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No.20:パプリカ ’06 日本 06/12/13 池袋テアトルダイヤ |
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精神医療の研究所に勤める敦子は、最新鋭の機器を使い対象者の夢に入り込み、普段の敦子とはまったく異なる人格の“夢探偵”パプリカとして、サイコセラピーを極秘に行っていた。そんなある日、研究所から未完成の機器3台が盗まれる。未完成ゆえ、悪用すれば他人の人格をも破壊できる危険な機器。犯人は間違いなく内部の者と考えられたため、彼女は真犯人を突き止めるため、関係者の夢に潜っていくのだが……。
筒井康隆原作の同名小説のアニメ映画です。
これがなかなか不思議な面白さに満ちていまして。
話としては特に捻りもないので、これといって際立ったものはありません。
だいたい予想するとおりに進みます。
それでもやっぱり、映像が綺麗だったし、見せ方も良かったと思います。
ちゃんと分かった人が作れば、アニメはこうなるんだなという安心感もあります。
アニメって全然面白いじゃないか、と思えるのではないでしょうか。
予告編を見て面白そうと思った人は、裏切られないのではないかと。
逆に、例によって例のごとく、原作に思い入れが強いと厳しいのかも。
後は、そうですね。
どうも刷り込みが効いているようで、夢と現実の境界が曖昧というか、混濁した話というと、僕はどうしても『クリス・クロス』を思い出してしまいます。
こっちはゲームと現実の境界がというか、それを演出された場面があるもので。
パプリカでは、本当に夢と現実が混濁化していくのですけれども。
でも、はい。その辺の表現も上手かったと思います。
あるいは、別の人と夢がいつの間にかリンクしている、とかね。
ちなみに、エンディングの平沢進さん作曲による「白虎野の娘」が、第79回アカデミー賞オリジナル主題歌賞にエントリーされてます。12/19時点ではまだノミネートではありませんが。
曲がこれ、御本人のサイトで無償でダウンロードできたりしてます。
けっこう好きな曲ですので、興味のある方はどうぞ。
名前で検索すれば、多分、一番目に出てきます。
そこで左端のメニューから『作品サンプル』を選べば落として来れると思います。
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No.19:マスター・オブ・サンダー 決戦!!封魔竜虎伝 '06 日本 06/09/13 シネリーブル池袋 |
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戌年である今年、五重塔に封じられた怨霊・小野篁の封印が弱まるという。しかし、かつて彼を倒した和尚の三徳は、再び闘うことに年齢的な限界を感じていた。この危機を回避すべく、三徳の弟子アユミは闘う仲間を集めて厳しい修行に臨む。
キャスティングがツボったので見に行きました。
日本が世界に誇るアクション俳優・千葉真一と倉田保昭の夢の競演。
脇を固めるのも仮面ライダー剣の椿隆之に竹財輝之助。
デカレンジャーの木下あゆみ。
仮面ライダー555の芳賀優里亜。
仮面ライダーカブトの永田杏奈。
セーラームーンの小松彩夏。
ウルトラマンマックスの長谷部優。
仮面ライダーアギトの秋山莉奈も友情出演。
とまあ、面子だけは充実していたわけですよ。
知っている人にとっては、ですが。
それなのにお話の方が何と言いますか、いや、うん、えっと……。
もうちょっと何とかならなかったのかと。
正直、千葉VS倉田以外の場面は早送りで飛ばしたかったです。
TVでやってる特撮の方が、もっとまともな展開になっているぞと。
捻りが何もなさ過ぎですし、その展開もグダグダ。もうちょっと描き方があるだろうに。特に、この映画でまでステレオタイプなオタクを見せられて、かなりゲンナリさせられました。
けど、小松彩夏のコスプレは可愛かったけどな!
メイド服まで着ていたぜ、ひゃっほう!
あと、何かライムっぽいコスもしてたさ!
これでヴィーナスも着てくれれば完璧だったのにね!
僕的に見所はホントにそんなもんで。
千葉さんと倉田さんはもちろん文句などありませんでしたし、2人の対決は共に60を超えているとは思えない動きで凄かったです。
それなのに、やっぱりこの超展開がなぁ……。
盛り上がりもロクにないまま最後の決戦に入って、しかもその最後の決戦、五重塔で仲間がバラバラになるのですが、そのほとんどが忘れ去られるという……。
いや、ホント。決戦の場で描写されないキャラがいましたから。
あと、決着が付いたのかどうかも分からないのとか。
キャスティングが良かっただけに非常に残念なのですが、まあでも御大の格闘シーンが見れただけでも良かったです。
ただ、最後のスタッフロールの時にNGシーンが流されてたのですが、千葉さんも倉田さんも、アクションでNG出した後、腰を庇うようにしていたのが何とも印象的でした。
そりゃ、60超えてるんですからね。
回し蹴りができるだけでもすごいと思います。
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No.18:X−MEN:ファイナル ディシジョン '06 米 06/09/11 MOVIX川口 |
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人類とミュータントの確執が解消されない中、ついに人類は、ミュータントを普通の人間にしてしまう遺伝子治療薬“キュア”を開発。その薬を、希望者に投与すると発表した。
アイデンティティを根本から揺るがす薬の存在に、大きく揺れるミュータントたち。
その中にあって、“キュア”は人類によるミュータント抹殺だと主張するマグニートーは、“キュア”製造を中止に追い込むべく研究所を襲撃しようとする。
TV局の策略に引っかかり、見に行ってきました。
いや、先週で『1』が、今週に『2』がTVで放映されていましたので。
それで見てきた感想ですが、こういう表現ってあまり好きではないのですが、『普通に面白かった』です。
キチンと見せ場を心得ている人が脚本を描き、見せ方を心得ている人が監督をした、安心して楽しめる、出来の良い娯楽作品だと思います。
最後の決戦の時、X−MENのメンバーが敵の前に降り立つシーンなど、私にはかなり来ました。
前2作は、権力者の弾圧と、それに実力行使で対抗するマグニートー一派、そこへ割り込むXメンという構造だったのですが、今回もだいたい、そんな話です。
このシリーズは、人間側の[異能者への不安]と、異能者側の[少数派ゆえの不安]とが上手く表現できているのではないでしょうか。
また、そういう主張がでしゃばり過ぎていないのも良い点かと思います。
今回見るべきは、やはり何と言ってもVFXの凄さ。
いや、ホント。ここまで出来るんだな、と。
とにかく超人同士の対決シーンは圧巻です。
しかも、それが惜しみなく大量に注ぎ込まれてます。
