あねどれ?
2



 その日の朝。目を覚ますと、視界が、巨大なヒップで覆われていた。
「どわっ!」
「タケくん、起きたぁ?」
 アヤメ姉の声が、なぜか、俺の下半身の方から、聞こえる。
 いや、なぜかも何もない。アヤメ姉が、俺に、逆さまになって覆いかぶさっているからだ。つまり、まあ、シックスナインの格好である。
 シックスナインに至っていないのは、俺が、パジャマ代わりのTシャツとトランクスという姿でいるのと、アヤメ姉が、下着姿でいるから――そして、俺が、ついさっきまで眠りこけていたからだ。
 逆を言えば、俺達姉弟が相互に性器を口唇愛撫するのを阻んでいるのは、薄っぺらな布切れ一枚だけという状態である。
「タケくんのここ、ガッチガチだよぉ。んふぅ〜、元気元気ぃ」
 嬉しそうに弾んだ声が聞こえ、朝勃ちした股間のモノが、何か魅惑的な感触によって愛撫される。どうやら、アヤメ姉が、俺のペニスに、トランクス越しに頬擦りしているようだ。
「やっ、やばいって、アヤメ姉」
「ん〜、そうだね。オツユで、パンツが濡れてきちゃってる」
「そっ、そういうことじゃなくて……!」
「脱いじゃおっか」
 あくまでマイペースに、アヤメ姉が言う。
 一方、俺は、目が覚めた瞬間から、全くペースが掴めない状態だ。
 普段のアヤメ姉は、はたしてセックスという行為の存在を知っているのかどうか怪しくなるような、そんな姉である。女子高出身な上、卒業後は、22歳にいたる現在まで、母親代わりに家事一筋。そのため、これまで、男の影など微塵も感じられなかった。
 とは言え、アヤメ姉は、弟の俺から見ても優しい顔立ちの美人だし、胸も、そしてお尻もえらいこと大きい。よく行く商店街の店員たちにしょっちゅうオマケしてもらってると自分で話していたが、それは、まず間違いなく下心によるもののはずだ。
 そんなアヤメ姉の、男に対する免疫のなさを、一人、密かに懸念していた俺なのだが――さすがに現在の状況にはどう対処していいやら分からない。
「ねぇ、脱がせてあげよっか?」
 困惑しっぱなしの俺のトランクスに指をかけながら、アヤメ姉が訊いてくる。
「い、いや、いいよ」
「じゃあ、自分で脱ぐ?」
 脱がないという選択肢はないの? と、言おうとしたところで、アヤメ姉が、俺のペニスを布越しにむにむにといじった。
「あ、あう、うあ、あうあ」
「も〜、タケくんたら、パンツ、べちょべちょになってるよぉ」
 アヤメ姉の言うとおり、俺は、恥ずかしいほどに先走りの汁を溢れさせてしまっている。
「脱がせてあげるね」
 そう言って、アヤメ姉が、すぽん、と俺のトランクスを下ろした。
「んあン」
 一度は足側に曲げられた肉棒が、勃起の勢いで元に戻った時、ぺちっ、と何か柔らかなものに当たり――アヤメ姉が、小さく声を上げる。
「タケくんの、キスしてきたよ……もう、エッチぃ〜」
「いや、それは、偶然……」
「――チュッ」
 アヤメ姉が、今度は自分の意志で、俺のチンポの先にキスをする。
 もしかして……これは、夢なんじゃないか……?
