万能無敵
ミルク・エンジェル



あとがき
『蛇足! 作者独白』




 というわけで、『万能無敵/ミルク・エンジェル』全13話(第11話のみ前後編)をお届けいたしました!
 『予告編』発表当初から「なんじゃこりゃ」と思われた方、多かったと思います。「巽ヒロヲ、こいつ狂したか?」とか。
 って言うか、ぜひそう思ってほしかったです(笑)。
 もちろん、このお話全体に漂うオバカっぷりと言いますか、アホさ加減と言いますか、これ全て私の本性であります。
 そして、これは最終的には読者様が判断することだと思うのですが、できればこの『万能無敵/ミルク・エンジェル』を、私の代表作(の1つ)として見てもらいたい、という気持があるのです。
 と言いますのは、一番最初に発表した『Master-Slave』が、未だ自他ともに認める(?)私の代表作なわけで、それはそれで物凄く嬉しい事なんですが、「まだあの作品を超えるものを書けていないのか」という複雑な屈折と言いますか何と言いますかがあるわけなのです。
 そして、『Master-Slave』なんかで被ってしまった“ええかっこしい”の仮面を壊してしまいたい、という欲求もありました。
 というわけで、誰が何と言おうとSF! 展開はバリバリにヲタク! んでもって巨乳の●学生を陵辱調教! ついでにフタナリ! ついてこれないヤツはおいていく! というワガママな作品にしてしまったわけです。
 これまでこちらにいらして下さった読者様(特に女性)で、この作品を機会に見切りをつけられた方もいらっしゃるかもしれません。
 「それはそれでよし!」と、ちょっと涙目で強がらせてください。

 で、書き始めて意外だったのが「親子丼ってメチャ萌えじゃないの!」ってことでした。
 これまで、ひたすら「熟女はちょっと……」と言っていた私ですが、「子」の方の年齢を下げれば、きちんと守備範囲のおかーさんを書けるわけですね。
 で、書いてみたら、瑠実さんという、最初はサシミのツマ程度に考えていたキャラが、もう愛しくて愛しくてたまらなくなってしまったのです。
 下手をすると、主人公である美玖よりも愛しいくらいに。
 個人的には、『えくすちぇんじ!』の彩乃先輩大暴走以来の体験でした。
 食わず嫌いはいけませんよね。

 さて、この作品を語る上で、最も特筆すべき点は、数々の素晴らしくも有難い贈り物を頂いたコトです。
 ようてん様からオープニング・テーマの曲を。
 長月様からエンディング・テーマの曲を。
 そして、laf様から数々の設定画を。
 体裁をTVアニメのパロディにしよう、というのは、ちょっとした思い付きというか、遊び心だったのですが、それがきっかけでこんなにも素晴らしいモノをいただけてしまうとは!
 いずれも、私の漠然としたイメージをはるかに超え、物語世界に沿いつつも独自の世界を展開する素晴らしい作品であります。
 もはや、『万能無敵/ミルク・エンジェル』というのは、これらなくしてはありえないモノになっていると思います。
 冒頭で、「新しい代表作にしたいよー」とか小さなことを言っておりましたが、そんな私の思惑を超え、なんと「他の皆様とともに作った作品」ということになってしまいました。
 もともと、小説(に限らず創作物)というのは、読者様などの受け手ひとりひとりのものだとは思っていたのですが、それ以上の意味で、この『万能無敵/ミルク・エンジェル』は、私だけのものではなくなってしまったわけで。
 作中で、私の分身であるミヒローという男がわけのわからないことを言ったあげくに死ぬのも、その象徴  というのはウソで、ただ単に出たかったから出てきたのでした(笑)。
 とにかく、ありがとうございました!

 恒例のモトネタ晴らしについては、もうここでは語り尽くせないので、やめておきます。
 ただ、ちょっとした裏話を。
 実は、このお話、舞台は1980年くらいの地球、という設定なのです。
 だから、誰も携帯電話とか使ってないんです。
 んでもって、このお話を境に我々の世界から歴史が分離し、レニウスなんかが裏から手を回したおかげで、爆発的にテクノロジーが発達するのです。特に、アンドロイド工学において。
 そして、『ミミコちゃん血風録』とか『LLL』の世界につながっていく、ということになっています。ミミコの遠い祖先は、ココナだったというわけです。
 もし、重要な矛盾とかあったら、直ちに引っ込めちゃう設定ですが……(笑)。

 とまあ、今回はこの辺で失礼いたします。
 長々とお付き合いいただきまして、どうもありがとうございました〜♪
 ではでは!


BACK