早乙女亜希が帰ると、アパートの部屋は、明かりが点いていなかった。
「なんだよぉ。望実の奴、先に寝ちゃったの? はくじょーもん」
バッグの中から部屋のカギを取り出しつつ、亜希は、口を尖らせる。
「……それとも、まだ帰ってないのかな?」
そう言って、ほっと小さくため息をつき、ロックを解除する。
肩の上でシャープな感じに切り揃えた黒い髪と、メガネの奥の猫のような大きな吊り目。その白い顔は、ほんのりと赤く染まっている。
ヤケ酒とは言わないまでも、ちょっと今日は飲み過ぎてしまった。高校を卒業してすぐ就職した小さな事務所の中では“うわばみ姉さん”のあだ名を欲しいままにする亜希ではあるが、今夜、一人で飲んだ酒が、まだ血液の中に残っている。
「だめだめ。ふっきらなきゃ」
そう、自分に言い聞かせて、ドアを開け、電灯を点ける。
玄関には、5歳年下の弟、望実の靴が、あった。
「帰ってるんだ……」
つぶやいて、乱雑に靴を脱ぎ散らかし、まずは洗面所に入って口をすすぐ。
2Kの、亜希の月給では精一杯のアパート。しかし、高校に入ったばかりの望実が、家事一切をこなしてくれているため、二人の生活は慎ましいながらも乱れてはいない。
「……ただいま」
望実の部屋の前に立ち、そう声をかける。
「…………」
部屋の中から、奇妙な声が漏れ聞こえてきた。
「……開けるわよ」
一応そう言って、ドアを開く。
六畳間の中央で、望実が、頭から布団を被って寝ている。
「う……ぅ……ぅ……」
かすかに漏れ聞こえてくる声は、寝息などではなかった。
「……どーしたのよ」
亜希は、部屋の中に入り、布団の横に座って、弟の顔をのぞき込もうとした。
「な……なんでも……ないよ……」
涙に濡れた声で、望実が答える。
明らかに“何でもない”ということはなさそうなその声に、亜希は、小さくため息をついた。
そして、しばらくその場を離れる。
数分後、亜希は、湯気の立ちのぼる二人分のマグカップを手に、再び望実の傍らに座り込んだ。
「コーヒー、いれたわよ」
「ん……」
中途半端な返事をして、望実が、上体を起こした。
さらさらの髪と、優しげな顔立ち。同年代の少年たちよりは二回りほど小さな体に、華奢な肩のライン。
亜希は、そんな望実を、素直に“美少年”だと思っている。そして、それはごく一般的な感覚だったろう。
ただ、亜希が、一般と違うのは――
「どうしたの?」
「…………」
亜希が、両手でカップをもち、褐色の水面を見つめる望実に、声をかける。
「……デート、失敗したわけ?」
「うん……」
姉の明け透けな問いに、望実は、小さく肯いた。
事前の雰囲気で、今日、望実が最後の勝負に出るであろう事を、亜希は察知していた。それが、この落ち込みようということは――恐らく、まだ望実は童貞のままなのだろう。
「まあ、気にしない気にしない。次があるって」
「……無いよ」
ぽつん、と望実が言う。
「僕、あの子に振られちゃったから」
「あ……そう……」
亜希は、マグカップ片手に、言葉を探した。
目の前で、望実が落ち込んでいる。姉として慰めなくてはいけないと思うし、元気になってほしいが、しかし、亜希はあまりそういうことが得意な方ではない。
それに……自分が、今のような状況を、何となく予想していたことも確かだ。
「あんたは、優しすぎるからね」
亜希にそう言われ、びくっ、と望実の肩が震えた。
「優しすぎるのは……ダメなのかな……?」
「時と場合によるわね」
「…………」
「あの子に、優しすぎるって言われちゃったわけ?」
「うん……」
恐らく、望実は、その時になって、躊躇してしまったのだろう。
もし、相手が処女だったとして――亜希はそうだとにらんでいるのだが――望実が必要以上に彼女の苦痛を意識してしまったとしたら……。
それが理由で、行為を中断してしまったのなら、人によっては怒るだろう。そして、相手も、事に及んでギリギリの覚悟だったのだろうから、感情が剥き出しになったとしても無理は無い。
