あたしの名前は、槙本由奈っていいます。
ご主人様の、奴隷、です。
ご主人様は、結城遼さま。
街から離れたお屋敷で、ちょっと特別なお仕事なさってます。で、あたし、最近はそのお仕事をよくお手伝いしているんです。
えーっと、お仕事っていうのは……。
「ふおー、ふおー、ふおー、ふおー……」
あたしの目の前で、ロープで手足を縛られた女のコが、うつぶせになってうめいてます。
名前も知らないコです。髪は長めで、ちょっと脱色されてます。ちょっとキツめですけど可愛い顔をしていて、年は、多分あたしと同じか、ちょっと上くらい。二十歳前後くらいだと思います。
ただ、あたし、見かけがすごい子どもっぽいんで、絶対にこのコよりずーっと年下に見られちゃうと思うんですけど。
女のコは、右の手首と右の足首、左の手首と左の足首を縛られたかっこうです。
こうされると、脚がゆるく開いた上に、お尻が高く上がっちゃうんです。すっごく、恥ずかしいかっこう。
後ろに回られると、大事なところも、その上にあるお尻の穴も、まる見えになっちゃいます。
「ふおー、ふおー、ふおー、ふおー……」
女のコは、苦しげにくぐもった息を漏らしています。
きちんとした言葉はしゃべれません。だって、口に、ギャグボールを付けられてるから。
要するに、ベルトのついた、穴のあいたピンポン玉みたいなものです。
ボールの穴のところから、たらたらとよだれがこぼれてます。でも、女のコは、それどころじゃない感じです。
あたしと、ご主人様の前にさらされたお尻の穴が、きゅっ、きゅっ、って動いてます。必死でおトイレをガマンしてるんです。
このコのお腹の中には、浣腸器1本分のお薬が、まるまる入ってるはずです。
まだ調教を受け始めのこのコには、ちょっとキツい量です。
そう。ご主人様のお仕事は、女のコを調教することなんです。
あたし、そのお手伝いをしてます。いろいろ、必要な道具を用意したり、後始末をしたり、ただ黙って、調教の様子をじっと見てるだけの時もあります。
このコの粗相の始末も、あたしがすることになってます。
床に直接這いつくばった姿勢のこのコの膝の間には、ブリキのバケツがあります。学校の掃除なんかに使うようなのです。
あたしも、何度か、その中にしてしまったことがあります。
自分のであれ、他人のであれ、バケツの中の粗相を始末するのは、泣きたくなるくらいにみじめです。それに、病気とかでもないのに、人に汚れたお尻を拭いてもらうのも、すごく恥ずかしいことだと思います。
でも、ご主人様は、いつか、もっと辛いことをあたしに命令するかもしれません。
例えば、ウェットティッシュじゃなくて、口で、きれいにしてやれ、とか。
でも、そんな命令でも、あたしは、ご主人様に逆らうことはできません。
自分が、ご主人様の奴隷でなくなっちゃうほうが、もっと、もっと辛いことだから……。
あたしは泣き虫なので、多分、その時は泣いちゃうと思うんですけど、でも、言われた通りに、すると思います。
ごしゅじんさまの、いうとおりに――
「ふおおおおおおおッ!」
その悲痛な声に、はっとあたしは我に返りました。
女のコが、よだれを吹きこぼしながら、むちゃくちゃに首を振っています。
もう、限界なんでしょう。お尻の穴から、ぴゅる、ぴゅる、って茶色い液が漏れています。
「ふいあああああー!」
ご主人様に預けられた当初は、けっこう反抗的だったこのコが、言葉を奪われながらも、必死に態度と視線でご主人様に哀願しています。
でも、ダメ。ご主人様は、そんなことで心が動くような人じゃないです。
「ふぶッ!」
その、女のコの最後の悲鳴に、可哀想なくらいおっきな音が、重なりました。
心の中の何か大事なものを、むりやりに奪われる瞬間……。
ガマンしてたせいか、ほとんど一気に、女のコの中のものが出きっちゃいました。
その体が、びくん、びくん、って震えてます。
多分、頭の中はまっしろなはずです。あたしも、そうなるから……。
ようやく、終わりました。
女のコの目は、なんだか乾いてる感じで、何も見えてないみたいです。
「由奈、始末してやれ」
「――はい」
ご主人様のいいつけに、あたしは返事をして、用意していたウェットティッシュを手に取りました。