 そんな俺の疑念を、繰り返される生々しいキスの感触が、あっさり否定する。
「チュ、チュッ、チュッ、チュ……んっ、んちゅ、ちゅぷ、ちゅぷっ……」
 アヤメ姉の、俺のペニスに対する口付けが、どんどん、いやらしく、ねちっこいものになっていく。
「あっ、あのっ、アヤメ姉……」
「んはぁ……タケくんの、パンパンに腫れてるぅ……何だか痛そう……」
 いつものごとく、ちょっとズレたことを言ってから、アヤメ姉は、俺の勃起した肉棒を、丁寧に舐め始めた。
 まるで親猫が子猫を慈しみながら舐めているような、優しい舌使い――視界を覆うお尻のせいで見えてはいないけど、感触で、それは分かる。
 気持ちよさに、不覚にも声を漏らしそうになりながら、俺は、しばらくされるがままになった。
 そして、ふと、目の前のアヤメ姉のヒップが、もじもじと動いていることに気付く。
「ちゅぱ、ちゅぱ、んっ、んふっ、んふ……んっ、んふぅ……ちゅぷ、ちゅぷっ、ちゅぷ……うン、うぅン、んふ……んん、んんん……」
 湿ったフェラの音の合間に聞こえる、アヤメ姉の鼻から漏れる息遣いが、妙になまめかしい。
「……アヤメ姉、興奮してるの?」
「うん……」
 俺の、そうとうデリカシーのない問いに、アヤメ姉は恥ずかしそうに返事をした。
「だって……だって、こんなにエッチなことしてるんだもの……どうしても、エッチな気持ちになっちゃうよ……」
 アヤメ姉のその言葉と、柔らかな声音が、俺の動悸を激しくさせる。
 そして、俺は、吸い寄せられるように、アヤメ姉の股間に口元を寄せた。
「あっ……」
 ショーツの薄い布越しのキスに、アヤメ姉のその部分がヒクッと反応し、じわじわと、愛液による染みが広がりだす。
 俺は、アヤメ姉のお尻を撫で回しながら、秘部とその周辺に口付けを繰り返した。
「あっ、あぁン、んふ……あうぅン……ダメ……濡れちゃう……」
 その言葉どおり、アヤメ姉のショーツの染みは、ますます面積を広げていく。
 俺は、独特の匂いのする染みの中心に鼻頭を押し付け、グリグリと刺激した。
「ひゃううっ……あ、あふぅン……ね、ねぇ、タケくん……そのう、私のパンツ……すごく濡れちゃってるでしょ?」
「うん……透けて見えるくらい」
 ほんの少し大袈裟に、俺はそう言ってみる。
「はうぅ……えと、えと、やっぱり……脱いじゃった方がいいかな? ねぇ?」
「いいと思うよ……俺も、アヤメ姉のここがどんなふうになっちゃってるか、見てみたいし」
「あぁ〜ん、もうっ、タケくんのエッチっ! そういうの、メッ、なんだからぁ〜」
「……見せてくれないの?」
「えっ……? ん、ん、ん、その……ええっとぉ……」
 しばし、ためらう様子を見せてから、アヤメ姉が、もそもそと自分のショーツを下ろし始める。
 だが、姿勢が姿勢なので、思うようにはいかず、俺は見かねてショーツの端に指をかけた。
 そして、だいぶ湿ってしまったショーツをずり下ろし――アヤメ姉が、膝を交互に上げてそれに協力する。
 まだかすかに体温の残るショーツを枕元に置きつつ、俺は、視線をアヤメ姉のその部分に釘付けにさせてしまった。
「あぁ……み、見てる? タケくん、見てるの?」
 そう言いながら、今更のように、アヤメ姉が、そこを手で隠そうとする。
 俺は、それを手で制しながら、さらにアヤメ姉の秘部を凝視した。
 ぷっくりとした膨らみの中央にある、わずかにピンク色の肉襞をのぞかせた割れ目が、透明な蜜に濡れている。
 水気たっぷりの果物を思わせるその外観に誘われ、俺は、アヤメ姉のクレヴァスに唇を押し付けた。
「ひゃン!」
 驚きの悲鳴を上げるアヤメ姉の肉の割れ目に舌を潜らせ、舌先で上下になぞるように愛撫する。
「は、は、はひ、あっ、あひン……ああっ、ダメぇ〜」
 溢れ出る愛液の味を舌に感じながら、俺は、さらにクンニリングスを続けた。
「んあうっ、あっ、や、やぁン……これ、これ、んく、き、気持ちいい……んあ、あふっ、んっ、んふ、はふぅン……」
 色っぽい吐息を漏らしながら、アヤメ姉が、体をくねらせる。
「はぁ、はぁ、はぁ、んああっ……もう、タケくんたらぁ……ふぅふぅ、んあ、あむっ、んむ、んむむむっ……」
 ペニスが、生温かく柔らかい感触に包まれる。
 どうやら、アヤメ姉が、お返しとばかりに咥え込んだらしい。
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、んむむ、んっ、んぷ、んちゅっ……」
 アヤメ姉の口の中で舌がねろねろと動き、竿に絡み付くような動きをする。
