「あの、真剣な質問なんですけど」
「う、うん」
詩乃の言葉に、繁は思わず姿勢を正した。
とは言え、心持ち眉を上げ、小さな口を引き結んだ詩乃の顔は、確かに真剣そうではあるが、そこに険しさと言えるようなものは微塵もない。むしろ“子供が一生懸命になっている顔”に通じる微笑ましさがある。
だが、繁は居住まいを正す。相手が誰であっても、こういう時に緊張してしまうのは、繁の美徳であるとともに気の弱さの表れかもしれない。
場所は、繁が専門学校入学とともに借りたアパート。狭くはあるがそれなりに整頓された部屋の中央にある、食卓を兼ねた丸テーブルに、詩乃と繁は向かい合わせではなく90度の角度を作って座っている。正確に言うなら、詩乃が正座し、胡坐をかいていた繁も今はそれに倣っているという状況だ。
今日、二人は繁のアパートのすぐ近くにある川沿いの公園でデートをしていた。だが、午後から天気が急変し、激しい雨が降ってきたため、繁の部屋に急ぎ避難したのである。
そして、繁が淹れたインスタントコーヒーを二人で飲み、一息ついた雰囲気になった時に詩乃が口にしたのが、冒頭の台詞であった。
「質問、なんですけど……せっ、先輩は、何を使って、その……オ、オナニー……しますか?」
「えっ? ――えっ?」
繁は、詩乃のサクランボを連想させる可愛らしい唇から“オナニー”という単語が出てきたことに驚き、そして言葉の意味を理解してまた驚く。
返事を待つ詩乃の顔は、真剣そのものだが――頬は、赤く染まっていた。羞恥を感じていないわけではないらしい。
それでも質問してきたということは、やはり重要な問いなのだ、と考え、繁ははぐらかすことなく答えようと決意する。
「使うのは……ええと……道具とかは、使わないよ。その……あの……普通に手で……」
「あ、あ、ごめんなさい。そういう意味じゃなくて――えっと、男の人って、写真とか、ビデオとか、そういうのを見たりして、その、するんですよね? その……そういう、意味で……」
次第に顔全体を紅潮させながら、詩乃がつっかえつっかえ言葉を紡ぐ。
「え、ええと……」
どのように答えたものか、と繁は宙に視線をさまよわせる。
「やっぱり、答えにくいですよね。すいません」
「うん、まあ、さすがに――」
「じゃあ、私から言います」
「えっ?」
「わ、私は……その……せ、せっ、せっ……先輩に、レイプ、されるところっ、妄想しながらっ……いっつも、オナニー、してますっ……!」
耳まで真っ赤にした詩乃が、ぎゅっと目をつぶりながら、言う。
「あ、その、ええと……僕、そういうことは――」
「分かってますっ! 先輩がそんなひどいことしない人だって分かってます! ごめんなさい! でも、でも、しちゃうんです! 妄想しちゃうんです! ごめんなさいっ! 本っ当にごめんなさいっ!」
「い、いや、大丈夫、大丈夫だよ」
何が大丈夫なのか自分でもよく分からないまま、繁はそう言って詩乃をなだめる。
一方、詩乃は、まるで叱られている最中の子供のように、正座したまま小さな拳を握り締め、真っ赤になったままの顔を俯かせている。
そんな詩乃の姿に……繁は、奇妙な昂揚を感じてしまった。
「大丈夫、だけど……その妄想の中で、僕は、どんなことしちゃうわけ?」
繁は、本人も自覚していないささやかな嗜虐心に衝き動かされ、ついそんなふうに訊いてしまう。
「あの……あの……私も……先輩と、したくないわけじゃないんです……でも、ええと……」
「あ、ご、ごめん、その、無理に話さなくても――」
羞恥のためか、かすかに声を震わせている詩乃に罪悪感を覚え、繁は言う。
「いえ……いつか話さなきゃって……話したいって……思ってましたから……」
詩乃が、顔を俯かせたまま、言葉を続ける。