思わず、そのままちょっと待っちゃったんですけど、口でやれ、とは、言われませんでした。
(恥ずかしい……まるで、期待してるみたい……)
思わず頭に血を昇らせているあたしを、ご主人様が、ちょっと不思議そうに見ています。
ますます顔が熱くなるのを感じながら、あたしは、女のコの真後ろに膝をつきました。
「ふお……」
女のコが、涙とよだれでぐちゃぐちゃになった顔を、ちら、とこっちに向けます。
(あたし、ヘン……ちょっと、うらやましい……)
そんな思いを無理やり追い払って、足の内側にとびちったのを拭き取っていきます。
「う、う、う、うぅ……」
あたしの顔から、同情や、汚物に対する不快感とかを、敏感に察したのでしょう。乾いていたはずの女のコの目に、みるみる涙がたまっていきます。
悲しそうな嗚咽を聞きながら、あたしは、できるだけ表情を殺して作業を進めていきました。
今日のお仕事は終わりました。
もう、朝です。だいたい、お仕事は真夜中から明け方にするので、いつもこんな時間になっちゃいます。その分、昼間は寝てることが多いです。
でも、寝る前には、お勤めをしなくてはなりません。
「由奈……」
お部屋までついて来たあたしに、ご主人様はそう言いながら、ソファーに腰掛けました。
こくん、と肯いて、あたしは、ご主人様の足元に跪きます。
スラックス越しに触れると、ご主人様のが、もうびんびんになってるのが分かりました。
「はぁ……」
思わず、期待に吐息をつきながら、腰に手を当てて、歯でジッパーを咥えます。
言われもしないのに、お口だけで、ご主人様のをお外に出してあげます。
唇で、スラックスと、トランクスの前のところをくつろげるとき、布越しに、ご主人様の温度を感じました。
そして、布の間から、ひょこん、と頭をのぞかせた……そのぉ……おちんちんを、咥えるんです。
まずは、口の中に馴染ませるように、舌で、唾液を塗るようにします。
ちょっと首をねじるようにしながら、ゆっくり、唇を茎のところに這わせるんです。そうすると、ちょっとごつごつした感じが唇にこすれて、なんだか気持ちよくなっちゃいます。
こんなことで感じちゃうなんて、ホントにあたし、イヤらしい……。
あたしの口の中のご主人さまのは、もう、すごく熱くなってました。
あのコにお浣腸して……あのコが、あんなに可哀想な声をあげて……それで、ご主人様ってば、すっごく興奮したんだと思います。
そう思うと、少しだけ切なくなって、奴隷なのに、ヤキモチ焼いちゃって――
それで、あたし、うんと一生懸命、おしゃぶりしちゃいました。
いっぱい舌を動かして、ご主人様のおちんちんに、いやらしく絡めるようにしたりするんです。
あんまり一気にすると、ちょっともったいないので、たまに、おちんちんの下の袋のところも舐めたりします。そうすると、あたしのよだれでべとべとになったおちんちんで顔が汚れたりするんですけど、かえって、それでドキドキしちゃったりするんです。
しばらくしてから、あたしは、目だけで、ご主人様に問いかけます。
ご主人様が、小さく肯きました。
これ、ご主人様がじっくり楽しみたいっていうサインです。もし、そうでないときは、ソファーから立ちあがって、無理やりにあたしの口におちんちんを出し入れしたりするんです。
でも、今日は、そうじゃないから――
あたしは、お口だけでご主人様のを愛しながら、エプロンを脱いでいきます。
あたし、このお屋敷の中では、ほとんどメイド服なんで、エプロンを脱ぐと、濃い青色の、ちょっと古風な感じのワンピース姿になるんです。
そのワンピースの前ボタンを、一つ一つ、外していきます。
ブラに包まれた胸が、外気に触れて、ちょっとひやっとします。
みっともないくらいおっきな、あたしの胸……。
身長があれば、胸が大きくてもかっこいいと思うんですけど、あたしの場合、ただイヤらしいだけな感じ。
でも、ご主人様は、そういうイヤらしいところが可愛いって言ってくれるんで、今は、昔ほど気にならなくなってます。
それに……この胸でも、ご主人様を気持ちよくして上げれるから……。
