妻を、犯す。



第七章



「宮倉さん、聞きましたか?」
「何をだい?」
 事務所の中で後輩に話しかけられ、私はそちらに向き直った。
「琴音ちゃん、失踪だってことらしいんですよ」
「失踪? 穏やかじゃないね」
「ええ……まあ、あくまで噂なんですけどね。何にせよ、単なる長期欠勤ってわけじゃないみたいですね」
「ふうん……それで、浦部部長はあんな状態なのか」
「かもしれませんね」
 そう言って、後輩は小さく肩をすくめた。
 琴音が職場から姿を消した直後から、浦部部長は、ほとんど出勤してこなくなった。そして、たとえ出勤しても、心ここにあらずといった様子で、とても使い物にならない状態だったのである。
 部下や同僚の妨害をしてでも点数を稼ごうとする部長には珍しいことだと、社内の皆が噂をしていた。もちろん、誰もが、理由不明のまま欠勤を続けている琴音と結び付けて考えたが、真相まで到達した者はいないはずである。
 浦部部長は、警察に届けを出しただろう。しかし、私が“依頼”をした相手は、その道のプロだ。そう易々と尻尾を掴ませるようなことはないはずだ。
 もしかすると、今頃、琴音直筆の手紙でも家に送り、事件性のない単なる家出ということにしているかもしれない。琴音が大量の借金を抱えていたことにでもすれば、状況はますます警察の手から離れることになるだろう。
 警察も暇ではない。一失踪者の捜索にそれほど人員や時間を割いたりはしないはずだ。
 そのように、推測はできるが、詮索する必要はない。
 私は、黙って“納品”を待てばいいのだ。
 そして、それは間もなくのことのはずである。
「しかし、琴音ちゃん、どこに行っちゃったんでしょうねえ」
「彼氏でもいたのかもしれないよ。人は見かけによらないからね」
「そいつの家ってことですか……まあ、いくら箱入りってったって、今時の子だしオトコくらいはいても不思議はないですよねえ。……じゃ、ボクはこれで失礼します」
 無責任な口調でそう言って、後輩は職場を後にした。
 浦部部長の性格や、琴音の職場内での微妙な立場のこともあってか、皆、拍子抜けするほどに平常どおりだ。
 まあ、若い連中がいきなり職場に来なくなることは、最近、珍しいことではない。今回のことも、そのような出来事の一つとして、いずれは忘れられていくのだろう。
 そんなことを思いながら、私は、帰宅の準備を始めた。



「ただいま」
「おかえりなさ〜い。今日は早かったのね」
「うん。ちょうど一仕事片付いてね」
 私は、そう言って、妻の顔を見つめた。
「……あ、えと、何か、私の顔についてる?」
「いや、そういうわけじゃないけど……熱でもあるの? 顔が赤いみたいだけど」
「え……あ、そ、そうかもしれない。最近、夜は冷えるし」
「そっか。こじらせないように気をつけなよ。もし、体調が悪いようだったら無理しないでいいんだからね」
「ありがとう……」
 妻が、そっと私から目を逸らし、優しいのね、と口の中だけで呟く。
 私は、それが聞こえなかったふりをして、部屋着に着替えた。



「じゃあ、おやすみなさい」
 そう言って、妻が、明かりを消してベッドにはいってきた。
 羽黒玄滋として、何度もその上で香織を犯した、夫婦のダブルベッドである。
 私は、しばらく闇を呼吸してから、そっと香織の体に身を寄せた。
「あ、あなた……何……?」
 どこか怯えたような声を上げる妻の肩に、そっと手を置く。
「香織……いいかい……?」
 私の言葉に、ひくん、と妻の体が反応した。