 俺は、アヤメ姉のヒップを下から抱えるようにして、チュバチュバと音をさせながらラビアを吸った。
「んぐぐっ、んふ、んふぅ……! ん、んちゅ、ちゅぶ……んふっ、ふうぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ちゅぶぶ、ちゅぶぶぶっ……! ちゅぶっ、ちゅぶ、ちゅぶぶっ……!」
 魅惑的な感触の輪っかが、俺のシャフトを締め付けつつ、上下に動く。
 どうやら、アヤメ姉が、キュッとすぼめた唇で、俺のモノを扱いているらしい。
「んあっ……す、すご……あううっ……!」
 俺は、情けない声を上げながら、クンニを中断させてしまった。
「ぷは……んふふっ、すごいでしょ……私、い〜っぱい練習したんだからぁ」
「れ、練習……?」
「そうだよぉ。モザイク無しのエッチなDVDとか見て、キュウリとかバナナとかで練習したの」
 どこか誇らしげな口調で、アヤメ姉が言う。
「だからぁ、こんなこともできちゃう……ちゅぶぶぶっ、んちゅ、んちゅっ! ちゅぶ、じゅぶぶぶぶぶぶぶ!」
「あうううっ……!」
 アヤメ姉が、びっくりするほど下品な音を響かせながら、俺のモノをバキュームする。
 思わず腰を浮かせてしまったところで、アヤメ姉は、ちゅぽん、と音をさせて俺の肉棒から口を離した。
「ハァ、ハァ、ハァ……んちゅ、んちゅっ、んちゅっ……! ふぅふぅ、ちゅ、ちゅむっ、んちゅ、んちゅっ……!」
 今度は、指先でシコシコと根元近くを扱きながら、亀頭を中心にあちこちにキスをしてくる。
 俺は、どうにか息を整えてから、アヤメ姉のクリトリスを口に含んだ。
「ひゃううン! あ、あ、あ、そこ、ダメぇ〜!」
 どうにか反撃の糸口をつかんだ俺は、アヤメ姉の小さな肉の突起を、思い切り吸いたてた。
「んひぃいいいいい! あ、あうっ、あううン! ハァ、ハァ、ハァ、はむむっ!」
 アヤメ姉が、俺の肉棒を咥え直す。
「ちゅぶぶぶ! じゅぶぶっ! じゅるるるる! じゅぞぞっ! じゅぷ! じゅぷぷぷぷ! んぢゅぢゅっ! じゅぞっ! ぢゅぶぶぶぶぶぶ!」
 肉棒を、口の中全体で扱かれながら、吸引される。
 鮮烈な快感が、俺を、絶頂へと追い込んでいく。
「ぷはっ! あ、あっ、あううっ! で、出る……出ちゃうよ、アヤメ姉さん……!」
「んむむっ、い、いいよ、タケくん……! ちゅぶ、ちゅぶっ、じゅぶぶ! 私のお口に、ミルク、ドッピュンしてっ……! じゅずずずずずずっ!」
「う、うぐ……で、出るっ……!」
 姉の口の中に射精することへの罪悪感を、快感が、あっさりと凌駕する。
「ふぐっ!」
 精液が迸ったことに、さすがに驚きの声を上げるアヤメ姉の口内に、俺は、なおも精液を放ち続ける。
「んぶ、うぶぶっ! んっ、んぐ、うぐっ……! うぶぶっ! んふー、んふー、んふー、んううぅぅぅ……んぐ、ゴキュッ……!」
 アヤメ姉が、喉を鳴らして、俺のザーメンを嚥下する。
「んぐ、んぐっ、んぐ……うぐぐ、ゴクッ……んぐ、んぐ……ふぅふぅ、んんん……んちゅっ、ちゅっ、んちゅうぅ〜っ」
 尿道に残った精液まで、アヤメ姉に吸い取られる。
 さすがにグッタリとなった俺の上で、アヤメ姉が、くるりと体の前後を入れ替えた。
「うふふ……飲んじゃったぁ♪」
 メガネのレンズの向こうにある垂れ目を細めながら、アヤメ姉が悪戯っぽく微笑む。
「エッチな本とかで、ミルクって言ったりしてるから、どんな味なのかなぁ〜って思ってたけど……想像してたのと、ぜんぜん違ってたよぉ」
 そう言いながら、アヤメ姉が、顔を近付けてきた。
 ザーメンの匂いが鼻孔をくすぐるが、それは少しも不快でなく、むしろ、奇妙な興奮を煽る。
 俺は、自分から最後の数センチの距離を縮め、アヤメ姉とキスをした。
「ん……」
 こつん、とメガネのフレームが、鼻筋に当たる。
 だが、俺とアヤメ姉は、そのままキスを続けた。
「んちゅ……んっ、んむ……んっ、んちゅっ……ちゅ……んん、んちゅっ……ぷはっ」
 たっぷりと俺の唇に唇を押し付け、舌を触れ合わせてから、アヤメ姉が顔を離す。
「うふふっ、セカンドキス」
「……ファーストキスは、誰と?」
 微笑むアヤメ姉に、俺は、反射的に訊いてしまう。
「さっき、眠ってるタケくんに」
「え?」
「だ、だって、えっと……キスより先に、その、おしゃぶりするとか……変じゃない」
 そんな物言いに、何と返したものかと思案していると――アヤメ姉が、メガネを外した。
 色っぽく潤んだ、どきりとするほど大きな目が、至近距離から、俺を見つめる。
 いちばん最後に、メガネ無しのアヤメ姉の顔を見たのって、いつだったっけ――?