仮定に仮定を重ねた推論ではあるが、弟とその彼女の性格を亜希なりに観察してきた結果として、それは、正しいように思われた。
(これって……チャンスじゃない……)
亜希の中の、最も悪魔に近い部分が、心の中でそんなことをつぶやく。
(ううん、むしろ……今しかチャンスは無いってことよね……)
望実は振られたと言っているが、ケンカの原因がそういうことなら、仲を修復されてしまうことは十分に有り得る。
だから――
「望実……」
亜希は、床にカップを置き、望実の細い肩を抱き寄せた。
「お、お姉ちゃん……?」
「あたしは……あんたの優しすぎるところ、好きよ」
姉が、傷心の弟に言うには、あまりにも普通のセリフ。
なのに、“好きよ”という言葉を口にした時、亜希は、ずきんと胸が甘く疼くのを感じていた。
(ああ……止まらない……)
止まるわけが無い。子供のころから、ずっと押さえに押さえ付けていた感情なのだ。
「望実は、優しいから……」
顔を寄せ、両手で、望実の顔をこちらに向かせる。
「あたしがこんなことしても……怒らないよね……」
「え……?」
不審の声をあげかける弟の唇を――姉の唇が、塞いだ。
「ん……!」
驚きに目を見開く望実の唇に唇を押し付け、舌を、口の中に差し入れる。
望実は、両手でマグカップを持ったまま、体を硬直させていた。
開きかけた歯の間からのぞく弟の舌に舌を触れ合わせたことでひとまず満足し、亜希が、唇を離す。
「お……お姉ちゃん……」
「望実……あたし……」
唇を舌で湿らし、亜希が、望実の手からマグカップを取り上げる。
そして、まるで少女のように繊細な手を、自らのたわわな胸に押し付けた。
「ほら……ドキドキしてるでしょ……?」
スーツの胸元を開き、ブラウスの上から、乳房を触らせる。
望実は、口をぱくぱくさせながら、かすかに身じろぎした。
「ちょ……ちょっと待って、お姉ちゃん……酔ってるの?」
「うん、ちょっとね……」
亜希が、普段は見せないような、はにかんだ笑みを浮かべる。
「あんたが、今夜、あの子と初エッチしちゃうのかと思うと……切なくて、いっぱい飲んじゃった」
「そ、それって……」
「でも……もし酔ってても……あたし、本気だよ……」
そう言って、亜希が、望実の体を抱き寄せる。
「あうっ……!」
服の上からも分かる豊かな胸に、亜希が、望実の顔を押し付ける。
「お、お姉ちゃん、待って……待ってよ……! こんなこと……!」
「ううん、待てない……」
弟の体を抱き締めながら、亜希は、上ずった声で言った。
「もう、待てないよ……。ずっとずっと、ガマンしてたんだから……」
「お姉ちゃん……」
「好きよ……望実……」
眼鏡を外してから、密着した弟の顔に上を向かせ、再び、唇を重ねる。
「ん……ちゅっ……ちゅ……ちゅむ……うん……んふん……」
甘えるような声をあげながら、亜希は、パジャマ姿の望実の体をまさぐった。
望実が、亜希の腕の中で、弱々しく抵抗する。
しかし、亜希の体を突き飛ばすようなことは、望実にできはしない。
「望実……」
亜希が、布団の上に、望実を押し倒した。
「お、お姉ちゃん、ダメだよ……! こ、こんなことしちゃ……あんっ!」
望実が、短い悲鳴をあげる。
亜希の右手が、望実の股間に触れたのだ。
「何よ、望実……こんなにしてるくせに……」
すでに勃起しているペニスを、薄い布地の上からまさぐりながら、亜希が望実の耳元で言う。
「うふふ、すごい……大きい……望実ってば、こんなに大きく育っちゃったんだね……」
「あああ……ダメ、ダメ、ダメぇっ……! お、お姉ちゃん、やめて……そんなにしたら……!」
少女のような声で言いながら、望実が、左右にかぶりを振る。
「あん……どんどん固くなってく……」
うっとりとした声で言いながら、亜希は、弟の陰茎を、パジャマのズボンの上から扱き始めた。
「ああん、あん、あはぁっ……ダ、メっ……こ、こんな……あうっ、あん、あああン……!」
