第5章
「よろしくお願いします、ご主人様」
由奈の調教は、この言葉から始まる。
「今日も、このイヤらしいメス奴隷の由奈を、厳しくしつけてください……」
冷たいコンクリートの床に正座をして、深々と頭を下げる。身につけているのは、犬にでもするような、赤い革製の首輪だけ。
そして、由奈の調教が始まる。
遼の平手や、様々な種類のムチが、由奈の白い肌を赤く染め、熱く燃やす。
かと思えば、疲れを知らない器具が、由奈を幾度となく、おぞましい絶頂へと導く。それらによる蹂躙は、由奈の大きな乳房や幼い性器だけでなく、秘めやかな肛門にまで及ぶのだ。
無論、男に対する奉仕についても、教え込まれる。指で、舌で、胸で、そして性器で、体中を使って、牡の器官を刺激し、快楽を与え、絶頂へと導く訓練……。
それらの調教が、由奈の新しい日常だった。
「ありがとうございました、ご主人様。これからも、このいやらしいメス奴隷を、うんと可愛がってください……」
調教が終わったときは、どんなに体力を消耗していても、この言葉を言わされる。
挨拶は、しかし単なる挨拶ではない。由奈の、奴隷としての覚悟を示すセリフだ。
そして由奈は、この言葉を口にするときに、言い知れぬ快感を感じるようになりつつあった。
「はアん……」
挨拶が終わった後、由奈の白く小さな裸体に、遼は、縄をかけていく。
その痛みよりも、大きな乳房がさらに大きく強調されることに、由奈は悩ましげなため息を漏らすのだ。
「ご、ご主人様……」
乳房の上下に回された縄を、背中で結び、さらに後手にした両方の手首に縛り付けている遼に、由奈が流し目で訴える。
「由奈、イヤがったり、逃げたりしませんから……手を縛るのは、できれば、やめて下さい……」
「?」
かすかに不審そうな顔をして、遼が顔を上げる。
「あたし……あたし、されてると、ご主人様のこと、抱きしめたくなっちゃうんです。なのに、手が縛られてると、切なくて……」
しばらく黙っていた遼は、いきなり、ぐい、と由奈の前髪をつかんだ。
「ひあッ!」
悲鳴をあげながらも、由奈はなされるがままだ。
「お前が俺をどうしたいのかは、問題じゃない」
髪をつかんだまま後から顔を寄せ、囁くような低い声で、遼は言った。
「縛られている間、お前に許されているのは、主人がすることを、全て受け止めることだけだ」
「は、はい……」
痛みと屈辱と、そして被虐の淡い快感に涙を浮かべながら、由奈は素直に返事をする。
「……体に言い聞かせる必要があるな」
「あうゥ……」
ようやく手を放した遼の言葉に、由奈はがっくりとうなだれた。
「それとも、もしかして、罰を受けたくて、俺に口答えしているのか?」
「そんな……そんなこと、ありません……」
「どっちでもいいさ」
遼はそう言い、かちゃかちゃと音を立てながら、冷たいガラス製の、円筒形の医療器具を用意した。
「お……お浣腸……」
由奈の大きな瞳に、怯えの色が浮かぶ。
スパンキングや鞭打ちには、最終的には体を熱くさせてしまうまでに調教された由奈だったが、体内で暴れ狂うあの感覚には、まだ慣れることができていない。
「さあ、準備しろ」
「ううッ……」
嗚咽を噛み殺しながらも、由奈は逆らうことができない。手を後で縛られた姿勢のまま、うつぶせになり、膝を立てて丸いお尻を上げる。
「もっと尻を高く上げるんだ」
「ハ、ハイ……」
羞恥と恐怖に声を震わせながら、由奈は、頬と両膝で体を支え、必死で遼の言う通りにする。
遼は、まるで感触を楽しむように、そのヒップの曲線にそって、右手を這わせた。
