どろろ
PS2/SEGA

※放送禁止用語やネタバレ含むので注意※

『俺を返せ!』

己が欲望のために、自らの赤子を魔人に捧げし一人の侍

哀れ赤子は48の部位を奪われ、川に流され捨てられる

とある医者が赤子を拾い

医者はその子の為に体を作り、刀を与えた

その子はお堂で不思議な声を聞く

『自らの体を取り戻すには魔人を全て倒すか・・・奪われた部位で作られた子供を殺せと』

そしてその子は旅に出る

己の体を取り戻す旅に

途中乞食の子供を拾う

その名はどろろ

そして今、二人の旅は始まったばかり・・・
 

故手塚治虫氏によって描かれた有名な漫画が現代にてゲームで甦った
 

結論から言えばこのゲームは非常に良作である

アクション要素が多少難しめであるが

逆にそれが最近のぬるいアクション傾向を引き締めて心地よい

敵を爽快に切り刻むスラッシュシステム

そしてどろろとの連携

さらに全ての部位を取り戻す前に終わってしまった原作

このゲームはその後の話しをも描いている

多少原作と違う部分もあるが、それは現代のうるさい規制やらくだらない法律に縛られた結果で責められることではないし

逆にそれも新鮮なのかもしれない

俺も、どろろという漫画は好きであり、この新どろろもとても楽しめた

しかし・・・

どんな良作ゲームの中でも

突っ込みどころというものは存在してしまうのさ・・・
 

原作では48の部位を奪われた百鬼丸

しかし、それ全てを描かれることなく

四肢や目や鼻などの目立つ感覚機能を中心に取り戻し

髪の毛や歯等はすでに取り戻していて、最終的には全て取り戻していないまま終わってしまった原作

しかし、ゲームでは違う

実際に48の部位を取り戻していくのである

そんなに奪う部位があるのかと

その48の部位も大雑把に分けて12項目

消化器系

筋肉系

骨格系

免疫系

呼吸器系

循環器系

口腔系

四肢

感覚器系

神経系

内分泌系

チャクラ系
 

・・・・・?
 

チャクラ系
 

・・・・・
 

そんな謎器官、人にあるかぁ!!
 

原作では父親の欲望のために魔人に捧げられた百鬼丸であるが

ゲームでは魔人が百鬼丸の存在を恐れたために父親を半洗脳して捧げさせたというのがストーリー

なぜ恐れたのかは、百鬼丸が唯一魔人を滅ぼしうる存在だからであると

百鬼丸の不思議な力に恐れたと

そりゃこんな謎器官を持って生まれた人間は怖いかもしれない

それに48の部位を奪われたとしても百鬼丸は普通に振舞っていた

さすが超人、便利だ超人
 

又、奪われた部位も香ばしい物ばかりである

この際チャクラ系は置いておいて、7部位も存在するが

まぁ、四肢、感覚器官系(目や耳、鼻等)。これはわかる

力を奪うものとしてはこれ以上の部位はないのだから

さらに言えば、序章をはじめるとモノクロ画面から始まる

第2の魔人を倒すと右目が取り戻され、画面がカラーになる

芸が細かい
 

神経系:海馬脳に置ける記憶中枢体。これを取り戻すことにより今まで倒した妖怪を記憶できる

百鬼丸、今までの妖怪全部覚えてなかったようです

さらに小脳と大脳新皮質も奪われ

頭の中、何もありません
 

骨格系:背骨・肋骨・骨盤・頭蓋骨

普段は人工骨を埋めてあるのだが、これを取り戻したとき今まで入ってた骨はどこに・・・
 

消化器系:食道:これ自体では何も役には立たないがほかの消化器系と合わせて効果を発揮する

食道がかわいそうである
 

奪った部位はおそらく魔人ごとに持っていたのだろうが

眼球や四肢ならまだ箔は付くだろう

チャクラ系も、まぁ謎部位だが大切なものらしい

しかし、最後のほうになにもなくなってしょうがないから奪ったような部位もある
 

血小板
 

いや・・・どうやって奪うの、それ?

その日から、その魔人は血小板魔人と呼ばれることであろう

南無

流石に生殖器を奪う魔人はいなかった

誰も流石にいやか
 

いくら百鬼丸が超人といえど、何もない状態で魔人には立ち向かえない

だから育ての親の医者は彼に人口の四肢や内蔵武器を与えたのである

原作では両腕、肘の先から外れ、肘から先が刀になっていた

それから、右足は劇薬が入っていて、膝から先をはずして魔人に劇薬を吹き付けるという武器もあった

ゲームではそれがどうなったのか

両腕の仕込み刀はそのままであるが・・・
 

右腕に機関銃が仕込まれ

挙句に右足は大筒(大砲)を仕込まれていた
 

あんた・・・それは手塚治虫の百鬼丸じゃなくて

石森章太郎の百鬼丸ですから!!