「あはっ……女の子みたいに喘いじゃって……望実、可愛すぎるよ……」
亜希は、真っ赤に染まった望実の顔に、ちゅっ、ちゅっ、とキスの雨を降らした。
「はぁ、はぁ、はぁ……望実……望実っ……」
弟の名を呼びながら、亜希が、肘で体を支え、左手で自らのブラウスのボタンを外す。
「ああ、お姉ちゃん……」
もはや身動きすらままならなくなっている望実が、次第に露わになる姉の胸元に、視線を注いだ。
「ふふ……おっきいでしょ? あたしのオッパイ……」
その言葉どおり、まるで高級な果実を思わせるような形のいい巨乳が、シルクのブラに包まれた状態で、姿を現す。
「見たいでしょ……? 触りたいんでしょ……? 望実だって、男の子だもんね……」
「あ、ああ……お姉ちゃん……すごい……」
うわ言のように言う望実の手を、亜希が、自らの胸元に導く。
望実は、はぁはぁと息をつきながら、形を確かめるように、姉の乳房をブラの上からまさぐっていた。
「あん……ああっ……夢みたい……望実が、あたしのオッパイ触ってる……」
瞳を欲情に濡らしながら、亜希が、体をくねらせる。
「ねえ、ブラもはずしてよ……直に、触って……」
「う……うん……」
熱に浮かされたようなぼんやりとした声で、望実が、そう返事をする。
そして、希未の細い指が、ブラのフロントホックを、たどたどしく外した。
「ああ……」
ふるん、と揺れながら露出した双乳に、望実が、声をあげる。
「望実……好きなようにして……あたしのオッパイ、いっぱい触って……」
「お姉ちゃん……お姉ちゃんっ……!」
望実が、すぐそばにある亜希の乳房に手を重ね、むにむにと指を動かす。
柔らかく、そして弾力のある乳房が、望実の指の動きにしたがって自在に形を変える。
「あん、あああんっ……す、すごいよ、望実っ……! き、きもちイイ……!」
灼けるように熱い快感を感じながら、亜希が、手の動きを早くする。
「あっ、あああんっ……そんな……ダメぇっ……! あっ、あっ、あっ、あっ……!」
望実は、亜希の胸を揉みしだきながら、ひくひくとその細い腰を上下に動かしてしまった。
「お姉ちゃんっ……! もう、僕……僕っ……!」
「はぁ、はぁ、はぁ……出るのね……どぴゅって出ちゃうんでしょ、望実……!」
「あ、ううっ、うく……んんんんっ……!」
望実が、きちんと答えることができないまま、こくこくと肯く。
「出して……出していいから……このまま、出して……!」
「で、でも……んんんっ!」
何か言いかける望実の唇を、亜希の唇が塞いだ。
亜希の舌が、まるで独立した生き物のように淫らに動き、望実の舌を絡め取る。
望実は、無意識のうちに舌を動かし、亜希のディープキスに応えていた。
「んーっ! んーっ! んーっ! んーっ!」
重なった唇の合間から、声が漏れる。
「ン……ッ!」
びくん! と望実の体が痙攣した。
びくん、びくん、びくん、びくん……と、腰が、上下に動き続ける。
薄手のパジャマのズボンに、染みが、じわじわと広がっていく。
「んむっ……ぷはぁ……はーっ、はーっ、はーっ、はーっ、はーっ……」
望実は、布団の上にぐったりと体を横たえ、目を閉じたまま、荒い呼吸を繰り返した。
「はぁ……はぁ……はぁ……すごいわ、望実……」
そう言って、亜希が、布越しに精液に触れてかすかに青臭くなった指を、ちろりと舐める。
「ふふふ……オモラシなんかしちゃって……。もう、これ、脱いじゃいなさいよ……」
亜希が、望実のパジャマのズボンを、トランクスごとずり下ろす。
「ああんっ……い、いやっ……」
「もう、あんたってば、相変わらず女の子みたいな声出してぇ」
そんなことを言いながら、亜希が、射精の余韻のためにきちんと動けない望実からズボンを奪い去り、ペニスを露わにする。
「うわ……すごい……」
亜希は、思わず声をあげていた。
赤く充血した亀頭や、まだ萎えきっていない褐色の陰茎が、大量の精液にまみれている。