「ん、ちゅっ……」
 さっきよりも情熱的に、アヤメ姉は、俺の唇を唇で塞いだ。
 そのまま、アヤメ姉が、両手で俺の頬を押さえ、ねじるような動きで唇を貪る。まるでアメリカの映画にあるようなキスだ。
 萎える間もなくペニスに熱い血液が集まる。
 俺は、アヤメ姉のキスに応えながら、まだブラに包まれたままの乳房を鷲掴みにした。
「んううン……! んふ、んふぅ、ふぅふぅ……」
 アヤメ姉が、口付けを続けたまま、甘く鼻を鳴らす。息が当たって、顔がくすぐったい。
 俺は、アヤメ姉のブラを上にずらし、そのたっぷりとした柔らかな乳房を揉みしだいた。
「んうううう……んっ、んふ、んんん、んああっ……! あっ、あうっ、あふ、あはぁン……ハァ、ハァ、あっ、ああああっ……!」
 俺の上で、キスを中断したアヤメ姉が、その体を艶っぽくくねらせる。
 俺は、両手の親指と人差し指で、ピンク色をした左右の乳首をキュッと摘まんでみた。
「きゃン……!」
 アヤメ姉が悲鳴のような声を上げ、乳首が、とたんに固くしこる。
 俺は、乳首を愛撫し続けながら、アヤメ姉の白い柔肌に下から口付けを繰り返した。
「あううン、んっ、んふ、はふ……あ、あうぅン……ハァ、ハァ、ハァ、んふ、んあぁ、あふぅン……」
 むっちりとした太腿で、俺の腰をはしたなく挟みつつ、アヤメ姉がヒップを動かす。
 アヤメ姉のクレヴァスと、俺のペニスの先端が、ぬるぬるとこすれ合う。
「アヤメ姉……」
 俺は、アヤメ姉のお尻に両手をかけ、そっと誘導した。
「タケくん……」
 アヤメ姉が、俺の肉棒にアソコで狙いを定めるようにし……そして、俺が、腰を上にずらしてく。
「んうううっ……あっ、あっ、あっ、入る……入っちゃう……んっ、んあああっ……」
 ズブズブと、アヤメ姉の中に、ペニスが飲み込まれていく。
 柔らかな肉がみっしりと詰まったような感触をかき分け、俺は、奥へ、奥へと、肉棒を進ませた。
「んああっ……あっ、く、んぐ……うく、んくぅ……」
「アヤメ姉、痛い?」
「う、ううん……ちょっとキツいけど……んく、んううっ……」
 かすかに眉根を寄せながらも、アヤメ姉は、俺の挿入を受け入れてくる。
 そして、ほとんど根元まで、俺のペニスは温かくヌルヌルとした粘膜に包み込まれた。
「あうううぅぅぅン……タケくんの、練習で使ったオモチャよりおっきいぃ……はふぅ……」
「お、おもちゃ?」
「うん……うふふっ、あとで見せてあげるね」
 そんなことを言ってから、チュッ、とアヤメ姉が俺の額にキスをする。
 アヤメ姉があんまり痛がらなかったのはそのせいか……。たぶん、出血もしてないだろう。
 しかし、血の通っていない器具とはいえ、先を越されてしまったことに、ほんのちょっとだけ、複雑な気持ちになる。
「……ゴメンね」
 俺の思いを読み取ったように、アヤメ姉が、俺の頭を撫でる。
 って、俺、何て自分勝手なんだ。そもそも、俺なんて童貞じゃないのに――
 恥ずかしさに顔が熱くなると同時に、なぜか、子供のように甘えたい気持ちにになり、俺は、下からアヤメ姉の体を抱き締めて、その豊かな胸に顔を埋めた。
 そして、そのまま、腰を動かしてペニスをピストンさせ始める。
「あうっ、んっ、んく、んああっ……あっ、あふっ、あふぅン……んああっ、タケくん、タケくぅん……あ、あ、あっ、あああっ……!」
 俺の動きに合わせるように、アヤメ姉が、喘ぎ声を上げる。
 肉竿にまとわり付くヌメリがさらに増し、快感が高まっていく。
 それに駆り立てられるように、俺は、さらにピストン運動を続けた。