「その……体がつらいんだったらいいんだけど……今日の君、なんだか色っぽくてさ」
「ん、もう……不謹慎ね」
 香織が、わざと笑って、冗談に紛らわせようとする。
「だめかい?」
 そう言いながら、私は、すでに堅くこわばっている下半身を、妻の体に押し付けた。
「あっ……あなた……もう、こんなに……」
 香織が、濡れた声を上げる。
 そして、妻は、布団の中で体を動かし、私のペニスにパジャマの上から触れた。
 んくっ、と妻が物欲しげに喉を鳴らす。
「香織……」
 私は、妻の唇に唇を重ねた。
「んっ、んむ……んっ……ちゅぶ……ん……んふぅ……うぅん……ちゅぶぶ……」
 口の中に舌を入れると、妻が、積極的に舌を絡めてきた。
 卑猥なまでに蠢く妻の舌先の感触をしばらく楽しんでから、唇を離す。
 スタンドの明かりを点けると、オレンジ色の光の中で、妻の瞳が欲情に濡れていた。
「香織……」
「あ、お願い……ごめんなさい、待って……!」
 そのまま抱き寄せようとすると、妻が、慌てたように声を上げ、私を拒んだ。
「その……ごめんなさいね……私……私、今日……生理なの……」
 妻が、唇を震わせながら――嘘を言う。
 今の私は、もちろん、妻の生理周期をきちんと把握している。そうしなければ、羽黒として妻を犯すのに色々と支障が出るからだ。
 だが、かつての私は、香織の生理の日など知らなかった。
 だから、簡単に妻の嘘にだまされる演技をする。
「そっか……じゃあ、しょうがないね」
 私は、そう言って妻に微笑みかけた。
 ――妻が私を拒むのは、その下半身を、貞操帯で戒められているからだ。
 薄く堅牢な金属の帯で作られたそれは、施錠され、妻の秘苑を封印している。
 もちろん、それを用意し、嫌がる妻に無理やり装着させたのは、外ならぬ私――羽黒玄滋としての私だ。
 自慰すら許さないその拘束具によって、妻は、一週間以上、性器によって快楽を得ることを禁止されていた。
 今や、妻は、満たされぬ欲求によってその熟れた体を持て余しているはずであった。
「ねえ、あなた……」
 頬を赤く上気させながら、香織が、布越しに私のペニスをまさぐる。
「え、えっと……お口で、してあげよっか?」
「いいのかい?」
 驚きを装いながら、私は言った。
「ええ……だって……あなたの、こんなになって……可哀想なんだもん」
 言い訳っぽくそう言いながら、妻が、私のパジャマを脱がそうとする。
 私は、妻になされるがままに、下半身を露出させた。
「あぁ……」
 情感たっぷりに、妻が吐息をつく。その視線は、上を向いてそそり立つ私のペニスから離れようとしない。
「ねえ、ここに、座って」
「うん」
 言われた通りに、上体を起こし、ベッドの端に座る。
 香織は、床に降り、そして、私の脚の間に座り込んだ。
 そして、わななく唇を、赤黒い亀頭に寄せる。
 妻のせわしない息遣いが、力を漲らせたペニスの先端をくすぐった。
「はぁん……すごく堅くなってる……」
 香織が、血管の浮いた肉竿に指を絡め、うっとりと呟く。
 まるで感触を確かめるように二、三度シャフトを扱いた後、妻は、耐え切れなくなったように、その柔らかな唇を亀頭にかぶせた。
「んっ……ちゅっ、ちゅむっ、ちゅぷ……ちゅっ、ちゅちゅちゅ……ちゅぶぶ、ちゅっ……」
 まずは、唇で亀頭をついばむようにして、刺激してくる。
「あぁ、香織……」
 私は、ベッドに両手をつき、腰を突き出すような姿勢で、妻の口唇愛撫に身を委ねた。