ぴちゃぴちゃと舌を使いながら、あたし、ブラを外します。苦労して見つけた、大きなカップのフロントホックブラです。
それから、ポケットに入れておいた小ビンから、胸の谷間に、ローションを垂らします。温感タイプのなので、冷たくありません。
「失礼します……」
ちょっと名残惜しいけど、口を離してそう言います。
それから、胸の間に、ご主人様のおちんちんを挟むんです。
あったかぁい――ううん、熱いくらい、です。
とくん、とくん、って、ソレが脈打ってるのが、分かります。
本当は、じっとそうやって感触を味わっていたいんですけど、それだと、ご主人様が気持ちよくないから……。
ローションのぬるぬるを胸に塗りたくるようにしながら、体を動かします。
ぴょこん、ぴょこん、っていう感じで、胸の谷間を、ご主人様のおちんちんが見え隠れします。
(可愛い……っ♪)
口に出しては言わないけど、胸でしてるときって、それが、すっごく可愛らしく見えるんです。これって、あたしだけかもしれないけど。
アソコとか、お尻とかを犯されてるときは、まるで、ご主人様のおちんちんに征服されてるような感じになるんですけど、この時は別です。
あたしの、大きすぎるおっぱいの間で溺れてるみたいな、ご主人様のおちんちん……。
それを見つめてると、ガマンできなくなって、あたし、舌をうんと伸ばして、ぺろぺろぺろっ、って舐めたり、ちゅっ、ちゅっ、ってキスを繰り返したりします。
ご主人様に気持ちよくなってほしいって気持ちもあるけど、あたしがしたくてしちゃってる、っていう感じなんですね。
そうしてるうちに、あたしのおっぱいも、ご主人様のおちんちんも、ローションでぬるぬるになってきました。それが、朝の光を反射して、すっごくイヤらしいんです。
ご主人様の先っぽからは、苦いお汁があふれてきます。それを、ていねいに舌で舐め取るんです。
そんなことしてるうちに、だんだん興奮してきて、おっぱい全体が、熱いような、切ないような感じになってきます。
「あ……ッ!」
ご主人様が、手を伸ばして、おっぱいの先に触れてくれました。
そのまま、くりくりと乳首をいじります。
「は、はぁン……あく……あ、あッ! ンあああ〜ん!」
ちょっと乱暴なくらいに乳首を転がされたり、引っ張られたりすると、つーん、とした快感が、おっぱいを突き抜けるんです。
それから、痛いくらいの気持ちよさが、じわーって広がって、ますますおっぱいが熱くなるんです。
多分、今、あたし、すごくエッチな顔してるはずです。
だって、ご奉仕してるのに、こんなに気持ちいいから……。
いつのまにか、あたし、ご主人様にされるがままになっちゃいます。
おっぱいが両手で乱暴に揉まれて、イヤらしく形を変えています。
そんな胸の谷間を、ご主人様のおちんちんが犯してるんです。
ご奉仕しながら犯されちゃうなんて、すっごいゼイタク……♪
なんてことを考えてると、ご主人様が急に腰を引きました。
そして、おちんちんで、ぴたん、ってあたしの顔を叩いたんです。
「あン!」
思わず、恨みっぽい声をあげちゃいます。
「お前ばっかり感じてちゃダメだろ」
苦笑いしながら、ご主人様が言います。そして、また、ぴたぴたとおちんちんであたしのほっぺたをはたくんです。
「ご、ごめんなさい……申し訳ありませんでした……」
あたしは、恥ずかしくなって、もう一回ご主人様のをお口に咥えました。
ワンピースをだらしなくはだけさせたかっこうのまま、また口だけで、ご主人様のおちんちんにご奉仕します。
「うン……んふ……ふん……ふうン……」
自然と、甘える子犬みたいな鼻声が漏れちゃいます。
自分の声にますます興奮しながら、一生懸命、ご主人様のおちんちんにご奉仕します。
ぬるぬるぬるっ、って舌を回して先っぽを刺激したり――
きゅっ、って唇を締めてみたり、口の内側にこすりつけたり――
舌を尖らせて、段になってるところや、おしっこの穴をちろちろくすぐったりもします。
あたし、ご主人様の気持ちいいところ、いっぱいいっぱい知ってるから――
あたしのお口で、うんと、気持ちよくなってほしい。
そうするうちに、ご主人様も、ちょっとだけ、声を出してくれます。
「う……ンっ……」
それが、すごく嬉しいんです。
(あ!)
