俺の嫁と妹と姉の話



 俺の名はゼウス。どこにでもいる平凡な主神だ。
 雷神にして主神だなんて、人様に自己紹介するのが恥ずかしいくらいのありきたりさである。インドラやトールなんかは、最近では謙虚に“俺はもう主神じゃねえ”とか言ってるが、たぶんこれは、自分の立場のあまりの平凡さに耐えかねてなんじゃないかと思う。本人たちはめんどくさくなったとか言ってるが……
 めんどくさいと言えば、俺の嫁はやたらめんどくさい。
 どれくらいめんどくさいかって言うと――
「お兄ちゃんっ!」
 どばーん、と音がするほどの勢いで部屋のドアを開け、いきなり嫁のヘラが部屋に乱入してきた。
「いきなり入ってくるなよ! プライバシーの侵害だぞ!」
「何がプライバシーよ! ヘラとお兄ちゃんは夫婦でしょ!」
「夫婦だってプライバシーがあるだろ! 俺がもし自家発電中だったらどうするんだよ!」
 うちの爺様は、親父にチンポを切断された拍子に海にザーメンをこぼしてしまい、そこから産まれたのがアフロディテ叔母さんだ。この叔母さんもやたらめんどくさい人なのだが――って、話が逸れた。ともかく、うちの家系はそういうことでうっかり非嫡出子を作ってしまうような体質なので、注意しなければならない。
「――じかはつでんって、何?」
 小首をかしげて、ヘラが訊いてくる。
「何でもない」
「えっちなこと?」
「ヘラは知らなくていい」
「むーっ、子供扱いしてぇ……ヘラの方が本当はお姉ちゃんなのにぃ〜」
 ……これだ。
 俺の嫁のヘラは、妹ではあるが、同時に姉でもある。妹を嫁にするのはこの界隈じゃ別に珍しいことじゃないんだが、妹であるとともに姉である、というのはなかなかないだろう。せいぜい、双子なので姉か妹か分からない、というイザナギとイザナミくらいか? 今はいろいろあって別居中だって話だけど……
 なぜヘラが妹なのに姉なのか説明しよう。確かにヘラは俺より先に生まれたのだ。しかし、親父が何を思ったのか生まれたばかりのヘラを食っちまった。そんなヘラを親父の胃袋から救い出したのが俺である。ヘラにしてみれば、自分はその時に生まれたのと同じで、だから俺のことを普段はお兄ちゃんと呼ぶ。
 つまり俺はヘラの弟であり、兄であり、そして助産師でもあるわけだ。
「どうしてお兄ちゃんは、ヘラのこと妹扱いするのぉ?」
「だって、お前がお兄ちゃんって呼んでるから」
「あなたって呼べば、きちんと奥さん扱いしてくれる?」
「いつも奥さん扱いしてるだろ」
「してない! って言うか、思い出した! 危うくごまかされるところだった!」
 ヘラが、小さな拳をぶんぶんと振り回しながら言う。
「お兄ちゃん、また浮気したでしょ!」
 頭から湯気を立てながら、ヘラが言う。
「――シテナイヨ」
「うそっ! したっ! したってアルゴスが言ってた!」
 あの野郎、また余計なことを……
 アルゴスというのは、ヘラが飼ってるクジャクである。もともとは巨人だったんだが、百個も目が付いてて、その目で朝から晩まで俺を監視してたので、ヘルメスにこっそり殺させた。なのに、ヘラはそのアルゴスを可哀想だと言い、クジャクに転生させたのである。皆の知ってるクジャクの尾羽に目みたいな模様が付いてるのはそのせいだ。
「どうしてお兄ちゃん、浮気ばっかするのよぉ!」
「――シテマセン」
「したーっ! いっぱいしたっ! って言うか、何で変装までして浮気するのよーっ! 相手の旦那さんに化けるのはいいとして、牛になったり、白鳥になったり、アルテミスちゃんになったりっ! 自分の娘に化けて浮気するなんて変態だよーっ!」