「んっ、んむむっ……ちゅぶ……れるるっ……れろ、れろ、れろぉ……ちゅぷぷぷぷ……れろぉ……」
 妻が、舌を突き出し、私のペニスを何度も舐め上げた。
 ネットリと卑猥に動く舌が、むず痒いような快感を紡ぐ。
 たちまち、私の肉棒は、妻の唾液によってベトベトになった。
「はぷ、ちゅぷぷっ……れる、れるるっ、ちゅぶ、ちゅぶぶぶ……チュッ、チュッ、チュッ……んっ、ちゅむむっ、ちゅぶ……ちゅむむむ……」
 香織が、舌や唇を肉幹の表面に押し当て、ヌメヌメと動かす。
 たまらない快感に溢れ出る透明な腺液を、妻は、丁寧に舌先で舐め取り、啜り飲んだ。
「ちゅっ、ちゅぶぶ、ちゅぷ、ちゅぷっ……ハァハァ……すごいわ……ちゅぶ、ちゅぶっ……どんどん堅くなって……あふぅ……素敵……素敵ぃ……ちゅぶぶぶっ……」
 さんざんに羽黒のペニスに奉仕してきたその口で、香織が、私のペニスに賛美の言葉を送る。
 その姿は、ただ、牡の器官そのものに興奮し、欲情しているだけのように思えた。
「んふ、んふン……ちゅぶ、ちゅぶっ、ちゅば……はふ……あむむむっ……」
 妻が、ヌラヌラと濡れ光るペニスを頬張り、口腔深くへと導き入れる。
 生温かい快楽が男根全体を包み込み、私の腰を痺れさせた。
「んふ、んふぅ……ううぅン……ちゅぷ、ちゅぷっ、ちゅぶ……んむむっ……んむ、んむむっ……」
 まるで、肉棒を味わうように舌を動かしてから、香織が、その艶やかな唇をスライドさせ始める。
 ゆっくり、ゆっくり、妻の頭が前後に動き、口唇が肉竿を扱いていく。
「ううっ……すごいよ、香織……」
 私は、そう言いながら、忠実な犬にそうするように、妻の髪を優しく撫でた。
 妻が、んふン、んふン、と鼻を鳴らして甘えながら、フェラチオを続ける。
 強ばったペニスの先端が柔らかな喉奥の粘膜にまで達しているのにもかまわず、妻は、さらに大きく頭を動かした。
「んむっ、ちゅぶぶっ、ちゅぶ、じゅぶぶっ……ちゅっ、ちゅぶっ、ちゅぶ、ちゅぶ、ちゅぶぶぶ……じゅぶぶ、じゅるっ……」
 香織の口元から漏れる音が、ますます卑猥になっていく。
 妻は、舌や口腔をペニスに擦り付けるように頭部全体を捻りながら、私の肉棒を刺激し続けた。
「んふぅ、んふぅう……ちゅぶ、ちゅぶっ、じゅぶぶっ……ちゅぶっ、ちゅぶっ、ちゅぶ……ふぅふぅ……じゅぶ、じゅぶぶっ、じゅぷぷぷ……ちゅぶ、ちゅぼぼっ、ちゅぼっ……んふぅ〜ン」
 香織が、甘い鼻声を漏らす。
 口でペニスに奉仕しながら感じているのだろう。その顔に浮かぶ表情は、すでにうっとりととろけていた。
「香織……気持ちいいよ……」
 私は、そう言いながら、妻の頭を抱え込むようにして、口元を股間に押し付けた。
「うっ、うぅ〜ん、うぐぐ……んふ、んふん……ううっ、ううぅ〜ん」
 喉を亀頭で塞がれながらも、妻が、喜悦の声を上げる。
 私は、手を下に伸ばし、妻の乳房に食い込ませた。
「んっ、ぷあっ……! あ、あなた、そこは……」
 ペニスから口を離して、香織が抗議しかける。
 私は、聞こえなかったふりをして、量感たっぷりの彼女の双乳を、グニグニと揉みしだいた。
「あ、あううっ、あん、ダメぇ……はぁはぁ……ダメよぉ……あぁ〜ん」
 パジャマの中で、妻の乳首がたちまち堅く尖っていくのが分かる。
「ハァハァ……あん、ダメぇ……ダメなのにぃ……あふっ、あふぅ〜ん、あんあん……ん、もう……あむっ」
 香織が、あからさまに喘ぎながら、私の股間に顔を寄せ、そして、再び肉棒を咥え込んだ。