「それで……私も、もちろん、先輩を拒むつもりなんて、ないんです……ただ、その、オナニーの時は、普通じゃしないような場所で……公園のトイレで、迫られたりとか……あと、あと、あ、危ない日なのに……ゴム、無いのに……しようって、言われたりとか……そういうのを、想像して……」
繁の予想以上に具体的に、詩乃は話し始める。
その内容に心を奪われ、繁は、徐々に詩乃ににじり寄ってしまった。
「そ……んっ、ゴクッ……それで……?」
浅ましく唾を飲み込んでから、繁は次を促す。
「はい……あ、あの……先輩は……私のこと、無理やり抱き締めて……それで……キスを――」
ふと顔を上げた詩乃が、思いのほか近くにある繁の顔に、眼鏡の奥の瞳を見開く。
だが、詩乃はすぐに瞳を閉じ、誘うように唇を差し出した。
「キスを……されちゃうんです……私……ん、んむっ♡」
繁が、詩乃の華奢の肩を抱き、その唇に唇を重ねる。
そして、詩乃の口内に舌を差し入れ、普段ならしないような乱暴さで舌を動かす。
「んっ、んむっ、ちゅぷ、へぷ、あぁ、先輩っ……♡ んちゅ、んちゅっ、むちゅ、ちゅぷ、んっ、んふ、んふぅ、ちゅぷっ、んっ、んちゅ、ちゅぷっ……♡」
しばらくして、名残を惜しみつつ、繁は詩乃の唇から唇を離した。
「……こんな、感じ?」
「はい……あ、でも……オナニーの時は、その……指を、おしゃぶりして、口の中、掻き回したり、します……」
こんなふうに、とでも言うかのように、詩乃が、立てた右手の人差し指で、唾液に濡れた自らの唇に触れる。
「そ……それから?」
繁の中で、これ以上この話を聞いてもいいものか――という思いが、高まる興奮と欲望にあっさりと敗北する。
「それから……先輩は、私に……む、無理やり、あの……膨らんでるところを、触らせて……」
そう言いながら、詩乃は、ちらちらと繁の股間のテントに視線を向ける。
繁は、そっと詩乃の華奢な手を握り、自らのその部分に導いた。
「ああっ……♡ せん、ぱい……っ♡」
詩乃が、ズボンの上から愛しげに繁の強張りを撫でさする。
「うあぁ……し、詩乃ちゃん……」
思わずそのまま漏らしそうになり、繁はぐっと臍の下に力を込めて射精感をやり過ごした。
「妄想の中でも、私……先輩のここに、その……い、いっ、いやらしい気分になって……抵抗できなくなってっ……それで、それで、先輩は……私に、淫乱とか、変態とか、そういうふうに、言って……」
詩乃の手つきが次第に大胆になり、もはや、さするというより揉むと表現すべきものになっていく。
「分かってます……先輩が、そんなひどいこと、言わない人だって……ごめんなさい……。でも、私……そんなふうに言われるのを想像すると……そ、それだけでっ……あ、あぁんっ♡」
いつの間にかスカートの中に潜り込んでいた繁の手に股間を触られ、詩乃は甘い悲鳴を上げる。
「すごい、濡れてるよ……」
「はい、はい、私、濡らしちゃってます……。んふ、んふぅ、普段、オナニーする時は……こんなふうになる前に、脱いじゃうんですけど……」
「じゃあ、今、脱いじゃう?」
「えっ……? あ、あの……は……はい……」
詩乃が、はにかみながら返事をする。
それを聞いた繁は、恥ずかしいシミの浮いたおとなしいデザインの詩乃のショーツを、丁寧にずり下ろした。詩乃も、正座を崩し、小さなヒップを浮かせてそれに協力する。
そして、詩乃は、フローリングの床の上で、いわゆるぺたんこ座りになった。
「詩乃ちゃん……み、見て、いい……?」
どこか熱に浮かされたような声で言いながら、繁が詩乃の顔を覗き込む。
詩乃は、ほんの少しためらった後、こくんと頷き、両手でスカートを捲り上げた。
「すごい……」
「そ、そんな……えっ? あっ、駄目、駄目……!」
まるで誘われるように秘苑に顔を近付けようとする繁に、詩乃は慌てた声を上げた。
そして、倒れそうになる上体を手を後ろについて支えながら、立てた膝を寄せ、華奢な太腿を閉ざそうとする。