「今朝は、出たのか?」
「……」
由奈が、一瞬、答えを躊躇した。すかさず、遼の張り手が由奈のお尻をたたく。
「ひッ!」
ぱァん、という小気味のいい音が、閉ざされた地下室に響く。一度や二度では、由奈の体は快感を感じない。ただ、痛いだけだ。
「ま、まだ、です……」
再び、スパンキング。
「あひッ! ……ゆ、由奈、まだ、今朝はウンチ、してません……」
由奈は、血を吐くような思いで、恥ずかしい報告をした。
「なら、きれいにしないとな」
「ハイ……由奈に、お、お浣腸、してください……ご主人様……」
遼は、また軽く由奈のお尻をひと撫でした後、たっぷりと薬液を充填させた浣腸器を、由奈の肛門に当てた。
まるで差しこまれるのを待ちわびているかのように、その慎ましやかな器官は、ひくひくと震えている。
「んンッ……!」
つぷっ、と菊門に異物が挿入される感触に、由奈は小さく声をあげてしまう。
遼は、ことさらゆっくりと、浣腸器のピストンを押し下げていった。
「ふあ、ああァ……あ……あう……」
由奈の口から、苦しげな、しかしけして苦しいだけとは思われないような声が、漏れる。
「はあゥ……」
全ての薬液が体内に注がれ、浣腸器が抜かれたとき、由奈は安堵したようなため息を漏らした。
「もう一本だ」
そんな由奈に、遼が残酷に告げる。
「え……そ、そんな……」
由奈は、床に押しつけられた顔を不自由にねじって、涙に濡れた瞳を遼に向けた。
しかし、遼は無言で、二本目の用意をする。
「お、お願いです……由奈、そんなの、ムリですゥ……お願いですから……あひッ!」
そんな泣き声をBGMに、遼は、二本目の浣腸を由奈の肛門に差しこんだ。
「ああァ、ダメ、ダメですぅ〜ッ! イヤああああああああッ!」
かつてないほどの大量の薬液で腸内が満たされていく感覚に、由奈が高い悲鳴をあげる。
遼は、慎重に、浣腸器を引き抜いた。
由奈のすべすべの腹部が、ぽこんと無残にふくれている。
「あ、あいい……ッ……ひぎ……んぐうぅぅぅぅゥ……」
腸が蠕動し、最も人に聞かれたくない音が、響く。
しかし、由奈はそれどころではなかった。今にも体が破裂するのではないかというような苦痛に、歯を食いしばり、冷たい汗で全身を濡らしていく。しかも、その苦痛は、時が経つにつれ、次第に強くなっていくのだ。
まるで、体内で何匹もの奇怪な動物が蠢き、暴れ狂っているような、そんな感覚が、断続的に由奈の腹部を襲う。
「し、ぬ……しん、じゃ、う……」
半ば本気で、由奈は言った。
その可憐な菊門はひくひくとうごめき、今にも汚物の濁流を噴出させそうだ。
「まだ漏らすなよ。お前が、掃除することになるんだぞ」
そんな遼の声も、由奈の耳には届いていない。
いつもであれば、「おトイレに行かせてください」と懇願するはずの由奈だったが、今はその余裕さえないようだ。
かちかちとその小さな歯が鳴り、口の端からは涎がこぼれている。
「も、う……ダ……メ……」
力なく開かれた由奈の目には、何も映っていなかった。
「あ! 出るッ……!」
びくん、と由奈の体が痙攣する。
遼は、その由奈の脚の間に、ブリキのバケツを蹴りこんだ。
褐色の滝のような奔流が、バケツをあふれさせんばかりに、放たれる。
「あ、あァ、あああアアア……ッ!」
目のくらむような解放感に、由奈は、まるで絶頂を迎えたときのような声をあげていた。
さらに二回、由奈は立て続けに浣腸をされた。
最後には、その肛門から溢れるのは、ほとんど透明な薬液のみとなった。