 そして、湧き起こる快感をごまかすように、激しいディープスロートを始める。
「んむむ、んぐ、ちゅぶぶっ……うぐ、うぐ……ちゅっ、ちゅばばっ、ちゅぶ……んむっ、んむむっ、うぐぅ……ちゅぶぶ、じゅぶ、じゅぶぶぶっ……!」
 キュッと締められた香織の唇が小気味よくシャフトを扱き、唾液でドロドロになった口腔がペニス全体を擦る。
 私は、反撃とばかりに、妻のパジャマの前を開き、剥き出しになった乳首を強く摘まんだ。
「んっ、んぷうぅンっ!」
 妻が、肉棒を咥えたまま、甘い悲鳴を上げる。
 私は、妻の乳首をクリクリと嬲り、さらには、引っ張るようにして刺激した。
「んっ! んん〜っ! ちゅぶ、ちゅぶぶっ、じゅぷ、じゅじゅじゅじゅっ! んふ、んふっ! フゥフゥ……ちゅぶぶぶ、じゅびび、じゅず、じゅぞぞぞぞっ!」
 乳首をさらに堅く勃起させながら、香織が、口内のペニスを強く吸引した。
 快感を与えられれば与えられるほど、奉仕にも熱を入れる――これまでの調教の成果だ。
「じゅぶっ、じゅぶぶっ、ちゅぶぶ……ぷあぁ、ハァハァ……はむ、んむむっ、んぐ……じゅずずずっ! ちゅずずっ! ちゅずずずっ! じゅる、じゅるるるっ、じゅぶ……じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ……んぢゅううぅ〜っ!」
 切なげに眉を寄せ、鼻から荒く息を漏らしながら、もどかしげに貞操帯の嵌まった腰を揺らす香織。
 その姿に、私は、堪えに堪えていた欲望をぶちまけてしまった。
「ぶっ! んぐっ! んぶぶっ! んうううっ!」
 ドビュッ! ビュッ! ビュッ! ビュッ! ビュッ! ビュッ! ビュッ! ビュッ! ビュッ!
 ペニスが、射精を、信じられないほどに繰り返す。
 口の中に次々と迸るザーメンの感触に、香織は、ビクビクと体を震わせた。
「んむっ、ちゅぶぶぶ……んぐっ、んぐっ、んぐぐ……ゴク、ゴクッ……んふぅ、ふぅふぅ……んぐぐぐ……ゴキュ、ゴキュッ……んんんんんんんんんんっ!」
 私の放った精液を嚥下しながら、香織が、くぐもった声を上げる。
 間違いない――妻は、精液を口腔で受け止めながら、絶頂に達したのだ。
 ひくひくっ、ひくひくっ、と妻の体が断続的に痙攣する。
 私は、そんな彼女の様子を観察しながら、その口内に全てを出し尽くした。
「んふぅ、んふぅ……ちゅ、ちゅぶっ、ちゅ……ちゅうぅ〜っ」
 香織が、尿道に残った精液までも吸い取り、飲み干していく。
 そして、ようやく、妻は、私のペニスから口を離した。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 明らかに快感の余韻に浸りながら、それでもなお満たされない様子の妻に、私は、気付かないふりをする。
「気持ち良かったよ、香織……」
「ん、もう、やだ。あなたったら」
 羞恥と、それ以外の何かに頬を染めながら、香織が立ち上がる。
「えっと、お口ゆすいでくるわね」
「うん」
 香織が、パジャマの前を合わせてから、どこか覚束無い足取りで、寝室を後にする。
 おそらく妻は、本当に口をゆすいでから――自ら溢れさせた愛液を処理するのだろう。
 貞操帯から滲み出た大量の分泌液を拭き取り、下着を替える彼女の姿を想像しながら、私は、ベッドの中でほくそ笑んだ。



 浦部琴音が“納品”された。
 納品場所は、羽黒のマンションである。もちろん、私は、羽黒玄滋として、琴音を受け取った。
