！」
まひるが高い声を上げ、一瞬、店内の視線を集める。
「……君、そのことで、私を追い詰めるつもり？」
「俺も、なりふり構ってられない卑怯者なんでね」
林堂は、その切れ長の目で、まひるを真正面から見つめた。
「瑞穂と、そして俺自身が、あんたという殺人者のターゲットになりかねないんだ。あんたの最大の弱点を揺さぶるのは当然のことだろう？」
「そ……そんなことで、私が君の言いなりになると思ってるの……？」
「ああ」
はっきりと、林堂が言う。
まひるは、口をつぐんだ。
その瞳が――涙に、濡れている。
「６年……」
まひるが、口を開いた。
「６年、待って。……あの日から６年間、あたしは、ずっとあたしじゃなかった。だから……」
「…………」
林堂は、口元から手を離した。
その顔に、沈痛そうな表情が浮かんでいる。
「お願い……。６年したら……私、きっと自首するから……」
「……分かった」
林堂が、目を閉じて、そう言った。
「約束するよ」
「ありがとう……」
まひるが、ほっとしたように息をついた後――くすくすと笑い出す。
林堂が目を開いた。
まひるは、最初に林堂と会った時と同じようなあどけない表情で、楽しそうに微笑んでいる。
「林堂君、引っ掛かったわね……」
「……？」
「あたしね、癌で、たぶんあと２、３年しか生きられないの。だからあの男は沙耶を館に戻そうと考えたのよ」
冬の青空のように明るい表情で、まひるは続けた。
「そういうわけで……あたし、死ぬまでにうんと人生を楽しむことにするわ」
すっと、流れるような動作で、まひるが立ち上がる。
「じゃあね、林堂君。瑞穂のこと、幸せにしてあげてね」
「……あんたの知ったことか」
林堂の言葉に、またくすくすと笑い声を漏らし、まひるは店を出て行った。
テーブルの上の、冷たくなったコーヒーと、ショコラケーキの残骸を見つめ、林堂は、苦い溜息をついた。
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