今、由奈は、緊縛されたまま、バスユニットでシャワーの湯を浴びせられている。
膝を折り、その上に体を横たえるようにして、うつぶせになる姿勢だ。
その背中やお尻を、温かなお湯が打ち、流れていく感触に、由奈はうっとりと目を閉じていた。
「キツかったか、由奈」
いつもの、すさまじい苦痛の後の優しい言葉が、由奈の壊れかけた心にじんわりと染み込んでいく。全ては、遼の計算通りのことだ。
「ハイ……でも、由奈、ガマンできます……」
けなげに、由奈は答えてしまう。
「偉いぞ、由奈」
言いながら、遼は由奈の背に覆い被さるようにして、その、濡れた髪が張り付いたうなじに口付けした。
「あふゥ……」
それだけで、由奈は声をあげる。
遼は、由奈の脇腹をそおっと撫でながら、ゆっくりと頭をずらしていった。そして、まだ縛られたままの腕や、腰の辺り、そして丸く小ぶりなお尻に、舌を這わせる。
「ふァ、ああ、んああァ〜ん」
媚びるような甘い声で快感を訴えながら、由奈はその幼げな体をおののかせた。もどかしげに、その縛られた小さな手を、開いたり閉じたりする。
そして、遼の口が、由奈の尻の割れ目に到達した。
これまでの暴虐のために、わずかに赤い色をにじませながらも、由奈のそこはあくまで慎ましやかだ。
「あ……ご主人様、ソコは……」
由奈が、頬を赤く染めながら、肩越しに遼の顔を見ようとする。
「ソコは、ダメ……汚いです……」
屈辱や羞恥よりも、主人の口を汚してはいけないという隷従の気持ちから、由奈は体をよじる。
「今、中も外もきれいにしてやったろ」
「でも、でもォ……ひあッ!」
いきなり菊門をきつく吸われ、由奈はびっくりした声を出した。
「あ、いやン、いや〜ン、ソコは、ソコはぁ……」
ちろちろとその周囲を舐められ、さらには堅く尖らせた舌をねじ込まれて、由奈は可愛い喘ぎ声を漏らす。
遼は、由奈のお尻を高く持ち上げ、アヌスと、すでに愛液でぐっしょりと濡れたクレヴァスとを交互に口で責めた。
「んはァ……ゆ、由奈、ヘンになる……おかしくなっちゃうゥ……」
頬を、合成樹脂製のバスユニットの床に押しつけるような姿勢で、由奈が舌足らずな声をあげる。
ちゅば、と音を立てて、遼が口を離した。
「続きは、体を拭いてからだ」
ぐったりとした由奈の体を抱き起こしながら、遼が言う。
「ハイ……」
由奈はそう返事をし、寄せられた遼の唇に唇を重ねた。そのまま、自分の口で遼の口を清めようとするかのように、ぺろぺろと遼の口内や舌を舐めしゃぶる。
「ンン……」
うっとりとした鼻声を、由奈は漏らす。
その行為で、由奈ははっきりと被虐と隷従の味を感じていた。
堅いマットレスの上で、由奈は、再びうつ伏せになり、膝をシーツに付いてお尻を上げていた。
「こいつを入れてやるぞ、由奈……」
そう言いながら、遼は、ローションに濡れるアナルバイブを、由奈の菊門にあてがった。いくつかの球体が連なった形の、細身のバイブである。
しかし、普通のバイブに比べて細いというだけで、肛門に挿入する異物としては充分に大きい。
「あァ……お願い、します……」
しかし、そう、うっとりと懇願するほどに、由奈のアヌスは開発されていた。
ぬるり、と最初の球体が由奈の肉のすぼまりに侵入していく。
「あはン」
ぴくん、と、縄で縛られた由奈の体が跳ねる。
遼は、由奈の肛門に浅く潜らせた状態で、くりくりとバイブを動かした。
「あ、あ、イヤ〜ん」
由奈が、媚びるような声をあげる。
「どうした? 奥まで入れてほしいのか?」
「は、恥ずかしい……恥ずかしいですゥ……」