 琴音は、最後に見た時と一見何の変わりもないように見えたが、その身にまとう雰囲気が明らかに違っていた。
 長い黒髪に、陶磁器のように滑らかな肌。まだあどけない顔には、しかし、何とも言えない艶を含んだ微笑が浮かんでいる。
「羽黒玄滋様ですね。琴音と申します」
 清楚な衣装に身を包んだ琴音が、玄関で、丁寧に頭を下げた。
 すでに、琴音を連れてきた男たちは姿を消している。
「琴音は、男の方を喜ばせるためだけに存在するセックス奴隷です。淫乱で変態の肉便器女ですので、どうか心行くまで楽しんでください」
 上品な作りの唇で、琴音が、澱みなく口上を述べる。
 はにかみながらも、何かを期待するようなその表情に、私は、最後まで残っていたかすかな迷いを全て捨てた。
 琴音は――この女は、売り飛ばすには勿体なさ過ぎる。
「ああ、たっぷり可愛がってやるぜ」
 私は、そう言って、琴音の体を強引に引き寄せ、その唇を乱暴に奪った。



「まず、自分が何をされたのか説明しろ」
 ベッドに腰掛け、琴音を目の前に立たせて、私は命令した。
 レースのカーテンを引いただけの窓から陽光が差し込み、琴音の姿を照らしている。
「はい……」
 琴音が、従順に返事をする。
 今、琴音は、私の命令で、メイド服を模したコスチュームと、装飾過剰な純白のヘッドドレスを、直接その身にまとっていた。
 わざとらしいほどに可愛らしさを主張する部分部分が、かえって全体の淫靡さを際立たせる――そんなデザインのコスチュームだ。
 その黒エナメル製のメイド服は、琴音の乳房を薄いレースのフリルで覆うだけで、隠すどころかむしろ強調している。それに、スカートは超ミニな上、前に大きくスリットが入っているので、こちらも全く股間を隠す役目を果たしていない。
 レースに透けて見える琴音の双乳は、香織に匹敵するほどの巨乳な上、若々しい張りを見せ、形よく乳首を上に向けていた。
 同じ職場にいた頃は、まさかこれほどのボリュームとは思わなかった。着痩せする質だったのか、それとも、調教の過程でこのような淫らな体にされたのか――それは、分からない。
 一方、白い恥丘は完全に脱毛され、まるで幼女のそれのようなたたずまいを見せている。 
「琴音は、まず、調教師の方に、全身の性感帯を開発していただきました」
 琴音が、潤んだ瞳ですでに全裸になっている私の体を見つめながら、説明を始めた。
「特に、その……乳首が敏感だったので、まずはそこを重点的に責めていただきました」
 頬や目許をほんのりと染めながら、琴音が言葉を続ける。
 その自然な含羞の表情が、琴音の顔のあどけなさを際立たせ、媚態となって牡の嗜虐心を誘った。
「ここか?」
 私は、右手を伸ばして、レースの上から琴音の左の乳首に触れた。
「あン……そ、そうです……んふぅ……」
 琴音が、ピンク色の唇から甘い喘ぎを漏らす。
 軽くいじると、琴音の桜色の乳首は、すぐに勃起してしまった。
「こ、琴音の恥知らずなオッパイは、すぐに、いやらしいことをしていただく喜びを覚えて……あ、あん……お、おしまいには、胸だけで浅ましくイクようになりました……んくっ、あううぅん……」
 レースを下にずり下げ、指で左右の乳首を同時に転がすと、琴音は、クネクネと体を揺らしながら、悩ましげに眉をたわめた。
「そ、それから……はぁはぁ……む、胸だけではなくて……首筋や、背中や……あっ、あっ……オ、オ、オマンコや……あうぅん……お尻の穴まで……い、いっぱい、開発していただきました……うっ、うくっ……ああぁっ、あぁん……い、今では……はぁはぁ……ア、アナルオナニーでも、イ、イクことができます……うくっ、あふぅ〜ん」