「あン、あぁン、あン、あン……んああっ、あっ、あふぅン……んく、うっ、うぐ、んううっ……あ、あふ、あふぅ……!」
 時折、ちょっと苦しげな声を織り混ぜながら、アヤメ姉が、甘い快楽の声を響かせる。
 俺は、腰を動かし続けながら、左右の乳房にキスを繰り返し、そして、乳首を口に含んだ。
「ひううン……!」
 乳首に軽く歯を当てると、アヤメ姉が、背中を反らして反応した。
 固く勃起した左右の乳首を、交互に舌で舐め回し、吸いたてる。
「ひっ、ひうっ、んく、あふぅン……! あ、あン、あううン、あっ、あっ、やああン……! か、感じちゃうぅ……!」
 アヤメ姉が俺の上で身悶えし、その拍子に、乳房が口から離れる。
 俺は、ちょっと名残惜しくなりながら、アヤメ姉の腰を両手で押さえ、下からのペニスの突き上げを激しくした。
「んうううっ! んぐっ! んは! あっ、あはっ、あはあああ! あっ、ダメ、ダメッ! そ、そんなにしたらっ……ああああああっ!」
「あ、えっと、やっぱ痛かった?」
 夢中になって動き過ぎた、と反省しながら、俺は、腰を止めてアヤメ姉に尋ねた。
「ううん、ち、違うのぉ……ふぅ、ふぅ、んく、その……気持ちよすぎて、ヘンになっちゃいそうだったから……」
 頬を上気させながら、アヤメ姉が、熱い吐息とともに答える。
「そっか。じゃあ、遠慮いらないね」
「えっ、ちょ、ちょっと、タケくん……ふゎん!」
 ずん、と膣奥を亀頭で小突くと、アヤメ姉が、大きく口を開けて声を上げた。
 俺は、そのまま、激しいピストンを再開させる。
「んああっ、あうっ、あふ、あっ、ああああン……! はひっ、はひ、ひいいン! あっ、あっ、ダメぇ! んああ、ダメ、ダメになっちゃうぅ! んあっ、あああああっ!」
 緩くウェーブのかかった髪を乱して、アヤメ姉がかぶりを振る。
 普段ののほほんとしたたたずまいとのギャップにますます興奮しながら、俺は、さらにペニスを繰り出した。
「んううううっ! ひ、ひいい、はひ、はひン! あっ、あっ、あっ、あっ、あううっ、んく、あううっ!」
 アヤメ姉が、大きく腰をくねらせ、膣内の粘膜が俺の肉幹をきゅるきゅると締め上げる。
「んくっ……」
「ハァ、ハァ、んは、タ、タケくん、これ、これ、き、気持ちいいの?」
 息が上がった状態で、アヤメ姉が、腰をグリグリと回すように動かしながら訊いてくる。
「う、うん……」
「んふぅ、んふぅ、じゃ、じゃあ、してあげるっ……! んっ、んんんんんっ、んく、ううううン……!」
 アヤメ姉が、俺のピストンを受け止めながら、ぐいぐいと腰を捻る。
「うあっ、ア、アヤメ姉さんっ……わぷっ!」
 重く柔らかな衝撃が、俺の頬をはたく。しっとりと汗の滲んだアヤメ姉の乳房だ。
 豊かな砲弾型を保ったまま垂れ下がったアヤメ姉の左右の乳房が、腰の動きに連動してゆっさゆっさと左右に揺れ、びたん、びたん、と俺の頬を叩く。
「はふっ、は、はひぃ……! んあ、んああ、あっ、あひぃン……! あっ、これ、これぇ! 私も気持ちいひぃ! んあ、んあああああああ! んはぁン!」
 俺の顔を乳房で往復ビンタしているのに気付いているのかいないのか、アヤメ姉が、一心不乱にヒップを振りたてる。
 みっちりとした膣肉に捻り絞られ、俺のペニスは、急速に絶頂へと追い込まれていった。
「うっ、うぶ……! んあ、ぷあっ! ア、アヤメ姉、で、出るよ……出ちゃう……!」
「い、いいよ、出しても……! あひン、あひぃン、はひ、はひ、あ、ああああン! んはっ、んはぁ! ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……!」