「抜いてほしいのか?」
「い、イヤっ! ぬ、抜かないで、抜かないで下さいッ!」
バイブをアヌスから引き抜こうとする遼に、由奈が慌てたような声をあげる。
「じゃあ、入れてほしいのか?」
「そ、そう、です……バイブを、由奈のお尻に……ください……」
排泄器官への愛撫をねだってしまう自分の浅ましさに、由奈は、耳まで赤く染めながらシーツに顔をうずめた。
遼が、左手を由奈の丸いお尻に当て、右手に握ったアナルバイブに力を込める。
つるん、つるんと、まるで、原始的な生物が捕食活動をしているような感じで、由奈のアヌスが、アナルバイブの球体を次々と飲みこんでいく。
「あウ……んはア……あひッ……」
そのたびに、由奈は短く甘い悲鳴をあげた。
とうとう、アナルバイブの稼動部分が、由奈の直腸にすっかり収まった。きつい締め付けが、バイブごしに遼の手にも伝わってくる。
「動かすぞ」
一応、そう告げながらも、返事を待たずに、遼はバイブをピストン運動させる。
「あ! あ! ア! ああアァーッ!」
排泄感にも似たおぞましい快感に、由奈は高い声をあげた。
しばらくその嬌声を楽しんだ後に、遼は、バイブの振動スイッチを入れた。
「うあぁ、あ、あぁぁ、アぁぁぁぁァァァァァァァ……」
声とともに、バイブをくわえ込んだ由奈のヒップが、ゆらゆらと揺れる。
遼は、そんな由奈の前に回りこみ、髪をつかんで上体を起こした。
由奈は、後で手を縛られたまま、正座するようなかっこうになる。
その、菊門への刺激に半ば開かれた口に、遼のペニスが押しつけられた。
何も言われないうちに、由奈が遼の亀頭をぱっくりと咥える。
ぬるりとした感触が、遼の、熱くたぎった亀頭を包みこんだ。
「んぐ、んぐ……んんン……」
由奈は、けなげにも、物を飲みこむような要領で、遼のペニスをその小さな口の中に収めていこうとする。
そして、ぴったりと唇で締めつけ、舌を這わせるようにしながら、喉奥まで迎え入れた牡器官に対するピストン運動を始めた。
口腔粘膜の柔らかく滑らかな感触が、腰が砕けそうな快感を、遼の下半身に送りこむ。
遼は、由奈の髪を優しげな手つきで撫でながら、その奉仕を堪能した。
時折、遼は、わざと腰を動かし、由奈の口内を犯すようにイマラチオをする。しかし由奈は、目に涙を浮かべながらも、恍惚とした表情を崩さなかった。
ふン、ふン、ふン、という、まるで主人に甘えるペットのような鼻声を、由奈は漏らしている。
が、その息も、肛門に与えられるアブノーマルな性感の高まりとともに、次第に苦しげなものになっていった。
「ぷはっ」
由奈は、とうとう、自分の唾液にたっぷりと濡れた遼のペニスを口から出してしまった。
「ご、ごひゅじんひゃまあ……」
はァはァという荒い息の合間に、それでも遼のペニスに口を寄せながら、由奈がくぐもった声をあげる。
「どうした?」
「ゆ、由奈……お尻、きもひよくって……うまくごほうひ、できまふぇん……」
その言葉通り、幼い顔に悩ましげな表情を浮かべた由奈は、もはや遼のペニスを口でとらえることができず、ただいたずらに、自分の唾液と、鈴口から溢れている先走りの汁で顔を汚すだけだ。
「仕方ないな……」
拍子抜けするほどあっけなく、遼は腰を引いた。
「あン……」
遼の、天を向いて屹立したグロテスクな陰茎と、それを追いかけようとする由奈の桜色の唇との間に、唾液の糸が引く。
「後の口を、使ってやるよ」
「え、うしろ……?」
思わず声をあげる由奈に構わず、遼は再び背後に回り、由奈のアヌスを責め続けているバイブを手にした。