それなのに、同じようなシーンはありません。飽きません。
『1』と『2』を見たことのある人なら、問題なく楽しめるのではないでしょうか。
逆に見たことのない人は、当然と言えば当然なのですが、前2作を見ていないと話が分かりにくいと思います。
ちなみにですね、この程度ならネタバレでもなかろうということで1つ。
「ファイナル」ってありますが、余裕で続きます。
次は「Returns」とか「Departure」とか、まあ何かそんな感じで来るんじゃないでしょうか。
ああ、あと「キティ」っていう物体を投下できる能力を持ったX−MENのメンバーがいるのですが、やっぱりこの子は【ハード・キャンディ】の女の子でした。
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No.17:青春☆金属バット '06 日本 06/08/27 渋谷シネアミューズ |
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27歳の難馬は冴えない人生を送っているが、“究極のスイング”を体得すべく、バットの素振りにだけは10年間打ち込みつづけていた。そんな彼はある夜、巨乳の酔っ払いエイコと知り合い、そのまま何となくの同棲が始まってしまう。
しかし人間関係が苦手な難馬はエイコに振り回されっぱなしで、おまけにバイト先でも冷遇され、金に困った難馬は思い余って“バット強盗”を犯してしまう。
そんな彼の前に、高校の野球仲間だった警官・石岡が現れる。
割りにグダグタだったような気がしてしまっています。
これは、期待しどころを間違えてたからだと思うのですが。
事前にチラシを見た限りでは、もうちょっとハチャメチャな話だと思ったのですが、あんまりそういう感じはなかったです。
人生につまづいた感じのある青年が、流されるままに流されて、事件に巻き込まれ、あるいは事件を起こし……というような話でして。
ちょっとメリハリに欠けるかな、というのと、前半部分はもう少し短くても良かったのではないかと。
いや、その辺で主人公のキャラを描いてたのは分かるんですが、それでももう少しまとめようがあったように思われます。
話が動き出すまでが退屈に感じられましたので。
そもそもが覇気に欠ける主人公でして、それをでも軽妙に描写するわけでもないので、「あ〜、兄さん。駄目だねぇ。もっとシッカリしなよ」というような感想しか……。
何か、うん。全体のエピソードもかなり頑張って繋げた感が強くて、イマイチかなぁ、という印象となってしまいました。
いくつかの話が詰め込まれていたんですが、特にそれがリンクすることもなく進んだりで、「何だったんだろう?」という気もします。
てか、失敗した。
この監督、『空の穴』を撮った人だったんじゃないか……。
そりゃ、こんな話になるわ。
事前にちゃんと調べなかった自分のせいですね、こりゃ。
つまり、『空の穴』もそういうグダグダした感じの映画です。
好きな人ならハマルんでしょうけどね。
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No.16:ラジニカーント★チャンドラムキ 踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター
'05 インド 06/08/27 渋谷シアター・イメージフォーラム |
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結婚し、新居を購入した親友の元を訪れた精神科医の男。だが、その屋敷には150年前に非業の死を遂げた踊り子の霊が封じ込められていた。親友の妻にとりついた踊り子の霊を祓うため、精神科医は戦いを挑む!
もう8年も前になりますか。
『ムトゥ 踊るマハラジャ』というインド映画が大ヒットを収めたのは。
その時は行こう行こうと思いながら結局見に行かなかったのですが、今回またそのラジニ・カーント主演のインド映画が来るというのでいったいどういうものなのかと見に行ってきました。
けっこう、カルチャーショックが。。。
いや、話には聞いてましたし、予告編も見ていたのですが、そうか、これがインド映画か、う〜む……すごい、と。
ほとんど脈絡もなく始まる歌とダンスのシーンは、やはり初めて見るとかなりのインパクトがあります。
また、それがかなり豪勢に作られていたりしますので。
これこそインド映画の真髄、と言わんがばかりです。
話の方は残念ながら、ツッコミどころが多々あります。
オチも、「いや、それじゃ根本的解決になってないんじゃ……」とか。
でもまあ、そんな映画は枚挙に暇がありませんし、イチイチ指摘していくのは無粋というものなのでしょう。
ラジニ・カーントという、ちょっと太めのスーパー・スターは申し分なくその魅力を発揮されていると思いますので、それで十分なんだろうな、と。
ただでも、最初のツカミに使用されたような格闘シーンをもうちょい増やしてくれていた方が見る分には楽しかったです。
ストーリーにこだわって、見せ場が減ったような気がしなくもない。
インド映画大好きな人、あるいはインド映画をまだ一度も見たことのない人にはお勧めしておきます。
ただし、3時間と長いですのでご注意を。
また、そのうち1時間くらいは歌って踊ってた気がします。
ちなみに、この映画はインド人だと300円引きになっていまして、私の前にも2組のインド人カップルが座ってました。
そこで興味深かったのが、こっちは笑っていないシーンでその4人がかなりウケていたことが何度かあったんですね。
やっぱり国が違えば笑いどころも違うことがあるんだなと、そんなことも思ってました。
いや、万国共通な笑いも全然ありまくりなんですけれどもね。
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No.15:ブレイブ ストーリー ’06 日 06/08/13 埼玉 MOVIX川口 |
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ごく普通の小学5年生ワタル。彼の平凡な日常は、離婚を決意して家を出た父と、その心労から倒れた母とによって崩壊する。バラバラになってしまった自分の家族を元に戻すため、ワタルは謎めいた転校生のミツルから聞いた“運命を変える扉”をくぐり、剣と魔法の世界“幻界”へ足を踏み入れる。そこで5つの宝玉を集めれば、運命の女神が願いを叶えてくれるというのだが……。
映画としてはフツーのアニメ映画だったと思います。
クオリティ的には平凡で、特に目を引くところはなかったかと。
強いて言えば、BGMがうるさかったのと、俳優はやっぱり下手な人は本当に声優をやるのがへたくそだなぁ、ということでしょうか。
松たかこは上手い方だったのですが、やはり一部、違和感のあるシーンもありましたし、常盤貴子は下手でした。ウエンツも微妙。
大泉洋は上手かったと思います。
話としては、展開が急すぎたな、というのがあります。
文庫本だと全4巻になる原作を私は読んでいませんが、駆け足でまとめすぎているのではないでしょうか。これは、2クールのTVアニメででもやれば、そこそこ面白くなったように思われます。