 返す言葉もない。あの時の俺は、ちょっとどうかしてた。
「それに、それに、この前なんか雨に化けて浮気したでしょ!」
「何でばれた」
「雨粒が金色に光ってたからーっ! そんなのに化けてまで浮気するなんてお兄ちゃんくらいだよっ!」
 ヘラは、手だけでは足りなくなったのか、その小さな足で地団太を踏み始めた。
「お、落ち着け、地下で引き籠もってるハデスたちが何かと思うだろ」
「いいもんっ! みんなに知られればいいんだもんっ! ヘラ、お兄ちゃんが浮気者だってみんなに言いふらすもんっ!」
 ああ……めんどくさい。
 俺、どうしてこいつと結婚なんてしちゃったんだろうなあ……そもそもこいつの権能が婚姻だったのが運の尽きだった。
「もういい! お兄ちゃんがえっちなゲームの主人公みたいに浮気ばっかするんだったら、ヘラも浮気する!」
「やめてくれ、俺には寝取られ属性は無い」
「どうして人にされたらイヤなことするのよーっ!」
 うわあぁ〜ん、と声を上げてヘラは泣きだしてしまった。ああもうほんとこいつってば――
「もうキライ! お兄ちゃんなんて大っキライ! もうお兄ちゃんとえっちしない!」
「えっ」
 俺は、ヘラの宣言に思わず立ち上がった。
「ちょ、お、おま、な、ななな、何言ってるんだよ……!」
「さわんないでっ! お兄ちゃんフケツっ!」
 俺が伸ばした手を、ヘラが払いのける。
「ふ、不潔って……そんなこと言うなよ。えっと、悪かったよ。ほんと謝るからさ」
 俺は、ちょっと涙目になりながらヘラを拝む真似をする。
「ごめんで済んだらお巡りさんいらないよっ!」
 警察……ポリス……ええと、ええと、ギリシアの都市国家とかけて何か笑えるジョークを……だめだ、動揺のあまり何も思いつかない。
「――お兄ちゃん、ヘラとえっちしたいから謝るの?」
「うん」
「バカ!」
 即答した俺に、ぷーっと頬を膨らませた後……ヘラが、顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
「もう……本当に、お兄ちゃんのバカ……」
「馬鹿でいいからさ、その……もうしないだなんて言わないでくれよ……。なあ、頼むよ……」
 自分でもどうかと思うほどに哀れっぽい声で、俺は言う。
「そっ……そんなに、ヘラとえっちしたいの?」
「したい」
「もしかして、ヘラの体だけが目当てなの?」
「そう言われても仕方がないと思うけど、俺、ヘラとのセックスはやめられない。今すぐだってしたい」
 そう言いながら、俺はヘラの華奢な体を抱き締める。
「ちょ、ちょっと待ってよ……! まだヘラ怒ってるんだから……むぐっ」
 まだ何か言おうとするヘラの唇を、強引なキスで塞ぐ。
「うっ、うむむっ、うぐ……ンむ、うぐっ……ぷはっ! ま、待ってってば……! うむ……ンむむ……うぷ……んちゅ……んんっ、んぷ、えぷっ……ちゅ、ちゅぱ、ちゅぱっ……」
 ヘラが、おずおずと俺の舌に舌を絡めてくる。
「――ヘラ、お前、カナトスの泉に入ってきただろ?」
「う……うん……だって……もう春だし……」
 貝殻のような耳たぶを真っ赤にしながら、ヘラが小さな声で言う。
 やっぱりな……。こいつ、あの泉に入ると特にヤキモチ焼きになるんだよな。
 いや――この季節に、ヘラがあの泉に入ることを俺は知っている。これまで何千回も繰り返してきたことだ。
 と言うことは……もしかして俺、こいつにヤキモチを焼かせるために――?