そのスイッチを切り、挿入したときと同様に、つるん、つるんと引き抜いていく。
「あッ……あッ、あッ、あッ……あいッ……んあッ」
アナルバイブの球体が、肛門を丸く押し広げて、外へと出ていくたびに、由奈はまた短い悲鳴をあげた。
「後の処女も、もらってやるからな」
そんなことを言いながら、ぐったりと体を横たえる由奈の菊門に、遼は赤黒い亀頭を押し付けた。
「あ……ご主人様、こ、怖い、です……」
いかに開発済みとはいえ、遼のペニスは、アナルバイブなどよりはるかに太い。由奈の体に、緊張が走った。
「なに、お前みたいな淫乱は、すぐにケツの方も病みつきになるさ」
遼は、自らの分身にローションを塗り、片手で角度を調節しながら、ゆっくりと腰を進ませていった。
「あッ……き、きつい、ですッ……!」
「力を緩めろ」
遼は、両手で由奈の腰を持ち、少しずつ、しかし確実に、その体内に侵入していく。
「んぐ……う……うあァ……」
最も直径のある雁首の部分が、由奈の狭い器官を、拡張するようにして通過していく。
「んはああア……」
由奈は、大きく口を開き、舌を突き出すようにしながら、ゆっくりと呼吸した。そうして、どうしても強張ってしまう括約筋を緩めようとする。遼は、そんな由奈の直腸粘膜の感触を味わうように、ゆっくりと腰を進ませていった。
ようやく、赤黒い亀頭全てが、由奈の直腸の中に収まる。
細かなシワに囲まれていた肉の門は、今や、遼の剛直を咥えこみ、血の気が引くほどに引き伸ばされている。
「はァ……はァ……んあ……んはッ……」
痛みはないが、重苦しい感触に、由奈はピンク色の舌をのぞかせたまま、苦しげに息をついている。
遼は、さらに腰を突き出した。すでに、一番きつい部分を通過しているため、その挿入は意外なほどにスムーズである。
「んああああアアアアア……ッ!」
開発されて日が浅いお尻には大きすぎるペニスに押し出されるように、由奈が高い声をあげる。
排泄の時の感覚に似た、しかし、それとは逆方向に直腸の内部をこすりあげられる、奇妙な感じ。が、それは、明らかに快感を伴った刺激だった。
由奈のお尻に、遼の腰がぴったりとくっつく。とうとう、遼のペニス全てが由奈の腸内に収まったのだ。
「入ったぞ、由奈」
「恥ずかしい……」
つい一月前まで、このような性交の方法があるということすら知らなかった少女は、羞恥に消え入りそうな声で訴える。
「どうだ? 初めてアナルセックスしてる気分は」
高く上げられた由奈のヒップを丸く撫でながら、遼が訊く。
「な……なんだか、ヘンな感じです……」
困ったような、切ないような顔をしながら、由奈が答える。
「すぐに気持ちよくなるさ。……動かすぞ」
「こ、怖い……ッ」
「これだけ咥えこんどいて、今さら何言ってる」
そう言いながら、遼は腰を前後に動かし始めた。
「あ、あッ、んあッ!」
由奈が、うろたえたような声をあげる。
まるで、自らの意思に反して排泄をさせられているような、奇妙な感触。
しかもそれが、次第に、熱を伴った快感に変化していく。それは、指やバイブによって菊門をなぶられるのとも違う、体の中をかき回されるような快美感だった。
「こ、こんなの……こんなのって……ッ!」
これまで、その幼げな体で受けとめてきた快感と全く異なる感覚に、由奈は思わず身をよじらせる。しかし、遼は由奈の腰をしっかりと固定し、容赦なく肛姦を続けた。
「んあ……ああァ……こんな……こんなの……はじめて……」
体の内側からの圧迫感さえも気持ちよく感じながら、由奈は舌足らずな声で訴える。
