Lucky Lovers' Labo♪
2



「梨花ちゃん、お行儀悪いよお」
「ら、らって〜」
 もごもごと口を動かしながら、環の言葉に、梨花は不明瞭な発音で反駁した。
 竜凰学園中等部、近衛環と井之頭梨花は、中庭のベンチに座り、並んで昼食を取っている。
 二人の食事の仕方は、対照的だ。環が、ピンク色の可愛らしいランチボックスを膝に乗せ、中のミートボールを、細い箸で丁寧に割って小さな口に運んでいるのに対し、梨花は、アルミニウム製の巨大な弁当箱を左手で持ち上げ、ごま塩のかかったご飯をがばがばとかき込んでいる。
 梨花の、この小さな体のどこにそれだけの栄養素が行くのか、少し不可解な風景ではあるが、本人は澄まして「頭と胸よ」と答えるだろう。頭脳の働きは客観的データにしにくいものの、梨花のバストのサイズとカップは、確かに平均以上をマークしている。
「よく噛んで食べた方が、消化にいいんだし」
「でも、その分、すぐにお腹空きそうな気がするんだ」
 花の女子中学生の言葉としては何とも艶消しなことを言う梨花の頬には、お約束通りご飯粒がついていた。
「もーっ」
 環はそう言いながら、梨花の頬に付いていたご飯粒を右手の人差し指で取ってやる。まるで、腕白小僧を弟に持った姉のような仕草だ。
 そして環は、何の抵抗もなく、指先についたご飯粒を、ぱく、と口に含んだ。
「あーっ!」
 梨花が、素っ頓狂な声をあげる。
「ど、どうしたの?」
「あ、あたしの、ごはん……」
 梨花は、唇を震わせながら、そう口走った。
「え?」
「う、ううん……なんでもない……なんでも、ないんだ……」
 努めて明るい声を出そうとしながら言う梨花の、メガネのレンズの奥の目には、珠のような涙が浮かんでいる。
 そして、しゅんと肩を落としながらも、マンガだったら“ひょいぱくひょいぱく”といった書き文字が踊りそうなリズムで、梨花は、弁当箱の中のウィンナーを片付けていった。
「と、ところで、こんどの日曜なんだけどね」
「う、うん」
 顔を環の方に向けながら、梨花の箸は休まない。弁当箱の中の配置が、その、複雑精緻であることだけは確かな脳の中に、きちんと入っているらしい。
「お昼前とお昼の後、どっちの回にしようか?」
「え? 何の話?」
「だから、映画観に行こうって、昨日お話したじゃない」
「ご、ごめんごめん。映画だよね、うんうん」
 傍目にも明らかなほど慌てながら、梨花は視線を宙にさまよわせた。無論、それでも箸は休んでいない。
「おぼえてないの?」
「えと、憶えてなかったって言うか、聞いてなかったって言うか……」
「ひ、ひっどーい、あたし、きちんと言ったのに」
「ああああああ、ごめんごめんごめんー!」
 梨花は、今の彼女にとって命よりも大事なものであるはずの弁当箱を取り落としそうになるほどに、わたわたとうろたえている。
 これには、周囲から心配がられるほどおっとりした環でも、さすがに不審に思わざるをえなかった。
 確かに、梨花は普段から食事中の行儀作法に気を使うような娘ではないし、人の話を常にきちんと最後まで聞くようなタイプでもない。
 にしても、ここ数日の梨花の昼食の際の切羽詰った様子と、物忘れの激しさは異常だった。
(何か、かくし事でもしてるのかな……?)