繁は、その大きな手をがしりと詩乃の膝に置いた。
「詩乃ちゃんの妄想の中で、僕は、こういうことしない?」
「それは……ええと……し、します……。その……すごく、強引に……あ、あっ、あっ……!」
繁が、詩乃の太腿の狭間に顔を差し込み、愛液にきらきらと濡れる秘唇に口付けする。
「きゃあっ!」
悲鳴を上げながら、詩乃はとうとう床の上に完全に仰向けになる。
構わず、繁は詩乃のその部分を舌を大きく動かして舐め始めた。
「あああっ、駄目、駄目です……! そこ、汚ないですからっ……! んあっ、あっ、あうっ、あああッ……」
「汚ないなんてこと、あるわけないよ……。すごく、可愛くて……綺麗だよ……」
そう言ってから、繁はクンニリングスを再開する。
ごく薄いヘアに飾られた、ぷっくりとした恥丘の中央にあるサーモンピンクの肉襞を、繁は丹念に舌で愛撫する。
「あううっ、んっ、んくっ、あううんっ……♡ あっ、駄目ですっ、んく、駄目っ……ンあああっ、ああっ、あああぁぁ……ッ♡」
身をよじる詩乃の腰を両手で押さえ、繁はさらに舌を使った。
舌先でぬかるんだクレヴァスを抉るように舐め上げ、柔らかな舌裏で勃起した淫核をグニグニと刺激する。
「は、はひっ、ひああ……あっ、あっ、駄目です……んあっ、あああ……ン♡ はあっ、はあっ、はあっ、あうっ、んく、あううっ、んひィ……♡」
詩乃の秘唇から、新たな愛液がとぷとぷと溢れ、それを繁がじゅずずずずッ、と音を立てて啜る。
「ああああぁぁぁ……ッ♡ はっ、はっ、恥ずかしいですッ……あううっ、んっ、んくぅ……あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ♡」
詩乃の声が、徐々に切羽詰まったものになっていく。
繁は、鼻の頭でクリトリスを甘く揉み潰すようにしながら、膣口に差し入れた舌をウネウネと動かした。
「ひっ、はああっ、あうっ、んひぃン♡ んッ、んあッ、んッ、んく、んんんんんッ♡ ンあああああっ、あううううううううッ♡ だっ、駄目ですっ、もうっ、もうっ、私ッ……! あ、あああああ、あうっ、ンあああぁぁぁッ!」
漏れ出る声を止めようとするかのように、詩乃は両手で口元を押さえる。
繁は、そんな詩乃の包皮から飛び出たクリトリスを口に含み、思い切り吸引した。
「きゃうぅうううううううううううううぅぅぅぅぅッ! あっ、あっ、あああっ、いッ、いくッ、いくうううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーッ♡」
背中を反らし、まるで繁の口元に股間を押し付けるような姿勢になりながら、詩乃は絶頂に達する。
「あっ、ああっ、あっ、あうっ、ああぁ……っ♡」
そのままの姿勢で、ヒクッ、ヒクッと体を痙攣させたのち、詩乃はぐったりと全身を弛緩させた。
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……あああぁぁ……ひいいぃぃ……♡」
エクスタシーの余韻に浸る詩乃の股間から口を離し、繁は、ズボンとパンツを脱いで下半身を露わにする。
「それで……そのあと、詩乃ちゃんはどういうふうなこと、妄想するの?」
肉棒をいきり立たながら、繁は詩乃に訊いた。
「はぁ……はぁ……それから……それから、私……あ、あああっ……♡」
臍の方まで逞しく屹立する繁の牡器官と、そして、床に脱ぎ捨てられたボクサーブリーフを、詩乃は熱っぽく潤んだ瞳で交互に見詰める。
「あのっ……あのっ……口を、その……下着で……先輩の、下着で……ふ、ふさがれ、てっ……そのっ……」
「こ……これのこと?」
繁が、興奮に息を荒くしながら自らの下着を拾い、差し出す。
「あ……あ……あっ……♡」