残念!!

ちなみに右足を取り戻すと右足の大筒は抱えて発射するバズーカになり

威力も、弾数も増えるが

元が右足のために、後ろから見ると足を抱えて発射!

切腹
 

又、部位が戻るたびに部位奪還ムービーがあり

重要な部位に関しては凝ったムービーが見られる

左足が戻ったとき、百鬼丸は左足付け根を苦しみながら押さえ

血管がまず空間に現れながら肉がそれを包み込むという

グロイわ!

その後、とある重要魔人を倒せば痛覚が戻り

・・・あれ?左足奪還のとき痛がってませんでしたか?

痛いふりをしていたのか

突然口を押さえて痛がったと思えば

歯がぼろぼろ落下

その様子はグレイトフルデッドを受けたような若者だった
 

魔人自体も本筋の魔人と隠し魔人とに分けられていて

48の魔人も作るのは大変だっただろうに

と・・・思えば

本筋魔人以外は本筋魔人の2Pカラーにしか見えないようなものばかり

1P2P

これで一応別魔人なのです、はい

しかも色も同じなら攻撃も一緒

九尾の狐が本筋魔人なら

三尾。六尾と部下狐魔人が

多彩だな、狐

43体目あたりで残る全ての魔人が合体

顔にスタンガンの付いた現代的な鵺(ヌエ)になる

徐々に考えるのに飽きてきたと見た
 

そしてこのゲーム最大の謎

どろろの強さである

どろろとは百鬼丸の腕に付いた刀に目付け百鬼丸と共に旅をした子供だが

じつはこのお子様・・・ものすごい強い

百鬼丸と共にいるときは命令次第で敵に攻撃したり、アイテムを回収したり、さらには怪しい場所をも見つけてくれたりする

と・・・言うか・・・

実際にはどろろのほうがものすごい旅に貢献してるという

序盤では百鬼丸が5回ぐらい刻まないと倒れない敵を、パンチ一発で屠る

とび蹴りで壁に吹き飛ばした敵を着地と同時に跳ね返ってきた敵に向かってパンチで拾う

ローキック

タックル

倒れた敵に向かって投石でフィニッシュ

一人格闘ゲームでも難しいような動きを見せつつ次々と妖怪を葬る様は圧巻

ちなみに投石ひとつにしても、百鬼丸の機関銃10発分ぐらいの威力があったりする

さらに、弾数は無限

話しが進めば閃光弾を投げたり、クナイ投げたり、毒針投げたり

挙句は百鬼丸の足大砲と同じぐらいの威力を持つ爆弾を投げ出す始末

説明書にはうまく指令を出して、サポートしてもらおうとあるが

そんなことはない

百鬼丸がサポートに回ってますから!

魔人は基本的に百鬼丸を狙うため、百鬼丸が魔人から逃げ回り、どろろに攻撃してもらう

これ基本

又、どろろは敵の弱点を見つけることもでき、その場に応じた的確なアドバイスもしてくれる

炎を使ってくる魔人がいて、炎除けの刀を装備したら

『あにきー、その刀じゃ苦戦しそうだよ!』

ない頭ひねって考えた案は2秒で却下されました

人が一生懸命戦って相手のHPを削ったのに、どろろの投石で止めを刺されると物悲しい

百鬼丸はよくピンチに陥り、そのつどどろろが助けに行く

挙句には魔人の一体をどろろのみで屠ることになる

ああ・・・そうか、主人公は題名の通りどろろなんだと、思わせてくれる

途中どろろが呪われた刀にのっとられて百鬼丸と戦う場面があるが・・・

ものごっつ強い

近くに寄れば気絶攻撃と全包囲攻撃、離れれば刀を投げてホーミングするブーメランのように襲われる

10体以上の魔人とそれまでに戦うが一度も倒れたことはなかった

アクションはそれなりに自信はあった・・・が

どろろには復活剤含めても3回ほど切り殺されました

ここで敵の強さを決める単位として、どろろを1とした1どろろなる単位が生まれた

正直48体の魔人全部と戦っても

1どろろこえる魔人は10体にも満たないと思われる
 

以下激しくネタバレ

じつはどろろが強いのには訳がある

どろろはじつは魔人たちが百鬼丸から奪った部位で戯れに作った子供ということである

そして48体目の魔人はどろろのなかにすみついており

最終章で体の中から追い出し、戦うことになる

流石に最終魔人だけ会って4箇所の部位を破壊しながら

最後に48スラッシュを決めてどろろを助け出すという

・・・およそ10秒弱に三つのボタンがランダムで表示されるものを48回も叩ける人がいたら

その人は神と呼ばれるだろう

どろろの成長した姿も見られるどろろのこれが完結と
 

最後に魔人たちの一番の過ちは

どろろさえ戯れで作らなければ百鬼丸に倒されることもなかったと!

・・・合掌

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