 むー、と眉をしかめながら、環は考える。
(だとしたら、たぶん、食べ物がからんだことだろうなあ)
 昼食を再開させた梨花が、まるで除雪モーターカーのロータリーがそうするようにご飯をかき込む様子を見ながら、環は、そう確信したのだった。



「こんにちはー、梨花ちゃん、いますか?」
「あら、環ちゃん、いらっしゃぁい」
 放課後、梨花の家を訪ねた環を出迎えたのは、梨花の母である友江だった。
 ふんわりとボリュームアップした髪に、にこやかな丸顔。明るい色彩の服にエプロン姿という彼女だが、実は形而上考古学なる怪しげな学問の第一人者であり、超古代遺跡の発掘調査のために世界中を駆け回っている。そのせいで、家にいることはほとんどない。
 その反動からか、家にいるときは、夫である岳に、傍で見ていて赤面するほどに甘えるのだという。
 確かに、未だ少女の面影のある友江には、そんなところがありそうに環には思えるのだが、梨花に言わせると、「母さんは旧支配者ガタノソアよりもおっかない」のだそうだ。
 梨花が引き合いに出すその存在がいかなる宇宙的恐怖を孕んでいるのか、環は知らない。が、とにかく、このいつもにこにこと微笑んでいる母親を梨花が恐れる様は、普段の傍若無人な彼女からは想像もできないほどだった。
「梨花はねぇ、研究室に閉じこもっちゃってるのよぉ」
 ちょっと間延びした声で言いながら、友江は、小首をかしげた。
「あ、そうですか。じゃあ、そっちに行ってみます」
「よろしくねぇ」
 ふわふわと手を振る友江に、ぺこっと一礼してから、環は、広大な井之頭家の敷地の端にある“研究室”に向かう。
 一見、コンクリートブロック製の倉庫のように見えるその建物は、梨花の祖父であるマッドサイエンティスト、井之頭比呂志教授のものであったのを、彼の失踪を機会に梨花が占有したものだ。
 味気はないがきちんとした作りのスチールのドアを、とんとん、と環はノックする。
「……は、はーい?」
 どことなく慌てたような声が、中から聞こえた。
「梨花ちゃーん? 環だけどー」
 そう、中に声をかけると、何やらばたばたという足音が聞こえた。
「……?」
 小首をかしげる環の目の前のドアが、開けられる。
「や、やっ。こんにちはっ」
 部屋着であるTシャツとミニスカートの上に白衣、という、いつものいでたちの梨花が、環を出迎える。
「……他に、誰かいるの?」
 小柄な梨花の体越しに中を覗き込むようにしながら、環が訊く。
「そ、そんなことないない。あたしだけだよ」
「そぉ? なんか、たくさん足音が聞こえたような気がしたけど」
 あくまでおっとりした顔のままそう言う環に、梨花は、少し顔を緊張させる。
「ま、いっか。おみやげ、買ってきたんだよ」
「え? わあ、シュークリーム?」
「うん、駅前のお店の。最近、梨花ちゃんお腹空いてるみたいだったし」
「うっれしい♪ 環ちゃん愛してるー!」
 そう言いながら、梨花は、環のスレンダーな体を抱きしめる。
「ちょ、ちょっと、梨花ちゃあん」
 そのまま勢いでキスしかねない梨花に、環は、慌てて声を上げた。



 雑然と様々な機械や調度が置かれた研究室の中央に、梨花は、丸テーブルとイスを並べた。
「えっと、六つあるんだけど……もう、全部食べちゃう?」
 ちら、と部屋の端の冷蔵庫に目をやってから、環は訊いた。
「うん、食べちゃお!」
 そう、梨花が言ったとき、みし、とかすかに家鳴りがした。
「……」
 一瞬動きを止める梨花だが、環は全く不審に思っていない様子だ。
「でも、もうお茶するにはちょっと遅いし……夕ご飯、食べられなくなっちゃうよ?」
「あたしは、平気だもん。それより、早く早く♪」
 犬だったら尻尾を振りかねないような様子で、梨花は催促する。
「えと……そんなにお腹空いてるんだった、あたしの分、あげよっか?」
「いいのっ?」
 環の申し出に、梨花が歓喜の声をあげたとき、びき、とまたしても音が響いた。
「……?」
 今度は、さすがに環も不審そうに周囲を見回す。
「だれか、いるの?」
「いやー、気のせいだよ、気のせい」
 あははははっ、と笑う梨花の声には、しかし、力が無い。
「なら、いいけど」
 そう言って、環はシュークリームの入った紙製の箱を展開した。
 その時、ばくん! と大きな音が、部屋に響く。
 見ると、ユニットバスに通じる扉が外れ、ばたあん! と派手な音をたてて床に倒れた。そして、その上に、二人の少女が折り重なるように横たわっている。