体毛が薄く、輪郭も柔らかな中性的な体つきの中で、その部分だけが、“男”を自己主張しているのだ。
亜希は、思わず、生唾を飲み込んでいた。
「の、望実……舐めて、きれいにしてあげるね……」
「えっ……? な、なに……? ……うわっ!」
ペニスを包み込む生温かく湿った感触に、望実は、声をあげた。
「んっ、ちゅぶ、んちゅっ……はふ……うふふっ、すごい匂い……。あんたってば、精液出しすぎ……」
亜希が、ペニスを口に含み、精液の残滓を舌で舐め取りながら、言う。
「そ、そんなこと言われても……ああン、ダメぇ……お姉ちゃん、口が汚れちゃうよ……」
「気にしないで、望実……ちゅっ、ちゅぶっ、ちゅぷ……んふうン……あんたの精液舐めてると、すごく興奮しちゃう……」
「あっ、ああっ、あっ……お、お姉ちゃんっ……!」
生まれて初めてのフェラチオの快感と、姉のあまりに淫らな物言いに、望実は、あっという間に勃起を回復させてしまった。
「ああん、すごい……」
弟の肉棒が自分の口の中で力強さを取り戻していく感触に、亜希が、嬉しげな声をあげる。
「はぁ、はぁ、はぁ……す、すごく立派よ、あんたの……。なのに、ちょっと皮が余ってて……うふふふふ、可愛いっ……」
亜希が、仮性包茎の包皮と亀頭の間に、尖らせた舌先を潜り込ませる。
「あああんっ……そ、そんなトコまで……!」
「あたしの口で、オチンチンの皮、剥いてあげる……。あむ、ちゅぶぶっ、ちゅぷ……ほぉら、全部出てきた……」
亜希が、すっかり露わになった亀頭部に、てろてろと舌を這わせる。
「あああっ……は、はふうん……ダ、ダメ……きもちいいよぉ……」
望実は、姉の口唇愛撫を制止することもできず、ただ足を投げ出し、両の手でシーツを握り締めている。
「なあに? お姉ちゃんには手も足も出ないんだ? んふふふふっ、いい子ね……ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ……」
亜希が、望実のペニスの先端にキスを繰り返す。
「あうううんっ……ああ……ダメぇ……お姉ちゃん、もうこんなことやめようよォ……」
「何言ってるのよ。されるがままのくせして……んっ、ちゅむむっ、れろ……ちゅむむっ」
たっぷりと唾液を乗せた舌で弟の肉幹を舐めしゃぶりながら、亜希が言う。
「それに、あんたのここは、もっとシテ、もっとシテ、って言ってるわよ」
そう言いながら、亜希が指先で裏筋を撫でると、望実のペニスが、ひくん、ひくんと反応した。
「ほーら、催促しちゃってる……。安心して。いっぱいおしゃぶりしてあげるから……」
「あああぁぁ……お姉ちゃん……」
亜希の柔らかな唇が、根元まで、望実のペニスを咥え込んだ。
口の中で、舌がうねうねと動き、望実の性感をいやが上でも煽る。
「あ、ああっ……は、はふぅ……んっ、んっ、あふ……お、お姉ちゃん……」
姉の唇を望実の肉棒が出入りする。
その様を、望実は、潤んだ瞳で見つめていた。
「ちゅっ、ちゅぶ……ちゅぶぶ……んちゅっ……んぶぶ……ちゅぶ、ちゅぶ、ちゅぶ、ちゅぶ……」
静脈を浮かした肉茎を、濡れた朱唇が滑らかにスライドする。
唾液まみれになったシャフトが、ぬらぬらと卑猥に蛍光灯の明かりを反射させている。
「んっ、ちゅぶ、ちゅぶぶ、んちゅうっ……はぁ、はぁ、はぁ……ねえ、望実ぃ……」
亜希は、自分からストッキングとショーツを脱ぎ捨て、そして、するりと体の向きを変えた。
「わっ……」
スーツを着たまま秘部を剥き出しにした姉に頭をまたがれて、望実が、驚きの声をあげる。
「お願い、望実……望実も舐めて……。あたしも、あんたのオチンチン、いっぱい舐めてあげるから……」
シックスナインの体勢でそう言って、亜希が、望実を促すように肉棒を舐める。
「あん、あああん……お、お姉ちゃん……」
むっちりと張った白いヒップが、望実を誘うようにゆらゆらと揺れる。
淫らに綻んだ亜希の花弁は、自らが分泌した蜜にじっとりと濡れ、ひくひくと息づいていた。