今、ご主人様のおちんちんが、お口の中でぴくぴくっ、って動きました。
(もうすぐ、ご主人様、イクんだ……)
あたしのアソコは、もう、イヤらしい汁でびしょびしょになってます。
実は、最初に“ゆうな”って名前を呼ばれたときから、もう、そこはじゅわーって濡れちゃってるんですけど。
(あ〜ン……もう、このままだと、お口でご奉仕してるだけで、イっちゃいそうになっちゃう……)
「ゆ、由奈……」
ご主人様が、また名前を呼んでくれました。吐息が混じったような、感じてるときの声です。
(嬉しい……っ♪)
今度は嬉しくて、ますます一生懸命になっちゃいます。
痛くならないぎりぎりの締め付けで、舌をおちんちんの裏側に滑らせるようにしながら、頭を前後に動かします。
たしか、ディープスロートって言うんです。こういうの。
ぐううっ、とご主人様のおちんちんが、さらにおっきくなります。
「くッ!」
そう一声言って、ご主人様は、あたしの顔を、腰のところに押しつけるようにしました。
喉の奥にまで来た先っぽから、どばっ、とご主人様のミルクが溢れます。
口の中いっぱいに広がる、きつい、男の人の匂い。
(美味しい……)
やっぱり、こういうの、ちょっとヘンタイっぽいと思うんですけど、本当にそう思うんです。
味が、とか、そういうんじゃなくて、体が、かあっと熱くなる感じなんですよね。
あたし、お酒ダメだけど、強いお酒飲むと、こんな感じかもしれません。
だから、つまり、えーっと――
そのぅ――
あたし、ご主人様の精液を呑んで、イっちゃったんです。
「由奈、眠いか?」
ご主人様のをきちんと綺麗にしてからシャワーを浴び終わったあたしに、そう、声がかけられました。
「いえ、そんなこと、ないですけど」
そうあたしは答えます。
実際、あたしは、ちょっと久しぶりに強烈なシーンを見せつけられたせいか、なんだか体の芯が火照ってる感じでした。
シャワーを浴びて、新しい服に着替えても、ちっともおさまんない感じです。
今も地下室にいるあのコは、お尻に、拡張用のプラグを入れられてます。しかも、中でバルーンがふくらんでるはずなので、自分では絶対に外せないんです。
辛いとか、苦しいって感じは、次第に弱くなってくるんですけど、自分の体の真ん中を支配されてる感じで、精神的にけっこう辛いはずです。
あのコは、プライドが高いタイプだったんで、余計に辛いと思います。
でも、すぐ、お尻でされるのが好きになっちゃうでしょう。
あたしがそうなったみたいに……。
「あいつのことを、考えてるな」
ご主人様が、お見通し、って感じで言って、あたしの目の前に立ちました。
あたし、背が小さいから、自然と上目遣いになっちゃいます。それで、たぶん、すごく物欲しげな顔になってると思うんです。
「街に買い物に出るぞ。そろそろ食料も買い貯めしておかないといけないしな」
「は、はい……」
「すぐ準備してやるからな」
ふっ、とご主人様が、口元だけで笑いました。
当然、一緒に仲良くショッピング、って感じにはいかないと思います。今の、ご主人様の言い方だと。
本当は、新婚さんみたいに、普通にデパートで買い物とかするのが、夢なんですけど――
でも、あたしの体は、ご主人様に何をされるのかなあ、って考えると、きゅんっ、ってなっちゃいます。
ダメなあたし……。
子どもっぽいデザインのハーフコートに、下は薄手のニット。それから、ちょっと短めのスカート。
春になったばかりなんで、足元がちょっと寒いです。
ストッキングの色は、黒に近い茶色です。大人っぽい色のはずなんですけど、あたしがはくと、全然そんなふうに見えません。それが、ちょっと哀しいです。
一応、ガーターで留めてるんですけど、見せるわけにもいかないし……。
それに、スカートの中を絶対に人に見られちゃいけないわけが、別にあります。
ショーツ、はいてないから。
その上、あたしのお尻には、太いバイブが入ってます。
えっと、ご主人様のアレよりは、一回り小さいけど……。
でも電池内臓式で、リモコン・スイッチの、けっこう凶悪なやつです。その上、アナルプラグみたいに根元がくびれてて、それがちょうどお尻の穴にはまるんで、自然と抜けることはまずありません。
ご主人様は、外であたしを調教するとき、よくコレを使います。
「ほら、早く乗れよ」
ガレージの中で、車のロックを開けたご主人様が、運転席に乗り込みながら言いました。
あたしは、まるでおトイレの途中みたいな落ち着かない気持ちで、助手席に乗りこみました。
ゆっくり、ゆっくり、シートに腰を下ろします。
前に、何の気なしにイスに座ったとき、バイブの根元が当たって、強く突き上げられたことがあったんです。あの時は、冗談じゃなくて、目の前に火花が散りました。
できれば、この年でそういう下の病気になるのは避けたいです。
せっかく、ご主人様は気を使ってくれてるのに。
「行くぞ」
そう声をかけて、車を発進させます。
ガレージの段差を越えるとき、あたしは、両手で体を支えて、できるだけお尻に衝撃がこないようにしました。
街に二つあるデパートの片方で、お買い物をしていきます。
食料品や、春物の服、雑貨類、CD、雑誌……。
荷物のうち、重いのは、ご主人様が持ってくださいます。
でも、あたしは、ふうふう息をつきながら、ふらつく足でご主人様を追いかけるのがやっとです。
うぅん、うぅん、うぅん、うぅん……
あたしのお尻の中で、バイブが、ゆるやかに震動しています。
すっごくキツいってわけじゃないんですけど、なんだか、体の中からとろ火であぶられてるような感じです。
ご主人様が、ポケットの中に入れたリモコンを操作して、あたしのお尻をいじめてるんです。
あんまり単調だとかえってマヒしちゃうんで、絶妙に強弱をつけて責めるんですね。
しばらく、バイブを止めっぱなしにすることもあります。
そして、お会計をしてるときに、いきなり動かしたりするんです。
今、ご主人様は、あたしが一番気持ちよくなるような強さで、バイブを動かしています。
お尻の穴ではしたなく感じてしまいながら、あたしは、どんどん歩いていくご主人様を必死で追いかけます。
なんだか、引き綱で散歩させられてる犬みたいな気分。
ふと、ショーウィンドウの上に置かれた鏡に写った自分の顔が、目に止まりました。
(ヤダ……っ!)