「あっ、バカ!」
 梨花が、大きな声をあげる。
「バ、バカとは何よおッ!」
 倒れている少女のうち、上になってるほうが、体を起こし、白衣についたほこりを叩きながら言った。
「そうよそうよ! シュークリーム、一人占めにしようとしたなっ!」
 下になっていた少女も、ずれたメガネを直しながら、言う。
 二人とも、小柄な体に豊かな胸。そして、ちょっと癖のある黒髪を、二本の三つ編みにまとめている。
「ふええ?」
 環が、驚きに声をあげる。
「り、りりり梨花ちゃんが、ふたり、じゃなくて、さんにん?」
 あちゃー、と、今まで環の相手をしていた梨花が、右手で顔を覆う。
 そんな梨花を、他の二人の梨花が、開き直ったような表情で、胸を反らしながらにらみつける。
「三つ子……ってわけじゃないよね」
 入れ替わったら絶対に見分けが付かなくなるであろう三人の梨花を前にして、環が確認する。
「うん」
「えっと、ロボットとか、クローン人間とか?」
 環は、乏しい知識をかき集めながら、訊いた。
「外見上、人間と区別の付かないアンドロイドを作るには、ここじゃ設備足りないし……」
「クローニングの産物としたって、ここまでそっくりにはできないよ」
「それに、成長促進をしないと、同じ年にはならないんだ」
 三人の梨花が、順々に説明を引き継ぐ。
「そ、それじゃあ、えと、どういうことなの? だれが本物なの?」
 ぱちぱちと目をしばたかせながら、環は、混乱しきった声でさらに訊く。
「うーんとね……ちょっと、説明むずかしいなあ」
「たぶん、全員、ホンモノなんだ」
「――あのさ、お話、シュークリーム食べながらでいいかな?」
 最後の梨花の言葉に、環は、こく、と肯いた。

「先週の話になるんだけどさ」
 シュークリームを二個ずつ分け合ってむしゃむしゃと頬張りながら、梨花たちは、説明を始めた。
 環は、部屋にあるミニキッチンを使って、三人分のコーヒーを準備している。
「あたし、空間反転爆弾の臨界前作動実験してたんだ」
 よくは分からないが、聞くだけでろくでもないものだと分かる名称に、環は控え目に眉を寄せる。
「そしたら、急に超弦三極管が異常振動を起こしちゃって……たぶん、母さんがアーカムって街から持ちかえってきた謎の石版と次元共鳴したんだと思うんだけど」
「えと、分かるように説明してよお」
 湯気を上げるクリーミィな褐色の液体をスプーンでかき回しながら、環が言う。コーヒーにはミルクも砂糖もたっぷり入れるのが、梨花の好みだ。
「要するに、あたし、因果崩壊しかけた空間の隙間に挟まれちゃったみたいなの」
「ぜんぜん“要するに”になってない」
 丸テーブルにカップを置きながら、環が言う。数が足りなかったので、三人目の分はビーカーである。
「平行世界のあたしたちがこっちの世界に来ちゃった、って言えば、分かりやすいかな」
「だから、分かりやすくないよ〜」
「そう、かな?」
 梨花が、困ったように首をかしげる。
「とにかく、気が付いたら、あたしたちは三人になっちゃったわけ」
「でね、こんなことがバレたら、母さんにどんなオシオキされるか分からないから、交代で家に帰ってご飯食べたり、学校に行ったりする事にしたの」
「でもさ、用意される食事とかおべんととか、一人分だから、全然たりなかったんだ」
 そんな梨花たちの言葉を聞いて、環は、思わず呆れ顔になる。
「だから、あんなにお腹空かせてたんだね……正直に、おばさまに言えばよかったのに」
「そんなコト言ったら、死ぬより恐ろしい運命に遭わせられる」
 ぶるぶるぶる、と首を振りながら梨花たちのうち一人が言い、他の二人が深く肯く。
「そう……なの?」
「うん」
 三人の梨花は声をそろえてそう返事をしながら、同時にカップを手に持ち、くい、とコーヒーを煽った。
 そして、全く同じ奇妙な表情で、やはり同時に環の方を見る。
「?」
「に〜が〜い〜」
 見事に声をハモらせながら、梨花たちが言う。
「シュークリーム食べた後だもん。そうなるよ」
「でもこれ、ぜんぜん甘くないんだ」
「きちんと、スプーンで三杯ずつ入れたよ」
 そう言って、梨花は、ミニキッチンのところに置いてある、ハート柄が描かれた可愛らしいシュガーポットを指し示す。
「そ、それ入れたのっ?」
 三人の梨花は、メガネの奥の目を丸くして、声をあげた。
「え? い、いけなかった?」
「それ、砂糖じゃなくて……」