 いやいやいや、と小さく首を振ってから、俺はヘラの小さな体をひょいと持ち上げた。
「あっ……! お、お兄ちゃん、まさか、今から……?」
「する」
 そう宣言し、ヘラの体をベッドに横たえる。
「い、イヤ……ヘラ、そんな気分になれないもん……」
「じゃあ、そういう気分にさせてやる」
 そう言って、俺はヘラの体に覆い被さり、再び唇を重ねた。
「ン……ンちゅ、ちゅむ……ちゅむむ……ちゅぷ……ンちゅ……ちゅぷ……」
 ヘラが、今度は最初から舌を絡めてくる。
 俺は内心で大いに勇気付けられながら、ヘラの下半身に手を伸ばした。
 スカートをまくり上げ、ショーツに触れる。そのクロッチ部分は、すでにしっとりと湿っていた。
「……もう、そういう気分になってるみたいだな」
「あうっ……は、恥ずかしい……」
 ヘラが、両手で顔を隠す。
「確かに……処女なのにこの濡れ方はちょっとはしたないぞ」
 そう指摘しながら、俺はショーツ越しにヘラの秘唇を刺激する。
「ンあっ……だって……だって……お兄ちゃんが、ヘラをこんなにしたんだもん……」
「そうだよな……。俺のせいで、ヘラは、いくらカナトスの泉で純潔を取り戻しても、ちょっと触られればすぐにオマンコをグチョ濡れにしちゃうようなドスケベになっちゃったんだよな」
「そ、そんなんじゃないもんっ! バカバカ!」
 ヘラが、顔を覆っていた手で拳を作り、俺の頭をポカポカ叩く。あのお転婆なアルテミスがヘラのパンチでノックアウトされたって話を聞いたことがあるが、俺は主神なのでぜんぜん平気だ。
 俺は、そのままヘラの幼児体型な体をまさぐりながら、一枚一枚、衣服を脱がせていった。
 瑞々しく無垢なヘラの裸体に、俺は思わず感嘆の溜め息をつき――すでに勃起しているズボンの中のペニスをさらに硬くする。
 そして俺は、その白い太ももを割り開き、ほんのわずかに綻んだヘラのその部分と対面した。
 そこは、ひくひくとおののき、透明な花蜜を溢れさせていた。
「お、お兄ちゃん……」
 ヘラの怯えと期待の入り混じったような声が、俺の興奮を煽る。
 俺は、吸い寄せられるようにヘラの秘部に口を付け、チュバチュバと音がするほどにそこを舐めしゃぶった。
「あうッ……や、やだッ……あッ、あううッ……! お、お、お兄ちゃんのベロ、やらしいっ……! あうッ、ああぁン……!」
 ヘラが身をよじりながら、俺の頭に手を置き、押しのけようとする。
 俺は、ヘラの小さなヒップを両手でがっしりと固定し、ますます熱心に舌を使った。
「ひあッ、あッ、あううッ……♡ やんッ、やんッ……♡ あッ、あああッ、あうッ、ダメっ、ダメっ、ダメっ、ンあああああっ……♡」
 未だ恥ずかしげに肉の莢に隠れたままのクリトリスを甘く吸ってやると、ヘラはヒクヒクとその体をおののかせた。
「ンあっ、あっ、あうっ、あううっ……♡ はっ、はひっ、ンあっ……あうッ、うううぅ……ン♡ はぁ、はぁ、はぁ……ンああっ、あふぅ……ン♡」
 いつしか、ヘラは腰を浮かし、両手で俺の頭を自らの股間に押し付けていた。
「すごい濡れ方だぞ……処女のくせに……」
「うううっ……いじわる……お兄ちゃんのいじわるぅ……っ♡」
 ヘラの声に、どこか媚びるような響きがある。
 俺は、辛抱たまらず、着ているものを全て脱ぎ捨てた。
「あッ……♡」
 俺の股間で自慢の息子が隆々と勃起しているのをヘラが熱っぽい瞳で一瞥し、そして恥ずかしそうに顔を背ける。
「入れるぞ、ヘラ……」
 俺は、そう言いながら、無毛の恥丘のふもとにある裂け目に、張り詰めた亀頭を押し付けた。
「あ、う、うっ……や……優しくだよ、お兄ちゃん……」
「どうかな……俺、すげえ興奮してるから……夢中になっちまうかも」
「そんな……そんな……」
 ヘラの体が、細かく震える。
「――今日は、よすか?」
「う、ううん……だって……お兄ちゃんは、したいんでしょ?」
「ああ、したい。一刻も早くヘラと仲直りしたいよ」
「えっちで仲直りなんて……お兄ちゃん、女の子の敵すぎる……」
「でも、お前の旦那様だぞ」
「あうッ……♡」
 俺のそんな一言だけで、ヘラが、じわっと涙で瞳を濡らす。
 やばい、こいつ……やっぱすげえ可愛い……!