もう、ドロドロに感じちゃってる顔です。
目が潤んで、ほっぺたが真っ赤で、口をちょっと開いてて――
一見、風邪をひいて熱があるみたいな感じですけど、でも、見る人が見れば分かっちゃうと思います。
こんなにたくさんの人の中、お尻にイヤらしい道具を入れて、アソコをぐちゃぐちゃにしてる、ヘンタイの牝奴隷。それが、あたしです。
と、ご主人様が、階段を下に降りました。エスカレーター、わざと使わないんです。
いじわる……。
荷物を持って、一段一段階段を降りるだけで、バイブで広げられたお尻の穴に、響く感じです。
「どうした、由奈?」
踊り場のところで、そう言ってご主人様が振り返りました。
「ごしゅじんさまぁ……」
われながら情け無い声をあげてしまいます。
「疲れたか?」
そう言って、ご主人様は、あたしの持っていた荷物を全部持ってくれました。そして、それを傍らのベンチに置きます。
ちょっとほっとしたあたしの肩を、するっ、とご主人様が抱き寄せました。
「あ、ちょ、ちょっと……!」
急接近するご主人様の顔にどきどきしながら、あたしは声をあげました。
だって、ほとんどの人がエスカレーターとかエレベーターを使うとはいえ、階段を使う人だってたまにはいるんです。
それに、近くの売り場の店員さんだって、こっち見てるし……。
「いまどき、人前でキスなんて普通だろ」
そんなことを言って、ご主人様は、あたしの唇に唇を重ねました。
「んンー」
反論するヒマもない、いきなりなキス。
あたしは、壁に押しつけられるようなかっこうで、ご主人様に唇を奪われてます。
そう、“奪われる”っていうのが一番ぴったりくるような、乱暴な感じのキス。
すごく、きもちいい、きす……。
と、いきなり、お尻の中のバイブが暴れ出しました。
「んんんんン〜ッ!」
反射的にもだえるあたしの体を、ご主人様の腕が、ぎゅっと押さえます。
あ、あ、あ、あのお姉さん、こっち見てる!
あそこの、子ども連れたお母さん、あわてて目をそらしましたよお!
そりゃあ、人前でキスするのは、最近は珍しくないかもしれないけど――
人前でイっちゃうのは、ちょっと――
はずかし、すぎ、ですよォ!
なんていう考えも、ぜんぶ、押し流されて――
あたしは、ご主人様の腕の中で、びくびく震えながらイっちゃいました。
気がつくと、公園の駐車場でした。
ということは、デパートの駐車場に戻って、荷物を積みこんで、車に乗って、そしてここまでやってきたってことなんですけど……全然、おぼえてません。
少しだけ、眠ったみたいです。
でも、なんだか、まだ夢の中にいるみたい。
春の初めの、優しいお日さまが、高く昇ってます。お昼ちょっと過ぎくらいだと思います。
「あれ……?」
運転席に、ご主人様がいません。
ちょっとあわてて辺りを見まわすと、ちょうど、ご主人様が何かを持ってこっちに戻ってくるところでした。
紙袋を持ったご主人様が、助手席のドアを開けます。
「ほれ、昼飯だ」
そう言って、袋の中のものをあたしに差し出します。それは、マスタードのたっぷりかかったホットドッグでした。見ると、駐車場の端に屋台みたいになったライトバンがあります。
「ありがとうございます……えーっと、ケチャップ、無かったんですか?」
おなかが空いてたんで、とりあえずは受け取っちゃいましたけど――あたし、辛いのが苦手なんで、思わずご主人様に目で訴えちゃいます。
「本場じゃあ、ホットドックにケチャップなんて邪道なんだぜ」
「で、でもぉ……」
「そんな顔するなよ。ほら、ケチャップの方」
苦笑いしながらそう言って、ご主人様は、もう一つのホットドッグを袋から取り出しました。
たまにご主人様は、こういう子どもみたいなイジワルもするんです。
あたしは、そんなご主人様をちょっとだけにらんで、車にもたれかかるようにして、ホットドッグを食べました。
なんで、外で立ち食いするのって、何でもおいしく感じられるんでしょうね?