まず、ワタルが幻界に渡る決意をする部分。そこが急でした。
割りに呆気なく、「こんな運命、間違ってる!」とか結論付けます。そこに至るまで、もう少し何か葛藤があっても良かったのではないでしょうか。あるいは、母親の状態がもっと重篤になってしまうだとか。
また、もう少し、ミツルとの関係や、家族のつながりなどがあっても良かったようにも思われます。
人によっては蛇足と感じるかもしれませんが、僕は、冒頭、ワタルが登校した後、夫婦だけのシーンで離婚を匂わせるとか、またはミツルが自分の運命を変えるための、尋常ならざる決意を秘めているのを匂わせるとか、そういうシーンが欲しかったかなと。
駆け足だったのは、幻界に移ってからの冒険もそうでした。
かなりアッサリでしたし、2時間に収めるのために仕方がないのは分かりますが、途中のシーンをテーマソングに合わせてシーンを繋ぎ合わせるという、非常に大胆な省略の仕方をしてしまいます。
これで何が問題かというと、キャラ間の親密さが深まっていく過程が描かれない、ということなんですね。あるいはまた、ワタルが幻界という世界に愛着を抱いていく過程もすっ飛ばされてしまったことにあります。
そのため、物語に決着をつけるためのパートが、説得力が弱まってしまっていたように感じられました。
またやはり、このパートでワタルが語ってしまっていたのが厳しかったですね。その辺は本来なら、省略したパートをキッチリ描くことで、ワタルに語らせずとも、自然と観客に伝わるようにすべきだったと思うのですが、いかんせん、2時間じゃあ最初から無理があったということなのでしょう。
ゲド戦記にせよブレイブストーリーにせよ、語られている内容(セリフ)に対しては特に文句はありませんが、やはりどうしても、それを語られると安っぽく聞こえてしまうのが難点だと思います。
分かりきったことを大声で言われても、「だから何?」と。
この作品は、オチもイマイチな気がするのですけれども、夏休みの子供向け・家族向け映画としては妥当なのでしょう。きっと。
そもそも、私のような大人はターゲットに入っていないと思いますから。これは、観に行った私が悪いんだと思います。
だいたい私なんて、「ワタル」とくれば「魔神英雄伝」をすぐ思い浮かべる口ですからね。
とりあえず結論としてはやはり
『時をかける少女』>>>>>>>>>『ブレイブ ストーリー』>>>>>>越えられない壁>>>>>>『ゲド戦記』
これになってしまったようです。
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No.14:ハードキャンディ ’05 米 06/08/06 渋谷シネマライズ |
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32歳の写真家ジェフは、出会い系サイトのチャットで知り合った14歳の少女ヘイリーを口説き落とし、自宅に連れ込むことに成功する。しかしそれはヘイリーが仕掛けたワナだった。気付かぬうちにヘイリーに薬を飲まされたジェフは昏倒してしまい、目が覚めれば椅子に縛り付けられていた。そんなジェフを、ヘイリーはさらに追い詰めていく。
ネタバレでもないでしょうから、言ってしまいます。
玉斬り映画という話を聞いたんで行ってきました。
正確には、袋を切り裂いて玉を抜き取り、縫合する映画なんですが。
聞いてるだけで股間がムズムズしてきますね。
話は、ほぼジェフの自宅内のみで進行します。
椅子に縛られたジェフが、自分を本気で破滅させようとするヘイリーから逃れるため、基本的に説得を駆使していきます。
密室劇としては、かなり上質の作品だと思います。
互いのやり取りとかは、かなり緊迫感があります。
ただボクの場合、心情としてはジェフ寄りでした。
「このクソアマ! 可愛げのないガキめ!」とか
「頑張れジェフ! 負けるな!」とかね。
一応は理由がありまして、劇中でジェフは悪人としては描かれないのですね。
いや、真性のロリのようなので、そして実際にローティーンに手を出してしまっているようなので、立派な悪人なのですけれども、性格破綻者でもなければ、根っからの悪党でもないので、どうもこう「予想外の不幸に見舞われたツキのない男」にも見えまして。
一方で、ヘイリーの動機がイマイチ不明瞭なのです。
ジェフを罠にかけたわけですが、何故ジェフを標的にしたのか。
最後に理由は出てくるのですが、それも結局同じ疑問に繋がってしまいます。
で、ヘイリーが何を考えているのか読みにくい⇒感情移入しにくい⇒嫌なところが際立つ⇒このクソガキ! となっていったんだと思います。
ジェフにもヘイリーにも、それぞれ背景となる人間関係があるのですが、ちょっと説明不足だったように感じられます。
ヘイリーの動機というのは推測は簡単なんですが、それにしても、それに関して1シーン入れるだけで全然違ったかと思います。
あとね、やっぱり絶対ヘイリーの方が性格破綻者ですよ。
通常の神経の持ち主なら、玉抜きももちろんなのですが、そっから先の展開がありえない。
そこまでするにはやっぱり強烈な動機が必要で、そこをちゃんと描いて欲しかったなと思ってしまいます。
オチに関しても、「う〜ん……」と思う人は思うでしょう。
面白いのは面白かったけど、いくつか納得し難い部分があったのが残念でしょうか。
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No.13:カクタス・ジャック '04 メキシコ 06/08/01 シネセゾン渋谷 |
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恐るべき伝説を持つ町の独裁者カボスに、娘と突き合っているところがバレ、ボコボコにされたジャック。カボスの会社で働いていた彼は、後日、社長室へ弁明に訪れるのだが、仕返しに来たと思ったカボスに再び襲われそうになる。
ところが、カボスは足元にあったゴルフボールに滑って転んで失神。慌てたジャックは、助けを呼びに社長室を飛び出していく。
そんな、カボスだけが転がる社長室へ、清掃夫のチーノが掃除にやってくる。ところが、カボスに積年の恨みを抱くチーノは、天の与えたチャンスとばかりに、カボスの身にまとった高級な衣類をすべて剥ぎ取ると、自分で着込んでしまう。
意気揚揚と引き上げるチーノ。
そうして、友人を連れて社長室に戻ってきたジャックは、下着姿のカボスを発見することに。しかも不味いことに、人がやってくる気配が。状況はどう見ても、自分たちが犯人。ジャックたちはとっさにカボスを抱えてトイレに隠れる。
一方で、カボスの衣服を奪ったチーノは、そのためにカボスと間違われて誘拐されてしまい……。
え〜っと。
ゆるい? アホな? 幸せなバカ映画でした。
いや、すいませんね。あらすじを短くまとめきれなくて。
話の方は、カボスをどうしようかって言うジャックと友人の2人+助っ人に呼ばれた元レスラーたちの一群と、カボスと信じてチーノをさらった一群の、2つが平行して進み、やがて絡み合うようにして1つに収束していく、という形になっています。