「あむ、ちゅぶぶ、んちゅっ、ちゅううっ……ねえ、お願いよ、望実……舐めて……舐めてよぉ……ちゅぶぶ、ちゅむ、んちゅっ……ちゅばちゅばちゅばちゅば……」
「う、うんっ……」
望実が、目の前のヒップを抱えるようにして、首を起こす。
そして、目を閉じ、まるでキスでもするような表情で、姉の秘唇に唇を押し付けた。
「んっ……れる……んちゅ……ちゅぱっ……こ、こうで、いいの……?」
「あん、ああん、あふぅん……も、もっと、いっぱいベロを動かして……」
「うん……」
素直にそう返事をして、望実が、熱くぬめるクレヴァスをえぐるように、舌を動かす。
「あうっ……ああん……! そ、それ、イイ……あああっ……!」
亜希は、望実の腰にすがりつくような格好になりながら、声をあげた。
「あああん、もっと……もっとしてぇ……! あうっ、あん、あああっ……はふ、はあぁン……!」
とぷっ、とぷっ、と新たな愛液が溢れ、望実の口元を濡らす。
姉が示すあからさまな快楽の反応に興奮しながら、望実は、なおも舌を使った。
「あううんっ……す、すごい……すごいよおっ……望実が、あたしのアソコ、舐めてる……ああん、あん、ああああああっ……!」
亜希は、剥き出しのままの豊かな胸を望実の体に押し付けながら、高い声で喘いだ。
白い乳房の頂点で、乳首が充血し、勃起しきっている。
「あうんっ、あう、あくうっ……こ、こんなにすごいなんて……ちゅっ、ちゅぶぶ、んちゅううっ……あふ、あふん、あはぁっ……! あうん、んくっ……ちゅぶ、ちゅぶぶぶぶ……!」
口の端から涎をこぼしながら、亜希は、望実のペニスにむしゃぶりついた。
そのまま、口の中の逞しい勃起を、先走りの汁ごと吸引する。
「ちゅずずずっ……じゅ……んじゅっ……ずぞぞっ……ちゅぶぶ、ちゅぶぶ、ちゅぶぶ、ちゅぢゅうぅ……!」
「きゃあああン! お、お姉ちゃんっ……! そ、それ、ダメぇ……!」
「ああっ、や、やめないで、望実っ……!」
鋭い快楽に思わず体をぞけぞらせた望実の口元に、亜希が秘唇を押し付ける。
「お願い、続けて……あたしのアソコ、いっぱい舐めてっ……! ちゅぶぶ、じゅずずっ、じゅず……じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ……!」
「んっ、んんんっ、んんんんんン〜っ!」
姉の唇から漏れる信じられないほど卑猥な音を聞きながら、望実が、舌を動かし、肉襞を吸う。
「んはぁっ……! あうううんっ、あふ、あん、あはぁ……ちゅば、ちゅばば、じゅぷ……ずずずずずずず……!」
「うううんっ、ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅぱ……あああ、お姉ちゃん……すごいよぉ……すごすぎる……あはぁっ……!」
姉と弟が互いに快楽を与え合い、与えた快楽よりもさらに強い快楽を与えられる。
亜希は、弟の肉棒から漏れる腺液を啜り上げ、望実は、姉の秘裂から溢れる愛液を飲み干した。
二人の口と性器を接点にした快楽の輪が、激しい勢いで回転する。
「んぶっ、ぷはぁ……もう、もうダメ、お姉ちゃん……ぼ、僕、また……出ちゃうよっ……!」
「んむっ、ちゅぶぶっ、んはぁっ……いいよ、望実……出して……。ちゅむ、ちゅぶぶ、んちゅうっ……!」
「あっ、あひっ、そ、そんな、出来ないよ……お姉ちゃんの口になんて……あうっ、あっ、ああああぁ〜っ……!」
望実は、亜希のヒップに指を食い込ませながら、必死に射精をこらえた。
望実の欲望と快楽が、さらに高まっていく。
それは、望実の限界を、凄まじい勢いで突破した。
「あああああああ……ダメ……! 出るっ! 出ちゃうっ! 出るううううううううっ!」
どびゅっ……! と、驚くほど激しい勢いで、ペニスの先端から精液が迸った。
「あっ、あああ……ああ……ああぁー……」
姉の口の中に射精してしまうことへの罪悪感が、射精の快感を、危険な色に染めていく。