 俺は、頭に熱湯を注がれたような興奮を覚えながら、腰を前進させた。
「あ、あああぁぁぁ……っ! い、い、いッ、痛いッ……!」
 ヘラが、悲鳴を上げる。
 その悲鳴を聞いてますます興奮してしまっている自分を何て鬼畜な奴だと思いながら、俺はさらにペニスを進ませてしまう。
「あううううぅぅぅ……ッ! うぐッ、うッ、うあッ、あああぁぁぁ……い、いた、痛い、痛いぃ……」
 熱い膣肉が俺のモノを包み込み、ぴったりと吸い付く。
 そして、全体の三分の二くらいを挿入したところで、亀頭がいちばん奥に当たった。
「あうッ……は、はひ……あうッ……ひはぁ……はッ、ひいいぃぃぃ……」
 ヘラの肉壺のきつい締め付けが、鮮烈な快感を俺のペニスにもたらす。
「はーッ、はーッ、はーッ、はーッ、はーッ、はーッ……」
 ようやくヘラの呼吸が落ち着いてきたところで、俺はその絹糸を思わせる濃い褐色の髪を撫でてやった。
「はみゅうぅぅぅ……♡」
 ヘラが、とろけそうな声を上げる。
「大丈夫か?」
「うん……ちょっと、ジンジンするけど……平気……」
 ヘラが、健気な口調で言いながら、両手を俺に伸ばす。
 その意図を察して上体を覆い被せてやると、ヘラは両腕で俺の首にしがみついた。
 俺は、ヘラの唇に再び唇を重ねながら、ゆっくりと腰を動かし始める。
「んんんっ……んむっ、んっ、んうぅ……んむっ、んむむむむっ……」
 重なった唇の間から、ヘラの小さな呻き声が漏れる。
「んううっ、ンんんんんん……ふーっ、ふーっ、ふぐぐぐぐ……んぷ、んはッ……はぁ、はぁ、はぁ……」
 ヘラの潤んだ瞳が、俺を至近距離から見つめる。
「お兄ちゃん……もっと、強くしてもいいよ……」
「いいのか……?」
 かなりの自制心を発揮してそのままピストンを激しくしてしまいそうになるのをこらえながら、俺は尋ねる。
「うん、だいじょうぶ……だってヘラは、お兄ちゃんの奥さんだもん……」
 ヘラの言葉に、こいつを初めて抱いた時のことを思い出す。
 あの時の俺、こいつにすごく夢中になってたっけ。わざわざこいつのお気に入りの郭公に変身して気を引いたりして――って、今のは“格好”の誤変換じゃないからな。これと決めた女のためなら上辺の姿などいつでも投げ捨てる。それが俺のスタイルだ。
 あの頃のこいつは本当に可愛かったし、そして今俺の腕の中にいるこいつは、完全にあの頃のままだ。
 こいつは、何度も何度も繰り返し、俺にだけ純潔を捧げ、そのたびに破瓜の痛みに耐えてくれる。こいつの権能は、婚姻と、そして貞淑だから――
「んく……や、やだ……お兄ちゃんの、ヘラの中でおっきくなってるよぉ……」
「――やっぱり、俺の嫁はお前だけだ」
「お兄ちゃん……あっ、あううっ、うぐ、あうぅ……!」
 俺は本格的に腰を使い始め、ヘラがそれに応えるように声を上げる。
「ひぐぐっ、うぐっ、ンああっ……あっ、やっ、やああっ……あううっ、んひぃ……っ」
 苦痛に彩られていたヘラの喘ぎが、次第に湿り気を帯びていく。
 健気に俺の肉竿を締め付ける膣肉は愛蜜に濡れ、たまらない快楽を俺にもたらしてくれる。
「ンううっ、うあっ、あン、あぁン、あっく……あっ、あっ、あっ、ダメ、ダメだよぉ、ダメぇ……♡」