どちらも“カボス”をどうするか、というのがキーになっています。
展開は、割りに読めてしまいます。多分、こうなるんだろうな、というのが当たります。
ですが、それでも面白い。
「うわ〜、ホントにやっちゃった」というのもありますし、その映像自体もすごく楽しいんですよ。
特に、困ったジャックたちが呼び出す元レスラーというのが、かなり良い味を出しています。
彼が偶然から、誘拐犯人と接触して格闘に至るシーンがあるのですが、その接触に至る過程も、その格闘シーンも秀逸の出来です。
私は笑いすぎて、頬の筋肉が痛くなりました。
オチも、「あ、そうか。やっぱりそこはそう落とすか」というところに落ち着くのですが、それでも伏線の張り方は上手いと思いますし、全編通したバカっぽさは十分面白くなっています。
レイトショーのみの単館上映というのが残念ですが、見に行って損はないと思います。
ちなみに。
エンドロールのあとに少しだけ続きがあるのですが、こちらはわざわざ最後まで残ってみるには、ちょっと物足りなさがありました。
館内放送で、映像があるからって告知までされていた割りには、ええ。
ちなみに、その2。
シネセゾン渋谷には、カボスに間違われて誘拐されたチーノを模した人形があります。
イスに座らされていて、後ろ手に縛られ、足も縛り上げられ、おまけに視界を奪うために頭からすっぽりと黒い袋を被せられています。
最初に見た瞬間は、けっこうギョッとしました。
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No.12:蟻の兵隊 '05 日本 06/08/01 渋谷シアター・イメージフォーラム |
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終戦当時、中国の山西省にいた北支派遣軍第1軍の将兵59000人のうち約2600人が、ポツダム宣言に違反して武装解除を受けることなく中国国民党系の軍閥に合流。戦後なお4年間共産党軍と戦い、約550人が戦死、700人以上が捕虜となった。
元残留兵らは、当時戦犯だった軍司令官が責任追及への恐れから軍閥と密約を交わし「祖国復興」を名目に残留を画策したと主張。一方、国は「自らの意志で残り、勝手に戦争を続けた」とみなし、元残留兵らが求める戦後補償を拒み続けてきた。
2005年、元残留兵らは軍人恩給の支給を求めて最高裁に上告した。
この映画は、その生き残りの一人である奥村和一さんに焦点を合わせ、その姿を追ったドキュメンタリーです。
しかしながら、期待するところを間違えて行ってしまったため、かなり面白みに欠ける映画に感じられてしまいました。
私はあらすじから、どのような理由・経緯で司令官は部隊を残留させたのか、その謎が追われるものと、また彼らの言い分に対し、国は、裁判所はどのような反論をしてきたのか、それが語られるのだと期待して行ったわけです。
途中までは期待どおりだったのですが、その先が、私にはグダグダになったように感じられました。
というのも、真相(であろうこと)は、かなりアッサリと解明されてしまうのです。それこそ、あらすじにある“密約”が結ばれた、ということで。
ただ、それに対して国や裁判所の言い分が出てきません。
もちろん、明白なポツダム宣言違反ですから、国としては認められるはずもないのは分かっています。それをどう言い訳していたのかが気になったのですが、映画の中で出てきたのは、裁判所が「原告人の訴えは、そもそも原告の利益を産むものではないので、訴え出ること自体が意味がない」とか何とか、そういうようなのがチラッとあった程度です。
しかしこれは、密約が真実であれば明らかな棄民政策で、適当な言い訳で済ませていい問題ではまったくありません。
だからこそ、その辺をもっと突っ込んで欲しかったのですが、映画の方は途中から大きく舵を切りなおしてしまいます。
つまり、奥村さんの思い出を辿る旅。
日本軍が中国でいかに残虐な行為を行い、それがどのようにして“人間”を歪め、“兵士”に仕立て上げていったか。
新兵訓練のために捕虜(?)を銃剣で突き殺させたとか、日本兵が村に押し入ってきて、隠れていた女性を集団で輪姦しただとか。
そういう話に、主題が移ってしまいます。
これはつまり、反戦映画だったのです。
実際、この奥村さんは靖国神社に赴き、演説を終えた小野田さん(終戦後もそれを知らず29年間、フィリピンのジャングルに潜んでいた人)に対し、「侵略戦争を美化するのですか」と、いきなり質問をぶつけます。
反戦映画なら、そう言っておいてくれ、というのが正直な感想でした。
私は先の戦争を美化するつもりは毛頭ありませんが、“先の大戦は日本による侵略戦争でしかなかった。ただひたすら、日本だけが悪者だ”という価値観に対しては、疑問を呈したいと思っています。
戦争に至る過程。
各地の戦場の状況。
そういったものを一切無視して、ある一点(この場合は、現在の視点から見れば残虐と受け止められて当然な日本軍の行為)だけを取り上げ、それを戦争という大きな流れすべてに当てはめる考えは、それこそレッテル貼りなのではないかと考えるからです。
奥村さんの話自体は興味深く、真摯に耳を傾けるべき物だったと思います。
ただ、この映画を反戦賛歌に仕立て上げたのは、奥村さん本人なのか、あるいは監督の意図が働いていたのか。
長期間に渡る取材の記録を100分ほどにまとめているわけですから、監督の編集次第だったのでは、という気がしなくもありません。
また、途中から奥村さんが、それは老人ゆえの視野狭窄とでも言うのでしょうか、いわゆる[イタイ人間]になっていったのが、とても哀しかったです。
それこそ、靖国でいきなり小野田さんに詰め寄ったり、他にも中国から引き上げてきた、おそらく当時は民間人だった人の家に、いきなりアポなしで押しかけるんですね。
当時、満州などから引き上げる人たちは、足手まといになってしまう幼子を中国人に預けたり、あるいは捨てたり、場合によっては殺すこともあったそうです。
そうして中国の人たちに預けられた人が、中国残留孤児ですよね。
ですから、そういう話は枚挙に暇がありません。
それなのに、奥村さんはわざわざ見知らぬ他人に電話をし、そこで埒があかないと自宅まで押しかけ「貴方の戦争体験を、今、後世に伝えないでどうするんですか」と詰め寄るのです。
ハッキリ言って、見ていて痛かったです。
奥村さんがそうした行動を取るようになっていったのは、上官の命令で初めて人を殺した思い出と向き合ったからとか、理由は推測できはします。
ですが、反戦を願いすぎるが故に、痛い人間になってしまっていたのが、見ていて本当に痛々しすぎました。
戦争が人間を、人生を狂わせるという意味では、このドキュメンタリーは真に迫りすぎていました。
ただ、やはり残留軍のことがおざなりになったのが残念でした。
ここまで書いて思ったのが、これは本当にドキュメンタリーだったのだろうか、ということです。
ドキュメンタリーとはなんでしょうか。ただ黙って、対象をカメラに収めることなのでしょうか。