でも、ホントにいい天気。
コート脱いじゃってもいいくらいの、ぽかぽか陽気です。
「おい、由奈」
ホットドッグを食べ終わってぼんやり空を見ていたあたしに、ご主人様が呼びかけました。
「はい?」
「口に、ケチャップついてるぞ」
呆れたように言って、ご主人様が、上からあたしの顔をのぞきこみます。
「え、えと……」
「世話が焼けるな、ほんとに」
「きゃ!」
わたわたと慌ててるあたしの口元を、ぺろん、とご主人様が舐めました。
そのまま、当然のように、キスにスイッチします。
さっきのとちがう、親ネコが子ネコを舐めるみたいな、優しいキス……。
やっぱりこういうキスも、あたし、好きです。
その時――
「んんんン〜」
少しだけ存在を忘れていた責め具が、あたしのお尻の中で、また動き出しました。
すごく緩やかな動きです。
でも、それだけの刺激で充分なくらい、あたしの体は準備ができていました。
忘れていたはずの、イったときの余韻が、次第に体の奥でよみがえってきます。
(あたしのカラダって、すっごいよくばり……)
自分でそんなふうに呆れながらも、ふうン、ふうン、って、エッチな鼻声が漏れちゃいます。
優しいキスは、そのまま、口の中をぬるぬる舐めまわす、すごくイヤらしいキスになりました。
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ……っていう音が、かすかに聞こえます。
あたしは、ご主人様の服をぎゅっと握り締めながら、ご主人様の舌に舌をからめました。
もう、あたし、すっかりその気になっちゃってます。
昼間の、公園の駐車場で……。
デパートの階段なんかより、よっぽど人通りがあるのに……。
でも、もう、全然人目なんて気にならなくなってるんです。
すごく切なくなって、もじもじと太腿をすりあわせるんですけど、全然逆効果です。
すっ、とご主人様の唇が、離れました。
「あぁ……ン」
思わず、はしたない声をあげちゃいます。
「さすがにここじゃヤバいだろ」
くすくす笑いながら、ご主人様が言いました。
そして、あたしの肩を抱いて、歩き出します。
あたしは、なんとなく雲の上を歩いてる感じでした。
ここの公園は、港に面しています。
波止場に沿って広い遊歩道があって、海の反対側は、林になってます。そして、遊歩道と林は、背の低い植えこみで区切られてます。
あたしたちは、わざとその林の中を歩いてます。
足場が悪いせいか、あたしがすっかりそういうふうになってるせいか、一歩足を進めるごとに、体の奥の方が、何だか甘くうずきます。
視界はぽやーんとかすんで、頭はじんじんと痺れたようになってるんです。
(早く……早くう……)
あたしの体が、全身で、ご主人様を欲しがってます。
公園の端の方まで来ると、先が行き止まりになってるんで、急に人通りが途絶えました。
植えこみと植えこみの間にベンチがあって、そこに、一人、女のコが座ってます。
向こうを向いてるんで、顔は分からないけど……雰囲気的に、高校生みたいです。
さすがに、ここじゃダメです。
向こうに、おトイレがあるから、あのコに気付かれないように、その中に入って……。
「……?」
と、ご主人様が歩を止めました。
そして、後から、じっと女のコの方を見ています。もう、ご主人様ってば、ひどい。
って、あれ?
ご主人様が、あたしの肩を抱いたまま、ベンチのほうに歩き出したんです。
ご主人様の口元が、にやっ、って笑ってます。前髪の奥の瞳まで、光ってる感じです。
まるで、獲物を見つけたオオカミみたいな……。
「そこに手をつけ、由奈」
ベンチの真後ろまできて、ご主人様が言いました。
あたしたちの気配に、女のコが、はっと振り返ります。ミディアムショートの、可愛い顔のコです。やっぱり、高校生くらいに見えます。
「で、でも……」
びっくりした表情の彼女の大きな目に見つめられながら、あたしは、つい口答えしちゃいました。
「言うとおりにしろ」
思わず震えちゃうような、低く抑えた声。
「……は、はい……」
あたしは、背もたれに両手を置いて、お尻を後に突き出すようにしました。
ハーフコートとスカートをめくられれば、どろどろに濡れたアソコがむきだしになっちゃいます。
(まさか、このコの前で……?)
女のコは、何が何だか分からないって顔で、じっとこっちを見ています。
遠くから見れば、あたしが、ベンチの後から、このコに話しかけてるように見えるかもしれません。ご主人様は、植えこみの影に隠れてるし。
でも……
「ひゃうッ!」
いきなり、あたしの中に、ご主人様のが入ってきました。
(やっぱり……こんなとこで……このコの前で……されちゃう……!)