 亀頭で膣奥を連続して突いてやると、ヘラは可愛らしく抗議の声を上げた。
「何がダメなんだ?」
「だってぇ、だってえぇ……そこ、あんまりされると……ヘラ、おかしくなっちゃうよぉ……♡」
「おかしくなれ、ヘラっ……! 処女のくせに子宮いじめられてアヘっちまうとこ、俺に見せてくれよ……!」
 わざとヘラの羞恥を煽るようなことを言いながら、俺はなおも最奥部をペニスの先端で突きまくる。
「ンううっ、うあっ、あっ、あうっ、あああン……! ヘラ、そんなふうになんてならないもんっ……! ンああああっ、あうっ、うぐ、ンあああっ、あひっ、んひいいいぃぃぃン♡」
 そのいたいけな体で俺の抽送を受け止めながら、ヘラが快楽の声を上げて身をよじる。
 ベッドの上で無意識のうちに頭の方向にずり上がろうとするヘラの華奢な体を抱きしめ、俺は執拗に腰を使い続けた。
「ひああああっ♡ あううっ♡ ンああああっ♡ やっ、やああっ、あああン♡ ダメなのにっ、ダメなのにぃ♡ あぐぐっ、うぐっ、うあああっ、あひっ、ンひいいぃぃぃ♡」
 ヘラのサクランボを連想させるフルーティーな唇が、あられもない喘ぎ声を撒き散らす。
 俺は、コリコリとした感触の子宮口に亀頭を押し付け、ぐりぐりと腰を回転させてやった。
「くひいいいいいいいい♡ やああっ、やめっ、やめて……ひああっ♡ ひはああああああっ♡ そっ、そっ、そこぉ♡ おっ、おおおっ、おほおおぉ♡ おひいいいいぃぃ♡」
 ヘラが、その可愛らしい顔に似合わない生臭い声を上げながら腰を浮かす。
「どうだっ!? 俺と仲直りするかっ!?」
「ひっ、ひうっ、ひううううっ、いっ、いっ、いやっ! いやんっ! んぐっ、うぐぐっ、こんなことで仲直りなんてっ……!」
「まったく、強情なやつだな……!」
 俺はピストン運動を再開し、ドスドスと子宮口に肉棒の先端を叩きつける。
「ンおおおおおお♡ しゅごい、しゅごいいいいい♡ はっ、はへっ、はへ、はへええええええ♡」
 ヘラが、開いた口からピンク色の舌を出しながら、無様なほどに喘ぐ。
「んひっ、ひいいいっ、くひいいいいいいン♡ おっ、おっ、お兄ちゃんのがぁ、お兄ちゃんのオチンポがぁ! あぐぐっ、ヘラのオマンコ、めちゃくちゃにしちゃってるぅぅぅぅぅ〜っ♡ あひいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ〜♡」
 かつて俺が一晩かけて教え込んだ猥語を女神らしからぬ下品な声で喚きながら、ヘラが悶える。
「どうだっ、どうだっ、どうだっ……!」
「ひぃーッ♡ ひいいぃーッ♡ しゅる、しゅるのおおおお♡ 仲直りしゅるううううッ♡ おッ♡ おッ♡ おッ♡ おッ♡ オチンポとオマンコで仲直りしゅるうううううううぅぅぅぅ〜ッ♡」
「いい子だ、ヘラ……! 仲直りの印に、たっぷり中出ししてやるからな……!」
 自分の欲望をそんなふうに正当化しながら、俺はラストスパートに入る。
「してっ、してええええっ! 中に、中にお兄ちゃんのミルクどっぴゅんしてええっ♡ ンおっ♡ ンおおおっ♡ お兄ちゃんミルクでヘラのオマンコいかせてっ! アクメさせてええぇぇぇぇぇぇぇぇ〜っ♡」