それにしては、この映画では冒頭、明らかにカメラマン(監督?)が取材対象者や、あるいは彼と話をする人間に自分の言葉を投げてしまっています。
それに、上記の通り奥村さんは本来の目的から舵を切ってしまうのですが、ドキュメンタリーである以上、それも黙って受け入れないといけないのでしょうか。
そうではないとした場合、では働きかけても良い、となるのでしょうか。
そしてまた、やはり気になるのが編集です。
先の民間人への突撃訪問ですが、ひょっとしたら奥村さんはちゃんと、手紙→電話→自宅訪問というプロセスを、時間と回数を重ねて実践したのかもしれません。
ですが映画では、電話をしても無駄だったのでいきなり押しかけた、という描写がなされています。
本当にその通りだったのかもしれませんが、どこを切ってどこを使うかで、同じものでもまったく別の意味を持ってしまうことはあると思います。
そういう意味でもコレは、恐ろしい映画なのかもしれません。
ちなみに裁判は、最高裁が原告の上告を棄却して終わっています。
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No.11:ゲド戦記 '06 日本 06/07/29 MOVIX川口 |
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島と海の世界、アースシー。ある日、西の果てに棲む竜が人間の住む東の海に現れ、同時に世界中でさまざまな異変が起こるようになる。災いの源を探る旅に出た大賢人ゲドは、道中で国を捨てた王子アレンと出会う。
先行上映を観た人たちの間では、めっぽう評判の悪かった本作。
私も正直「じゃあ、どこまでクズなのか観に行こう」とネタ映画扱いでした。
さて、その結果はといいますと。
「普通に駄作」でした。
何と言いますか、かなり退屈な作品に感じられました。久しぶりに劇場で寝そうになりましたから。
冒頭、2頭の竜の戦いで良い具合に引き込まれたのですが、その先が全然何も起きなくて、そしてそのまま最後まで退屈でした。
確かに何やかやイベントはありますし、最後の決戦も用意されているのですが、その盛り上げ方が致命的に下手くそだったのだと思います。
本来なら映画全体に起伏が必要で、その起伏の中にも起伏があるべきなのですが、それができていなかったように思われます。
単に、順番にイベントを並べて物語を進展させただけ、とでも言いましょうか。
退屈なのは、画面の使い方のせいでもありました。
単調なんです、画面が。
同じような構図が何度もあったり、ここではこうするだろうな、という基本どおりのカットばかりが出てきたり、工夫も足りません。
せっかくのアニメなのに、その長所を5%も使っていないのではないでしょうか。
その辺を考えると、評価は“駄作”。観に行く価値なし。
私はタダ券を使って観に行きましたが、ホント、それで良かった。
金を返せとまでは言いませんが、払う価値はないと思います。
では、もう少し詳しく、どこが駄作だったのか振り返ってみましょう。
まず、話が非常に分かりにくい。
そもそも【ゲド戦記】は、単純な勧善懲悪ものではありません。
ですから【指輪物語】や【ナルニア国物語】より難しいところがあります。この悪者を倒せばハッピーエンド、という類の物ではなく、けっこう哲学的なというか、まあそういうような考えさせられるテーマを扱います。
また世界設定も、通常の剣と魔法のファンタジーから、少し捻ったところにあります。
まず、そのモノの本質、核を捉える『真の名』という概念があるわけです。
魔法というのは、その本質である『真の名』を知ることで、その対象(風や波といった自然現象から、あるいは羊などの動物、果ては人間まで)に働きかけ、術者の意思に従わせる、といった意味になります。
これは、ファンタジー世界に馴染んだ人間にとっては、そう珍しくないと思いますが、そうでない人にとっては、最初のとっつきにくさになるでしょう。
にもかかわらず、その辺の説明がロクにされません。
ただ、自分の真の名を知られると支配されてしまう、とかの程度でした。
そうそう。
言っておきますと、「ゲド」というのは、ですから主人公の名前です。
真の名ですね。
通り名はこの人、「ハイタカ」っていう魔法使いです。
しかし、このとおり真の名は人に知らせるものではありませんので、この「ハイタカ」が「ゲド」と呼ばれるのは劇中に1度しかありません。(というか、上記の理由から、原作では軽々しく真の名では呼びかけなかったと記憶しているのですが、違ったか?)
これ、パンフも原作も見ないまま映画だけを観に行った人は「結局、ゲド戦記の“ゲド”って何だったんだ?」とか思ってしまうのではないでしょうか。
(それ以前に、戦記って言う割りに戦闘も戦争もないじゃないか、というツッコミもあったりするわけですが。これは原作もそうでしたから)
他、原作設定の特異さには、竜と人間の関係もあります。
原作が手元に無いのでうろ覚えですが、確か“太古、竜と人は一つ(同じ存在)であった。しかし人は物(物欲?)を求めて東に渡り、自由を求めた竜は西の地に留まった”とか、確かそういう感じの伝承があったはずです。一つであった竜と人は、こうして分かれた、というような。
これが、かなり大事な設定になってきます。
この設定があるから、映画の冒頭で2頭の竜が人間の住む世界で戦い合うのが異常な事態、ということに繋がりますし、さらにオチのところにも繋がっていくわけです。
何故、映画の最後に竜が出てきたのかは、つまりこういう根本的なところが実はあったからなのです。
そういう部分の説明が、綺麗サッパリ、し忘れてしまっています。
また、アースシーの世界そのものの説明もありません。
地名とか言われても、分かるわけがありません。
そして何より、何故か3巻+外伝を映画化している、ということです。
監督には、「現代に通じる物が〜」という意図があったようですが、そのくせ、映画ではまったく描かれない2巻の話を述懐するシーンとかまであるわけです。
もう、原作を読んでない人は置いてけぼりも良いところです。
以上のように、まず物語を語る上で、非常に不親切な設計がなされている、というのが第一にあります。
話を次に移しましょう。ネットで酷評されている部分。
それらは間違いなく、その通りに酷評されてしかるべきです。
登場人物が、行動ではなくセリフで主張してしまいます。
しかも、その説教でアッサリと改心したりします。
その主張がまた、「命を大切にしないヤツは大嫌いだ」とか……。
掘り下げれば、もっと深いものを読み取ることが出来ないわけでもありません。
しかしそれにしても、テーマというのは、エンターテイメントのオブラードに包んで伝えるべきで、声高に主張するべき物ではないはずです。
普通の人間は、映画なりマンガなり小説なり、某かの物語の形で他人に何か伝えようとするのならば、95%はエンターテイメントに徹する必要があります。
そうでないと、誰も耳を貸さないからです。
だって、臭いでしょう? 「命は大切に」とか、普通の人間なら分かりきったことを全力で叫ばれたって、うるさいって思うだけではないでしょうか?