 言いかけた梨花たちの体が、やはりほとんど同時に、びくん、と震える。
「ま、まさか……」
 知らずに毒でも盛ってしまったのではないか、と考え、環は顔を蒼くした。そんなものが台所に置いてあるとしたら非常識な話だが、そもそも梨花の研究室は非常識が渦巻く根源なのだ。
 梨花たちは、みな一様に、はぁはぁと呼吸を荒げ、何かをこらえるように、自分の服をぎゅっと握り締めている。
「ど、どうしよう……? お医者さん、呼んだ方がいい?」
 ほとんど泣き声で、環は、梨花のうち一人の顔をのぞきこんだ。
 梨花の顔は真っ赤で、瞳がうるうると潤んでいる。
「ぅ……」
 小さく喉の奥で声をあげた梨花の目と、環の目が合う。
「ぅああーっ、もう、がまんできないよーッ!」
 そう言って、梨花――仮に梨花1号とするが――は、突然、環に抱きついた。
「ひああっ?」
 驚きの声をあげる環の腰の辺りに、ぐっ、と熱い何かが押し付けられる。
 それは、隆々と勃起した梨花のペニスの感触だった。
 そのまま梨花1号は、まるで発情した犬のように、かくかくと腰を使い出す。
「ちょ、ちょっと、梨花ちゃん待って!」
 何枚かの布越しに感じる剛直のあまりの逞しさに狼狽しながら、環は声をあげる。が、梨花1号の耳に届いている様子はない。
 梨花1号の激しい動きにより、彼女のミニスカートはしわくちゃになってめくれあがり、すでに小さなショーツでは収めることのできなくなったペニスが剥き出しになる。
(ス、スゴい……いつもより、おっきい……)
 思わずそんな風に観察してしまった環は、自らのはしたなさと、それ以外の何かに、かーっと顔が熱くなるのを感じた。
「ンっ! あああ! ひあああ!」
 びゅううーっ! と凄まじい勢いで、梨花1号は大量の白濁液を放出した。
 急角度の放物線を幾つも描き、熱いスペルマが、密着していた環の服に容赦なく降りかかる。
「うわぁ、あ、ああぁ……」
 びゅーっ、びゅーっ、びゅーっ、びゅーっ、と何度も何度も精を吐き続けながら、梨花1号は、倒れそうになる体を支えるように、環の細い体にしがみつく。
「ずるいよお、あんたばっかし……」
「あ、あたしたちも……」
 残る二人の梨花――仮に、梨花2号と同3号とするが――が、自らスカートをまくりあげ、反りかえった勃起を右手でしごきながら、環に近付いてきた。
「すごい、環ちゃんが、あたしのミルクまみれになってる……」
「ああァ……むちゃくちゃエッチだよお……っ!」
 そう言いながら、梨花2号と3号は、見ている方が怖くなるほど乱暴に、本来ならありえないはずの牡器官をしごきあげる。
 そんな二人の自慰行為を見せ付けられ、環は、ただ茫然とするばかりだ。
「ンわ! あ、ンあああああァ!」
「ひゃうっ! で、でる、でるううーッ!」
 だらしなく口を開き、空腰を使いながら、2号と3号はほぼ同時に射精した。
 環と、そしてまだ呼吸の整わない梨花1号の体に、信じられないほど大量のスペルマが浴びせられる。
「ふゎ……」
 環は、むせ返るほどの精液の青臭さに圧倒されたように、ぺたん、と座りこんでしまった。
「あうう……」
 支えを失った梨花1号は、ふらふらとよろめきながら、なんとか両足で踏ん張る。
 その股間のものは、あれほど大量に精を放ったというのに、未だ天を向いたままだ。それどころか、さきほどよりもさらに膨張しているように見える。
 それは、2号や3号のペニスも同じだった。
「あ、あれって、エッチなおくすり、だったの……?」
 自分の視線の高さでそそり立つ、三本の肉色の器官を見つめながら、環が訊く。
「そう……そっこーせーの、びやく……」
 2号や3号より早く呼吸を整えた1号が、切れ切れにそう言う。
「スプーンさんばいって……ほとんど、ちしりょう……」
「えーっ?」
「だから、こうやって、出すしかないの……っ」
 そう言いながら、梨花1号は、再びそのペニスを小さな手でしごき始める。
「お、おねがい……たまきちゃん、して、してしてェ……」
「うん……」
 たえられなくなったように自らの胸を服の上から揉みしだく梨花1号のペニスに、環は、手を伸ばした。
 そして、とろとろと絶え間無く吐き出される先走りの汁に手を汚しながら、手淫を始める。
「あたしも……」
「おねがい、してよお……」
 梨花2号と3号も、ペニスを剥き出しにしたまま、環に迫る。
「はぁ……あむ……」