詩乃が、両手で押し戴くように繁のボクサーブリーフを受け取り、抱き締めるような仕草で、口元に持ってくる。
そして、詩乃は、思い切りその匂いを嗅ぎ始めた。
「あううっ……すんすんっ、すんすんっ♡ は、はうっ、あううぅぅぅ……ッ♡ すーっ、すーっ、すーっ♡ すんすんすんすんっ♡」
Mの字に開いたままの詩乃の脚の付け根で、いたいけな外観の膣口が物欲しげにぱくぱくと開閉し、どぷっ、どぷっと大量の愛液が溢れ出る」
「あああああ、恥ずかしい、恥ずかしいですっ……♡ でも、でも、駄目ぇ……と、止まらないぃ……すんすんっ♡ すんすんすんすんっ♡」
夢中になって自分の下着の匂いを嗅ぐ詩乃の姿に、繁はますますそのペニスを勃起させる。
「詩乃ちゃん……エッチだよ、すごく……」
繁は、ややかすれた声で言いながら、浅ましく血管を浮かせたシャフトに手を添え、赤く膨れ上がった亀頭を詩乃の可憐な秘唇に押し付けた。
膣穴が、まるで肉棒を懸命に咥え込もうとしているかのように、収縮を繰り返す。
「い、入れるよ、詩乃ちゃん……っ!」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ……♡」
繁のカウパー氏腺液が染み込んだボクサーブリーフの匂いに夢中になっているのか、それともレイプをされるという妄想上の設定に囚われているのか、詩乃はその顔立ちに似合わない荒い鼻息を繰り返すだけで、返事をしない。
だが、その潤んだ瞳に浮かぶ色を見れば、詩乃が繁の挿入を切望しているのはまさに一目瞭然だった。
繁は、深呼吸した後、自らの体重をかけるようにして、普段より乱暴に肉棒を進ませた。
「ンうっ……♡ ンあ、あ、あああぁぁぁ……あうぅううううううううッ!」
可憐な外観の膣口が、繁の剛直に貫かれる。
軽く達してしまったのか、詩乃は、ひくっ、ひくっ、とまだワンピースをまとったままの体をわななかせた。
「動くよ、詩乃ちゃん……!」
繁が、いつもしているようにそう宣言し――そして、いつもと違って返事を待たずに腰を使いだす。
「あうっ、んくっ、あうぅ、ひあっ、ああっ、あうっ、ンああッ♡」
繁の力強い突き込みに合わせ、詩乃の口から押し出されるように快楽の声がこぼれる。
「はぁ、はぁ、はぁ、し、詩乃ちゃんっ、詩乃ちゃんっ……!」
詩乃の丸い両膝にそれぞれ左右の手をかけながら、繁はさらに腰の動きを加速させる。
「あああああ、あうっ、うぐっ、あぅううううううッ♡ すごいっ、すごいっ♡ 先輩のっ、すっ、すごいぃ♡ ひっ、んひっ、あひン、ひぃいいいいいン!」
詩乃が、口元に繁のボクサーパンツを押し当てたまま、イヤイヤと首を左右に振る。
「うっ、うぐっ、き、気持ちいい? 詩乃ちゃん……っ!」
「あうっ、あううっ、気持ちいいっ、ですっ……! やっ、やっ、何だかっ、ほんとに、レイプ、されてるみたいでっ、あうっ、あううっ、うぐ、ンあっ、あああああッ♡」
そんなふうに詩乃に言われて、繁はさらに肉棒の動きを激しいものにした。
「あぐぐッ! んぐうううッ! あうううッ! んひぃいいいィ! あうッ、あうッ、先輩のっ、私の中でっ、すごい、暴れてッ……♡ ンあっ、あっ、あああっ、奥までッ、奥まできてるーッ!」
詩乃の膣肉がきゅうきゅうと繁の肉幹を締め付け――繁の射精欲求があっけなく限界を突破する。
「あ、あっ、ヤバっ、出る、もう出るっ! うううっ、あくぅうううううっ!」
そのまま繁は、詩乃の蜜壺の中に精液を発射してしまった。
「あぅううううううッ! あっ、あうっ、あひぃ……っ♡ は、は、はひ、あああ、いくううぅ……っ♡」
体奥に迸る精液の熱さに、詩乃はまたしても絶頂を迎える。
しばらくひくひくと全身を痙攣させた後、詩乃は、くたりと四肢を床に投げ出した
どこか転がされた等身大の人形を思わせるその姿を見下ろし、いったんペニスを抜いた繁が、ふうふうと太い鼻息を漏らす。