望実は、茫然としながら、ペニスを何度も律動させ、かつてないほど大量のスペルマを射精した。
「んっ、んぐ……んくっ……こく、こく、こく、こく……んぐ……んんんっ……ぷはぁ……」
亜希が、口内の精液を全て飲み干し、青臭い吐息を吐いた。
「うふふ……二度目なのに、すっごい量……一杯出したね、望実……」
「あぁ……お姉ちゃん、ごめんなさい……」
「謝らなくていいのよ……。あたし、すごく興奮しちゃった……」
そう言って、亜希は、まだひくひくと震えてるペニスを、きゅっと握った。
「あふン……!」
「ふふ……まだ固いまま……。あたしの口の中に出して、あんたも興奮しっぱなしなんだ?」
「それは……」
姉の手に、まさに“証拠”を握られている望実は、反論することすらできない。
「望実……」
亜希は、体を起こし、前後の向きを入れ替えた。
仰向けのままの望実の腰にまたがり、包み込むように、両手で弟のペニスを握る。
姉の手の平の感触に、望実は、萎える間もなく、肉棒をさらに勃起させてしまった。
「お……お姉ちゃん……」
「望実を……あたしのものにするからね……」
そう宣言して、亜希が、腰を浮かす。
たっぷりと蜜に濡れた秘唇が、望実の亀頭を咥え込んだ。
「ん……」
ゆっくり、ゆっくり、亜希が、腰を落としていく。
まるで、挿入の快感を一秒でも長く味わおうとしているかのようだ。
「あ、あ、あ、あ、あ、あああぁぁぁ……」
固く勃起した弟の肉棒が、柔らかく弾力のある姉の膣道の、奥へ奥へと誘われていく。
「あ、ふうう……すごいよ、望実の……ああン、お、おっきいぃ……」
はしたなく声を漏らしながら、亜希は、望実のペニスを体内に飲み込んでいった。
「お姉ちゃん……お姉ちゃんの中……あつい……」
夢の中にいるような声で、望実が、そんなことを言う。
そして、ようやく、その根元まで、望実の肉棒が亜希の膣内に収まった。
「あふぅん……」
「はああぁぁ……」
二人の吐息が、重なる。
そのまま、姉と弟は、しばらく動かなかった。
「お姉ちゃん……し、信じられないよ……お姉ちゃんと、こんなふうになるなんて……」
腰全体を熱い快感に包まれながら、望実が言う。
「あたしも……自分が、ここまでするなんて思わなかった……」
そう言って、亜希が、にっこりと笑う。
無邪気と言ってもいいような、そんな、望実を安心させる笑みだ。
「でも、こうなった以上は……もう、戻れないわよ……」
穏やかな表情とは裏腹なその言葉に、望実が、静かに肯く。
そして、二人は、どちらからともなく、緩やかに腰を動かし始めた。
「あ、あうんっ……あああ……望実っ……」
「はぁ、はぁ、はぁ……お、お姉ちゃんっ……」
互いの粘膜の摩擦がもたらす熱と快感が、次第に二人の動きを速いものにしていく。
次から次へと溢れる蜜が、淫らに泡立ちながら、接合部を濡らしていく。
「ああん、す、すごい……すごいよ、望実……あたし、こんなの、初めてっ……!」
「僕も……僕も、すごく気持ちいいよォ……あん、あああんっ……止まんない……腰が、止まらないよォ……」
にぢゅっ、にぢゅっ、にぢゅっ、にぢゅっ、にぢゅっ……と卑猥な音が、繋がったところから漏れ出ている。
姉弟は、互いの手の平を合わせ、指と指を絡め合いながら、腰を使い続けた。
最初はぎこちなかった望実の腰の動きが、亜希にリードされ、リズムを合わせるようにして、より大きなストロークで肉棒をピストンする。
愛液にぬめる肉竿が、ピンク色の秘唇を出入りする様を、望実は、潤んだ瞳で見つめていた。
亜希の動きに合わせて、ふるん、ふるん、とその乳房が揺れる。
「ああんっ……望実……切ない……オッパイが切ないよ……」
甘えるような声をあげて、亜希が、望実の手を自らの双乳に重ねる。
「やわらかい……」
うっとりと言いながら、望実は、亜希の乳房を捏ね回した。
乳房が、淫らに形を変えながらさらに大きく揺れ、その頂点で乳首が痛いほどに勃起する。