 環は、右手で梨花1号のペニスを、左手で2号のペニスを握りながら、顔に押し付けられた3号のペニスを、その可愛らしい口で咥えた。
 そして、もごもごと舌を口内で動かしながら、二本のシャフトの上にそれぞれ両手を滑らせる。
「ひぁあ……き、きもちイイ……」
「ず、ずるい、一人だけ、お口なんて……」
「でも、でも、環ちゃんの手も、すっごくきもちイイよぉ……っ♪」
 梨花たちは、ひぁっ、ひぁっ、と喘ぎながら、環の口や手による奉仕に、ますますカウパー氏腺液を溢れさせた。
 ペニスの後方にきちんとあるクレヴァスもとろとろと愛液を分泌し、濡れて透けたショーツは、すでに秘部を隠すという機能をほとんど失ってしまっている。
 環は、顔をねじるような動きをして舌を竿にからめながら、指先で両手に持ったペニスの亀頭の辺りをくにくにと刺激した。これまで、梨花との淫らな遊びの中で覚えた、中学生離れしたテクニックである。
「ひや、あ、ああアン!」
 媚薬の効果で性感も鋭くなっているのか、梨花たちは、涎をこぼしながら身悶える。
「で、出る! たまきちゃんのお口に、セイエキ出るうッ!」
 一人フェラチオの洗礼を受けていた梨花3号が、一足先に絶頂を迎える。
「んんンっ!」
 口の中に粘つく濃い体液が発射される感覚に、環は、驚きの声をあげてしまった。
 が、すぐにうっとりとした顔になって、恋人の精液を口内に溜め、こくん、こくん、と飲み干していく。
 普段よりも量が多いため、その小さな口の中に収まらなかった分が、とろとろと唇の端から溢れてしまう。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 放出してひとまず落ち着いた3号が、一歩退く。が、そのペニスはまだ勃起したままだ。
「あぁ……あたしにも、ふぇらちお、してェ……」
「あたしも、してほしいよぉ……」
 1号と2号が、3号のいなくなった隙間を埋めるように身を寄せ、環に手コキされているペニスを、彼女の口元に押しつける。
「うん、してあげる……」
 顔を上気させ、目を潤ませながら、環は、両手に持ったペニスに交互にむしゃぶりついた。
「うわぁ……すごい、すごい……っ!」
 そんな環の様子を見て、梨花3号が、自慰を始める。
「ん……ちゅぶ……ふぅン……おいひぃ……りかちゃんの、おいひいの……っ♪」
 環は、普段の謹みも忘れ、まるで何かに憑かれたかのように、二本の剛直に唇や舌を這わせ、愛しげに頬擦りしてから、ちゅうちゅうと亀頭の先端を吸い上げた。そうしながら、揃えた白い太ももを、もじもじとこすり合わせている。
 どうやら、梨花たちの精液に残留していた媚薬が、それを浴び、飲み干した環にも、効果を顕わした様子だ。
「はぁ……んふふふっ……こうすると、どんな感じかな?」
 そう言って、環は、幼い顔に似合わない淫らな笑みを浮かべ、梨花1号と2号のペニスの先端をこすり合わせた。
「ひやややッ! そ、そんなコトしたら、ダメえッ!」
「やッ! ンあッ! あああ、あッ! ゆるしてェ!」
 そう言いながら、1号も2号も、この環の悪戯を拒むことができない。
「ンはぁ……っ、すごい……お汁が、ますますあふれてきたよ……」
 環はそう言いながら、糸を引いて垂れるその苦い体液を舌で受け、そのまま、二人の亀頭部分をちゅぱちゅぱと舐めしゃぶった。
「も、もうダメ! ザーメン出る、出ちゃうーッ!」
「あたしもっ! あたしもシャセイしちゃうよお!」
 まるで、競うように淫語を喚きちらしながら、梨花1号と2号は、同時に精液を迸らせる。
 3号の時と同様、二度目とは思えぬほどに濃い、ゼリー状の白濁液だ。
 それを、環は恍惚の表情で顔に受け、小さな口を一杯にあけて、口腔に受けとめようとする。
「あうううッ!」
 そんな環の様子に、マスターベーションをしていた梨花3号もまた射精し、床にびちゃびちゃと音をたてるほどの量の精液を撒き散らすのだった。

 四人は、かなり悲惨な状態になった服を脱ぎ捨て、電子頭脳搭載の全自動洗濯機に入れた。
 そして、ふらつく足取りで、ベッドに上がる。
 ベッドのサイズが大きい上、四人の中学生たちが小柄なこともあって、そのスペースには余裕があった。
 三人の梨花たちは、すでにすっかり発情してしまった環を仰向けに寝かせ、その体にぺちゃぺちゃと音をたてながら舌を這わせている。その姿は、母親の乳房を求めて身を寄せる子犬たちに、似ていなくもない。