「やっぱり、感じてるな。淫乱なやつだ」
「だってえ……だってえ……」
腰を動かしながら言葉で辱める遼に、由奈が肩越しに恨みっぽい視線をよこす。
「だって、ごしゅじんさまが、由奈をこんなふうに……」
「人のせいにするな」
ぐい、と遼はひときわ激しく腰を突き出した。
「あひッ!」
そのまま、小刻みな動きを由奈の体に送りこむ。
「お前は、もともと淫乱な女だったんだ。だから、前も後も、初めてなのに感じるんだろうが」
「そ、そうですゥ……ごめんなさい……由奈、イ、インランです……イヤらしいんですゥ……」
排泄器官を襲うおぞましい快感に、由奈はあえなく屈服する。
遼は、満足そうに口元を歪め、右手を前から由奈の股間に伸ばした。
その手は、ほとんど無毛に近い由奈の恥丘を撫で、そして、クレヴァスに潜り込む。
由奈のアソコは驚くほどの愛液を分泌させ、溢れた液は太腿まで濡らしていた。
「こんなに濡らしやがって……」
「ああ、ごめんなさい、ごめんなさいッ!」
背骨を貫き、脳を痺れさせる快感に我を忘れてる由奈は、訳も分からず謝ってしまう。
遼は、その熱いぬかるみを愛撫しながら、指先で敏感な肉芽を探り出した。
「ふあッ!」
緊縛された由奈の体が、びくんとのけぞる。
「あッ! あッ! あッ! ああッ! あああああああああああああああッ!」
クリトリスと、膣口と、肛門を同時になぶられ、由奈は、あっという間に絶頂に追い込まれてしまった。
「ごめんなさい、由奈、イクの……! イ、イク、イク、イク、イクううううううううううゥーッ!!」
まるで、力いっぱい握られているような締め付けが、遼のペニスを絞り上げる。
がくン、がくン、と、由奈の体が大きく痙攣した。
そして、がっくりと全身から力が抜ける。
しかし、遼のペニスは、まだ力を失っていないまま、由奈の直腸に収まっている。
遼は、ぐったりとなった由奈の体を、膝の裏に手を差し込んで、持ち上げた。無論、由奈とはアヌスでつながったままだ。
「ああア……ダ、ダメですゥ……ゆる、してェ……」
未だ、自分の体内をえぐる遼の剛直の感触に、由奈は弱々しく訴えた。
しかし、遼は頓着せずに、由奈の小さな体を後から抱えたまま、立ちあがる。
たぷん、たぷんと、由奈の白い双乳がゆれた。
「ンあああァァァ……」
自らの体重で、深々と遼のペニスがめりこんでくる感覚に、由奈は力ない悲鳴をあげた。
遼が、ベッドを降り、部屋の一角に向かう。
遼が歩を進めるたびに、由奈の体は頼りなくゆれた。しかし、若い由奈の体は、驚くほど早く回復し、すでにまた快楽を受けとめる準備を整えつつある。
遼が立ち止まったときには、由奈の柔らかな頬は妖しく染まり、その大きな目はおぞましい肛姦の快美感にうっとりと閉じられていた。
「目を開けろ、由奈」
首筋や耳元に唇を這わせながら、遼が命じる。
由奈が目を開くと、そこには、大きな姿見があった。
いわゆる体操座りの姿勢で、後から抱えあげられた少女の肛門に、グロテスクな陰茎が挿入されているのが見える。その首には赤い首輪がかけられており、股間は、自らが分泌した液のためにきらきらと光っていた。
自分によく似た幼げな顔の少女が、恍惚とした表情で、官能に潤んだ大きな瞳を、こちらに向けている。
「はァ……」
これまで見たこともないような淫猥な眺めに、由奈は思わず溜息をついていた。
(ああ……このコ、すごくえっちな顔してる……でも、なんだか、とっても幸せそう……)
ぼんやりと、そんなことを考える。