あまりの恥ずかしさに、かあーっ、と頭に血が昇ります。
「あ、あ、あ……」
女のコは、声をあげて立ちあがろうとしました。
(ど、どうしよう、ここで、人なんか呼ばれちゃったら……)
「きゃん!」
がっき! という硬い音がして、女のコは再びベンチに腰を落としました。
(どういう、こと?)
「おい、ムリすると手をケガするぞ」
あたしのことを後から貫きながら、ご主人様が言います。
見ると、今まで袖で見えなかったんですけど、女のコの右手に、手錠がはまってます。
そしてその輪っかのもう一方は、ベンチの背もたれのパイプにはまってるんです。
さっき、ご主人様は、それを見つけたんでしょう。
女のコのピンク色の唇が、震えています。
「こんな昼間から野外調教か? 最近の学生は進んでるな」
ちょっと笑ってるみたいな口調でそう言いながら、ご主人様は、本格的に腰を動かし始めました。
「あッ! あッ! あッ! あッ!」
あたしのなかを容赦なくえぐるその動きにあわせて、高い声が出ちゃいます。
「んン〜ッ!」
あたしはあわてて右手の指を噛み締めました。
そんなあたしに構わず、ご主人様は最初から速いペースであたしを追い込んでいきます。
あたしのあそこはぐちゃぐちゃだったので、ご主人様の動きは、すごくスムーズです。
「あ、ああ、あ、あああ……」
女のコは、目に涙をためて、震えながらこっちを見ています。
でも、手錠をはめられてるせいで、逃げられません。
人を呼べば、逃げられない自分だけが、ここに取り残されることになるし……。
でも、こんなところで、ベンチにつながれたまま、放置されてるってことは、このコも、やっぱりあたしと同じ、誰かの奴隷なんでしょうか?
「あ、ダメ!」
いきなり、女のコが切羽詰った声をあげました。
「やッ! いや! こ、鴻平クン、助けてえっ!」
誰かの名前を呼びながら、拘束されていない左手で、ぎゅっ、と自分のお股のところを押さえてます。
「ああああぁぁぁぁぁ……」
女のコは、小さく泣き声を漏らしながら、下を向いて、ぶるぶるぶるっ、って震えました。
イったのとはちょっと違う、なんか、縮こまるような感じの反応……。
女のコのお尻のところに、じわーっ、とシミが広がっていきます。
「あ……おもらし……」
あたしの、快感で膜がかかった感じの頭は、思わず、見たままをそのまま口に出してしまいました。
たぶん、あたしたちが急に始めちゃったのが、よっぽどショックだったんでしょう。
「い、いやぁ……いやあ……」
女のコは、ぽたぽたと涙をこぼして泣いています。
でも、きちんと同情するには、あたしの頭の中は快感でとろとろになっちゃってます。
はぁはぁと息を漏らしながら、ぼんやりと女のコの様子を見つめるだけです。
「……主人とは、連絡つくのか?」
ご主人様が、女のコにそう呼びかけました。女のコが、こくん、ってちっちゃな子どもみたいに肯きます。
「じゃあ、ショーツを買ってきてもらえ。スカートは……コートで隠しておけばいいだろう」
そう言いながらも、ご主人様のが、あたしの中で、いっそう大きくなったのが感じられました。
ほかのコのおもらしを見て、興奮するなんて……。
あたしは、悔しくなって、うんと、あそこを締め付けちゃいました。
「くっ……!」
んふっ♪ ご主人様が、驚いたような声を漏らします。
「なんだ、ヤキモチか?」
そう言って、ご主人様は、ぐいぐい腰を使って反撃してきました。
あ、やっぱりダメ。ご主人様に逆らうなんて、絶対ムリ。
ご主人様のたくましいおちんちんが、あたしの感じるところを、ぐりぐりとえぐるんです。
その上、お尻の中のバイブと、肉の壁を挟んでこすれあって……。
「ああッ……す、すごい……! だ、だめエ……!」
もう脚ががくがく震えて、立ってられないくらいです。
でも、当然、ご主人様は許してくれません。
あたしは、この気持ちよすぎるおしおきに、がっくりと頭を下げました。
自分の足の間から、いやらしいお汁が、ぽたぽた滴ってるのがさかさまに見えます。
「こ……鴻平クン? あのね……ぱ、ぱんつ、買ってきて……」
女のコが、携帯に向かってそんなことをしゃべってるんですけど、あたしの頭には、きちんと意味が届いてません。
「――色なんて何でもいいからっ! コンビニとかスーパーに売ってるから、早く買ってきてよお!」
泣きべそ混じりに、何かおっきな声をあげています。
でも、今、あたしを支配しているのは、あたしのイヤらしいところいっぱいに打ち込まれたご主人様のおちんちんなんです。
じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ、って、エッチな音がたってます。
たぶん、この音は、女のコにも聞こえてるはずです。
そう考えると、もう、体中が熱くなっちゃいます。
その時――
「きゃああああ――むぐッ」
悲鳴をあげかけたあたしの口を、ご主人様の手がふさぎました。
「大きな声出すな」
耳元で、ご主人様の声がします。
「だってだって、ご主人様、いきなり、おしりのバイブ、うごかすから……ンああああ〜ん」
あたしの背中におおいかぶさるようにしてるご主人様に、あたしはそう言い返します。
それには答えず、ぐりぐりぐり〜っ、ってご主人様が腰を回すように動かします。
「ひあああ、ああ、あ、あああああッ!」
あたしは、もう、あたりをはばからず声をあげちゃってます。
あたしが指に噛みついちゃいそうになったんで、ご主人様、あわてて手を引っ込めました。
もう、あたし、頭の中が煮えちゃってるみたいで、ぜんぜんマトモに考えられない状態です。
(き、きもちイイ……イイ、よお……イイ……きもちイイ……っ!)