 アヤメ姉が、ますます激しく、俺の肉棒を搾り上げる。
 熱い固まりが腰の奥から迫り上がり、ペニスをパンパンに膨張させる。
「あううっ、はひぃいいいいいい! あああっ、タケくんっ! き、来ちゃうっ! あっ、あっ、来る、来るううううう! ンあああああ! あひぃいいいいいい!」
 ぎゅっ、と俺の頭に抱き着き、それでもヒップだけは淫らに踊らせながら、アヤメ姉が切羽詰まった叫び声を上げる。
 俺は、アヤメ姉の胸の谷間で、世界で最も幸福な窒息死に至りそうになりながら、最後のスパートをかけた。
「あああああああああああああ! タケくんすごい! すごいっ! すごいぃいいいいいいい! んあっ、あっ、あっ、ああああああああ! 来ちゃうぅうううううううううううううううううううううう!」
 ぎゅーっ! とアヤメ姉のヴァギナが俺の肉幹を締め付ける。
 俺は、アヤメ姉の豊かなお尻に指を食い込ませながら、射精した。
「ひうううううううううっ! ミ、ミルクっ! ミルク、あつッ、あつッ、熱いぃいいいいいいいいいィ! ああああああああああああああ! 来るぅうううううううううううううううううううッ!」
 両手両足で俺にしがみつくながら、アヤメ姉が、汗まみれの体をガクガクと痙攣させる。
 そして、俺は、アヤメ姉の膣内に大量のザーメンを注ぎ込みながら、呼吸困難により、ほとんど失神状態に陥ってしまった……。



「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
「ご、ごめんねぇ、タケくん……私、夢中になり過ぎちゃったみたい……」
 ベッドの上で息を整えている俺に、全裸のままのアヤメ姉が、手で扇いで風を送りながら、言う。
「あ、いや、大丈夫、だけど……」
 そう言いつつ、俺は、アヤメ姉の顔を見つめた。
 俺の視線を正面で受け止めながら、なぁに? という顔で、アヤメ姉が小首をかしげる。
「ただ、その……何だって、こんなことを……?」
 しっかりアヤメ姉の誘惑に乗って、さらに膣内射精までしておいて言うのはどうかとも思ったけど、やっぱり、訊いておかないといけない。サツキ姉とのこともあるんだし……。
「タケくんが、大好きだったからだよぉ。……ずっと前からね」
 あっけらかんとした口調で、アヤメ姉が言う。
「タケくんは、私のこと、嫌い?」
「き、嫌いじゃないよ……好きだけど……」
 よかった、と微笑むアヤメ姉に、俺は、さらに質問を重ねる。
「でも、どうして、今朝になって……?」
「――だって、タケくんと二人きりになれたのって、今朝が初めてじゃない」
 そう言われて、俺は、思わず目を瞬かせた。
 確かに、サツキ姉は女子大のサークル仲間と旅行中だし、ナズナ姉は滋賀だか佐賀だかに出張中だ。
 それにしたって……と、少し呆れる俺の前で、アヤメ姉が、メガネメガネ、と昔の漫才師のように顔の一部を探している。
「……はい」
 メガネを差し出すと、アヤメ姉は、それをかけ、いつもの顔になって、ふたたび俺に微笑みかけた。
「今日は、いっぱいエッチなことしちゃおうねぇ」
 まるで、家族のいない間にご馳走を食べちゃおう、というくらいの重みしかない、アヤメ姉のセリフ――それを聞いて、なぜか俺まで釣られて、まあいいか、という気持ちになってしまう。
 そして、俺とアヤメ姉は、その日一日、まるでこれまでの分を取り返そうとするかのように、爛れた時を過ごしたのだった……。



あとがき


BACK

MENU




この小説ではこちらのサイトの素材を加工して使用しています→