「ひや……ひゃ、ああン……すごい……きもち、イイよおぉ……」
 環は、全身を同時に這いまわる三枚の舌の感触に、すすり泣くような喘ぎ声をあげた。
 梨花1号が股間を中心に両脚を、2号と3号が、それぞれ、まだ肉付きの薄い乳房や首筋、腋などを担当している。
「ちゅぶ、ちゅ、ちゅうぅ……環ちゃんのシロップ、おいしいっ……」
「あはぁ、ピンク色の乳首が立って、ちっちゃなサクランボみたいだァ」
「ね、ねえ、環ちゃん、キスして……うんと、舌出してェ……ぴちゅ、ん、んんン〜♪」
 梨花たちも、すっかり目をとろんとさせて、環を愛撫することに没頭している。
 環は、全身、梨花たちの唾液まみれになりながら、その細い体をうねらせながら、両手にそれぞれ2号と3号のペニスを持ち、くにくにと弄んでいた。
 そして、時折なされる2号と3号のキスに、舌を出し、絡ませながら、応じる。
 そのキスは、中学生の少女同士がするにはあまりに淫らな、はっきりと性的興奮を高めるためのものだ。
「た、環ちゃん、あたし、もうガマンできないよお」
 そう言って、いままで唇と舌でさんざんに環のクレヴァスを嬲っていた梨花1号が、上体を起こした。
「ねえ、いいでしょ? あたし、あたしセックスしたい……っ!」
 そして、はぁはぁとせわしなく呼吸をしながら、まだ勃起したままのペニスを、すりすりと環の秘所にこすりつける。
「ん……い、いいよ……りかちゃんのおチンポ、たまきの中に入れてえ……」
 すっかり快楽で蕩けきった顔で環は言い、その白魚のような指で、ぱっくりとクレヴァスを開く。
 まだ綺麗なピンク色のそこは、すでに梨花たちの愛撫で大量の愛液を溢れさせており、まるで失禁してしまったかのような状態だ。
「う、うん、入れる、入れちゃうよ……っ!」
 梨花1号は、興奮のあまりかちかちと小さく歯を鳴らしながら、ぐっ、とペニスの先端を、ひくひくと物欲しげに息づいている環のその部分に押し付けた。
 そして、劣情に突き動かされ、ずずずずずっ! と一気に挿入する。
「きゃああン!」
 環は、ぷしゅっ、と愛液の飛沫を散らしながら、背中を弓なりに反らした。
「あぁ、いいなあ、セックス……」
「あたしも、環ちゃんのオマンコに、入れたい……」
 梨花2号と3号が、焦点の定まりきらない目で、それでもじっと二人の接合部を見つめながら、切なそうに言う。
 一方1号は、それどころではない。これまで口で味わっていた環のその部分を、今度はペニスで味わうことに夢中になってる。
「ああぁ……環ちゃんの中、あったかくて、吸いついてきて、きもちイイ……っ!」
 そう声をあげながら、余裕の無いペースで、ぐいぐいと腰を動かす。
「ひや、ああッ! あっく! はや、ひああああン!」
 梨花1号の容赦のない動きによってもたらされる快楽を、環の幼い体は受け止め切れない様子だ。意味のある言葉を紡ぐこともできず、ただただ、その細い肢体を身悶えさせている。
「うわ、すごい……環ちゃん、こんなに乱れて……」
「むちゃくちゃエッチ……でも、可愛い……っ!」
 梨花2号と3号は、そう言いながら、すっかり止まってしまった環の手に自らの手を添え、すりすりとペニスに滑らせる。
 透明な先走りの汁が、ぴゅる、ぴゅる、と溢れ、シーツや環の体を汚していく。
「はぁ、はぁ、はぁ……こうしたら、どうかな……?」
 梨花3号は、何か思いついたように体を進ませ、そのペニスを、環の左の胸に押し付けた。
 まだまだ発展途上の、小さな胸。それを、普段より膨張し、凶暴な外観になった梨花3号のペニスがぐにぐにと嬲る。
「あは、それ、なんかエッチくていいな……」
 梨花2号もそれを見て、同じように右の胸を、ぬらぬらと濡れたペニスで犯し始めた。
 例えばパイズリなどは望むべくもない、中学生らしい可憐な乳房が、それでもそれなりの弾力を見せ、無残に形を変える。
 汚穢な体液によって白い肌に描かれる亀頭の軌跡は、まるでナメクジが這い回った跡のようだ。
「あはぁ……すごいよ……オチンチンが、オチンチンがぁ……」
 環は、この狼藉に、うわ言のような声を漏らしながら、乳首を尖らせてしまっていた。
 その尖った乳首を、ペニスの先端が、くりくりと転がす。
「あ、ああッ! ひあ、あああァ!」
「あくっ! ひゃ、あン! ああン! ああン!」
「きもち、イイ……環ちゃんのカラダ、すごくきもちイイ……っ!」
 梨花たちは、たぷたぷとそのたわわな胸を揺らしながら腰を使い、それぞれのペニスで環の色白な体を嬲り、犯し、弄んだ。