そして――繁は、詩乃の体を軽々と裏返しにした。
「あううっ……あの、先輩……?」
「こ、こっちの方が、レイプっぽくない?」
そんなことを言いながら、繁は詩乃の尻を高く掲げさせ、そしてまだ勃起したままの肉棒を体液にまみれた秘部に押し付ける。
「ひゃうっ……♡ せ、先輩の……まだ、カチカチ……っ♡ んっ、ゴクッ……」
はしたなく生唾を飲み込んでしまった詩乃の尻の割れ目に、繁が肉棒を擦り付ける。
「これ、欲しい? 詩乃ちゃん」
「あうっ……あ、あのっ、あのっ……あうぅ……ほっ、欲しい……♡ んく、欲しい、ですけどっ……でも、でも、イったばかりなのに、またそんなの入れられたら、わ、私ぃ……」
まだ言葉を終えていない詩乃のヒップをがしりと掴み、繁は、体液まみれのままの肉棒で詩乃を後ろから串刺しにかかる。
「あぐぅうううう……! あああ、入ってくる、入ってくるっ♡ 先輩のっ、入って……ンああああっ♡」
再び膣奥までペニスで満たされ、詩乃は牝犬の姿勢で歓喜の声を上げた。
「はア、はア、はア、はア……」
荒くなり過ぎた呼吸をしばし整えた後、繁がぐいぐいと腰を動かし始める。
「ンううっ、うくう、んくっ、んああっ♡ あっひ、あひ、ひいいン♡ 先輩っ、先輩っ!」
敏感になったままの膣内粘膜を、カリ首や幹胴で擦られ、詩乃が余裕のない喘ぎを漏らす。
「ふんッ、ふんッ、ふんッ、ふんッ……ふぐぐっ、詩乃ちゃんのここ、すっごい気持ちいいよ……!」
そう言いながら、繁がその肥満した体を詩乃の華奢な背中に覆い被せるようにする。
そして繁は、床に左手をつき、右手で服の上から詩乃の胸をまさぐった。
「ああっ、あっ、あぁン、あぁ〜ン♡ せ、せんっ、ぱいぃ……♡ はァ、はァ、はァ、はひィ〜♡」
詩乃が、右に首を捻って繁の方を向こうとする。
繁は、そんな詩乃の貝殻のような右の耳たぶにキスをし、舌を伸ばしてねろねろと舐めしゃぶった。
「ひゃひいぃン♡ ああっ、あうっ、んふ、はふ、はふうぅ……♡ ンああ、気持ちいいィ……♡ 気持ち、いいですゥ……♡」
詩乃が、甘えるような声で訴える。
繁は、そんな詩乃の丸い尻に腰を押し付け、回すように動かした。
「あうううッ、ンあっ、ンあああっ、あくゥ、んくッ、んひいィ♡」
熱く硬い肉棒で膣壺を攪拌され、詩乃はあからさまな快楽の声を上げる。
繁は、張り詰めた亀頭でぐりっ、ぐりっと膣奥を刺激し続けながら、ワンピースがしわくちゃになるくらい詩乃の胸を揉んだ。
「あの、あの、ごめんなさいっ、先輩……わ、私……胸、小さくて……」
「謝るようなこと、何も無いよ……! 詩乃ちゃんのおっぱい、可愛いよ……。おっぱいだけじゃなくて、体中可愛いよっ……!」
詩乃の耳元で、熱っぽく囁きながら、繁は詩乃の慎ましやかな左右の乳房を交互にまさぐる。
「ああぁン、先輩っ、先輩っ♡ ンうっ、ンく、ンああぁぁ、ンひぃいいぃぃ……っ♡」
胸元から湧き上がる快感に声を上げながら、詩乃が悩ましげにその華奢な体をくねらせる。
その敏感な反応に連動するように、詩乃の膣壺が、きゅんっ、きゅんっと繁のシャフトを締め付ける。
「うぐぐっ……し、詩乃ちゃん……もっと、乱暴にしていい?」
繁の言葉に、だらしなく口元を緩ませた詩乃が、こくりと頷く。
それを見た繁は、上体を起こし、詩乃の腕の肘の上辺りを後ろから取って、ぐい、とその上半身を持ち上げた。
「ああああぁぁぁ……ッ!」
詩乃が、白い喉を反らして声を上げる。
「あ、い、痛かった?」
「ちが、違うんです……あの、あの、先輩の、いちばん奥に強く当たって……す、すっ、すごいいいいぃぃぃッ……♡」
詩乃の言葉に安堵するとともに、興奮を新たにした繁が、激しく腰を使い始める。