そのエンターテイメント性を忘れることが許されるのは、ごく一部の限られた、特異な才能を持つ人たち(己の欲求のままに作品を作り上げても、そこに有無を言わせぬ、惹き付ける力を与えられる人)だけなのです。
この監督は、それを忘れたか、あるいは自分を勘違いしたかのどちらかでしょう。
この場合「原作がそもそもエンターテイメント性に遠い」という言い訳は通用しません。それを承知の上で、その原作に挑んだはずなのですから。
「生きるとは、あるいは死ぬとは」という同系列のテーマで言うならば、こちらはマンガですが、私は華不魅の一連の作品、『一天四海』や『夜光雲』をお勧めします。
あるいは今年の映画としてイチオシの『時をかける少女』だって、“繰り返しの効かない、今この一瞬を大切に[生きる]”というテーマだって読み取れてしまうわけですが。
また、声優は揃いも揃って下手クソです。3流以下。
特に私は、テナー役の風吹ジュンが聞いていられませんでした。怒るシーンなんかがもう、耳を塞ぎたくなるほどでした。
新人の手島葵。ホントにオーディションをやって選んだのでしょうか?
とにかく下手くそな棒読みで、しかも上記のような恥ずかしいセリフを聞かされるわけです。もう、あまりの恥ずかしさにこちらは身悶えるしかありませんでした。
『時をかける少女』も主役は新人でしたが、月とすっぽんでしょう。
岡田准一も棒読みでしたが、それの許されるキャラクターでしたので、まだ救われていたと思います。まあ、下手なのは下手なのですけれどもね。
ハウルの木村拓也とは、比べるべくもありません。
さらにさらに、物語は完結していません。
「世界の均衡が崩れている」というのが大切なところなのですが、それには一切触れないまま、映画は終わってしまいます。
どこまでも投げっぱなし。
しかし凄いな、たくさん感想を書いている。
それほど私は、この映画に思い入れがある、ということですね!
やはり、原作が好きな人間は、その映画化には近寄らない方が吉なのでしょう。
舞台に対する説明不足と、主張に対する説明過多。
そして退屈なアニメーション。
作画のレベルは、ジブリだけにさすがだと思います。
ただ、名演奏家が揃っても、指揮者がへぼいと演奏はグダグダです。
それと同じで、監督が素人だったため、映画としては下の下の下の下。
素人のクソつまらない映画をどうにか観れるレベルにしたジブリに頭は下がりますが、それでも素人レベルを脱してないわけで、これで金を取ろうというのは業腹というものではないでしょうか。
「新人監督にしては〜」という声も聞きますが、新人監督でももっと魅せる人はたくさんいます。
“素人監督”にしては、確かに頑張ったと思います。
ただ邪推ですが、ジブリなら素人が監督でもここまで作れるのでは、というのがありますし、それに確かに“素人監督”にしては良く出来てますが、そんなのを1800円も徴収する劇場で回していいんでしょうか?
そうだ、まだ思い出したぞ。
この映画、原作は『ゲド戦記』なのに、原案があるんですよ。
宮崎駿が昔書いた『シュナの旅』というのがそれです。
で、その原案通りに描かれるシーンがあって笑ってしまいました。
それなら最初から、『シュナの旅』を映画化しておけよ、と。
これ、原作者に対してもすごく失礼じゃないんでしょうか。
あと、他にも笑いどころはありますよ。
僕は「見てママ、釜の底が抜ける!」というシーンで、冗談抜きで声を出して笑ったしまいましたから。
ま、素直に1巻を映画化しておけばよかったのにな、ということで。
今年の夏のアニメ映画は、すっごく面白くって、デキも良くって、見た人はほぼ間違いなく満足できるのに、上映館が少なく、かつオタク向けとみなされてしまうために興行的には伸び悩むであろう『時をかける少女』。
クズもいいところなのに、宣伝効果で客足を伸ばす『ゲド戦記』。
頑張ってるらしい割りに、イマイチ人の口に上らない『ブレイブ・ストーリー』
そんな感じにまとめられるのではないでしょうか?