「あん、ああんっ、あううっ……ねぇ……先っぽも、して……」
「こ、こう……?」
望実が、細い指先で、コリコリとした乳首を摘まみ、転がす。
「あふんっ、あん、あああっ……き、きもちイイっ……!」
亜希は、体をくねらせながら、身悶えした。
きゅううっ、と姉の膣肉が締まり、弟の肉棒から精液を搾り取ろうとする。
「あああっ、す、すごいよ、お姉ちゃんっ……! あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……!」
望実が、この快楽を少しでも長く味わいたいという気持ちから、必死になって射精をこらえる。
すでに二度出していなければ、とっくに精を漏らしてしまっていただろう。
「あああんっ……望実のが、あたしの中で、またおっきくなってるうっ……!」
「だって、だってっ……! お姉ちゃんの中、きもちよすぎてっ……! あん、あああんっ……!」
「嬉しい……もっと……もっと感じてっ……! 望実……好き、好き、好きっ! 大好きなのっ……!」
奇妙に幼い口調で、亜希が、思いの丈を告白する。
「ぼ、僕も……僕も好きだよ……! お姉ちゃんのこと、大好きだったんだ……あああんっ!」
今や、下から激しく腰を突き上げながら、望実がそう叫んだ。
「ウソっ……! ずっと、ずっとあの子と仲良くしてたくせにっ……!」
亜希が、望実を攻めるように、激しく腰を動かし、ペニスを追い詰める。
「違う……違うんだよっ……! だって、お姉ちゃんとは、こんなことしちゃいけないから……だから……!」
姉の膣内がもたらす快感に声を高くしながら、望実が、必死に訴える。
(そう……いけないんだ……いけないのに……しちゃいけないのに……なんで、こんなに気持ちいいの……?)
亜希が、興奮と快楽によって熱くなった脳の片隅で、ふと、そんなことを思う。
だが、そんな思いも、近親相姦の圧倒的な快楽の前に、一瞬にして消え失せる。
禁忌を犯す快感――禁忌を犯してしまうほどの愉悦――
もう、そんなことすらどうでもいい。
自分の中で激しく動き、快楽を紡ぐ弟のペニスだけが、今の亜希にとって全てだった。
「エッチのときも……ホントは、あの子とのエッチのときも、お姉ちゃんのこと考えたら、ダメになっちゃって……だから、だから、僕……僕っ……!」
そう言って、望実が、乳房から手を離し、亜希の腰を手で固定して、腰を打ちつけてくる。
「ああんっ……の、望実……愛してる……っ!」
亜希が、上体を倒し、望実を抱き締めた。
姉の膣肉が、弟の肉幹を、痛みを感じるほどに絞り上げる。
「お姉ちゃん……僕、僕もう……もう……っ!」
「あたしも……あたしもイっちゃうっ……! あああああんっ! イくっ! イくっ! イくっ! イくうううううううう!」
びゅううううっ! と、この日で一番激しい勢いで、望実のペニスが射精した。
「ああああぁーっ! あーっ! あーっ! あーっ! あーっ! あーっ! あーっ! あーっ!」
熱い精液に子宮口を連続して叩かれ、亜希が立て続けに絶頂を極める。
望実の肉棒が射精を繰り返しながらびくびくと律動し――亜希の膣肉が絶頂に震えながらぐいぐいと収縮する。
「あああっ……あああ……あああん……あああ……あ……あ……あ……あああぁぁ……」
初体験の時以上の衝撃を伴った凄まじい絶頂に、亜希は、しばしの間、全てを忘れた。
真っ白に染まった視界が、次第に暗転し、そして、快感以外の感覚が、少しずつ、戻ってくる。
腕の中で、ひくん、ひくん、と、弟の体が震えていた。
「望実……」
「お姉ちゃん……」
とうとう、一線を超えてしまった。
超えた途端に、自分の心に、何か、覚悟のようなものが生まれたのを、亜希は感じていた。
「あんたは……あたしのものだよ……」
胸のうちの愛しさと、そして覚悟とを、そんな言葉にしてつぶやく。
「うん……」
望実は、そう返事をして、その細い腕の精一杯の力で、亜希の体を抱き返した。