「ひぐぐッ、あうう、んぐッ、ンあっ、あううぅぅぅ! ああっ、すごいっ、すごいっ♡ きゃううッ、すっ、すっごい、気持ちっ、いいぃぃぃぃぃぃッ!」
繁の剛直が、無残なほどに押し広げられた詩乃の膣口を激しく出入りする。
ズチュッズチュッという淫らに湿った音に二人の喘ぎが重なり、結合部から漏れ溢れた愛液が雫となって滴る。
「あうッ、ンううっ、うあッ、ひあッ、ああぁン♡ はひッ、はひッ、くひ、ひいいいぃぃぃン!」
無理のある体勢のためか、それとも抽送が激しすぎるからか、詩乃の快楽の声に、どこか苦しげな響きが混じっている。
そのことにますます興奮してしまい、繁は、パンパンと音がするほどにその腰を詩乃の尻に打ち付ける。
「ひいぃッ♡ ひいいぃぃ♡ ああッ、あううッ、うぐゥ♡ 先輩っ、私、私っ、ま、また、いっちゃいますっ! ひぃいいいいい♡」
詩乃が、三つ編みを振り乱して激しく悶え、その拍子に眼鏡が顔からずり落ちる。
「いって、いって、詩乃ちゃんっ……! 僕も……もうすぐ……っくうううッ!」
その先を言葉にする代わりのように、繁が抽送のピッチを限界まで上げる。
「あっあっあっあっあっあっ! あひッ、んひぃーッ♡ いっちゃう、いっちゃいますっ! あっイク♡ あっイクっ♡ イクっ♡ い、い、いっ、いっ、イクぅうううううううう♡」
絶頂に達した詩乃の膣内に、繁が、大量の精液をぶち撒ける。
「ンひぃいいいいいいいいいい♡ あああっ、すごいッ、すごい出てますッ♡ あああああ、またイクっ♡ またイっちゃうっ♡ はひッ、ひッ、ひああああ、イっちゃううううううううううううう!」
さらなる高みに至った詩乃の蜜壺が、繁の肉幹を激しく搾り上げる。
「うああああああ、し、詩乃ちゃん……ッ!」
みっともないほどに声を上げながら、繁はさらなるザーメンを詩乃の体内に注ぎ込んだ。
「あううぅぅぅッ……♡ ひああぁぁ、イック、イックぅ……♡ あっ、ああっ、イック……♡ ンあっ、あっ、あひ……イッ……クぅぅぅぅぅぅぅ……ッ♡」
開いた口から涎まで垂らしながら、詩乃は繰り返し絶頂を極める。
びくくっ、びくくっ、と尻を痙攣させる詩乃の中に、繁は、最後の一滴までザーメンを絞り出した。
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……」
荒い息をつきながら、繁が、まるで壊れものを扱うように、詩乃の上半身をそっと床に下ろし――そして、自分も力尽きたようにその隣に横たわる。
「あっ……ひいぃ……♡」
絶頂のぶり返しに、詩乃が、ひくん、と体をわななかせた。
「――ところで、どうして、その、ええと……僕のオナニーのオカズとか、知りたいと思ったの?」
床の上に詩乃と並んで身を横たえた繁は、ふと思い出したように訊いた。
「え……? あ、ああ……おかず、って言うんですね。そういうののこと」
眼鏡を外したまま、繁の腕枕を借り――そしてこっそりその腋の匂いを嗅いでいた詩乃が、そっと目を伏せる。
「その……ちょっと、不安だったんです。私は、先輩の好きなタイプの女の子になれるのかな、って……それで、先輩が本当はどういう女の子が好きか分かれば――」
「僕は、今の詩乃ちゃんが好きだよ。――大好きだよ」
そう言って、繁は腕枕にしていない方の手で、詩乃の髪を撫でた。
「あ、あうぅ……ン♡」
詩乃が、堪えきれなくなったように、うっとりとした声を上げる。
「それに、好きな女の子とオナニーのオカズはやっぱり別だよ。詩乃ちゃんの妄想の中の僕と、本当の僕とは違うって、詩乃ちゃんも言ってたじゃない」
「そう……ですね。うん、そうですよね」
そう言いながら、詩乃は、少し体を起こし、繁の顔を覗き込む。
「でも、やっぱり、純粋な好奇心として知りたいです。先輩が、何をおかずにしてるか……」
そう言ってから、詩乃は、くすりと悪戯っぽく笑った。