 甘えるように鼻を鳴らしながら、琴音が口上を続ける。
「ガキみたいな面のくせにとんでもねえな……そのくせ、まだオマエは処女なんだろう?」
 私は、琴音の巨乳を揉みながら、確認した。
「は、はい……琴音のオマンコも……お、お尻マンコも……まだ、男の方を知りません……あっ、あぁん……オマンコには、ご主人様に破っていただくために……あっ、あうん……きちんと、しょ、処女膜が残っています……あうっ、あうぅん……あふぅ……」
 甘い吐息をつきながら、琴音が、モジモジと腰を揺らす。
 そのクレヴァスは、すでに大量の蜜を分泌させ、秘苑全体をヌメ光らせていた。
「すげえ濡れ方だな、おい」
「ああぁ……ハイ……琴音の淫乱マンコは、いやらしいヨダレを垂らしまくってます……んふぅ……ご、ご主人様にキスをしていただいた時から……ハァハァ……しょ、処女膜を、激しく貫いていただくことを想像して……グ、グチョグチョになっていたんです……あうっ、んふぅ……」
 父親が聞いたら卒倒しそうなセリフを、琴音がその上品な唇で紡ぐ。
 琴音を調教した奴というのは、とんでもない男だ――そんなことを思いながら、私は、琴音の体を引き寄せ、乱暴にベッドに横たえた。
「あぁん」
 琴音が、艶と媚をたっぷりと含んだ甘い悲鳴を上げる。
 私は、琴音の膝を左右に開き、彼女の秘部を露わにした。
 琴音のそこはまだピンク色で、かすかにはみ出たラビアは、花の蕾を思わせる。
 だが、大量に溢れた愛液が、琴音の秘裂の見せかけの清楚さを裏切っていた。
「ああぁ……琴音の淫乱マンコが見られてる……恥ずかしいです……」
 そう言いながら、まるで私の視線を感じているかのように、琴音が秘唇をヒクつかせる。
「気取るんじゃねえ、この変態女が」
 私は、そう言いながら、かつて職場のアイドルであった彼女の秘唇に、勃起したペニスをペタペタと打ち付けた。
「あっ、あぁん、ああぁ、あぁ〜ん」
 琴音の喘ぎ声に卑猥に湿った音が重なり、愛液が雫となって飛び散る。
「はぁっ、はああっ……ああぁ……ご主人様のおペニスが、琴音のオマンコ叩いてるぅ……い、淫乱処女マンコ、お仕置きされてますぅ……はうぅ……」
 興奮に息を荒げながら、琴音が、その小さな白い両手を、紅潮した自らの頬に当てた。
 少女じみた仕草と、卑猥なセリフのギャップが、私をますます興奮させる。
「さあ……入れてやるぞ……」
 私は、赤黒く膨れ上がった亀頭を、濡れそぼる秘裂に押し付けた。
「あぁ、お、お願いします……ご主人様の男らしいおペニスで、琴音を女にしてください……」
 感情の籠もった声でそう言いながら、琴音が腰を浮かせる。
 私は、琴音の細い腰をガッチリと捕らえ、肉欲に急き立てられるまま、腰を進ませた。
「あっ、あぐううっ……い、いた……痛い……痛いッ……!」
 堅く強ばった巨根の容赦のない侵入に、琴音が高い悲鳴を上げる。
「あああ……す、すごいです……うぐっ、うああああっ……すごく痛いですっ……うっ、うあああ……ひぎいいいいいいい!」
 悲痛な声を耳に心地よく聞きながら、充血した先端で琴音の処女肉をかき分けていく。
 そして、私は、琴音の処女膜を、肉槍で一気に貫いてやった。
「ああああああああああああああああああああああああああッ!」
 ギクン、と琴音のしなやかな体が硬直した。