と、遼が無言で、由奈の体を動かした。
「あ……おしり……」
由奈は、うわごとのようにつぶやいた。
「おしり、きもちいい……きもちいです、ごしゅじんさま……」
鏡の向こうの少女も、うっとりとした声で、背後の主人に快感を訴えてる。
(あなたも気持ちイイのね……あたしも、今、お尻をいじめられて、すごく気持ちイイの……)
心の中で、鏡の中の少女に語り掛ける由奈の頬に、遼の唇が触れた。
首をねじって、遼のキスを、唇で受けとめる。
「んん……んぷっ……ンはあ……」
互いに舌を伸ばし、相手の唾液を貪るようにして、キスを繰り返す。
「ンむ……ご、ごひゅじんさま……ゆうな、こんどは、おしりだけでイっちゃいそうれす……」
キスの合間に、舌足らずな声でそう報告する。
「いいぞ、イっても……俺も、もうすぐ……」
「うれひい……」
遼が、次第に、動きを早くしていく。
「あ、あああ……きもちイイ……おしり、こんなにイイなんて……」
雁首が直腸の内部をえぐるたびに、由奈はアソコから愛液を溢れさせてしまう。
「きもちイイ……きもちイイの……ッ! す、スゴい、スゴいよォ……!」
遼は、由奈を抱える両腕に力を込め、いっそう激しくピストン運動を繰り返した。
「あ、あああ、んあ、あいいいいいッ! イク! おしりでイっちゃう!」
二度目の絶頂を目前にして、由奈が高い声をあげる。
遼は、獣のように荒い息を由奈の細いうなじに吐きかけながら、狂ったようにそのアヌスを犯し続けた。
みっちりと隙間なく遼のペニスを包み込んだ直腸粘膜が、痛いほどに締めつける。
シャフトの根元が、溢れんばかりの精液で破裂しそうになっていた。
「うおおっ!」
射精の瞬間、遼は思わず声をあげていた。
重力に逆らって、大量の精液がペニスの中を駆け上る。
「あついッ!」
腸内に放たれた遼のザーメンの温度に、由奈は悲鳴のような声をあげた。
初めて感じるアヌスだけによる絶頂に、由奈はぞくぞくと体を震わせた。
「あつい、あ、あああ、ごしゅじんさまの……スゴい、スゴいのォ……」
体内を、熱い粘液で満たされていくような錯覚を感じながら、由奈はがっくりと遼に体重を預けた。
軽い失神状態にあった由奈の体をベッドに横たえ、遼は、丁寧に縄を解いてやった。
その白く滑らかな肌に、無残な縄の痕がくっきりと残っている。
特に、手首の部分は、赤い筋が痛々しい。
遼は、いとおしむように、由奈の手首にそっと口付けした。
「ン……」
それがしみたのか、由奈が、小さく声をあげながら目を開ける。
「ご主人様……」
まだちょっとぼんやりした顔で、由奈は、下から遼の顔を見上げた。
「……」
何も言わない遼の首に、するりとその白い両腕を絡める。
そして、ぎゅっと、遼のことを抱きしめた。
「由奈……」
「お、お願いです……」
少し震えた声で、由奈が言う。
「あとで、どんなお仕置きでも受けますから……しばらく、このままで、いさせてください……」
「……」
「でないと、あたし……ばらばらになっちゃいそうで……」
それがどういう意味なのかわからないまま、遼は、とりあえず由奈の好きにさせることにした。
「ありがとうございました、ご主人様。これからも、このいやらしいメス奴隷を、うンと、可愛がってください……」
地下室を出ていこうとする遼に、由奈が決められた挨拶をする。
ふと、遼はベッドの上に正座をしている由奈に振り返った。
驚いたような顔の由奈と、目が合う。
そして由奈は……くちん、と小さくくしゃみをした。
由奈は、風邪をひいてしまっていた。