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No.10:太っちょ泥棒のラブライフ '05 スウェーデン |
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No.9:時をかける少女 '06 日本 06/07/19 テアトル新宿 |
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高校2年生の真琴は、ふとしたことから過去へ飛べる能力“タイムリープ(意識だけが過去に戻る。同じ時間軸に、未来から戻ってきた自分と、その時間での現在の自分が同時に存在することはない)”を身に付けてしまう。
その能力を使って、食べ逃したおやつを食べたりと失敗を取り戻していたのだが、自分では良かれと思ってしたことが、実は思わぬ余波を生み出していたことに気付き……。
かなり良い映画でした。
高校生を主人公にした青春モノの佳作です。
アニメ映画なんで、それもかなりオタ向けの印象があるのですが(エヴァの貞本さんがキャラデザという時点で)、そこいらに転がってる映画よりも、遥かに映画としての質は高いです。
物語は、ヒロインの真琴と、その友人である津田功介と間宮千昭の2人の男子を加えた3人を中心に進んで行きます。
その三角形のような関係は居心地がいいんだけれども、何やかやと恋模様が絡んできたり……という感じです。
シナリオ的には、ツッコミたいところがないわけではありません。
ですが、タイムリープものとしては、実に上手く組み上げてあると思います。アレをソコで、こう回収して、それが今度はこっちでソレに繋がって……というのが、かなり上手い。
それにやっぱり、画面の見せ方をよく分かってる。この辺はさすがだなぁ、と感心しました。
声優は新人さんだったりですが、私は違和感なく聞くことができました。キャラにも合っていたと思います。
あと、背景もホント綺麗です。
郷愁を誘うような、というのがありましたが、そういう感じが確かにあります。
ちなみに【時をかける少女】というのは、筒井康隆さんの小説が元です。映画化やドラマ化も何度もされています。
ですが今作は、世界が多少被っているだけで、完全にオリジナルストーリです。
元ネタを知らない人でも十分楽しめますし、もちろん、知っている人にも問題なく楽しめると思います。
とにかく、この夏イチオシの1本です。
ああ、それから。
タイムリープといえば、高畑京一郎さんが電撃文庫から、そのものズバリのタイトルを出しておられます。
こちらの小説も、読んで損のない作品ですので、未読の方にはお勧めしておきます。
(念のためですが、映画とは全然関係ありませんよ)
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No.8:ディセント ’05 英 06/07/15 シネセゾン渋谷 |
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夫と娘、そして女友達と小旅行(急流下り)へ出かけたサラだったが、その帰途、交通事故により夫と娘を失ってしまう。事故から1年、再び友人たちに誘われて、今度は洞窟探検へ出かけることになる。ところが、洞窟内での落盤により退路を塞がれ、前に進むしかなくなってしまい……。
完全無欠のB級映画だったと思います。
いや、でもこれは事前にそうだという話を知っていて良かった。
私はB級へ変化するのをを承知で見に行ったから楽しめたわけですが、そうでなかったら厳しかったかも知れません。
紹介文からだと、閉じ込められた女性6人の間で確執が起きたり、脱出するために助け合ったりと、そういう話が期待されるじゃないですか。
途中までは実際、そんな感じでもあるんですよ。
そもそも冒頭シーンで、夫と女友達の一人との不倫が匂わされたりしましたから。
それにですね、その探検に行った洞窟って言うのも、実は行く予定だったガイドブックにある洞窟ではなくて、友人が偶然見つけた前人未到の洞窟だった(出口があるかどうかも分からない)という事実まで判明したりで、かなり良い感じに進むんですよ。
ところがどっこい。
とある理由により、途中からB級路線を突っ走り出します。
どういうっていうのは一応ネタバレなので明記はしませんが、B級ホラー好きで、かつ多少のスプラッタは全然気にしない、という人でないと楽しめないかも知れません。
普通に密室劇を期待していくと、かなりダメージを食らうのではないかと思われます。
くれぐれも、オレはB級ホラーを見に行くんだ、という心構えで挑んでください。
ああ、あとオチです。
けっこう救いようのないオチになってます。
その辺にも耐性がないと、けっこう厳しいかと思います。
何て言うかね、「おいおいおいおい」ってところに落ちますから。
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No.7:ゆれる '06 日本 新宿武蔵野館 06/07/12 |
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写真家として成功した猛は母の一周忌で久しぶりに帰郷し、実家に残り父親と暮らしている兄の稔、幼なじみの智恵子との3人で近くの渓谷に足をのばすことにする。懐かしい場所にはしゃぐ稔。稔のいない所で、猛と一緒に東京へ行くと言い出す智恵子。
だが渓谷にかかった吊り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまう。その時そばにいたのは、稔ひとりだった。
事故だったのか、事件なのか。
裁判が始められるが、次第にこれまでとは違う一面を見せるようになる兄を前にして猛の心はゆれていく。
やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことだった──。
評判が高くって見に行ったのですが、まあ、はい。面白かったと思います。
役者さんはそれぞれホントに素晴らしかったですし、法廷でのやり取り、その後の兄弟の接見なんかは、かなりくるところがあります。
え〜っと。
すいません、短いですけど、こんな感じで。
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No.6:カサノバ '06 米 シネセゾン渋谷 06/07/01 |
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18世紀のベネチア。百戦錬磨のプレイボーイであるカサノバは、教会から堕落・背徳の罪で追われることとなる。その追求を回避するために名家の子女との結婚を、持ち前の恋愛技術で勝ち得たのだが、そんな彼の前に知性と美貌を兼ね備えたフランチェスカが現れ……。
【恋は足手まとい】と似た系統の映画でした。恋愛コメディとでも言うんでしょうか。
ただ、金はやっぱりこっちの方がかかってますが。
おいおいおい、オマエはどこまでやるんだよ?
と言いたくなるくらいに、カサノバが突っ走ります。その、一目惚れしたフランチェスカを落とすために。
特にこれといった欠点のない良作だと思います。
オチもけっこう好きです。
ただ1つネタを言うならば。
ムービーウォーカーとか見に行くと、カサノバがキレイな女の人とキスしてる絵があったりするんですが。
その女の人がまた美人で、2人して幸せそうにしてたりするのですが。
完璧、チョイ役ですから、この女の人は。
一応まあ、公式サイトの「作品紹介」のページにも使われている絵なんですけれども……。
公式サイトといえば、トップに出てくる女の人は、カサノバが教会をかわすために結婚しようとする良家の子女です。
ヒロインのフランチェスカの立場って……。
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No.5:恋は足手まとい 06 仏 シアターN渋谷 06/07/01 |
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19世紀のパリ。人気歌手のリュセットは、プレイボーイのエドワールに夢中。だがエドワールは将来の安泰のため、リュセットを捨てて伯爵令嬢のヴィヴィアンヌと結婚することにしてしまう。正式な婚約手続きの日が迫る中、エドワールはリュセットに別れを切り出そうとするのだが……。
エマニュエル・ベアールが出てたので。
想像してた以上に明るく楽しい映画でした。何かエマニュエル・ベアールっていうと暗めのイメージがあったんですけれども。
お話の方は、終始コミカルに進んでいきます。