 もちろん、梨花たちは、全員が全員とも環の恋人のはずなのだが、三人でもってその恋人を責めていることに、奇妙な背徳感をも感じている。
 まるで肉食の獣たちが獲物に群がり、貪っているような、そんな感覚である。
 そして、自分たちは、この愛しい恋人を陵辱しているのだ、という思いが、ますます梨花たちの心を昂ぶらせていた。
「あ、あう! ンううううッ!」
 梨花1号が、叫び声を上げながら、環の胎内にたっぷりと熱いスペルマを放出する。
「あはぁあああああンッ!」
 歓喜の声をあげながら、環は、その体をのけぞらせた。
「ンうううううッ!」
「あああああンッ!」
 梨花2号と3号が、遅れじと握っていたペニスを激しくしごき、環の胸にびゅるびゅると精を吐き出す。
「あ、ああ……あっ……はぁぁ……」
 環は、体の内と外に熱い精液を浴びせられながら、ひくっ、ひくっ、と体を震わせ続けた。

 環は、腰をふらつかせながら、のろのろと梨花2号の腰をまたいだ。
 その体は精液まみれで、最初の頃に浴びたそれは、かぴかぴに乾き、異臭を放っている。
 その匂いを、まるでかぐわしいもののように感じるほどに、環の思考は淫らな桃色に染まっていた。
「はぁぁぁ……」
 すでに何度か精液を注ぎ込まれたクレヴァスから、とろとろと白濁した液をこぼしながら、騎乗位の姿勢で梨花2号とつながる。
「はふ、ン、んんんん〜ン」
 ずずずずずっ、と膣壁をシャフトがこする感覚と、逞しい剛直を受け入れることができた満足感に、環は恍惚の表情で声をあげる。
 その、勝手に動き出そうとする環の細い腰を、後ろに回った梨花3号が押さえた。
 そして、ひくひくと震えている、愛らしいセピア色のアヌスに、妖しげな色合いのローションを塗りこむ。
「は、はわぁ……おしり、きもちいひぃ……」
 環は、まるで強い酒に酔ったような呂律の回らない口調で、言った。
「いい? 入れるからね?」
 自らの分身にもローションをたっぷりと塗りながら、梨花3号が言う。
「うん……き、きてぇ……」
 環は、梨花2号の体に覆い被さるような姿勢で、くい、と自ら水蜜桃のような尻肉を割り開く。
「ん……ッ」
 梨花3号は、眉をたわめながら、その肉のすぼまりにペニスを当て、ゆっくりと腰を突き出した。
「あ、んぐ……ふあぁぁぁ……っ!」
「ああっ、は、入ってくるの、分かる……」
 環の、かすかに苦しげな声に、梨花2号の声が重なる。
「きつい? だいじょぶ?」
 梨花3号は、そう環を気遣いながらも、挿入を中断することができない。
「ん……ダイジョブ……ひやぁン……おなかの中、りかちゃんので、いっぱいィ……」
 はぁっ、はぁっ、と犬のように舌を突き出して喘ぎながら、環が言った。
「た、環ちゃんのおしり、すっごくしめつけてくる……」
 そう言いながら梨花3号は、そのペニスを、とうとう根元まで、環の直腸に打ち込んだ。
「はぐ……」
 二本のペニスで前後を塞がれ、環はしばし言葉も出ない。
「あぁッ! もう、ガマンできないッ!」
 そう言って、環の下になってた梨花2号は、ぐん、と腰を突き上げた。
「あぐっ!」
 環が、だらしなく開いた口元から涎をこぼし、声をあげる。
「あはぁ、環ちゃん、エッチな顔……っ」
 とろとろと糸を引いてこぼれる唾液を、陶然と顔で受けとめながら、梨花2号は猛然と腰を使い出した。
「ああぁ、動いてる! 環ちゃんの体の中で、ペニス、動いてるっ……!」
 梨花3号もそう言いながら、腰を使い始めた。
 ぶじゅ、ぶじゅ、ぶじゅ、ぶじゅ……と音をたて、クレヴァスからは愛液が、アヌスからはローションが溢れ出す。
「あ! ひゃぐ! んあぁ! 中でっ! こすれ! てるッ!」
 環は、下と後ろからペニスで体内を小突かれ、かくん、かくん、と頼りなく体を揺らしながら、言った。
 膣と直腸の間の薄い壁を、ペニスで揉み潰されるようにされ、暴力的な快楽が背中を駆け上るのを感じる。
 梨花が、実験の失敗からペニスを備えるようになる以前から、好奇心に任せてアヌスの開発をし、最近ではアナルセックスまで楽しむようになっていた環だが、今感じているこの快感は、これまで感じてきたものと次元を異にしていた。
 熱い体温を持ったペニスが、前後の穴を同時に、それでいながら不規則に責める。
 少しも快楽を制御することができない。ただただ圧倒的な快感にうちのめされ、梨花2号の柔らかな体に突っ伏して、快楽のすすり泣きを漏らすばかりだ。