 みっちりと肉の詰まった膣内がペニスを包み込み、ギュウギュウと強烈に締め付けてくる。
「うっ、うああ……入ってます……ハァハァ……ご、ご主人様のが……あううっ……んひいっ……」
 目尻に涙を浮かべながら、琴音が、健気にも淡い笑みを浮かべる。
「痛いです……そ、想像してたよりも、ずっと痛いですぅ……うぐぐっ……あぁ……で、でも、嬉しい……幸せです……ああぁん……」
「そんなに嬉しいのか?」
「ハ、ハイ……こ、これで、琴音は……ようやく、一人前の穴奴隷ですぅ……ハァハァ……ご、ご主人様、琴音のオマンコ穴で、お、思う存分、楽しんで、ください……んくっ、うっ、はふうぅ……」
 隷従の悦びを声に滲ませながら、琴音が、自らの感動を伝えようとするように、さらに膣肉を締め付ける。
 肉棒を食い千切らんばかりの圧力に抗いながら、私は、本格的に腰を使い始めた。
「あうっ、うぐぐっ……あひっ、ひいぃっ! ひっ、ひいっ、あひいっ……あああ、痛い、痛い、痛いいぃ……!」
 苦痛に身をよじりながら、琴音が、なおも悲鳴を上げる。
 だが、その声には、マゾヒスティックな愉悦の響きが混じっていた。
 愛液とともに、破瓜の鮮血が、肉棒の動きをスムーズなものにしていく。
「うっ、うあああっ、あふ、あひいぃ……ひっ、ひいいン……あっ、ああっ……すごいですぅ……ああぁ、ご主人様の、すごいぃ……ンうううううっ!」
「なんだ、もう感じ始めててんのか? この淫乱が!」
「あううっ、そ、そうですっ……琴音は……琴音のオマンコは淫乱ですぅ……あっ、あううっ……救いようのないスケベマンコですぅ……あっ、ああっ、あひ……あン、ああぁン、あぁ〜ン!」
 私に罵られながら、琴音が、さらに声を甘くしていく。
 私は、腰を使い続けながら、左右の手で琴音の乳房を鷲掴みにした。
「ひああぁン!」
 琴音が、あからさまな嬌声を上げる。
 私は、プリプリとした弾力のある琴音の双乳を、乱暴に捏ね回した。
「んひっ、あひ、ひいいン! ああっ、いいです、気持ちいいですっ! はぁはぁ……オッパイ、オッパイ感じます……あん、あぁん、あぁ〜ん!」
 長い髪を振り乱しながら、琴音がかぶりを振る。
 私は、たわわな乳房の頂点で堅くしこっている乳首を、強く指で摘まんだ。
「ひいいいぃ〜ン!」
 背中を反らして悶える琴音の乳首を、私は、指先で扱くように刺激した。
 キチキチとエナメルのコスチュームが音をたて、白いフリルが可憐に揺れる。
「あううっ、んああっ、あひ、あひいぃン! オッパイが、オッパイがすごいですぅ! あん、あぁ〜ん! ち、乳首っ、し、痺れちゃいます……うああああぁ〜っ!」
 琴音の肉襞がさらに収縮し、すさまじい圧力が肉棒を扱きたてる。
「あぁん、あぁ〜ん、オマンコもすごいですぅ……痛いのに……まだ痛いのに、すっごく感じてますっ……! あっ、あああっ、こ、琴音は、初体験で感じるホンモノの淫乱女ですうっ! あうっ、ああああぁ〜っ!」
 琴音のしなやかな脚が、さらなる結合をねだるように、私の腰に絡みつく。
 私は、琴音に覆いかぶさり、その唇を貪った。
「んぶっ、んっ、むふン、んっふぅ〜ん……ちゅぶぶっ、ちゅぷぷぷ……チュッ、チュッ……はぁはぁ……あぁん、ご主人様、ご主人様ぁ〜! ちゅむっ、ちゅぶ、ちゅぶうっ……」
 琴音の柔らかな唇が私の唇を吸い、舌が私の舌に絡みつく。
 それは、愛情の表現ではなく、私の快楽に奉仕するための口付けだった。