気持ちよさだけで、いっぱいいっぱいになってる、あたしの頭。
そんな、ふわふわ状態のあたしの頭を、ぐいっ、ってご主人様が髪をつかんで起こしました。
あああアア、そんなふうに、乱暴にされるのが、すっごくイイ……。
見ると、すぐ近くに、あの女のコの顔があります。
瞳が濡れてて……ほっぺたが赤くなって……唇がちょっと開いてて……。
(こーふん、してるんだ……)
ご主人様とバイブに、あそことお尻を同時に犯されてるあたしを見て、このコ、すごく興奮してるんです。
(やっぱり、このコも、ドレイなんだ……)
なんだか、ちょっと、仲間意識みたいなのを感じちゃいます。
だから――
「由奈、キスしてやれ」
だから、ご主人様にそう言われたとき、あたし、なんの迷いもなく、そのコにキスしちゃったんです。
「んんんッ!」
女のコが、さすがにびっくりした声をあげます。
でも、逃がさない♪
もともと右手を動かせない彼女の肩をしっかり押さえて、ちゅううっ、って舌を吸い上げます。
女のコは、きちんと抵抗できない様子です。
それをいいことに、あたしは、うんとエッチなキスで、女のコを責めていきます。
ああ、もう、あたまのなか、まっしろ……。
ご主人様のおちんちんと、お尻の中のバイブと、それから女のコの舌の動きだけが、妙に生々しく感じられます。
そして……。
「由奈っ!」
あああっ♪
ご主人様が、あたしの名前を呼びながら――
びゅうーっ、びゅうーっ、って、あたしの中に――
たくさん、たくさん、熱いミルクを注いでくださったんです。
びゅくっ! びゅくっ! びゅくっ! びゅくっ!
って、おちんちんが、あたしの奥深くであばれてます。
そのたびに、あたしは、目の前で電気が弾けるような絶頂を感じてしまいます。
そして――
あたしが完全にイキっぱなしになってるのがうつっちゃったみたいに――
あの女のコも、ぴくぴく肩を可愛く震わせながら、イっちゃったみたいでした。
で、気がつくと、もうお屋敷のガレージの中でした。
しかも、ご主人様に、ぴたぴたほっぺたを叩かれるまで、あたし、熟睡状態だったんです。
もう、今日は、ずっとこんな感じ。
「あ、おはよう、ございます……」
寝ぼけてるから、そんなことを言っちゃいます。
「立てるか?」
ご主人様が、開いた助手席のドアのところから、倒されたシートに沈みこむように横になってるあたしの顔を覗きこんで、言います。
うんしょ――あ、ダメ。起きあがれません。
「だめですゥ……」
試しに、思いきり甘えた声をあげてみます。
「しょうがない奴だな」
ご主人様は苦笑いして、ひょい、とあたしを抱きかかえました。
「きゃん♪」
肩と膝を両腕で支えてもらえる、お姫様だっこです。
嬉しい……嬉しい……嬉しいよお……っ♪
「ベッドで寝る前に、きちんとバイブを抜いておけよ」
あたしを運びながら、ご主人様が、そんなことを言います。
「はぁい……」
あたしは生返事で、ご主人様の胸に体を預けます。
このあと、ご主人様もあたしも、眠りについて――
起きたら、また、地下のあのコを調教するんです。
絶対に、絶対に、褒められたことじゃないし、許されることでもないと思います。
でも、あたしは、ずうっとご主人様についていきます。えーっと、今は、運ばれていますけど。
でも、ずっとずっと、ご主人様といっしょです。
たとえ、行き先が地獄でも――
あたしは、ご主人様の奴隷だから。
そんなことを思いながら目を閉じてると、とくん、とくん、っていうご主人様の心臓のおとが、かすかに、感じられるような気がしました。
終