 破瓜の血と愛蜜に濡れたその膣肉までもが、まるで射精を催促するかのように俺のシャフトを締め上げる。
「出すぞ、出すぞっ……! う、ううっ、うぐぐぐぐぐぐ……うおおおッ!」
 俺は、思わず声を上げながらヘラの中に欲望を解放した。
「きゃひいいいいいいいいいいい! 熱いッ! 熱いッ! 熱いッ! 熱いいいいぃぃーッ! オマンコがヤケドしちゃううううううううううううぅーッ!」
 快楽の悲鳴を上げるヘラの膣内に、俺はなおも射精する。
「あうッ♡ うううッ♡ うひッ♡ ひいいいいいン♡ いっちゃう! いっちゃう! いっちゃう! いっちゃうううううッ! お兄ちゃんのザーメンミルクでイクのお! イクううううううううううう!」
 高い声で絶頂を訴えながらビクビクと痙攣するヘラの中に、俺はなおも精液を注ぎ込む。
「ひいいぃーッ♡ ンひいいいぃぃぃーッ♡ おまんこッ! おまんこイッパイになっちゃうううッ! お兄ちゃんのせーしで、おまんこイッパイになっちゃうよおおおおお! あぁーッ♡ あああぁーッ♡ いいいッ、いぐッ♡ いぐッ♡ いぐッ♡ いぐうううううううううぅぅぅーッ♡」
 体を反らすようにして絶叫するヘラの華奢な体を思い切り抱き締め、俺は、最後の一滴まで意地汚くザーメンを出しきる。
 そして、俺たち二人は、極限まで緊張させていた体をほぼ同時に弛緩させた。
「はア、はア、はア、はア、はア、はア……♡」
 俺の体の下で、ヘラが満足げな表情を浮かべながら、荒い息をつく。
「ヘラのオマンコ、最高だったぞ……」
 俺は、気の利いたセリフを思いつかず、かなりストレートな言い方をしながら、ヘラの髪を撫でてやった。
「ふみいぃぃぃぃ……♡ あっ、あっ、あっ、らめえぇ……っ♡」
 アクメのぶり返しがあったのか、ヘラが、その体をピクンピクンとおののかせる。
「……気持ちよかったか?」
「う……うん……気持ちよかったよ……お兄ちゃんの……えっと、お、お、オチンポ……♡」
 俺を喜ばせようとしているのか、ヘラが、恥ずかしがりながら卑猥な言葉を口にする。
「可愛い奴だな、お前……」
 俺は、素直な気持ちでそう言って、ヘラのいたいけな唇に唇を重ねた。
 やれやれ……これでどうにか誤魔化せたかな……?
「ねえ……お兄ちゃん……」
「ん、何だ?」
「あのね……お兄ちゃんが浮気した相手と、その赤ちゃん……もしかしたら、これからちょっとだけ不幸になっちゃうかもだけど……ヘラのせいじゃないからね……?」
「…………」
 この世に、こんな嫌なピロートークがあるだろうか?
 だが、まあ、仕方がない。主神である俺に惚れられるということは、そういうリスクを含んでいるのだ。これはいわば世界の摂理である。
「ああ……ヘラのせいじゃないな……」
「そうだよっ♡ お兄ちゃんのせいなんだからね……!」
 そう言って、ヘラが俺の体にぎゅっと抱きつく。
 やれやれ……あとで、ヘルメス辺りにフォローさせとこう。
 そんなことを思いながら、俺は、最愛の嫁にして妹にして姉の体を抱き締めたのだった……

あとがき

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