「ちゅぶ、ちゅぶぶっ、ぷは……あぁ〜ん! ハァハァ……ああぁ、もっと、もっと楽しんでください……琴音の淫乱マンコを使って、いっぱい感じてくださいぃ……あぅン、あうぅ〜ン!」
 琴音が、その括約筋を駆使して、膨れ上がったシャフトを扱きたて、搾りあげる。
 激しい快楽に喘ぎながらも、琴音は、けして私に快感をもたらすことを忘れたりはしなかった。
 腰の奥から、熱い射精欲求が込み上げ、内側からペニスを圧迫する。
「あううっ……ご、ご主人様のおペニス、膨らんでぇ……お出しになるんですね……ハァハァ……せ、精液、おペニスから出すんですね……ンあああっ……」
 射精の予兆を敏感に察し、琴音が、期待に濡れた声を上げる。
「どうぞ、どうぞそのまま出してください! あっ、あうぅン……ご主人様のおタネ、琴音の子宮に注いでください……あっ、あぁんっ、うううン!」
「いいのか? 妊娠しちまうぞ」
 心配からではなく、琴音の覚悟を知るために、私は尋ねた。
「ハ、ハイ、構いませんっ! ご主人様が孕めと仰るなら……あっ、ああっ、琴音は、ご主人様の赤ちゃんを孕みますっ! ンあっ、あぁあン! 琴音は、琴音の子宮は、ご主人様のモノです! ご主人様のオモチャですうっ! あぁっ、ああぁ〜っ!」
 自らの言葉を証明するように、琴音の膣肉が激しく蠢動し、射精をねだる。
 私は、思わず琴音の体を抱きしめながら、その胎内に射精した。
「あっ! あああぁ〜っ! ザーメンっ! ご主人様のザーメンっ! ああぁっ! 素敵ぃ〜ッ!」
 白い喉を反らして叫びながら、琴音が私にしがみつき、全身を痙攣させる。
「ああああっ! イキます! イキますっ! イっ、イイっ! イク、イクうっ! ザーメンで、ザーメンでイっちゃいますうっ! イグ、イグ、イグうううううううううううううう!」
 ドビュッ! ドビュッ! ドビュッ! と繰り返し琴音の子宮目がけ、スペルマを迸らせる。
 視界が白く明滅するほどの快感に、私は、意識を失いかけた。
 絶頂におののく膣内にペニスを突き刺したまま、しばし、射精の余韻にひたる。
 そして、私は、ゆっくりと琴音の体から身を離した。
「ハァ、ハァ、ハァ……あぁん……こ、琴音を可愛がってくださって、ありがとうございましたぁ……あふぅ……」
 そう言いながら、ベッドの上でへたり込むようになっている私に、琴音がノロノロとにじりよる。
「はあぁ……琴音のオツユと血で、いっぱい汚れてます……申し訳ありません、すぐお清めいたしますから……」
 甘ったるい声でそう言いながら私の股間に顔を埋め、様々な体液にまみれたペニスを丁寧に舐め清めていく。
「んむ、ちゅむっ、ちゅる……レロレロレロ……んぷちゅっ、ちゅぶ、ちゅむむ……ちゅぶぶぶっ……」
 男の感じる場所を心得た的確な舌使いに、肉棒が、萎える間もなく勃起を回復させる。
 琴音は――この女は、もはや、麻薬の類いだ。
 他愛もなく再び鎌首をもたげた自らのペニスを眺めながら、私は、そんなふうに思う。
 もし、妻が――香織がいなかったら、私は、琴音という女に、このまま耽溺してしまったかもしれない。
 完全に調教された、完璧な奴隷――
 妻も――香織も――そのような存在に貶めたい――
 琴音は、そのための手本であり、そして道具だ。
 甲斐甲斐しく私の肉棒に奉仕し続ける琴音を見つめながら、私は、新たな妄念が自らの心を満たしていくのを感じていた……。
 



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