 そんな環の口元に、梨花1号のペニスが押し付けられる。
「はむ……っ」
 環は、なんのためらいも見せず、むしろ進んで、目の前のペニスにむしゃぶりついた。
 シャフトが舌を圧し、雁首が口蓋をこする感触は、今の環にとって間違いなく快感だ。
 亀頭の先端で喉奥を小突かれることにすら、嘔吐感をはるかに上回る快美感を感じてしまう。
「ん、んぶ……ン……んぐっ……んふ……ふうぅン……」
 苦しげにくぐもった、それでいながら快楽に染まった自分の声が、耳に届く。
 自分自身がもみくちゃにされ、蹂躙されているような、破滅的な快感。
 が、それをもたらしてくれるのは、愛する恋人なのだ。
(あ……あたし、こわれちゃう、かも……)
 膣内、直腸、口腔の三つの粘膜を愛しいペニスにこすりあげられながら、環は、ぼんやり霞のかかった頭で思った。
(それでもイイ……だって、こんなに、きもちイイんだもん……♪)
 暗く、熱く、そしてねっとり粘つく何かに思考を侵食されながら、環は、どこか歪んだ幸福感に酔いしれていた。
 もう、何も難しいことは、考えられない。
 体内を満たす、ぐつぐつと沸騰しているようなこの快楽だけが、全てだった。
「たまきちゃん、あたし、イク、イクう……っ!」
「あたしも、あたしも、おしりにザーメンでちゃうよお!」
「飲んで、あたしチンポから出るの汚い汁、全部飲んでえッ!」
 遠くから、梨花たちの狂ったような声が聞こえる。
 その声よりも、体内でぐうっと膨れ上がったペニスに、絶頂の前兆を感じ取り、環は、今まさに犯されている三つの穴を、きゅうんっ、と半ば意識的に収縮させ、射精をねだった。
「あ、ひああ、あ、あああああああああああああああああああああああああああああッ!」
 三人が、同時に叫んでる。
 そして、熱くどろどろとした何度目かの精液が、環の体の中に勢いよく放たれた。
(あああ……イク……またイっちゃう……っ! おしりと、お口と、おまんこで、いっぺんにイっちゃうの……っ♪)
 口を塞がれたまま、環は、心の中でそう歓喜の声をあげていた。
 びゅーっ、びゅーっ、びゅーっ、びゅーっ……と、三人の射精は、一向に止まる様子を見せない。
(ああぁ……ン♪)
 環は、体内に大量の精液が注ぎ込まれるのを感じながら、ゆっくり、意識を闇に沈めていった。



 ようやく意識を取り戻した環は、全身に凄まじい疲労感と倦怠感を覚えていた。
 窓の外の空は、とっぷりと暮れている。今が何時なのかさっぱり分からない。
「あ、環ちゃん、起きた?」
 と、隣に寝ていた梨花が、声をかけた。
 梨花は、一人だけだ。そんな当たり前のことに、環は目をぱちくりとさせてしまう。
「えと……あとの、二人の、梨花ちゃんは……?」
 たったそれだけを言うのが、今の環にはちょっとした重労働だった。
「消えてた……元の時空連続体に、戻ったんだと思う」
「……?」
「まあ、あの状態のほうが絶対に不安定なわけだから、いずれは何かのキッカケで戻ると思ってたんだ」
「ふう……ん」
「がっかりした?」
 梨花が、悪戯っぽく笑いながら、言う。
「――ちょっとだけ」
 しばらく考え込んでから、環は、梨花が拍子抜けするほど素直に、そう答えた。
「でも……あんなふうに梨花ちゃん三人を相手にしてたら……いつか、死んじゃうと思う」
 そして、笑いもせずに、そう続ける。
「いや、あれは半分は薬のせいだし……」
 そう言って苦笑いする梨花の顔に、環が手を伸ばす。
「ん……?」
 梨花は、そんな環のまだ弱々しい力に導かれて、ちゅっ、と口付けした。
 唇が触れるだけの、軽いキス。
 それを、長々と続ける。
「ぷは……それにさ、もし三人もいたら、こんなにゆっくりキスできないよ」
 ようやく唇を離した環が、裏表のない口調で、言った。
「……そだね」
 そう言って、梨花は、きゅっ、と環の体を抱きしめる。
「あたしも、やっぱり、環ちゃんを一人占めしたいし」
「うん……♪」
 環は、目を閉じて、そう返事をする。
 そして、二人きりに戻った恋人たちは、そのまま、深い眠りに落ちてしまった。



 その後、夜中近くになって目を覚まし、慌てて帰宅した二人が、それぞれの母親にこっぴどく叱られたことは、言うまでもない。
あとがき

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