エドワールはリュセットを切りたいんだけれども、でもやっぱりリュセットは美人だし、しかも何より自分に惚れ込んでいてくれて……。
そこに、リュセットに恋する叩き上げの実業家(かな?)も割り込んできて……とか。
いかにもフランス映画の恋愛モノ、という気はします。
オチまで綺麗にまとまってますので、十分に楽しめるのではないでしょうか。
エマニュエル・ベアールはやっぱり美人ですし、そう、衣装とかも綺麗でしたよ。
ただ一応、R−15指定はついてます。
露出はありませんしエロくはありませんが、SEXシーンは何度か出てきます。
でもまあ、上手い使い方をされてると思うので、これは必要だったんじゃないかなと。
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No.4:間宮兄弟 06 日本 シネ・リーブル池袋 06/06/28 |
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ビール会社の研究員・明信と、小学校の用務員・徹信の兄弟は、三十路を過ぎても同じアパートで暮らす仲の良い兄弟である。しかしイマイチ、女っけには欠けていた。そんなある日、2人は徹信の勤め先の小学校教師と、行きつけのレンタルビデオ屋の女性店員を誘い、カレー・パーティーを実行する。パーティーは首尾良く成功するのだが……。
佐々木蔵之介が好きだったので。
劇場に行って初めて、江国香織が原作だったことを知りました。
ていうか、中島みゆきも出てるよ。
あれ? 沢尻エリカってこんな子だったっけ? エライ可愛いやないですか。
ほいで、北川景子……って、セーラー・マーズやんな? 今度[ワイルドスピードX3]に出るっていう。
まあ、人の顔を覚えるのが苦手な私は、クレジットで初めて気付いたのがほとんどでしたが。
話の方ですが、ゆる〜い感じです。コメディというより、ユーモアでしょうか? まあ、[上品で機知に富んだシャレ]という意味からは外れますが、感覚的に。
特に何か大きな事件があったりは全然しませんので、何て言いますか、日常の空気、その楽しさだったり幸せだったり、あるいは苦さだったりを楽しみに行けば良いのではないでしょうか。
その辺は上手いこと描かれてあると思います。
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No.3:インサイド・マン 06 米 MOVIXさいたま 06/06/25 |
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マンハッタンで銀行強盗が発生。犯人グループは人質を取り、銀行内に立て篭もる。事態打開のために交渉人が派遣されてくるが、それでもやはり事態は進展しない。
そんな状況下において、銀行の頭取は独自に事件解決に乗り出すのだが、彼の行動の裏にはある目的があり……。
まあまあまあ、ネタ的には面白かったと思います。
犯人側が、人質全部に自分たちと同じ格好をさせて、警察にも誰が犯人なんだか分からなくさせたりとか。(これで、仮に突入したにしても、犯人と人質の見分けがつかないので大変、とか)
ただ、疑問の残る点も少なくないんですよね。
だいたい銀行の金庫って、それを開けるのが難しいわけじゃないですか。それがもう、いきなり開いているわけです。
そりゃ、行員全部を人質にしたわけですから、それで開くのかも知れないけれども……。
他にも貸し金庫の鍵を、ピッキングで簡単に開けるとかね。そういうモンなのかも知れませんが、印象としてはもう少し厳重にしてくれよ、とか。
後はやっぱり、犯人側の動機です。話が進むと、どうも単なる金目当てだけの犯行ではなく、別の目的があるらしい、というのが見えてきます。(これが、銀行の頭取の目的と重なっていくのですが)
その目的は、思想的というか民族的というか、ひょっとしたら非常に根深い怨恨なのかも知れませんが、そういうのが根っこにないと、普通はこんなマネは起こさないだろう、という性質のものです。
ところが、そこが最後まで描かれないので、「あれ? 何で?」と、ちょっと消化不良を感じてしまいます。
面白かったけれども、本筋として突っ込んだネタの方が調理不足でちょっとイマイチ、そんな感じでしょうか。
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No.2:ホテル・ルワンダ '04 南アフリカ・英・伊 MOVIXさいたま 06/06/25 |
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1994年、ルワンダ。フツ族とツチ族との民族間で大規模な紛争が勃発。最終的に100万人の犠牲者を出す民族虐殺の横行する中、ホテルの支配人であるフツ族のポールは、ツチ族の妻と子供たちを守るため、虐殺を主導する軍や民兵と綱渡りな交渉を続ける。
そんな彼のホテルには大量のツチ族難民が押し寄せることとなり、事態はますます混迷を深めていってしまう。
アフリカ版シンドラーのリストと謳われてましたが、残念ながら本元の方を見ていないので分かりません。
ただ、ポールは自ら積極的に難民を受け入れたのではなく、「こんな状況で誰が断れるんだよ?」というところに追い込まれ、結果的に引き受けてしまうのが、本家シンドラーと違うところかも知れません。あるいは、彼の目的はあくまで家族を守るというのが最優先であった、とか。
だからと言って、ポールの行動に問題があるわけでは全然ありません。
あのような極限状況の中、1000人からの難民を受け入れ、虐殺者たちの手から守ったことは素晴らしいの一言に尽きるでしょう。
ルワンダの民族虐殺は、話には聞いていました。
アメリカが自国の兵を出したくないために「虐殺的行為が行われている」として、あくまで「虐殺」とは認めなかった事件、だったはずです。
その辺の話も、チラッと出てきます。
ちなみに、ポールのホテルはフランス資本で、外国人の宿泊客が大勢いたり、国連軍が駐屯(?)していたりもしまして。
で、その国連軍の大佐が、凄惨な現状を訴えても上には決して届かず、現地民を見放すしかないという状況に追い込まれたりもするわけです。
そういうのを見ると、何のための国連なんだという気もしてしまうのですが、難しいですね。
無抵抗の市民が被害を受けているのであれば、それは実力行使も辞さない構えで止めなきゃいけない。
問題は、止めた後をどうするのか。
政府軍と反政府軍。どちらが正しいのかなんて分からないし、かといって第三者が「正しい」を押し付けるわけにも行かないでしょう。
ついでに言うなら、見ず知らずの相手を助けるため、自分の益になるわけでもないのに、血を流すのを良しとするのかどうか、とか。
考え出すとキリのない難しい問題を突き付けられたりもするのですが、そういうのを抜きにしても、見るべき映画の一つではあると思います。
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No.1:トランスポーター2 '05 仏 06/06/23 MOVIX川口 |
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退役軍人のフランクは、南フランスでプロの運び屋(もちろん非合法な物を運ぶ)をしていたのだが、今はアメリカの富豪に雇われ、6歳の息子の送り迎えをしていたりする。ところが、その息子が何者かに誘拐されかかる。己の職務をまっとうするため犯人たちに立ち向かうフランクは、やがて大きな陰謀に巻き込まれていく。
バカ映画でした。その辺は話に聞いていたとおりで大満足です。
ストーリー的にはやはりツッコミどころはあるわけですが、できるだけ気にしないのがマナーだと思います。そのツッコミどころも、前作に比べるとまだマシになってると思いますし。
この映画はホント、派手なカーアクションと、ジェイソン・ステイサムという、ジャン・レノに匹敵する格好良いハゲの活躍(アクション)を見るという、その2点に集約されているかと思われます。
実際、その2点で十分に楽しませてくれます。
ツッコミは無用と書いたばかりですが、初めの方で、日本人なら「おいおい」と笑いたくなるところがあります。
この辺はある意味、リュック・ベッソンの面目躍如。こんなシーンを嵌められるのは、他にはクエンティン・タランティーノくらいでしょうか。
つまりまあ、そういうシーンなのですが。
最後の方で、車を離れて飛行機が舞台になったりしまして、その辺ではイマイチ物足りなさも感じてしまうのですが、全体を通してみれば娯楽作としてはできの良い作品だと思います。
個人的には、最後の最後のシーンがスゴイ好きです。
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